その7ー夏:2006年水無月
水無月・4週・・・豊穣の海
6月24日(土)晴 於 2階東側出窓
うあー! 久々の太陽だ。 ・ 森を走り抜け山荘に戻り 2階を仰ぐと インダスの壷に 雲が 流れているではないか。 ・ 眩しいな! 嬉しいな! ・ あれ! さっきまで蕾だったのに 光を 一杯吸い込んで 花が咲き出したぞ。 |
|
---|---|
梅雨の晴れ間 |
6月24日(土)晴 於 西畑にて
慌てん坊の 秋桜が咲いた。 ・ 西畑、果樹畑、庭にも 秋桜が数百本も出現。 蕪や小松菜、ほうれん草 に混じって出てくるし 耕運機の通路にも 芝生にも 果てしも無く押し寄せる。 まるで秋桜の洪水。 ・ こいつは11月まで 咲き続け 12月にドライフラワー になって辺り一面に種を 撒き散らし 翌年再び山荘を ピンクで塗り潰すのだ。 |
|
---|---|
Kosmos・希臘語 |
6月26日(月)晴 於 奥庭にて
あたしだって 咲くわ! ・ マルコポーロと 名づけられたユリが 固い蕾を開いた。 ついさっきまで 降っていた雨が 透明な星になって 花弁に銀河を描く。 ・ 銀河に囲まれて 6つの雄蕊が 雌蕊と愛を語らう。 ・ これから果てしも無く 遠く長いDNAへの旅が マルコには 待っているのだ。 |
|
---|---|
揺り・Lily |
6月24日(土)晴 於 西畑ワインセラー前
石段のアーチで 爛熟する桑の実に呼応して 西畑のブラックベリーが 熟し始めた。 ・ こいつ いつも ワインセラーの扉まで 迫ってきて 扉を開けようとすると 棘で邪魔する。 ・ まっ!いいか。 こんなにも艶やかに 美味しそうに 実るんだから。 |
|
---|---|
Black Berry |
6月24日(土)晴 於 東の森展望ヘアーピンカーブにて
朝の光を一杯に 孕んで たった一輪の実が 東の森を宝石に変えた。 ・ 薔薇苺より早く熟す 紅葉苺は水無月には 森のプリマドンナ。 文月になると薔薇苺に 座を明け渡すが それまではご覧の通り。 ・ 未だ時期が早いので この一輪だけかと 思っていたら いつの間にか森は ルビーでいっぱい。 |
|
---|---|
森のルビー・・・紅葉苺 |
6月24日(土)晴 於 前庭の茱萸
あれから 2週間経ちました。 真っ赤に熟れて どう、美味しそうでしょう? ・ 山荘主は毎週来て 綺麗だね。美味しいよ と言ってせっせと採って 食べてくれるけど多くは 熟れ過ぎて待ちきれなくて 落ちてしまうわ。 ・ 今は私の芳醇な 香りに魅かれて 沢山の生き物が やって来るけど 彼らは私の美しさを 理解してくれないの。 寂しいわ。 |
|
---|---|
コリャ俺のもん |
6月24日(土)晴 於 テラスでの朝食
正に《豊穣の海》 ヨーグルトの 雪山の山巓に ブラックベリーと山荘苺。 その周りを囲む紅葉苺。 更に外側の輪は桑の実。 最外輪はご存知の茱萸。 総て山荘とその森の 水無月の贈り物。 ・ もう直ぐ 山荘の林檎、プラム 杏子、無花果、梨が加わる。 もしかすると今年は枇杷も 仲間入りするかも。 さあ! これをMain Dishにして 山荘ワインを楽しもう。 |
|
---|---|
白のワイン? それとも赤にしようか? どっちも、きっと 森の贈り物にぴったり。 |
Main Dish |
6月25日(日)雨後曇 於 ゲート北の森側
究極の味覚は おいらさ! 動物でも植物でもない 第3の生命体。 ・ 動物も植物も 太陽の光が無いと 生きてはいけない。 言ってみれば彼らには 光がぎっしり 詰まっていてさ だから味覚の本質は 太陽なのさ。 ところが我らは 水と養分さえあれば 真っ暗でも育つんだ。 ・ つまり究極の味覚 漆黒のテーストなのさ。 |
|
---|---|
金茶山猪口・・・キンチャヤマイグチ |
6月24日(土)晴 於 前庭石卓横
