珊瑚海其の34の3・・・・・・・もう1つのヒマラヤ

 
仙人日記
 その122の52016年  
 Contents
《A》  哀しみのアボリジニ
《B》  レンタカーで突っ走れ!
《C》  ケアンズからウルル山へ
《D》  ウルル山逍遥
《E》  グレートバリアリーフ
 BGR & Uluru
 
撮影日:2016年1月20日~25日
場所:ケアンズ、ウルル・カタジュタNP
撮影&編集:坂原忠清

《C》 ケアンズからウルル山へ

トロピカルAquaバー(ホテル内のバー)
夕刻ビーチの散策
1月22日(金)晴 ケアンズ

無料バーなんて聴いたことが無い。
このホテル幾つかレストラン、
バーがあるが
その内の1つトロピカル・バーは
夕刻になると
ビア、ワイン、カクテル等
無料になるのだ。

勿論、呑めるのは宿泊客だけ。
酒販売はライセンス制で酒類を
提供しないレストランBYO(Bring Your Own)
も多く自ら酒を持参しないと
呑めないので大助かり。

まー、先ずはよーく冷やしたビア。
お次は地元シャンパン、
ワインも赤と白を堪能。
最後はトロピカル・カクテルで。
でもって、すっかり出来上がり
ほろ酔い気分で浜辺散策。
ありゃ、可愛い女の子。
一番下は生まれたてのホヤホヤ!

頬に触ったらマシュマロの様に
柔らかくて、
おっぱいの匂いに満ちていて、
一気に70年前の乳児に
ぶっ飛んで蕩ける。

お姉さんたちの笑顔も絶品。
こんな天真爛漫な笑顔、
何処から湧き起ってくるのか?
ねえ、ちょっとだけでいいから
その笑顔の棲んでる
心象風景を見せておくれ!

生まれたて赤ちゃんの(元気な三姉妹と)



浜辺のアスレチック場

浜辺のプール・ラグーン

≪ミレニアム≫のリスベッドか?
ふらり!
これこそ旅の醍醐味である。
折角来たんだからと、
ガイドブックとにらめっこして、
旅行業者の巧みな弁舌に乗せられて
分刻みのスケジュールを立て
旗持ちガイドに振り回される。

そこで目にするものは悉く、
自ら観ているのではなく、
見せられているのだ。
旅に出て時間に追われるのは、
真っ平ごめん!

こんな風に黄昏のバーで
海風に酔いながら、
ぶらりと当てもなく、此処が
どんな処なのか知りもせず、
船を漕ぎだすのが好きだ。

筋肉もりもりのお姉さん
黒い犬を連れて
黒いトレーニングウエアを纏い
唯ひたすらに筋肉トレーニングに
励む筋肉盛り盛りのお姉さん。
恐る恐る声を掛けてみる。
「あのー、
写真撮ってもいいですか?」

若しも声もかけず
パチリなんぞとやったら、
リスベット・サランデル
(今読んでいるミレニアム4の主人公)なら、
間違いなく相手の金玉を蹴り上げ、
腕をへし折り捨て台詞。
「顔洗って出直しな!」

でもこのお姉さんはニッコリ了承。
 
無料のキッチンまであるでは!
 
犬語でお喋り
 
ほんじゃ乾杯!

黄昏ケアンズの中心街エスプラネード
良い匂い!
夕闇に溶け込んで漂ってくるのは、
BBQの焼肉やソーセージの
美味しそうな匂い。
匂いに引かれて芝生を歩むと
キッチンや食卓の備え付けられた施設。

どうやら無料施設で、
食材を持ち寄り調理しパーティーを
開いているらしい。
「このソーセージ、滅茶美味!
食べてみる?
ワインもウイスキーもあるよ」
エスプラネード
Espranade(遊歩道)

