その32夏ー2008年文月
文月1週・・・永訣と邂逅
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君が代蘭跋扈 大きな白い蘭が 山荘のあちこちで 威風堂々と 花開き始めた。 ・ 咲いてみると余りの 立派さに思わず 見とれてしまう。 ・ 山荘の到る所で増殖し 取ってもとっても 生えてきて いつの間にか大きくなって ご覧の通り。 ・ 竜舌蘭科ユッカ属なら 山荘室内にも 観葉植物として数鉢ある。 かたや眼の敵にされ かたや観葉にされるとは 何たる矛盾。 |
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北アメリカ原産のユッカの花・君が代蘭は ユッカ蛾が居ないと受粉出来ない。 従ってユッカ蛾の生息しない日本では結実せず根のみで増殖。 ・ こんなに美しいのに君が代蘭は寒さに滅法強いエコ植物。 温室不要の冬の観葉植物として 山荘に飾らないという手は無い。 早速来週から計画に取り組み鉢植を開始しよう。 |
光の誕生 |
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7月6日(日)晴 奥庭 |
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凛として秋桜 黄色い光が 奥庭から石段を経て 西畑に流れた。 ・ 光を追って石段を 下ると一輪の秋桜が 凛としてひっそり 咲いていた。 ・ 例年西畑を覆い尽くす ような勢いで 咲き誇る秋桜も今年は そうはいかない。 ・ 秋桜に負けて 作物が育たないと困るので 今年は山荘主が 雑草と共に 徹底的に採り尽したのだ。 ・ でも咲いたんだね。 生命に輝く黄が 眩しいな。 |
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蝮より怖い鯉 鋭い攻撃的な動きに ぎょっとする。 ・ 数メートルもある 生きた巨大蛇アナコンダを 首に巻きつけた時の 恐怖が甦る。 ・ アンデスの氷山を登攀し アマゾンに船で入り 飼育してる巨大アナコンダを 訪れ大丈夫と言われ 恐々と触れた記憶。 ・ 僅か六十センチだが この蝮の気迫と文様の 美しさは 半端ではない。 ・ 猛毒を持っているので 失神させてから 写真を撮ろうと暫く 池に沈めておいたら 池の鯉が頭と尾を 食いちぎってしまった。 ・ 恐るべきは山荘の鯉。 |
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惑星記号 大きなメークインが ごろごろ。 ・ 例年猪や鹿が防猪ネットを 超えて畑に侵入し 収穫間際のじゃが芋を 食ってしまう。 ・ 今年は西畑全体を がっちりガードし、どうにか 収穫まで漕ぎ着けた。 ・ 収穫の歓びは 《ゆぴてる》に捧げようと Jupiterの惑星記号 を地上に描いた。 ・ 地球を除くと木星は 内側から4番目の惑星。 又天空で4番目に 明るい星でもある。 (太陽、月、金星、木星) |
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その4と最高神《ゆぴてる》の雷を図案化したのが この記号らしい。 ・ 更にゼウス(ゆぴてる)のZも含まれているとか。 4とZと雷はホルストの組曲惑星の4曲「木星・快楽をもたらす者」と どうリンクするのか? |
大収穫馬鈴薯 「そろそろ蛍が 飛び交う頃 山荘に行きたいな」 との連絡が 山荘会員からあったが 6月は梅雨。 ・ 雨では蛍は飛ばない。 直前の天気予報でしか 正確な蛍情報は 得られないので6月の 《蛍の宴》は無し。 ・ しかし今夜の予報は 雨無しで蛍が出そう。 急遽、えこちゃんに連絡。 「馬鈴薯の収穫と 蛍鑑賞にどうぞ!」 ・ 収穫後美味しいコロッケを どっさり作って さて蛍をと外を見ると 雨が・・・ |
