貪欲なハンター この大きな胸鰭は 強烈な 瞬発力を生み出す。 ・ じっと動かず海底に 伏していて 獲物が近づくと胸鰭で 一気に水を掻き飛び出し 獲物を捕らえる。 ・ 甲殻類、貝類、小魚等を 捕食するが 時には自分の半分くらいの 大きさの動物にも 貪欲に襲い掛かる。 ・ 大きな頭、目、口も たまに遭遇する獲物を 効率よく捕食 するための適応である。 体色の変異が大きい。 |
|
---|---|
鬼笠子(オニカサゴ) Scorpion fish |
典雅な舞 蒼のギヤマンを 胸鰭の扇に散らし 扇の白い芯を そのまま伸ばして 揺ら揺らと海中に漂わせる。 ・ この鰭の無い白い棘が 熱帯蓑笠子の 特徴である。 背鰭には毒棘があるので 要注意。 ・ 半透明な尾鰭は 白玉で飾り 胴は白縁の横縞で デザインし 静かに静かに舞う。 |
|
---|---|
熱帯蓑笠子(ネッタイミノカサゴ) Spot Fin Lion Fish |
これが眼か! 恵ちゃんが 近寄ってきてサインを 出し岩礁を指し示す。 ・ なにやら変幻自在の 軟体物体が 素早く岩穴に潜り込む。 ・ 「蛸だ!」 そういえば今回のDVでは 未だ一度もお眼に かかっていないな。 ・ 最大にズームアップし 眼んたまを狙う。 なんだか変な眼! これでほんとに何か 見えるのか? |
|
---|---|
輪紋蛸(ワモンダコ) Big Blue Octpus |
でかいぜこいつ! 大きくても精々3〜4cm。 今まで遭遇した 海牛の大きさである。 ・ ところがこいつは 15cmもある。 目立つ派手な触角が 付いてないので 何処が頭か判らない。 ・ 黄色い海綿を 常食しているらしいが そのまま黄色に なるとは素直な奴。 ・ 棲息域はインド洋から 西太平洋の熱帯域 とあるが確かに 今まで見たことが無い。 |
|
---|---|
黄色虎斑海牛(キイロトラフウミウシ) Nudi Branch |
海のサファイア 淡い海の青に 濃紺のラインを描いた 海牛は3種類居る。 いずれもクロモドリス属。 ・ 縁取りが白で 2本の触覚と10本程の鰓が 黄色のクロモドリスは Dianaeディアナエと 名付けられている。 ・ 縁取りが黄色で 触覚も鰓もオレンジなのが Annaeアンアエで 最もよく見られ「アンナ」と 呼ばれ親しまれている。 ・ このウィラニは触覚も鰓も 半透明のシルバーで 中々お眼に掛れない レア物である。 だがメナドではよく見られ 知られた海牛だとか。 |
|
|
---|---|---|
垂直尻鰭 朝一番のDVが雨で 暗くて肌寒いと 意気消沈してしまう。 ・ 鮫飛行場(シャークエアポート) と名付けられた DVサイトへのTime Inは 朝の7時51分。 いつもより30分以上遅い。 ・ 理由は雷である。 この朝は暗い雨だけでなく 雷が酷くて 朝一DVを遅らせたのだ。 ・ 飛び込んだ途端 尻鰭が垂直な一点蝶々魚が 迎えてくれる。 尻鰭が垂直だと実に 泳ぎ難いと思うんだけど どうして垂直なの? |
|
---|---|
一点蝶々魚(イッテンチョウチョウウオ) Tear Drop Butterfly Fish |
誰も知らん狐顔 英語版の魚類図鑑は どの船にも 置いてあるのだが この船(ボルネオ号)には 大したものは無い。 ・ だがガイドは英語だし Fox Faceを知らぬ 筈は無いと聴いてみた。 「Box Fishじゃないの?」 ・ とかトンチンカンな答えで 誰に聴いても Fox Faceなんて 聴いたこともないとか。 ・ 折角黒い紋のある Fox Faceに初めて逢った と言うのに これじゃしらけるな。 |
|
---|---|
皮膚黄藍子(ヒフキアイゴ) Fox Face Rabbit Fish |
Shark Air Port この鮫飛行場は やたらめったら魚影が濃い。 28.8mまで 潜行する間にこの艶奴を 初めとして 上記の一点蝶々魚 皮膚黄藍子、熊笹花室 南洋武鯛、六線笛鯛 海月蝶々魚、霞蝶々魚等 以下画面に続く魚が 目白押しなのである。 ・ シャッター切るのが 忙しくて 気が付くと他のダイバーは 最早 何処にも居ないのだ。 ・ でも御蔭で艶奴の 蒼い網目のマスクと背鰭 の紋がしっかり 撮れました。 |
|
---|---|
艶奴(アデヤッコ) blue Faced Angel Fish |
無重力と本 ダイビングに欠かせない のは読書。 DV準備は器材の 荷造りの前に 持っていく本の選定が 最優先される。 選定を誤るとDV期間中の 時間が死んでしまう。 ・ DV以外の総ての時間は 読書、音楽に当てる ので内容の濃い 面白い本を選ばねば。 ・ 同時に数冊の本を 読み進めながら 次のDV時間になり 続きに心惹かれながら 次の瞬間 海中の無重力に身を晒す。 ・ 本の架空空間と 海中の無重力が同質化し 重い肉体が消え 背黒蝶々魚にさえ 成れるのだ。 ・ この劇的変化が 堪らない。 |
|
|
---|---|---|
あれっ画像が無い 眼が合った瞬間 反転して逃げてしまうので 鼻の黒を撮るのは 中々難しい。 ・ それでは他のDV画像に リンクさせようと 過去の画像を索引で 調べたら何と 遥か昔のメナドまで 記録が無い。 ・ つまり何処にでも 居そうで実は居ない。 或いは素早しこくて ピンが合せられないかの いずれかである。 ・ 番で泳ぐ姿はいつも 眼にしてるような記憶が 確かにあるので やはり撮り難いのであろう。 |