ケアンズは金鉱の港町。
140年前の1876年、近くで金鉱が
発見されゴールドラッシュの波に乗り、
ケアンズは栄えた。

南太平洋・グレートバリアリーフに
面した海岸には、
遊歩道・エスプラネードが設けられ、
夜間マーケットや土曜マーケットが
開かれる。

無料で開放されているラグーンと
呼ばれている大きなプールや
アスレチック施設も人気で
活気づいている。

暮れ泥むトリニティー湾

流しのフルート吹き
でもアボリジニの姿を見かけることは
殆どない。
木陰で並んで寝ている母子らしき
2人連れを見つけた。

どう見ても健やかに甘い夢をみながら
眠っているとは思えない。
観客の集まらない流しのフルート吹きが、
時折、音色と共に
視線を流すが母子はピクリともしない。

エスプラネードの活気から
疎外された寂しい光景。
 
アボリジニは靴が嫌いだとか


の海へダイビング、の大地を車で、砂漠を超えて西のウルル山へ
1月23日(土)晴 ウルル山に向かう機上から撮影

夜明け前の空港に降り立ち、未だ寝静まっているケアンズの街へ。
チェックインは午後なので、荷だけホテルに運んでもらい、早速街のウオッチング。
先ずはレンタカー会社Avisを探さねば。
レイク・ストリートとアプリン・ストリートの交差点を求めて、ひっそりと寝静まった街に繰り出す。

西も東も解らぬ見知らぬ街を歩き出す時の気分は格別。
アームを備えた清掃車が道路に置かれたゴミの詰まったポリタンクを持ち上げ、
ヒョイと荷台に放り込む様子が面白くて立ち止まって観察したり、
スーパーマーケットを覗いて、今日の昼食となるサンドイッチや果物を買い込んだり。
さあ、海と山と砂漠への旅が始まるぞ!


褐色の大地を超えて

1月から3月は雨季で
毎月400mm以上の雨が降り、
計1200mmを越えるが、
夏場は殆ど降らない。

オーストラリアの雨季の
3か月間に降る雨は、
東京都の年間雨量1467mmに
匹敵し半端ではない。
と思って覚悟していたが連日、
好天気に恵まれ雨具不要。

カンタス航空でウルル山へ
雨季は何処へ行ってしまったかと
機上から大地を眺めて吃驚!
大分水嶺山脈に掛かる
積雲を越えると赤い大地が広がり、
砂漠に川が出来ているでは!

こうして雨季に刻まれた川が、
砂漠の塩分を溶かし、
夏になって水分を蒸発させ、
塩の白い帯だけを残す。
この延々たる繰り返しによって、
塩湖が生まれるのだ。

大分水嶺山脈の積雲

山脈を超えると褐色の大地

雨季なので砂漠に川が



早朝5:40出発なのでその前に美味しい中華三昧を食べようと、わざわざ日本からヒーターを持参したが
過熱防止ブレーカーが加熱前に作動し、どうやっても上手くいかず携帯ポットで作る。
国内線なのでビアの持ち込みも可能だろうと1本試しに預け荷に入れたが、全く問題なし。
ま、不足分はウルルのスーパーマーケットで買えばと安易に考えていたが、
どっこい。アボリジニのテリトリーであるウルルでは酒類の販売は一切無し。

許可されたホテルのレストランでしか呑めないと解ったのは現地に着いてから。
15時頃のチェックインとかで、その前にウルルリゾートの偵察を兼てスーパーに出向き、
野菜や果物、サーモン、パン等を買い出ししホテルに戻ると未だ11時前だと云うのにチェックインOKとのこと。



眼下にアマデウス塩湖が
えっ!本当に観えたんですか?
晴ていても砂塵に煙っていて
アマデウス塩湖が、
綺麗に観えるなんて滅多に
無いんですよ!
私も実は未だ観たことないんです。

そう語るのは 
ウルル山でツアーガイドを
している沙和さん。

塩湖に浮かぶ宝石

右にウルル山、左にウルルの村 
 
赤い砂漠の彼方にウルル山が

広大な砂漠をに乗って内陸へと
旅してきた探検家のアーネスト・ジャイル
はエアーズロックを
遠望したが、この塩湖を超えられず。

翌年1873年同じく探検家の
ウイリアム・ゴス が今度は駱駝に乗って
塩湖を超え、ウルル山の
登攀と測量を行いエアーズロックと命名。
現在はアボリジニの呼び名の
ウルル山に改名。

