山荘日記

その32夏ー2008年文月

 


文月1週・・・永訣と邂逅





7月6日(日)晴 中畑から
君が代蘭跋扈

大きな白い蘭
山荘のあちこちで
威風堂々と
花開き始めた。

咲いてみると余りの
立派さに思わず
見とれてしまう。

山荘の到る所で増殖し
取ってもとっても
生えてきて
いつの間にか大きくなって
ご覧の通り。

竜舌蘭科ユッカ属なら
山荘室内にも
観葉植物として数鉢ある。
かたや眼の敵にされ
かたや観葉にされるとは
何たる矛盾。

北アメリカ原産のユッカの花・君が代蘭は
ユッカ蛾が居ないと受粉出来ない。
従ってユッカ蛾の生息しない日本では結実せず根のみで増殖。

こんなに美しいのに君が代蘭は寒さに滅法強いエコ植物。
温室不要の冬の観葉植物として
山荘に飾らないという手は無い。
早速来週から計画に取り組み鉢植を開始しよう。



光の誕生

青々とした芝生の縁で
緋の百合に混じって
一輪鮮やかな
黄色の百合が灯った。

先週刈ったばかりの芝に
映えて蛍のような
光彩を発する百合。

光が花弁そのものから
生み出され
森羅万象を染めていく。
生命の神秘に
言葉も無く立ち竦む。

この一瞬に
回り逢うためだけに
生きてきたんだと
ふと想う。

7月6日(日)晴 奥庭





7月6日(日)晴 西畑
凛として秋桜

黄色い光が
奥庭から石段を経て
西畑に流れた。

光を追って石段を
下ると一輪の秋桜が
凛としてひっそり
咲いていた。

例年西畑を覆い尽くす
ような勢いで
咲き誇る秋桜も今年は
そうはいかない。

秋桜に負けて
作物が育たないと困るので
今年は山荘主が
雑草と共に
徹底的に採り尽したのだ。

でも咲いたんだね。
生命に輝く黄が
眩しいな。



蝮より怖い鯉

鋭い攻撃的な動きに
ぎょっとする。

数メートルもある
生きた巨大蛇アナコンダを
首に巻きつけた時の
恐怖が甦る。

アンデスの氷山を登攀し
アマゾンに船で入り
飼育してる巨大アナコンダを
訪れ大丈夫と言われ
恐々と触れた記憶。

僅か六十センチだが
この蝮の気迫と文様の
美しさは
半端ではない。

猛毒を持っているので
失神させてから
写真を撮ろうと暫く
池に沈めておいたら
池の鯉が頭と尾を
食いちぎってしまった。

恐るべきは山荘の鯉。


7月6日(日)晴 前庭





7月7日(月)雨 奥庭
惑星記号

大きなメークインが
ごろごろ。

例年猪や鹿が防猪ネットを
超えて畑に侵入し
収穫間際のじゃが芋を
食ってしまう。

今年は西畑全体を
がっちりガードし、どうにか
収穫まで漕ぎ着けた。

収穫の歓びは
《ゆぴてる》に捧げようと
Jupiterの惑星記号
を地上に描いた。

地球を除くと木星は
内側から4番目の惑星。
又天空で4番目に
明るい星でもある。
(太陽、月、金星、木星)
その4と最高神《ゆぴてる》の雷を図案化したのが
この記号らしい。

更にゼウス(ゆぴてる)のZも含まれているとか。
4とZと雷はホルストの組曲惑星の4曲「木星・快楽をもたらす者」と
どうリンクするのか?