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セブンとの永訣 いよいよ明日は セブンと逢える土曜日。 ・ きっとセブンは もう待ちきれなくて 山荘の金曜夜の灯りを 何度も見上げて 山荘主が帰って来たのを 知ってるんだ。 ・ 『ブルルルーン』と電話。 「あの深沢ですが セブンを山に連れてくと 山ダニが付くので もう連れて行かないで」 ・ ご無理をお願いして 深沢さんから セブンをお借りしていたので 哀しいけどもう セブンとは一緒に 走れません。 ・ でもユーロが来週から 新たな家族に なってくれそうです。 |
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新たな邂逅 土曜日の朝は 随分久しぶりに1人で 森と山を走りました。 ・ 何だかセブンが居ないと 寂しくて哀しくて とても耐えられないと マールと連絡を とりました。 ・ マールは山荘の庭を 造ってくれた造園業者が 飼っていた犬で ハスキーと柴犬の雑種犬。 ・ 業者の甥が引き取り 現在6匹の犬と 一緒にマールは 飼われている。 ・ 犬が多すぎてあまり 散歩させられなくて 犬達が可哀想とのこと。 ・ それなら週末だけ 山荘で一緒に暮らして 山と森を思う存分走れる。 やったー! |
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家族が増えます 庭の大きな犬小屋の 5匹の犬が 一斉に咆えたてて 山荘主を迎えてくれました。 ・ 先ずユーロと一緒に 散歩しながら いろいろお話しました。 ・ 「わたし、あまり 散歩しませんので 走るの慣れていませんが 外大好きなんです。 どうぞ宜しく」 ・ マールなんか嬉しくて もうじっとなんか してません。 黒いアイシャドウをした ような眼で 俊敏に走り回りました。 ・ アナンはおとなしく 控えめでとても 落ち着いています。 ・ さて来週末はどの犬と 暮らそうか? ドキドキするな。 愉しみだな! |
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文月2週・・・メタボゆーろの山荘Debut
ようこそ山荘へ! 本当はバイクに リードを結んでユーロを 走らせて山荘に 連れて来たかったんです。 ・ でも結んでみたら バイクの左右に犬が動くので リードが車輪に 巻き込まれる恐れあり。 ・ そこで車で移動する ことにしました。 でも車に乗らないので 侑生君とママが 先に乗ってユーロを車中に 導いてくれました。 ・ 山荘に着いたら なにやら興味津々で じっと庭に見入っています。 |
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7月11日(金)晴 山荘ゲート |
メタボゆーろ あれっ! 全然走らない。 山荘主が走ろうとすると もたもたしてるので 踏んずけてしまいそう。 ・ 確かに背中、お腹 お尻共に脂肪が付いて とても重そう。 これではとても 山登りなんか無理かな。 ・ 山麓の森まで 来るとユーロの全身に 緊張の糸がピーンと走る。 ・ それまで山荘主の後ろか 横にいたユーロが 前に出て全身をセンサーにし 耳をピンと立て 森を登り始める。 |
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7月12日(土)晴 小倉山 |
ゆーろ森好き? 眠っていた ユーロの野生の本能が 目覚めたんだ。 ・ そういえば山荘の森での 最初の夕暮。 それまで一声も発しなかった ユーロが狼のような 遠吠えを2回したのだ。 ・ 芝生の中央に座り 森に向かって 低く長くホルンのように 吠えたのだ。 『還ってきたぞ!』 ・ そう云えばユーロは 狩猟民の ブリタニースパニエルの血を 引いているんだって! ママが心配して さっきBBCにユーロのこと 色々書いてきたよ。 教えてあげようか? |
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白素麺茸 やっと走り出したけど まだまだユーロの 走りは 格好よくはないのだ。 ・ 前脚を揃えて 後脚で大きく蹴って スライドし 一気に飛ぶような優雅な 走りを思い出すには 未だ未だ時間が必要。 ・ でも急登の丸太段差も 声を荒げながら ジャンプ。 ・ その段差に白素麺茸が にょきにょき。 「ほらユーロ見てご覧 白素麺だ。 美味しそうだね」 |