たった2週間で 芝が茫々に延びてしまった。 勿論、雑草も 際限も無く生えてくる。 それだけではない。 芝生の端では茸まで 便乗して出現! 誰もが生きたがっている。 ・ さて、芝刈り機を前にして 《刈るべきか 刈らぬべきか》 答えは分かっている。 刈るべきである。 生命はいつだって 生の条件を得る為に 必死なエゴイストになる。 他生命を凌駕して 頂点に立った生命は エゴそのものなのだ。 |
|
---|---|
芝生も侵略 |
6月25日(日)雨後曇 於 小倉山山頂手前
森の中で 怪物に逢った。 ・ 彼女は全身が 生殖器なのだ。 直径30cmで1千兆個 もの胞子を全身に詰めて 全宇宙に対峙しているのだ。 時には80cmにも達する 鬼贅は数千兆個もの 胞子を全宇宙に 爆発させる瞬間を 虎視眈々と狙っている。 ・ 笑ってはいけない。 彼女のエゴが 全宇宙を支配する日が 来ないとも限らないのだ。 |
|
---|---|
鬼贅(オニフスベ) |
6月25日(日)雨後曇 於 西畑チップの山にて
出てくる出てくる。 連日連夜、夜鷹の 猛攻撃を受けているのに 兜は次々に生み出され 宇宙へ羽ばたいて行く。 そんなに立派な角を 持っていたって 夜鷹の敵には 到底成れないのに 雄雄しく漆黒の夜空へ 飛び立つ。 それじゃ、まるで 死の為の飛翔じゃないか。 ・ 死ぬと分かっていて それでも飛び立つなんて ナンセンス! えっ! お前さんも同じだって。 |
|
---|---|
誕生ラッシュ・・・兜虫 |
6月25日(日)雨後曇 於 ログ下の森にて
捉えた蛍を この花に入れて 花の色と 蛍の光を楽しむなんて なんと優雅で詩的な遊び! 優雅との認識は この花の彩への傾倒と 蛍の生命の灯への 深い関心が無いと難しい。 脳全体が認識欲の 塊のような子供にとって 傾倒や関心は 一瞬にして決まる。 ・ さて、この蛍袋は どんな子供の心を 虜にするのだろうか? |
|
---|---|
蛍袋 |
6月25日(日)雨後曇 於 扇山南麓水田にて
蛍袋のことを すっかり忘れて 夜の散歩に出かけた。 竹森川で 源氏蛍の舞を堪能してから 平家蛍の棲息する 水田へ足を伸ばした。 平家蛍は未だ時期が早く 明るく明滅する源氏が 疎水に群れている。 ・ 面白いように幾らでも 手のひらに乗る。 そうかこんな時 蛍袋が必要なんだ。 ・ ポケットに入れたら 白い布地を通して光り ポケットが蛍になった。 |
|
---|---|
クリオネの舞 |
水無月・3週・・・Moriとゼウス
6月19日(月)晴 於 東の森にて(朝トレーニング)
森がラテン語の 死・Moriと同じ音であると 知った時の衝撃は 今も忘れられない。 Moriは時空を超え 悠久な長い旅を経て 古代ローマから やってきた。 ・ その謂れ無き確信が 森で突然甦った。 連日梅雨の森を走り 久しぶりの光に うろたえた訳ではない。 ・ 深い森の中で 確かに森が衝撃の意味を ダウンロードしたのだ。 |
|
---|---|
Mori・・・死と生の再生 | Memo: 東の森の表情にはいつも心を掴まれる。しかし心象風景に森が溶け込んでしまい、画像表現が難しい。 |
6月19日(月)晴 於 北の森にて
森のテーブルで ワインを呑んでいたら 足元で淡い光が揺れた。 翌朝ガニメデから 北の森を見つめたら ぼうーっと 仄かな明かりが 森のテーブル下に 灯っていた。 ・ 花開いて初めて コバノイチヤクソウと同定。 雌蕊だけ長く 先が曲がっているので 一目瞭然! ・ 薄暗い森の中で 半寄生する一薬草が 光を孕むなんて! |
|
---|---|
Memo: 葉が鹿の蹄に似ているので鹿蹄草とも呼ばれ、毒虫に噛まれた時の薬草として知られている。 | 小葉一薬草 |
6月19日(月)晴 於 イオの部屋から北側出窓を覗く