大収穫馬鈴薯

「そろそろ蛍が
飛び交う頃
山荘に行きたいな」
との連絡が
山荘会員からあったが
6月は梅雨。

雨では蛍は飛ばない。
直前の天気予報でしか
正確な蛍情報は
得られないので6月の
《蛍の宴》は無し。

しかし今夜の予報は
雨無しで蛍が出そう。
急遽、えこちゃんに連絡。
馬鈴薯の収穫
蛍鑑賞にどうぞ!」

収穫後美味しいコロッケを
どっさり作って
さて蛍をと外を見ると
雨が・・・


7月6日(日)晴後雨 奥庭





7月7日(月)雨 ユーロの家
セブンとの永訣

いよいよ明日は
セブンと逢える土曜日。

きっとセブンは
もう待ちきれなくて
山荘の金曜夜の灯りを
何度も見上げて
山荘主が帰って来たのを
知ってるんだ。

『ブルルルーン』と電話。
「あの深沢ですが
セブンを山に連れてくと
山ダニが付くので
もう連れて行かないで」

ご無理をお願いして
深沢さんから
セブンをお借りしていたので
哀しいけどもう
セブンとは一緒に
走れません。

でもユーロが来週から
新たな家族に
なってくれそうです。



新たな邂逅

土曜日の朝は
随分久しぶりに1人で
森と山を走りました。

何だかセブンが居ないと
寂しくて哀しくて
とても耐えられないと
マールと連絡を
とりました。

マールは山荘の庭を
造ってくれた造園業者が
飼っていた犬で
ハスキーと柴犬の雑種犬。

業者の甥が引き取り
現在6匹の犬と
一緒にマールは
飼われている。

犬が多すぎてあまり
散歩させられなくて
犬達が可哀想とのこと。

それなら週末だけ
山荘で一緒に暮らして
山と森を思う存分走れる。
やったー!


7月7日(月)雨 マールの家





7月7日(月)雨 アナンの家
家族が増えます

庭の大きな犬小屋の
5匹の犬が
一斉に咆えたてて
山荘主を迎えてくれました。

先ずユーロと一緒に
散歩しながら
いろいろお話しました。

「わたし、あまり
散歩しませんので
走るの慣れていませんが
外大好きなんです。
どうぞ宜しく」

マールなんか嬉しくて
もうじっとなんか
してません。
黒いアイシャドウをした
ような眼で
俊敏に走り回りました。

アナンはおとなしく
控えめでとても
落ち着いています。

さて来週末はどの犬と
暮らそうか?
ドキドキするな。
愉しみだな!



文月2週・・メタボゆーろの山荘Debut




ようこそ山荘へ!

本当はバイクに
リードを結んでユーロを
走らせて山荘に
連れて来たかったんです。

でも結んでみたら
バイクの左右に犬が動くので
リードが車輪に
巻き込まれる恐れあり。

そこで車で移動する
ことにしました。
でも車に乗らないので
侑生君とママが
先に乗ってユーロを車中に
導いてくれました。

山荘に着いたら
なにやら興味津々で
じっと庭に見入っています。
7月11日(金)晴 山荘ゲート



メタボゆーろ

あれっ!
全然走らない。
山荘主が走ろうとすると
もたもたしてるので
踏んずけてしまいそう。

確かに背中、お腹
お尻共に脂肪が付いて
とても重そう。
これではとても
山登りなんか無理かな。

山麓の森まで
来るとユーロの全身に
緊張の糸がピーンと走る。

それまで山荘主の後ろか
横にいたユーロが
前に出て全身をセンサーにし
耳をピンと立て
森を登り始める。
7月12日(土)晴 小倉山



ゆーろ森好き?

眠っていた
ユーロの野生の本能が
目覚めたんだ。

そういえば山荘の森での
最初の夕暮。
それまで一声も発しなかった
ユーロが狼のような
遠吠えを2回したのだ。

芝生の中央に座り
森に向かって
低く長くホルンのように
吠えたのだ。
『還ってきたぞ!』

そう云えばユーロは
狩猟民の
ブリタニースパニエルの血を
引いているんだって!
ママが心配して
さっきBBCにユーロのこと
色々書いてきたよ。
教えてあげようか?