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7月12日(土)晴 小倉山 |
雌クワガタ 「あれっ!新顔だな。 なんだかゼイゼイ よたよたと 情け無い走りだけど 大丈夫かな?」 ・ 心配顔で木の葉の上から 見ているのは 雌のクワガタです。 ・ 「まあ、まあもう少し 待ってください。 ユーロは今やっと自分が昔 野生の狼だった事を 血の中に見つけたばかり なんですから」 ・ 「この森にあと数十回も 通う頃には きっとユーロはもっと 逞しくなってますよ」 |
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7月12日(土)晴 小倉山 |
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夜鷹襲来 ああ、かぶとむしや たくさんの羽虫が 毎晩僕に殺される。 ・ そしてそのただ一つの僕が こんどは鷹に殺される。 それがこんなにつらいのだ。 ・ ああ、つらい、つらい。 僕はもう虫をたべないで 餓えて死のう。 いやその前にもう鷹が 僕を殺すだろう。 ・ いや、その前に 僕は遠くの遠くの空の 向うに行ってしまおう。 (宮沢賢治「よだかの星」より) ・ 夜になると山荘は キチキチと夜鷹の 鋭い鳴き声に満たされる。 ユーロは夜鷹の声と 共に一夜を過ごし 狼の夢をみたのだろうか? |
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胴は何処? 黒光りした見事な 大クワガタ虫の頭部が 山荘の芝生に ゴロリ。 ・ 胴は夜鷹に 食いちぎられてしまった のだろうか? 「見てご覧、ユーロ 昨夜鳴いていた夜鷹が 食べ残したクワガタだ」 ・ ユーロはクワガタなんか 見向きもせず 芝生の上を嬉々として 前庭の石卓に 向かいます。 ・ 石卓から好い匂いが しているのです。 |
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7月12日(土)晴 奥庭 |
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私にも呑ませて! 「なんだ、なんだ 美味そう 私にも呑ませて」 ・ 「駄目だよユーロ これはねワインと言って とても美味しくて 不思議な飲み物なんだけど 侑生君のママのお手紙に 与えてはダメと 書いてあるんだ。 ・ 《犬に与えては いけない食べ物》 アルコール そこにはこう書いてあるよ。 ・ 『中毒を引き起こし 呼吸困難など 場合によっては死に至る 可能性もあります』 ・ ワインはアルコール なんだよ。 代わりにユーロの大好きな ビーフジャーキーを あげよう。 |
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ゆーろハウス着工 さてユーロのおうち 何処に造ろうか? 土があった方が歓ぶと ママが言ってたから 果樹畑がいいかな? ・ そうだ、陶芸の作品棚を 改良して大きな 犬小屋にしよう。 林檎の木の間に長い リードを張れば 自由に庭を動けるし。 ・ 山荘のキッチンからも 二階の窓からも いつでも見えるように 右の壁と手前の入り口は 大きく開けよう。 ・ 何だか陶器と一緒に 並んでいると 山荘主の作品みたいだな。 |
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7月12日(土)晴 果樹畑 |
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最早完成・どう? そうか、余りにも オープン過ぎてこれじゃ 安眠出来ないかな? ・ それに鉄柱に リードが絡んでユーロは 動けなくなっちゃうんだ。 それじゃニ方向に パネルを張って、どう? ・ 何だか公園で見かける ホームレスの 手作りハウスみたいだな。 ・ 「ログハウスを自分で 造ったとか・・・ これじゃ 小学生の工作より 酷いんじゃない」 ・ とユーロは言ってたけど 本当は 気に入ったらしく 結構ご満悦。 |