地の保護色をした羽裏は 蝶を大地に同化させる。 蝶が飛び立つ瞬間 大地は鮮やかに煌く。 瑠璃を象嵌した 彩が宙に舞う。 大地から鮮やかな 蝶への一瞬の変身に いつも心ときめく。 ・ 孔雀蝶の学名は Inachis Io geisya Stichel Ioはゼウスの恋人。 ゼウスは木星。 孔雀蝶が 山荘の油絵ゼウスに 逢いに来るはずは 無いのに 何故か初夏の山荘には 孔雀蝶が舞う。 |
|
---|---|
木星の恋人・・・Io | Memo: 留まっている孔雀蝶はいつも羽根を閉じ、瑠璃の象嵌を見せない。待つこと1時間。ついに撮った。 |
6月18日(日)雨後曇 於 ログ出窓にて
ギリシャ神話の最高神 ゼウスは 天空を支配し人間の 政治、法律、道徳を支配し 知的存在に君臨した。 ・ ラテン語で《ゆぴてる》と 呼ばれるゼウスは ログハウスの夜の森で Mori・死と再生の 神話を語る。 ビアで晩餐を終え ワインを持ってログを訪ね 神話に耳を傾ける。 ・ ログの大型油絵《木星》が 大きな出窓から 闇の森にワープし Moriの能を舞う。 |
|
---|---|
闇に舞う木星 |
6月18日(日)雨後曇 於 竹森川にて
余りにも優しい光。 吸い込まれてしまいたい 誘惑に駆られる。 蛍の雌はこの光に 愛を見出し 交尾し未来を生み出す。 この優しい光に逢うまでは 光に愛があるなんて 考えてもみなかった。 ・ 漆黒の彼方に煌く 超新星は 星の死と再生。 蛍の雄も数億の精子を 爆発させる死の瞬間を 狙って唯ひたすらに煌く。 ・ 切ない程の優しい光は Mori・死と再生の祀り。 |
|
---|---|
超新星・・・源氏蛍 |
6月18日(日)雨後曇 於 ログ玄関にて
森の死が齎した 木々で造られたログは 不思議な安らぎがある。 木々に囲まれた部屋で ニニ・ロッソのトランペットを 聴こえないくらい 小さく流すと 木々が微かに ハモルのだ。 ・ そのアンサンブルは 肉体をするりと 通り抜け 存在の深奥に いとも簡単に達し 肉体を透明化する。 ・ このログの扉を開けると 肉体はMoriの彼方へ |
|
---|---|
幻想空間 |
6月18日(日)雨後曇 於 石段にて
茱萸を追う様にして 桑の実が色づき始めた。 石段のアーチに絡みつき 熟れ過ぎた実が 石段に黒い染みを落とす。 兜虫の雌が しっかり食いつき 黄金虫が飛び交う。 ・ さあ! 虫達と一緒に桑の実を 歓迎してご挨拶しよう。 「その小さな黒い星を どうして欲しい?」 唯食べるだけじゃ とても食べきれないから ビアのフレーバーにして 美味しいビアではどう? |
|
---|---|
桑の実ビア |
水無月・2週・・・生殖と宇宙
クリームのような 美味しそうな黄色い雄蕊。 藤のような 桐の花のような 淡い薄紫の 気品高い花弁。 ・ にも拘らず だーれも 振り向いてくれない。 ・ でも野生の動物達 特に猪や狸は この花が咲くと 理性を失うほど興奮し あらゆる困難を排し 危険を省みず 逢いに来る。 私は魔性の花! |
|
---|---|
memo: インドネシア・ジャカルタから慶長年間(1600前後)にやってきたアンデス原産・茄子科の花です。 | 私はだーれ? |
6月10日(土)晴 於 西畑にて
理性を失った猪は 最も恐れている 金属の臭いをも無視し 金網柵を乗り越え しばしば人家にさえ 接近する。 ・ そのため山荘では 高い猪防網を張り巡らし 夜間の脅しに ソーラー庭園灯を設置し 猪の侵入を防いできた。 ・ にも拘らず やられてしまった。 気品高い花弁は蹂躙され 根は掘り起こされ 食べられてしまった。 しかし犯人は猪ではない。 猪なら総て掘り起こし 根こそぎ食べてしまう。 犯人は狸だ。 |
|
---|---|
馬鈴薯略奪 |
6月10日(土)晴 於 前庭にて