7月12日(土)晴 小倉山



白素麺茸

やっと走り出したけど
まだまだユーロの
走りは
格好よくはないのだ。

前脚を揃えて
後脚で大きく蹴って
スライドし
一気に飛ぶような優雅な
走りを思い出すには
未だ未だ時間が必要。

でも急登の丸太段差も
声を荒げながら
ジャンプ。

その段差に白素麺茸
にょきにょき。
「ほらユーロ見てご覧
白素麺だ。
美味しそうだね」
7月12日(土)晴 小倉山



雌クワガタ

「あれっ!新顔だな。
なんだかゼイゼイ
よたよたと
情け無い走りだけど
大丈夫かな?」

心配顔で木の葉の上から
見ているのは
雌のクワガタです。

「まあ、まあもう少し
待ってください。
ユーロは今やっと自分が昔
野生の狼だった事を
血の中に見つけたばかり
なんですから」

「この森にあと数十回も
通う頃には
きっとユーロはもっと
逞しくなってますよ」
7月12日(土)晴 小倉山





7月12日(土)晴 東森小径
夜鷹襲来

ああ、かぶとむし
たくさんの羽虫が
毎晩僕に殺される。

そしてそのただ一つの僕が
こんどは鷹に殺される。
それがこんなにつらいのだ。

ああ、つらい、つらい。
僕はもう虫をたべないで
餓えて死のう。
いやその前にもう鷹が
僕を殺すだろう。

いや、その前に
僕は遠くの遠くの空の
向うに行ってしまおう

(宮沢賢治「よだかの星」より)

夜になると山荘は
キチキチと夜鷹の
鋭い鳴き声に満たされる。
ユーロは夜鷹の声と
共に一夜を過ごし
狼の夢をみたのだろうか?



胴は何処?

黒光りした見事な
大クワガタ虫の頭部が
山荘の芝生に
ゴロリ。

胴は夜鷹に
食いちぎられてしまった
のだろうか?
「見てご覧、ユーロ
昨夜鳴いていた夜鷹が
食べ残したクワガタだ」

ユーロはクワガタなんか
見向きもせず
芝生の上を嬉々として
前庭の石卓に
向かいます。

石卓から好い匂いが
しているのです。
7月12日(土)晴 奥庭





7月12日(土)晴 前庭石卓
私にも呑ませて!

「なんだ、なんだ
美味そう
私にも呑ませて」

「駄目だよユーロ
これはねワインと言って
とても美味しくて
不思議な飲み物なんだけど
侑生君のママのお手紙に
与えてはダメと
書いてあるんだ。

《犬に与えては
いけない食べ物》
アルコール
そこにはこう書いてあるよ。

『中毒を引き起こし
呼吸困難など
場合によっては死に至る
可能性もあります』

ワインはアルコール
なんだよ。
代わりにユーロの大好きな
ビーフジャーキーを
あげよう。



ゆーろハウス着工

さてユーロのおうち
何処に造ろうか?
土があった方が歓ぶと
ママが言ってたから
果樹畑がいいかな?

そうだ、陶芸の作品棚を
改良して大きな
犬小屋にしよう。
林檎の木の間に長い
リードを張れば
自由に庭を動けるし。

山荘のキッチンからも
二階の窓からも
いつでも見えるように
右の壁と手前の入り口は
大きく開けよう。

何だか陶器と一緒に
並んでいると
山荘主の作品みたいだな。
7月12日(土)晴 果樹畑





7月13日(日)晴 果樹畑
最早完成・どう?

そうか、余りにも
オープン過ぎてこれじゃ
安眠出来ないかな?

それに鉄柱に
リードが絡んでユーロは
動けなくなっちゃうんだ。
それじゃニ方向に
パネルを張って、どう?

何だか公園で見かける
ホームレスの
手作りハウスみたいだな。

ログハウスを自分で
造ったとか・・・
これじゃ
小学生の工作より
酷いんじゃない」

とユーロは言ってたけど
本当は
気に入ったらしく
結構ご満悦。



悠絽との語らい

ユーロでは殺風景だから
悠絽にしようか?