グーンと迫るウルル山 



帆船の様にを張る砂漠のホテル
その名もSails in the Desert(砂漠の帆船

試しに直ぐ隣のタウン・スクウェアにある
スーパーマーケットまで歩きで出かけてみた。
紅海のシャルム・エルシェイクの夏の暑さや、
タクラマカン砂漠に比べれば、
屁の河童だが、砂漠の熱射は半端ではない。
久々に滴り落ちる汗を堪能。
砂漠の熱射を如何に遮るか 

国立公園の景観を損なわぬよう配慮して
造られたリゾートには、
猛烈な熱暑を防ぐ日除け用の大きな帆が68か所に
張られている。

変な宿名、何で砂漠に帆船があるの?
と思っていたがホテルに着いてすっかり納得。
この天空に架かる帆が無ければ、
とても戸外で過ごす訳にはいかない。

 
帆の無い処はガムツリー(ユーカリの仲間)



贅沢な砂漠のプールには高い塀が? 
携行義務のツアー

熱中症予防の為、国立公園管理局の推奨により
1人、1リットル以上の水を持つこと。
ツアー出発の際にガイドがチェックし、
量が不足してる場合はその場で購入してもらう。


それだけではない。
実際にガイドは何度も口うるさく水飲みを呼びかけ
飲んだかチェックするのだ。
脱水症状に陥るツアー客が後を絶たないとか。
それを無視して砂漠の旅を終え、
呑むビアの何と美味いことか!

夜には水の臭いに野生動物が 

料持込制限

バイオセキュリティーが厳しくて
オーストラリアに持ち込める
食料はかなり制限される。
乳製品、卵製品、青果物、肉製品、
鮭、鱒製品、ナッツ類、
カレーのルー、インスタント味噌汁と
細かく持ち込み禁止品目が並ぶ。

この禁止品目の他に、
申告が必要な物として乾燥果物、
焼き菓子、ケーキ類、麺類、
米、紅茶、コーヒー、その他の飲料と
あり、食糧持込は難しい。

うっかりインスタントラーメンの
申告を忘れ高額な罰金を
課せられた旅行者の体験記が
ネットには載せられている。


砂漠には欠かせぬビア 

仕方なく食材や調味料を
現地調達することにして、先ず
サラダのドレッシングに
欠かせないマヨネーズを探したが、
6種類程あるマヨネーズの
総てが各種の甘い添加物が
加えられているでは!

添加物の最も少ない物を選んだが、
これがゲテモノでとても
食するに値しない。
その上、胡瓜、セロリ、ピーマン、トマト
等の野菜の不味いこと。
桃、葡萄、西瓜、メロン等の果物も
夏場の今が旬なのに、
糖度不足で食べられたもんではない。

バイオセキュリティーを見直し
野菜も果物も、もっと優れた種を
輸入すべきと実感!


大蜥蜴、カンガルーもドブン 

国内線で持ち込んだビアで乾杯! 

帆の間から星が降って来る 



5つ星と噂されている沙漠の帆船(Sails in the Desert)ホテルのデラックスルームは
予想外の素晴らしさ。環境保護の為、建物そのものに色々規制が多いので、
狭く見晴らしも良くないのでは。と勝手に想像していたが、広々としていて、
最上階の3階なので赤い沙漠も見渡せ申し分無し。
早速買ってきた食材や日本から持参した牡蠣、帆立、赤貝等でサラダを作り、
良く冷やしたビアで乾杯!

その後、誰も居ない駱駝牧場で遊んだりカタジュタ岩峰にトレッキングに出かけたり、
夕刻はウルルの夕日鑑賞展望台でシャンパンを呑みながら、
暮れ泥むカンブリア紀地殻変動の造形物と対峙したり、沙漠の帆船旅を満喫。
締めくくりは沙漠の帆船宿のバーでビアを呑みながらアボリジニの絵画鑑賞。



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