例年、無数の白い花に 覆われるのに いつも赤い実は数個のみ。 ・ 調べてみたら この大きなびっくり茱萸は 自然な状態では 生殖率が極めて低く ホルモン剤が 必要とのこと。 ・ そこであちこち調べて 昨年ホルモン剤を入手。 開花を待って 2回噴霧でよい所 念のため3回も噴霧。 その結果がこれだ! 樹全体に赤い実が光る。 ・ 余りの効果に唖然! 神の司る生殖も 科学そのものなんだね。 |
|
---|---|
恐るべしホルモン |
6月10日(土)晴 於 テラスにて
早速、茱萸を摘んで 朝食の フルーツヨーグルトに 載せる。 ・ 昨年12月に収穫し 食べ続けてきたキューイも ついに最後を迎える。 半年間も生き続けてきた キューイの生命力に 感嘆! でもさすがに 茱萸に比べると 輝きが衰えたね。 ・ 新鮮な茱萸を ヨーグルトで包んで 口の中で潰す。 甘酸っぱい微かなえぐみが ゆっくりと広がる。 白ワインがえぐみに絡まり 新たな味覚を生み出す。 豊穣な茱萸に乾杯! |
|
---|---|
新鮮茱萸と最後のキューイ |
6月10日(土)晴 於 西畑にて
最後のキューイに 舌鼓を打ち ワイングラスを持って 前庭のキューイの木影へ。 ・ もうすっかり受精が終わり 雄花は黄ばみ 雌花は中央の雌蕊を 僅かに膨らませ 可愛いベービー誕生。 ・ つい先頃 芽吹いたばかりなのに 最早、葉は天を覆い 太陽を全身で吸収し 花を咲かせ実らせ 生殖を謳歌している。 ・ そんな風にして 君達は新しい次の宇宙を 創っていくんだね。 |
|
---|---|
キューイ生殖 |
6月10日(土)晴 於 ログ下(朝トレーニング)
汗を滴らせ 最後のログハウスへの 急坂を走る。 苦しいので下ばかり 見ていると 不意に モノリスに落ち込んで 時空通路から 別の宇宙へ 飛び出してしまった。 ・ 巨大な球状星団が 紫のスペクトルを放射し 認識体に迫る。 ・ 数百万個の種族Ⅱの星が 疲労し老いた肉体に シュプレヒコール 《種族Ⅱへようこそ! 新たなる仲間として 君を歓迎しよう》 |
|
---|---|
球状星団・富士薊 |
6月12日(月)曇後晴 於 東の森・Tルートにて
暗い雨の森を 走っていたら 地面の一部が仄かな光を 放っている。 ・ 銀河系のバルジから 優雅に伸びる渦状腕のように 暗い大地に広がる茸。 渦状腕の明るい星々は 若い種族Ⅰの散開星団。 ・ 梅雨に出現する 多数の散開星団は 恰も無から突然生じた 宇宙のように 何の前触れも無しに 展開する。 電子と陽電子から 光が生まれるように 我ら散開星団は 梅雨と森から 生まれるのさ! |
|
---|---|
存在の根源を求めて分子を見つけ不変とされた原子に出逢う。原子崩壊により更に不変な素粒子まで到達した認識体はついに無からの存在の出発へ接近する。 | 梅雨の使者・杉平茸? |
水無月・1週・・・躍動する生命
6月4日(日)晴 於 ぷち天文台ガニメデから
山荘・ゆぴてる にとって大事件発生! ・ NASA(米航空宇宙局)が ハッブル宇宙望遠鏡の 画像を発表したのだ。 ・ 《ゆぴてる》のシンボル 木星の大赤斑の左側に 新たなる赤斑が誕生。 横幅約1万3千㌔。 地球とほぼ同じで 大赤斑の半分もある 巨大な大気の渦。 ・ ぷち天文台ガニメデに 早速上がってみたが ガスが多くて 木星観察には不適。 ・ せめて山荘眼下の 銀河を楽しもう。 |
|
---|---|
木星に大赤斑誕生 | memo: 5月19日の朝日新聞によると2000年頃に3つの白斑が生じ合体し、今年2月頃から赤に変化。 |
6月1日(木)晴 於 前庭にて
牡丹も芍薬もアイリスも 散ってしまい きっともう誰も咲いていない と思っていたのに 2本のエゴノ木 が満開。 ・ タオ島で甚平鮫を 追っていた不在の3週間。 劇的な変容を遂げる この時期 不在3週間の生命相の予測は 難しい。 ・ 存在すらすっかり 忘れていたエゴノ木が シャンデリアとなって 前庭の空を 覆っていたなんて! 嬉しいな! |
|
---|---|