遥かに遠い宇宙空間に
薄絹の透目織りした
が音も無く舞う。

悠絽はこの光の森の
イマージュでも
在るんだ。

深い森に満ち溢れる光。
朝の光を浴びて
次々に
目覚める無数の生命。

限りなく虚無に近い
広大無辺の宇宙空間の
一部で在りながら
この森には確かに悠絽が
舞っているんだ。

生命の舞が
見えるかい悠絽。
あの華麗な舞の中に
悠絽は居るんだよ。


7月13日(日)晴 東の森





7月13日(日)晴 東の森
食われたぞ!

すっかり食べられて
裸になってしまったね。

先週までは檜が
皮を剥がれて鹿に
食べられていたけど
これは檜ではないし
鹿の大好きな令法(りょうぶ)
でもないし。

青みがかった桐の
ような幹で
ミズキに似ている。
葉は卵形で葉脈が
上部で中心に集まって・・・

よく見かける木なので
図鑑で調べれば
直ぐ判ると思ったけど
判らないな。

熊の好む裏白樅でも
ないし、悠絽は
見たことあるかい?



機関車やえもん

この顔見てやって!
情けなく目を閉じて
肩でゼイゼイ荒い息を
機関車みたいに吐いて。

機関車やえもんだって
呆れてるぜ。

鉄塔山山頂直下
確かに急斜面で
そりゃ苦しいけど
泣きそうになる程では
ないぜ!

それに急な岩場は巻いて
悠絽にも登れる
安全ルートを
選んで来たんだし。

若しかすると悠絽にとっては
生まれて初めての
全力登山だったのかな?

悠絽は未だ4歳で
人間の20歳位だから
やえもんと違って
バリバリ現役だろ。
やえもんに負けるなよ。


7月13日(日)晴 鉄塔山山頂





7月13日(日)晴 東の森
狐発見全力疾走

小倉山、鉄塔山と続けて
2つの山を登って
すっかり
自信を付けた悠絽。

3つ目は山荘裏の扇山。
山荘に近い山なので
真っ先に登らせたい山。
だがこの山を実は
山荘主は避けていた。

山には野生動物の
里への侵入を防ぐ為
金網フェンスが
張り巡らされている。
で、山荘近くには
山への入り口が無いのだ。

フェンスを越えるには
メタボ悠絽を
抱き上げるしかない。
2度3度試したが
重くて大変!

でも苦労した甲斐あり。
3度目の山で悠絽は
見違えるような
俊敏な動きで狐を発見し
全力疾走したのだ。



小さな平家蛍

奥庭に出た瞬間
離れていても悠絽は
必ず犬小屋から
出て来る。

「今度は何処へ行くの?」と
しっかり目を見て
問いかける。
「もう夜だから山には
行かないんだよ」
「私、夜でもいいんだけど」

そうかそれじゃ
山荘下の里まで降りて
蛍でも見に行こうか?

その意味を理解した途端
悠絽はもう
ぶっとんで雲の上を
歩いているような夢見心地。

軽い下りのジョックで
里まで降りると
期待に違(たが)わず
蛍が闇に舞う。

川沿いの源氏はもう
終わりで
田んぼの疎水に
平家蛍が直線的な弱い
光の軌跡を描く。

冷気に当てて眠らせ
覚めぬ間にパチリ。
源氏の半分程しかない
のでピンの合った写真が
中々撮れない。

胸部の赤色部分に
黒十字が無いので
源氏と平家との違いは
一目瞭然。

悠絽にとって初めての蛍。
悠絽には
幻想的な光がどんな風に
見えたのだろうか?



7月13日(日)晴 扇山西麓


源氏と平家の違い
項目/種別 ゲンジボタル ヘイケボタル
 

 
体長(cm) メス2.0/オス1.5 メス、オス1.0
(メスがやや大きい)
前胸部斑紋 ゲンジボタル ヘイケボタル
発光器 メス1節、オス2節 同様
季 節 6月中旬 〜7月上旬 7〜8月
飛び方 曲線的 直線的
点滅回数 約20回/分 約80回/分
産卵数 500〜1,000個 50〜100個
 卵  直径(mm) 0.5 0.6
期  間 25〜30日 20日

 
脱皮回数 5〜6回 4回
食 物 カワニナ タニシ・モノアラガイ
生活場所 河川(流水) 水田・溝(止水)
汚染に対し 弱い 強い
分 布 本州・四国・九州 日本・中国東部・
シベリヤ東部



旨し枇杷

摘果もせず
成り放題になってしまい
今年は美味しい枇杷
期待できないな。

と諦めていたが
食べてみて吃驚!
なんとも上品な甘さで
うっとり!