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悠絽との語らい ユーロでは殺風景だから 悠絽にしようか? ・ 遥かに遠い宇宙空間に 薄絹の透目織りした 絽が音も無く舞う。 ・ 悠絽はこの光の森の イマージュでも 在るんだ。 ・ 深い森に満ち溢れる光。 朝の光を浴びて 次々に 目覚める無数の生命。 ・ 限りなく虚無に近い 広大無辺の宇宙空間の 一部で在りながら この森には確かに悠絽が 舞っているんだ。 ・ 生命の舞が 見えるかい悠絽。 あの華麗な舞の中に 悠絽は居るんだよ。 |
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食われたぞ! すっかり食べられて 裸になってしまったね。 ・ 先週までは檜が 皮を剥がれて鹿に 食べられていたけど これは檜ではないし 鹿の大好きな令法(りょうぶ) でもないし。 ・ 青みがかった桐の ような幹で ミズキに似ている。 葉は卵形で葉脈が 上部で中心に集まって・・・ ・ よく見かける木なので 図鑑で調べれば 直ぐ判ると思ったけど 判らないな。 ・ 熊の好む裏白樅でも ないし、悠絽は 見たことあるかい? |
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機関車やえもん この顔見てやって! 情けなく目を閉じて 肩でゼイゼイ荒い息を 機関車みたいに吐いて。 ・ 機関車やえもんだって 呆れてるぜ。 ・ 鉄塔山山頂直下は 確かに急斜面で そりゃ苦しいけど 泣きそうになる程では ないぜ! ・ それに急な岩場は巻いて 悠絽にも登れる 安全ルートを 選んで来たんだし。 ・ 若しかすると悠絽にとっては 生まれて初めての 全力登山だったのかな? ・ 悠絽は未だ4歳で 人間の20歳位だから やえもんと違って バリバリ現役だろ。 やえもんに負けるなよ。 |
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狐発見全力疾走 小倉山、鉄塔山と続けて 2つの山を登って すっかり 自信を付けた悠絽。 ・ 3つ目は山荘裏の扇山。 山荘に近い山なので 真っ先に登らせたい山。 だがこの山を実は 山荘主は避けていた。 ・ 山には野生動物の 里への侵入を防ぐ為 金網フェンスが 張り巡らされている。 で、山荘近くには 山への入り口が無いのだ。 ・ フェンスを越えるには メタボ悠絽を 抱き上げるしかない。 2度3度試したが 重くて大変! ・ でも苦労した甲斐あり。 3度目の山で悠絽は 見違えるような 俊敏な動きで狐を発見し 全力疾走したのだ。 |
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小さな平家蛍 奥庭に出た瞬間 離れていても悠絽は 必ず犬小屋から 出て来る。 ・ 「今度は何処へ行くの?」と しっかり目を見て 問いかける。 「もう夜だから山には 行かないんだよ」 「私、夜でもいいんだけど」 ・ そうかそれじゃ 山荘下の里まで降りて 蛍でも見に行こうか? ・ その意味を理解した途端 悠絽はもう ぶっとんで雲の上を 歩いているような夢見心地。 ・ 軽い下りのジョックで 里まで降りると 期待に違(たが)わず 蛍が闇に舞う。 ・ 川沿いの源氏はもう 終わりで 田んぼの疎水に 平家蛍が直線的な弱い 光の軌跡を描く。 ・ 冷気に当てて眠らせ 覚めぬ間にパチリ。 源氏の半分程しかない のでピンの合った写真が 中々撮れない。 ・ 胸部の赤色部分に 黒十字が無いので 源氏と平家との違いは 一目瞭然。 ・ 悠絽にとって初めての蛍。 悠絽には 幻想的な光がどんな風に 見えたのだろうか? |
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源氏と平家の違い | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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旨し枇杷 摘果もせず 成り放題になってしまい 今年は美味しい枇杷は 期待できないな。 ・ と諦めていたが 食べてみて吃驚! なんとも上品な甘さで うっとり! ・ 前庭の石卓に載せられた いつもの ヨーグルトフルーツは 干し柿のワイン漬、林檎 バナナ、キウイ それと先程摘んだ野生苺。 ・ これに採りたて枇杷を 加えると究極の贅。 ワインとのアンサンブルが 最高なのです。 |