エゴノ木のシャンデリア |
6月1日(木)晴 於 前庭にて
「もう、これ以上 待てません!」 そんな声が聴こえて きそうなか細い光。 ・ もっと本当は 鮮やかで深みのある 青紫の花弁を 沢山付けるのだが もう残っているのは 色褪せた数片のみ。 ・ でも3週間も よく待っててくれたね。 タオ島に行く前は 小さな蕾を付けていたので きっともう 散ってしまったと 諦めていたんだ。 |
|
---|---|
最後の鉄線 |
6月1日(木)晴 於 奥庭の芝生上
長期不在で 最も心配していたのは 玉葱の収穫だ。 山荘ゲートに入るや否や 真っ先に中畑、西畑に 降りてみる。 ・ 「しまった! やはり花が咲き始めている」 花がさいてしまった玉葱は 芯が硬化し 食べられなくなってしまう。 蕾の大きな奴を抜いて 芯を齧ってみる。 「未だ大丈夫だ!」 ・ 畑から収穫した玉葱を せっせと庭に運ぶ。 神への感謝を 天に伝える為に 大きな花を造ろう。 |
|
---|---|
memo: 葉を切って玉葱だけにして 計量したら47㌔もあった。山荘1年分の玉葱にしては多すぎる。 |
収穫の歓び |
6月3日(土)晴 於 前庭石卓での朝食
前庭で採れた苺 池の疎水のクレソン 昨秋に収穫したキューイ 夏の太陽をいっぱい 詰め込んだ 山荘特産トンモコロシ の冷凍保存食 干し柿とワイン そして山荘人参をたっぷり 仕込んだ 焼きたて人参パン。 果物にはたっぷり ヨーグルトをかけ 畑で採れたての小松菜や ほうれん草には 山椒の葉を混ぜた ドレッシングをかけ 簡素な山荘朝食の 出来上がり。 完全な自給自足には ヨーグルトが足りない。 牛でも飼おうかな? |
|
---|---|
夏の木陰の朝食 |
6月2日(金)晴 於 西畑チップの堆積で
玉葱収穫を終えた中畑に 耕運機をかけ 元肥を施しチップを撒く。 チップを掘り出したら 出てきました兜虫君! 黒々とした大きな奴。 ・ そういえば昨夜 夜鷹がキチキチと鳴きながら 山荘周辺を飛び回り 初夏の音楽会開幕を 宣言してたな。 ・ あいつの宣言で 下の里の蛙が唱和し 森の松蝉が鳴き 蛍が舞い始めるのは 確かだが 本当の狙いは この兜虫。 夜鷹の大好物なのだ。 |
|
---|---|
参照: 3月5日の山荘HPに映像あり。 | やって来ました! |
6月5日(月)晴 於 前庭にて
慎ましやかな 小さな苺 毎朝赤く熟れて 幾つもの実を付けるのに 朝一番で狙っているのは いつも野生の動物達。 朝トレを終えて 前庭の苺畑に出向くと 残っているのは 完熟してない数粒の苺。 ・ 野生の動物が 残しておいてくれた苺を 数粒摘んで ヨーグルトフルーツに載せる。 苺の採れなかった日は しょうがない マンゴのワイン漬を トッピングにしよう。 ・ 野苺や桑の実も もう直ぐ熟れる。 |
|
---|---|
山荘苺の旬 |
6月5日(月)晴 於 前庭を2階から俯瞰
この清清しい清涼感! 2階のイオの部屋から 見下ろして苞の 高雅な白に初めて気づいた。 ・ 高雅な白は紅の実を生み 茱萸のような甘酸っぱい 果実になる。 そのまま食べてもいいし 果実酒にしてもいい。 ・ 頭上を煌びやかに覆う エゴノ木のシャンデリア。 人知れず 天空に向かって 高雅な光を放つ山法師。 山荘の初夏を謳う 2人の白い詩人。 |
|
---|---|
山法師の苞 |
6月4日(日)晴 於 北森の食卓にて
テーブルにも椅子にも 枯葉や小枝が積もって 森の食卓は すっかりご無沙汰。 久しぶりに掃除して ワインを運ぶ。 ・ 真夏の強烈な太陽と 甲斐の水と大地で 育まれた葡萄。 自ら絞った葡萄エキスを 肉体に流し込む。 ・ 肉体の隅々まで 光と水と大地が染込み 細胞の1つ1つが 森に同化する。 木漏れ日が 生まれたての淡い緑を 通して瞳を射る。 淡い緑が 私の全身を染めていく。 |
|
---|---|
北森での朝食 |