前庭の石卓に載せられた
いつもの
ヨーグルトフルーツは
干し柿のワイン漬、林檎
バナナ、キウイ
それと先程摘んだ野生苺。

これに採りたて枇杷を
加えると究極の贅。
ワインとのアンサンブルが
最高なのです。
7月13日(日)晴 前庭



紫式部開花

枇杷の先で
何やら小さな小さな
白紫の光がチラチラ。

あれ、確かこの辺りには
そうそう紫式部
あったんだ。
こんな小さな可憐な花
だったのか!
忘れていたな。

小さいと言えば
山椒が実を付けていたので
先週えこちゃんが
何やら小さなピクルスを
作っていたけど
不思議な味だったな。

紫式部の実で作ったら
どうなるんだろ?
今度やってみようか?
紫式部:小紫(コムラサキ)が正しい 7月13日(日)晴 前庭





7月13日(日)晴 前庭
受難の紫陽花

玄関横の紫陽花
随分増えて
山荘の初夏の季語として
定着したのに
今年は大きなダメージ。

山荘の外壁を
塗り替える為、足場を
組んだので
紫陽花花壇が
狭くなってしまったのだ。

玄関横を作業台車が
通ったり
バイクが行き来したりで
すっかり枝が折られ
花芽も頻繁な接触で
落ちてしまい
花数は激減した。

生き残った紫陽花も
精彩無し。
綺麗な紫陽花を悠絽に
見せてあげたかったな。


文月3週・・山荘に適応する悠絽



さあ!訓練開始

僅か4km程しかない
距離を車で
移動するなんて
犬の名誉を大いに
傷つける。

そりゃ確かに山荘は
山の上だから
飼主の幸子さんの家から
山荘へと走るのは
ちょっときついかな。

でも山荘から幸子さんの
家までは下りのみ。
いくらメタボの悠絽でも
走れない距離では
ないはずだ。

特に先週から
山を走り回っている悠絽に
とってラクチンの筈。
と勝手に山荘主は判断し
訓練開始。

先ずバイクの左側を
キープし悠絽が
常に歩道側に位置し
安全を確保出来るように訓練。

次に悠絽が遅れた場合
自動的にブレーキが
掛るようブレーキレバーに
リードを二重に巻く。

3番目が最も難しい。
これは散歩ではない。
山登りでもない。
伴走だから途中で
他の動物の臭いや気配に
気を散らして
立ち止まってはいけない。

果たしてこんな難しい事
教えられるだろうか?