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7月13日(日)晴 前庭 |
紫式部開花 枇杷の先で 何やら小さな小さな 白紫の光がチラチラ。 ・ あれ、確かこの辺りには そうそう紫式部が あったんだ。 こんな小さな可憐な花 だったのか! 忘れていたな。 ・ 小さいと言えば 山椒が実を付けていたので 先週えこちゃんが 何やら小さなピクルスを 作っていたけど 不思議な味だったな。 ・ 紫式部の実で作ったら どうなるんだろ? 今度やってみようか? |
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紫式部:小紫(コムラサキ)が正しい | 7月13日(日)晴 前庭 |
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受難の紫陽花 玄関横の紫陽花が 随分増えて 山荘の初夏の季語として 定着したのに 今年は大きなダメージ。 ・ 山荘の外壁を 塗り替える為、足場を 組んだので 紫陽花花壇が 狭くなってしまったのだ。 ・ 玄関横を作業台車が 通ったり バイクが行き来したりで すっかり枝が折られ 花芽も頻繁な接触で 落ちてしまい 花数は激減した。 ・ 生き残った紫陽花も 精彩無し。 綺麗な紫陽花を悠絽に 見せてあげたかったな。 |
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文月3週・・・山荘に適応する悠絽
さあ!訓練開始 僅か4km程しかない 距離を車で 移動するなんて 犬の名誉を大いに 傷つける。 ・ そりゃ確かに山荘は 山の上だから 飼主の幸子さんの家から 山荘へと走るのは ちょっときついかな。 ・ でも山荘から幸子さんの 家までは下りのみ。 いくらメタボの悠絽でも 走れない距離では ないはずだ。 ・ 特に先週から 山を走り回っている悠絽に とってラクチンの筈。 と勝手に山荘主は判断し 訓練開始。 ・ 先ずバイクの左側を キープし悠絽が 常に歩道側に位置し 安全を確保出来るように訓練。 ・ 次に悠絽が遅れた場合 自動的にブレーキが 掛るようブレーキレバーに リードを二重に巻く。 ・ 3番目が最も難しい。 これは散歩ではない。 山登りでもない。 伴走だから途中で 他の動物の臭いや気配に 気を散らして 立ち止まってはいけない。 ・ 果たしてこんな難しい事 教えられるだろうか? |
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7月22日(火)晴 前庭 |
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合格! ナイスランニング 左側走行は 最初の訓練で直ぐマスター。 決して右側に 廻ろうとしない。 ・ ブレーキは予想外に 効果抜群。 悠絽が少しでも遅れると 自動的に制動され 悠絽に負担が 全然掛らないのだ。 ・ 問題は3番目である。 最初の訓練では いつもの散歩のつもりで あっちへふらふら こっちをきょろきょろと 落ち着かない。 ・ だが2回目の 長距離訓練でどうやら 悠絽は悟ったようである。 『これはどうも 走り続けねばならぬらしい』 ・ そして本番では 見事幸子さんの家まで 一気に駆け下った のである。 |
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笠井彦乃 宵待草の夏 山荘ゲート前の 宵待草(大待宵草)が次々に 花開き 花弁に露を滴らせ 夏の到来をひっそり告げる。 ・ 宵待草と言えば 竹久夢二。 毎日新聞の映画社が 夢二と彦乃のDVDを制作。 先日貰ったけど 未だ見てない。 そうだ今夜見てみよう。 ・ 笠井彦乃は夢二の 《永遠の女》と 言われている夢二の恋人。 で、その彦乃は 山荘主の義母の姉なのだ。 ・ うーん 中々のDVDだな。 それにしても23歳の 若さであれだけの作品を 残し死んでしまう なんてモッタイナイな。 |
