モルジブ・ダイビング

珊瑚海・生命への旅

            珊瑚海・・・・・・・もう1つのヒマラヤ




其の20


Maldives・Malodheep
Cruising

           撮影日:2008年7〜8月  場所:マーレ環礁、ラスドゥ環礁、アリ環礁
                   撮影or編集:坂原忠清

相対評価・・・《5》最高、《4》良い、《3》並、《2》やや悪い、《1》悪い
珊瑚の成育 透明度 魚影 静けさ(ダイバー数) 4 周辺環境(汚染等) 5
船名:Island Safari2 船室:最上階 船の居住性

総合評価・・・《4+



広大なインド洋に珊瑚礁で描いた花の輪が次々に現れ
群青のカンバスに流れる。
巨大な環礁の中に
無数の環礁が二重の鎖となって連なり
雄蕊のように光の彩を散らす。
紀元前古文書にサンスクリット語で《島々の花輪》Malodheep
として登場したモルディブは
ニ千数百年を経て尚、その美しさをとどめている。

だが、その美は一瞬のソラリゼーションで漆黒の宇宙に変換する危うさを秘めている。
一瞬、瞳を閉じた瞬間に時空は漆黒に満たされる。
何度かその恐怖に襲われ冷たい汗が全身を覆った。
指を突き立てると群青のカンバスは容易に破れ
多分、私の認識は
破れ目の漆黒の闇に吸い込まれてしまうのだ。
(モルジブDV其の5より)

航海&DV日程

7月26日乗船 7月27日:DVサイト@〜B  28日:DVサイトC〜E
29日:DVサイトF〜H  30日:DVサイトI〜K  7月31日:DVサイトL〜N
  
8月1日下船 

北マーレ
 @ランカンリーフ(マンタ多数)Aキンキリーフ
ラスドゥ環礁 Bマディバル、Cマディバル・外洋(撞木鮫遭遇)
北アリ環礁 Dマヤティラ、Eフィッシュ・ヘッド、Fリーチ・ティラ
南アリ環礁 GHアリ・ビーチアウト・連続2回(甚平鮫遭遇)、Iクダラ・ティラ、
Jヴィラメンドゥ・ティラ
南マーレ Kバーガリ・コーナー、Lグライドゥー・コーナー、Mロスフシ・コーナー
Nミヤル・ファル 



漆黒の闇に吸い込まれてしまった認識を追って
私は再びモルジブへやって来た。
生命の彩で群青のカンバスに描かれた華麗なるモルジブへ。

最初のDVはマンタの乱舞で迎えられ
翌早朝にはプランクトンの星々が煌く未だ明けやらぬ暗青の宇宙で
ハンマーヘッドに遭遇した。

スミラン諸島、タオ島、ラヤンラヤン島、ココ島と追い求めてきたが
遭遇出来なかった甚平鮫。
アリ環礁の南端ではその甚平鮫との初邂逅を果たすことができた。

珊瑚海に差し込む光をキラリと巨体に揺らめかせ
悠然と深みに泳ぎ去る甚平鮫。
モルジブは総ての生命の混沌たる坩堝なのだ。


Maldives・Malodheep


生命の彩・シャコ貝
大陸から遥か離れたインド洋の真っ只中に忽然と現れた島々の花輪。
数十億年の時を経て小さな小さな珊瑚虫が造り上げたポリプの島。

原始地球は大量の炭酸ガスに覆われていた。
生命進化にとって有害な炭酸ガスを石灰岩に変え自らの住居にし
珊瑚虫は生命進化を促しついに島々を造り上げた。
マローディープこそ生命揺籃の地。

(モルジブDV其の5より)

あまりの美しさに息を呑む。
モルジブのシャコ貝は生命の彩で宇宙を描くだけでなく
ときとして自ら宇宙そのものになってしまうのだ。

DVpt: South Male Losfusi Corner
DVdate: 2008/07/31
DVno: 365



《A》 快適キャビン
《B》 マンタの海へ
《C》 甚平鮫との邂逅
《D》 ナポレオンとのランデブー
《E》 マローディープ
《F》 
ダ スビダーニ
撮影・編集:坂原忠清