7月22日(火)晴 前庭





7月22日(火)晴 前庭
合格!
ナイスランニング

左側走行は
最初の訓練で直ぐマスター。
決して右側に
廻ろうとしない。

ブレーキは予想外に
効果抜群。
悠絽が少しでも遅れると
自動的に制動され
悠絽に負担が
全然掛らないのだ。

問題は3番目である。
最初の訓練では
いつもの散歩のつもりで
あっちへふらふら
こっちをきょろきょろと
落ち着かない。

だが2回目の
長距離訓練でどうやら
悠絽は悟ったようである。
『これはどうも
走り続けねばならぬらしい』

そして本番では
見事幸子さんの家まで
一気に駆け下った
のである。



笠井彦乃
宵待草の夏


山荘ゲート前の
宵待草(大待宵草)が次々に
花開き
花弁に露を滴らせ
夏の到来をひっそり告げる。

宵待草と言えば
竹久夢二。
毎日新聞の映画社が
夢二と彦乃のDVDを制作。
先日貰ったけど
未だ見てない。
そうだ今夜見てみよう。

笠井彦乃は夢二の
《永遠の女》と
言われている夢二の恋人。
で、その彦乃
山荘主の義母の姉なのだ。

うーん 中々のDVDだな。
それにしても23歳の
若さであれだけの作品を
残し死んでしまう
なんてモッタイナイな。


7月22日(火)晴 山荘前





7月22日(火)晴 東の森
合歓木
夏休みを告げる花

山荘の東の窓から
木立を見下ろすと梢に
ピンクの冠が沢山集って
《夏だよ》と囁く。

北の出窓からは
森の天辺で風に揺れる
合歓木
静かに告げる。
《夏休みがきたよ》

さあ、これからの
40日間は学校の束縛から
逃れて自由になって
ヒマラヤだって
アンデスだって珊瑚海だって
何処にでも行けるんだ。

リタイアしてもう自由に
なったのに
7月20日前後になると
宵待草や合歓が
山荘主に必ず夏休みを
告げるのは何故?



くんくん!

茄子、胡瓜、モロッコ
レタス、茶枝豆と
採れたので沢山の料理を
作ってビアを冷やして
ディナー準備完了。

悠絽にもビーフを混ぜた
夕食を用意し
テラスで一緒に食事。

悠絽とはいつも一緒。
車の洗浄時には
ゲートに悠絽を繋ぎ
畑仕事では畑に同行し
朝食は前庭の石卓で
共に食べる。

さて、それでは悠絽
先ず乾杯といこう。
7月22日(火)晴 テラス



どうして
私だけドッグフードなの?


ところが悠絽
ドッグフードなんか
見向きもせずテーブルに
足を掛け
お皿の料理をチェック。

「美味そうね
私だけどうして
ドッグフードなの?」

解ったよそれじゃ
しゃぶしゃぶ用の肉を
さっと湯通しして
細かく刻んでドッグフードに
混ぜてやるから
一緒に食べるんだよ。

あれっ!
ドッグフードだけ
残しちゃ駄目じゃないか。
7月22日(火)晴 テラス



双子メロンだ!

メロンが次々と実を
着けて仄かな
香りを振り撒き始めた。

試しにやや黄色くなった
メロンを収穫して
朝のヨーグルトフルーツに
加え食べてみた。

未だ甘み不足だが
充分食べられる。
モルジブDVから戻る
8月には食べ頃か?
それとも遅すぎるか?