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合歓木 夏休みを告げる花 山荘の東の窓から 木立を見下ろすと梢に ピンクの冠が沢山集って 《夏だよ》と囁く。 ・ 北の出窓からは 森の天辺で風に揺れる 合歓木が 静かに告げる。 《夏休みがきたよ》 ・ さあ、これからの 40日間は学校の束縛から 逃れて自由になって ヒマラヤだって アンデスだって珊瑚海だって 何処にでも行けるんだ。 ・ リタイアしてもう自由に なったのに 7月20日前後になると 宵待草や合歓が 山荘主に必ず夏休みを 告げるのは何故? |
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くんくん! 茄子、胡瓜、モロッコ レタス、茶枝豆と 採れたので沢山の料理を 作ってビアを冷やして ディナー準備完了。 ・ 悠絽にもビーフを混ぜた 夕食を用意し テラスで一緒に食事。 ・ 悠絽とはいつも一緒。 車の洗浄時には ゲートに悠絽を繋ぎ 畑仕事では畑に同行し 朝食は前庭の石卓で 共に食べる。 ・ さて、それでは悠絽 先ず乾杯といこう。 |
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7月22日(火)晴 テラス |
どうして 私だけドッグフードなの? ところが悠絽 ドッグフードなんか 見向きもせずテーブルに 足を掛け お皿の料理をチェック。 ・ 「美味そうね 私だけどうして ドッグフードなの?」 ・ 解ったよそれじゃ しゃぶしゃぶ用の肉を さっと湯通しして 細かく刻んでドッグフードに 混ぜてやるから 一緒に食べるんだよ。 ・ あれっ! ドッグフードだけ 残しちゃ駄目じゃないか。 |
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7月22日(火)晴 テラス |
双子メロンだ! メロンが次々と実を 着けて仄かな 香りを振り撒き始めた。 ・ 試しにやや黄色くなった メロンを収穫して 朝のヨーグルトフルーツに 加え食べてみた。 ・ 未だ甘み不足だが 充分食べられる。 モルジブDVから戻る 8月には食べ頃か? それとも遅すぎるか? ・ メロンは双子まで出来たが 西瓜は 1つ結実したのみ。 それも唐黍の陰になって 大きくなりそうもない。 残念! |
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7月22日(火)晴 西畑 |
ビア友・茶枝豆 ここ数年失敗を 繰り返し食べられなかった 茶枝豆の収穫が 近づいた。 ・ 食べ頃は来週からだが 来週は山荘に 来られないので試し収穫。 ・ 市販の物と両方茹でて 食べ較べてみた。 香り、甘みが同じ茶枝豆と 思えぬ程に 山荘枝豆は美味しい。 ・ 採りたての美味しさに 完熟前の甘みが 加わり最高の茶枝豆。 ・ モルジブから戻るまで 完熟しないで 待っててくれるかな? |
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7月22日(火)晴 西畑 |
卵茸にょきり 雨が例年の半分以下で 森の茸も あまり姿を見せない。 ・ 卵茸なんかこの時期は 森のあちこちで 見られるのに今年は さっぱり見かけない。 ・ 先週、関東甲信越でも 遅きに失した 梅雨明け宣言がなされ 最早茸の出る幕は無い。 ・ そんな状況での 色鮮やかな卵茸に 悠絽も吃驚。 そうか悠絽はこんなの きっと見たことないんだ。 |
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7月21日(月)晴 東の森 |
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でかいぞ!これ 傘の直径が20cm以上 もある大きな茸。 悠絽見てご覧! 大きいだろ。 ・ 第一検索:椎茸型 第二検索:傘の裏側襞状 第三検索:襞の色は淡色 第四検索:地上発生大型 ・ ここまで調べてやっと 大型茸の固有名に 達したけど大銀杏茸では ないし大皺唐傘茸でもないし 大樅茸でもない。 ・ 悠絽、パンみたいで 美味しそうだけど かじっちゃ駄目だよ。 400種もの画像のどれにも 載ってないんだ。 このでかい奴 猛毒かも知れないからね。 |