 豪華キャビン

優雅な貴婦人

出発直前にWTPの
遠藤さんからモルジブの
最新情報が入る。

「先週のクルージングは
大荒れで
雨と風が酷くて
DV用の伴走船が母船に
付いて行けず
コースを変えたんです。

ラスドゥからアリ環礁へと
南下を余儀なくされ
DVも大変だったようです。
気をつけてください」

それなりの覚悟をして
優雅な貴婦人
Safari2に乗った。
さあ、どうなる今回の航海。
Island Safari 2



黄金の微笑

連日晴れて凪ぎが続く。
レストランのボーイ・
ナリンが
微笑みつつ語る。
「先週はテーブルの上の
グラスが落ちるほど
揺れて大変でした」

ナリンの微笑は
相手の心をぐいと捉える。
微笑の後から
流れるたった一言の
日本語が又何とも
柔らかくていいのだ。

「こ・お・ちゃ?
む・ぎ・ちゃ?」
独特のイントネーションが
客を和ませる。

だがデッキで一人海を
見つめているナリンの顔には
微笑の片鱗すらない。
スリランカに残した
家族を想っているのだろうか?

シンハラ人とタミル人による
テロ、戦闘、空爆と
内戦状態にあるスリランカ。
彼の家族は
無事なのだろうか?


船内レストラン



ゆったりバスタブ

えっ!
DVクルージング船の
キャビンにバスタブ?
信じられない
なんと贅沢な!

シャワーすら付いてない
船が多いのに
この貴婦人は2室に
バスタブを具えているのだ。

1時間近く水中に居て
出てくると体は
芯から冷え切っている。
暖かいバスタブは
凍えた筋肉を解してくれる。

居室は海側に大きな
窓が5つ付いているので
見晴らし抜群。
DLXルームbX



DV専用船・ドーニ-

Safari2が
貴婦人のように
ゆったりと美しいのは
DVデッキを設置せず
伴走船に移しているからだ。

ドーニ-と呼ばれる
この伴走船は圧縮空気を
タンクに注入する
コンプレッサー装置を備え
甚平鮫を追跡出来る
広い屋上デッキがある。

他に小回りの利く小舟
ジャンキーを具えていて
島の上陸などに使う。

従って母船は充分な
スペースを確保出来て
ゆったりと
美しいのである。
並走するVista3



山荘ラベル加わる

今春にリニューアル
したとかで
船内はどこもピカピカ。

ドーニ-の操舵室も
各DVチームのステッカーは
貼られ始めたばかりで
隙間だらけ。

そこで我がチームの
ステッカー《ゆぴてる》を
中央上部にペッタンコ。

「これ昨夜呑んだワインの
ラベルなんだよ。
この《ゆぴてる》で検索
するとYahooなら
トップで出てくるから
HPを見てご覧よ。
今回のDV記録も載せるから
乞うご期待!」
Club 《ゆぴてる》



各階にサンデッキ

屋上には煙突が
突き出ていたりボートが
吊り下げられていたり・・・。
その僅かなスペースに
サンデッキが
言い訳のようにあったり・・。
そんなDVクルーズ船が多い。

この船の屋上は
端から端まで総てサンデッキ。
白一色に統一され
椅子、テーブルは木製で
ダークオーク調。

各階の後方にも
サンデッキが設けられ
バナナハンガーには未熟
バナナが架けられ
熟した順に食べられるよう
配慮してある。
屋上サンデッキ



優雅な私設バー

1日3本のDVを終えて
晩餐までの時間を
何処でどう過ごすか?

音楽を流しながら
ゆったりした
明るいキャビンでの
読書も悪くない。
この屋上サンデッキで
よく冷やした山荘ワインを
呑むのもいい。

そうそうこの船の
キャビンには冷蔵庫があり
持参ワインや酒を
冷やしておけるので便利。

日本から冷凍して持ってきた
シーフードを摘みにして
今日の素晴らしい
DVにワインでカンパイ!
サンデッキ私設バー



《B》 マンタの海へ 





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