メロンは双子まで出来たが
西瓜
1つ結実したのみ。
それも唐黍の陰になって
大きくなりそうもない。
残念!
7月22日(火)晴 西畑



ビア友・茶枝豆

ここ数年失敗を
繰り返し食べられなかった
茶枝豆の収穫が
近づいた。

食べ頃は来週からだが
来週は山荘に
来られないので試し収穫。

市販の物と両方茹でて
食べ較べてみた。
香り、甘みが同じ茶枝豆と
思えぬ程に
山荘枝豆は美味しい。

採りたての美味しさに
完熟前の甘みが
加わり最高の茶枝豆。

モルジブから戻るまで
完熟しないで
待っててくれるかな?
7月22日(火)晴 西畑



卵茸にょきり

雨が例年の半分以下で
森の茸も
あまり姿を見せない。

卵茸なんかこの時期は
森のあちこちで
見られるのに今年は
さっぱり見かけない。

先週、関東甲信越でも
遅きに失した
梅雨明け宣言がなされ
最早茸の出る幕は無い。

そんな状況での
色鮮やかな卵茸に
悠絽も吃驚。
そうか悠絽はこんなの
きっと見たことないんだ。
7月21日(月)晴 東の森





7月21日(月)晴 東の森
でかいぞ!これ

傘の直径が20cm以上
もある大きな茸。
悠絽見てご覧!
大きいだろ。

第一検索:椎茸型
第二検索:傘の裏側襞状
第三検索:襞の色は淡色
第四検索:地上発生大型

ここまで調べてやっと
大型茸の固有名に
達したけど大銀杏茸では
ないし大皺唐傘茸でもないし
大樅茸でもない。

悠絽、パンみたいで
美味しそうだけど
かじっちゃ駄目だよ。
400種もの画像のどれにも
載ってないんだ。
このでかい奴
猛毒かも知れないからね。



地蜂の狩人現る

森の中を走る見慣れぬ
松本ナンバーの車。
車から出てきたのは何と
『地蜂の狩人』

「この烏賊や海老の
生肉どうするの?」
『こいつをね森の木に
吊るして地蜂が
来るのを待つんだ』

その地蜂に白いマーク
として綿毛を付け
蜂を追跡して地中の
巣を見つけ掘り出すのだ。

それを持ち帰り育てて
蜂の子を取り出し
食用として出荷するとか。

そういえば長野の特産に
蜂の子があるが
山梨まで来て地蜂を
狩っているとは驚き!

この生肉
食べちゃ駄目だよ悠絽。
生肉は食べさせないでと
幸子さんが言ってたよ。


7月21日(月)晴 東の森





7月21日(月)晴 東の森
妖艶山百合

何だか頭がくらくらするね。
匂いに敏感な悠絽には
どんな匂いとして
インプットされているのかな?

強烈な脂粉の香りは
例えば祇園の遊里。
小さな下町の
『バーおたんこなす』の女。

強烈過ぎて遊女を
連想してしまうけど実は
花弁にまで針状の
武器を備え
容易に男を寄せ付けぬ
高貴なお方。

するりと延びた白い雌蕊
に追いすがる5本の
紅色雄蕊

闇の中で足掻く。

えっ悠絽何処へ行くんだ?
全く興味無いって!



野 萱 草
ノカンゾウ


藪の中にやたらと生えて
あまり見向きされない
不遇な百合。
名前も藪萱草とか
野萱草とか
命名に美の片鱗も無し。

多分3年にわたる当HPにも
画像は記録されてない。
だがこの花弁を
見た瞬間に夏休みを
キャンプで過ごした野反湖が
不意に甦った。

湖岸を覆い尽くす
見事な野萱草のオレンジが
40数年の時を超えて
胸に迫る。

消えてしまった時を
夏休みのオープニングに
届けてくれた野萱草を
山荘日記に加えよう。


7月21日(月)晴 東の森





7月21日(月)晴 前庭
すわ!大脱走か

これ何してるか
お解りですよね。
そう,後足で首の辺りを
掻いているんです。

この行為がリードと首輪の
ロックを外してしまう
なんて考えても
みなかったので驚いたね。

悠絽が自由に動けるよう
奥庭には長い
リードが張ってある。
でも奥庭の一部は
自由に動けるが前庭には
来られない。

その筈なのに奥庭から
前庭に出たら
悠絽が平然と着いて来る。
あれ変だな?

何と、悠絽はリード無しで
自由に山荘の庭を
動き回っているではないか。
でも山荘で自由になった
悠絽は最早自由を
必要としないのか何処にも
行かず。

幸子さんの話では
悠絽は高い塀をジャンプして
脱走し10日間も
行方知れずになったとか。



涼風呼ぶ
ノウゼンカズラ
凌霄花

悠絽は前庭も
お気に入りで沙羅の
木陰にベッド用の穴を掘って
丸くなって
実に気持ち良さそうに眠る。

寝顔があまりにも
あどけなく可愛いので
写真を撮ろうとすると
気配を感じて撮影拒否。

カメラを向けると
銃狙撃の瞬間を連想し
本能的にカメラの眼を
避けようとするのだろう。

悠絽の逸らした視線を
追うと咲き出した
凌霄花のバーミリオン。
涼しそうだね悠絽。
7月21日(月)晴 前庭



週末からインド洋のモルジブまで、ちょっと出張です。
スリランカのコロンボからモルジブのマーレへ飛び
そこからアイランドサファリ2号に乗り換えてクルージングを開始
マーレ環礁、アリ環礁、ラスドゥ環礁で甚平鮫を追ってDVの予定です。



Index Next