|
---|---|
鼻黒蝶々魚(ハナグロチョウチョウウオ) Chaetodon Omatissimus |
一匹狼ならぬ魚 数千、数万の大群で 海を埋め尽くす。 あまりダイバーを恐れず 時にはダイバーを 取り囲んで一緒に泳いだり。 ・ 何故か仲間と逸れて 一匹だけで しょんぼりしてる 四筋笛鯛を発見した。 ・ どうしたんだろう? 仲間と一緒に居て身の 安全を得るよりも 敢えて危険を冒して 一匹になる如何なる訳が あるのか? ・ 若しかして種からの 離脱の第一歩は こんな風にはじまるのか? |
|
---|---|
四筋笛鯛(ヨスジフエダイ) blue Stripe Snapper |
|
プレートテクトニクス 左の軽い大陸プレートに 右の重い 海洋プレートが激突し 下部に沈み込む。 ・ 海洋プレートに堆積した チャート、石灰岩、砂岩 泥岩などの付加物が 大陸プレートに削り取られ そのまま浮上し 付加体となって日本列島は 誕生したらしい。 ・ つまりこの風来蝶々魚は 日本誕生いや 世界創生のドラマを 文様に記した 地球史そのものなのだ。 ・ 生命は存在そのものが 常に過去を語り 未来を告げ知的存在に メッセージを送り 続けているのであろう。 |
|
---|---|---|
Spot Tail B・F? 背鰭下の黒 尾柄部の黒点の有無 腹鰭の黒点の有無 この3点が 曙かSpot Tailか同定の ポイントなのだが・・・ ・ 調べれば調べる程 混乱してくる。 Spot Tailはその名の通り 尾柄部に黒点がある ので見分けは容易と解説 されているが(石川肇) 曙にも黒点のある固体は 幾らでも見かける。 ・ 他の2点も同様で 同定の決め手にはならない。 ネットにはそもそも Spot Tailが出ていない。 同一種の可能性あり。 |
|
---|---|
曙蝶々魚(アケボノチョウチョウウオ) Blackback Butterfly Fish |
希少種の七線 分厚くて容易には 持ち歩き出来ない図鑑 『日本の海水魚』に こう書かれている。 ・ 《いずれの海域でも 生息個体数は少なく 我が国での観察例は 極めて稀》 ・ 多くの蝶々魚の 眼に掛る横帯は黒が 圧倒的である。 この七線蝶々魚の眼帯は お洒落な 黒縁のオレンジ。 ・ 眼の周りの白が 眼帯の外にはみ出し とてもコケティッシュ。 |
|
---|---|
七線蝶々魚(シチセンチョウチョウウオ) Spot Band Butterfly Fish |
ユダヤー・ミーバイ なめし革のような 美しい肌と文様は敏捷な 野生馬を連想させる。 ・ この美しい肌には 透明な粘液が たっぷり塗られている。 沖縄人は粘液を よだれに見立てこの魚を よだれ流し・ユダヤーの ミーバイ(羽太)と呼ぶ。 ・ かなり美味しい魚らしいが シガテラ毒が在るとか。 ・ 死ぬようなことは無いが 手足、口の周りの感覚異常 めまい、運動失調などの 神経系障害を興し 下痢、腹痛、関節痛などが 見られるそうな。 |
|
---|---|
斑羽太(マダラハタ) Grouper |
何故白横帯か? 体側に4条の 幅広い赤褐色横帯があり 他種との区別は容易。 とあるが これはどう見ても赤褐色 ではなく白色である。 ・ 玉頭と名が付く種は 10種以上に及ぶが確かに 4条の横帯が在るのは この玉頭のみ。 従って白色の帯であっても これは正しく玉頭。 ・ 問題は何故白横帯なのか であるが 実はこれ、夜バージョン。 昼は黒茶であったり 赤褐色だったりするが 夜になると目立つように 白の警戒色に変色。 |
|
---|---|
四条の横帯・玉頭(タマガシラ) Unarmed dwarf monocle bream |
軽小銃歩兵連隊 この清涼感溢れる 美しさを 釣り人は知らない。 ・ 釣り上げられた途端に 梅干色になって とても 見られたもんじゃない。 ・ Fusilierとは英国の 軽小銃歩兵連隊のこと らしいが 高砂科が歩兵連隊に 結びつくのは 軽快さそれとも軽小銃の形? ・ 高砂科は食料としても 重要なので 小形ではあるが 歩兵連隊のように重要 との意なのか? |
|
---|---|
梅色擬き(ウメイロモドキ) Yellow Back Fusilier |
最終ダイブ DVaF351 Total DV Time:283.18H ・ Date:5月4日(月)晴 Country:Philppines Location:North Atoll Rainger Station ・ Time In*13:51 Time out*14:48 Bottom Time:57 Barcometer:200〜50kg/cm2 Visibility:25m Temperature:29.9°C ・ Weight:3kg Exposure Protection:Wet5mm Remain Nitrogen:4/9 Ascent Speed:Safe Depth:max23.3m,Av10.8m Impression:Good |
|
---|---|
18DV終了 Exit |
・ 足りないのは何かと 思い巡らせ続け2ヶ月が過ぎ どうにか編集が終わった。 足りないのは熱情だったのか? |
《A》 『パラワン島』へ