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地蜂の狩人現る 森の中を走る見慣れぬ 松本ナンバーの車。 車から出てきたのは何と 『地蜂の狩人』 ・ 「この烏賊や海老の 生肉どうするの?」 『こいつをね森の木に 吊るして地蜂が 来るのを待つんだ』 ・ その地蜂に白いマーク として綿毛を付け 蜂を追跡して地中の 巣を見つけ掘り出すのだ。 ・ それを持ち帰り育てて 蜂の子を取り出し 食用として出荷するとか。 ・ そういえば長野の特産に 蜂の子があるが 山梨まで来て地蜂を 狩っているとは驚き! ・ この生肉 食べちゃ駄目だよ悠絽。 生肉は食べさせないでと 幸子さんが言ってたよ。 |
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妖艶山百合 何だか頭がくらくらするね。 匂いに敏感な悠絽には どんな匂いとして インプットされているのかな? ・ 強烈な脂粉の香りは 例えば祇園の遊里。 小さな下町の 『バーおたんこなす』の女。 ・ 強烈過ぎて遊女を 連想してしまうけど実は 花弁にまで針状の 武器を備え 容易に男を寄せ付けぬ 高貴なお方。 ・ するりと延びた白い雌蕊 に追いすがる5本の 紅色雄蕊が 闇の中で足掻く。 ・ えっ悠絽何処へ行くんだ? 全く興味無いって! |
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野 萱 草 ノカンゾウ 藪の中にやたらと生えて あまり見向きされない 不遇な百合。 名前も藪萱草とか 野萱草とか 命名に美の片鱗も無し。 ・ 多分3年にわたる当HPにも 画像は記録されてない。 だがこの花弁を 見た瞬間に夏休みを キャンプで過ごした野反湖が 不意に甦った。 ・ 湖岸を覆い尽くす 見事な野萱草のオレンジが 40数年の時を超えて 胸に迫る。 ・ 消えてしまった時を 夏休みのオープニングに 届けてくれた野萱草を 山荘日記に加えよう。 |
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すわ!大脱走か これ何してるか お解りですよね。 そう,後足で首の辺りを 掻いているんです。 ・ この行為がリードと首輪の ロックを外してしまう なんて考えても みなかったので驚いたね。 ・ 悠絽が自由に動けるよう 奥庭には長い リードが張ってある。 でも奥庭の一部は 自由に動けるが前庭には 来られない。 ・ その筈なのに奥庭から 前庭に出たら 悠絽が平然と着いて来る。 あれ変だな? ・ 何と、悠絽はリード無しで 自由に山荘の庭を 動き回っているではないか。 でも山荘で自由になった 悠絽は最早自由を 必要としないのか何処にも 行かず。 ・ 幸子さんの話では 悠絽は高い塀をジャンプして 脱走し10日間も 行方知れずになったとか。 |
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涼風呼ぶ ノウゼンカズラ 凌霄花 悠絽は前庭も お気に入りで沙羅の 木陰にベッド用の穴を掘って 丸くなって 実に気持ち良さそうに眠る。 ・ 寝顔があまりにも あどけなく可愛いので 写真を撮ろうとすると 気配を感じて撮影拒否。 ・ カメラを向けると 銃狙撃の瞬間を連想し 本能的にカメラの眼を 避けようとするのだろう。 ・ 悠絽の逸らした視線を 追うと咲き出した 凌霄花のバーミリオン。 涼しそうだね悠絽。 |
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7月21日(月)晴 前庭 |
週末からインド洋のモルジブまで、ちょっと出張です。
スリランカのコロンボからモルジブのマーレへ飛び
そこからアイランドサファリ2号に乗り換えてクルージングを開始。
マーレ環礁、アリ環礁、ラスドゥ環礁で甚平鮫を追ってDVの予定です。