メナド・ダイビング

珊瑚海・生命への旅

            珊瑚海・・・・・・・もう1つのヒマラヤ

其のT





Manad

撮影日:2005年10月  場所:スラウェシ島メナド
                            撮影・編集:坂原忠清

H メナド(インドネシア)


相対評価・・・《5》最高、《4》良い、《3》並、《2》やや悪い、《1》悪い
珊瑚の成育 4 透明度 4 魚影 4 静けさ(ダイバー数) 4 周辺環境(汚染等) 4

総合評価・・・《


メナド沖にてシーラカンス捕獲!
 このディープブルーの深みがシーラカンスの居る海底に続いているんですね。
大陸パンゲアに生命の影さえ無かった4億年前、既に深海で密かに呼吸を開始し
シーラカンスは何を待ってたのか

光瀬龍の「百億の昼と千億の夜」のプロローグにイマージュが重なります。
そうか!シーラカンスは
阿修羅の繭なのかも知れない。
A・Cクラークは
モノリスに知的存在の継承を委ねたが
光瀬龍は深海をシェルターにした眠れる者に託した。
果たして幼い知的存在・人類は時空の試練に耐えて
いつの日か無窮の宇宙へ旅立つことが出来るのか?
宇宙的スケールの舞台には
《人類は未だ登場していない》と、メナドの海は囁いていました。
母の胎内で聴いたような静かな優しい時空をわたるその囁きが、今も聴こえます。
言葉ではいい表せない素晴らしいメナドのダイビングでした。


潜水開始・・
このディープブルーの深みが
1万4千mの海底まで落ち込み
デボン紀(4億年前)に
活動したシーラカンスが
今も
ひっそり眠っている。
ドロップオフ・・・
4億年の過酷な
時空の試練に耐えて
シーラカンスは何を待っているのか?
逢えないと知りつつ
胸はときめく。


ヴィーナス・・・
m以上もある巨大蝦蛄貝が
待っていた。
ヴィーナスはここから生まれ
この貝にすっくと立って海から
陸へと至る生命の叙事詩を
静かに語り始めた。
それはシーラカンスの
メッセージなのか?
燦然たる美・・
ヴァギナが閉じられた瞬間
蝦蛄貝は妖しいまでの光彩に輝いた。
外殻も肉襞も宝石と化し
燦然たる光であらゆる生命を魅惑する。


鼻黒蝶々魚・・
4億年の眠りから覚めた
知的存在の生命メッセージが
目の前で舞う。
珊瑚海のカラフルな熱帯魚達は
シーラカンスの放った言葉?
それとも文字?
化粧河豚・・・
解読して下さい。
目の周りを僅かに
ピンクに染めた化粧河豚が
迷路図を衣にして近づいて来る。
この図の意味を解けば
4億年の眠りから
覚めたシーラカンスの
意図が分かるのか?


刺青海蛇・・・
俺の出番は未だか?
惚けたピントの合わぬ目で
海底から顔を出した。
そうかお前も衣にメッセージを託して
シーラカンスの企みを
伝えようとしているのか?

海牛
クロモドリス・アンナ・・・
海の宝石と呼ばれる
僅か数ミリの海牛にも
巧まらざるメッセージが記されている。
硬い衣を捨てて貝から海牛になって
鮮やかな色彩で生命を讃歌する。


熱帯蓑傘子
深遠な宇宙からエネルギーを
補給し、情報交信するアンテナとして
長く複雑に広げた背鰭、胸鰭。
太陽風を孕ませ優雅に
泳ぐ他の蓑傘子と異なり
こいつは移動に太陽風を使わない。
これはシーラカンスの携帯電話?

五色海老
こいつのアンテナも只者ではない。
蓑傘子は全方位型だが
これは指向性アンテナ。
つまりシーラカンスの母星との
交信を専門にしているのだ。
伊勢海老は南下するに連れて
色を変え、鹿の子伊勢海老となり
紫青色白模様の五色海老となる。


ニシャ・ホヤ
「脊椎動物と無脊椎動物を
つなぐ存在」
と言われる海の高等動物。
つまり、シーラカンスは
華麗に動き回れる生命への
繋ぎの使者として
こいつを送り出したのだ。
穴に指を入れたらゆっくりと閉じた。
確かに動物だ。
パラボナ・アンテナ
出た!
究極のアンテナ。
魚だけでなく珊瑚も海綿も磯巾着も
アンテナを装備しているのが多い。
つまり海の中はアンテナだらけ。
それほどまでにして、1万mの深海で
シーラカンスは待っているのだ。
宇宙への旅立ちを。


阿 修羅の繭
何という気品!
もしも阿修羅の繭が
旅立ちの指令を母星から受け
4億年の眠りから覚めたなら
きっとこんな風に花開くのであろう。
プラチナのような硬質な光沢を
放っているが
実は柔らかな磯巾着。
海のモノリス
岩海綿目・岩海綿科な
んて偽称してるが
どう見たってこいつの正体はモノリス。
無数の隕石が激突しつつ地球を生み出し
やがて冷え海が誕生し
隕石と共にやって来た蛋白質が
シーラカンスに変わる。
そのプログラムは総て
この1mを超えるモノリスが担っているのだ。


                          


 Index   Next