セレベス海・ダイビング

珊瑚海・生命への旅

            珊瑚海・・・・・・・もう1つのヒマラヤ

其の24

Celebes Sea

撮影日:2009年8月
場所:デラワン島 マラトゥア島
カカバン島 サンガラキ島  
撮影or編集:坂原忠清


セレベス海と呟くだけで胸が騒ぐ。
セレベス海・・・5大陸から最も離れた4200万年前の古代の海洋盆地。
4200万年が僅かに海中より姿を現し小さな島を造った。
それらの島々、サンガラキ島、デラワン島、マラトゥア島、カカバン島を巡る
クルージングDV計画がついに実現しそう。
400本目の記念DVをセレベス海で迎えられる歓びに少年の心は踊る。


と、山荘日記に記して旅立ったが・・・

最初のセレベス海・シパダンの印象は強烈であった。
その南に位置するより秘境性の強い島々へのクルージングには胸が躍った。
期待は見事に裏切られた。
デラワンでの魚影の薄さにはガックリ!錦テグリが観られたのが唯一の救いかな?
続けてのマラトゥアでは冷たく激しい流れのチャネルに4回潜っても
バラクーダのトルネードは観られず回遊も数回のみで素通り。
カカバン島の神秘・
海水の湖も無数の海月に占領され面白くない。
せめてマンタの島と命名されたサンガラキで珍しい黒マンタにでも逢ってやろうと
マンタと名の付くDVサイトに4回潜ったが黒マンタどころか
普通のマンタすら影も形も無い。
《時には数十匹のマンタの群れに遭遇出来る》とか情報が流れているが
4回潜っても影も無いとはこれ如何に?
だがこのマンタ・ポイントは予想外に珊瑚が美しく
最長で75分近くも潜り飽きが来ない。


さて今回が特別悪条件が揃ったのか?それとも・・・・?




DV Site
原図:WTP
(今回の航海矢印は逆)

8月6日:デラワン島
 @キアミ桟橋(沈潜レック) Aツタルガ Bコーラル・ガーデン Cカフェ桟橋(夜) 

8月7〜9日:マラトゥア島
 Dスナッパー・ラン E スモール・フィッシュ・カントリー F ザ・チャネル
 Gラグーン(夜) Hザ・チャネル Iレオ・ポイント Jイーグル・レイ・ラン
Kザ・チャネル
 Lラグーン(夜)M ザ・チャネルN ミッド・リーフ

8月9日:カカバン島
 Oバラクーダ・ポイント(発熱で欠)  *ジェリー・フィシュ・湖 P桟橋 

8月10日:サンガラキ島
 
Qマンタ・パレード
 Rマンタ・ポイント Sマンタ・ラン 21マンタ・パレード 
《A》 セレベス海へ   
《B》 デラワンDV
《C》 マラトゥアDV
《D》 
カカバンDV 
《E》 サンガラキDV 

         
 
相対評価・・・《5》最高、《4》良い、《3》並、《2》やや悪い、《1》悪い

珊瑚の成育 透明度 魚影 静けさ(ダイバー数) 4 周辺環境(汚染等) 4

総合評価・・・《3+


《A》 セレベス海へ



4回の乗り継ぎ
台湾→スラバヤ→
バリクパパン→タラカン

鈍い鉛色の光を
不気味に反射して眼下に
海老養殖池が広がる。
セレベス海西端にも
日本に輸出する
海老が養殖されている驚き。

2日間に亘る長ーい
飛行機の旅がもう直ぐ終る。
生命そのものの力では
決して超えられぬ
広大な空間を突き破って
短時間で2点を繋ぐ術は
未だ飛行機しかない。
耐えるしかないのだ。

訪問4度目のボルネオ島が
急速に迫り
視野を覆い尽くす。
さあ、新たなる邂逅の始まり。

タラカン上空




マングローブの森
スラとバヤ

タラカンの
マングローブの森で
凄絶な闘いに遭遇。
大きなムツゴロウが
蛇に捕らえられ
死を迎えた虚ろな視線が
蒸し暑い熱帯の
大気に彷徨う。

スラバヤに着いて
ガイドに意味を問うたら
スラは鮫でバヤは鰐。
鮫と鰐の闘いを
意味する街だとのこと。

スルタン国から
オランダ植民地時代を経て
日本軍に占領され
英軍と闘いオランダ軍に
再占領され1949年に
インドネシア共和国に編入。

ムツゴロウの虚ろな視線が
侵略者に食いつかれた
原住民に重なる。
歴史は膨大な生と死の累積。



天狗猿は何処?

ボルネオ島にしか
棲息していない
水掻きのある珍しい猿が
観られるとか。

マングローブの森に
入った途端出くわしたのは
何と云うことの無い
普通の猿顔した奴で
木道に立ちはだかって
行く手を遮る。
近づくと攻撃の気配。

ボルネオに棲む猿と云えば
天狗猿の他には
蟹喰猿か豚尾猿かな。
でも明らかに
こいつ蟹でも豚でもないな。

天狗猿を求めて
マングローブの森を彷徨う。
森の遥か奥の梢が
微かに揺れる。
だが猿の影のみで
天狗猿か否か判断出来ない。

そこで迂回して再度
森の奥を観察。
「見えた!」
かなりの距離があるが
確かに大きな鼻が
こちらに向いている。

それにしても大きな鼻。
食事には邪魔なので
手で持ち上げるらしい。
雄にしかないので雌への
アッピールとか
共鳴器官とか諸説あって
結局分からんらしい。
謎の鼻なのだ。

(天狗猿画像:yahoo)  Proboscis monkey (マングローブの森) 




クルージング

ボルネオの島に紅の環を架けた太陽が
再会の気配を微塵も見せず
悠然と堕ちる。
セレベス海へ

オランダ植民地時代の
面影をとどめた
タラカンの街を走り
クルーズ船の待つ港へ。

ブラック・マンタ号と
我々の船・パヌニー・ヨット
の2隻が静かに停泊。
ブラック・マンタには
欧米ダイバーが乗り組み
我々の船と同日程で
セレベス海を目指す。

船内でのブリーフィング後
早速、山荘ワインで
飛行機からの開放を祝う。

高度1万メートルの空から
海へ、更に海中へと
生命のテリトリー・
もう1つの宇宙をを追って
旅は続く。



プチュ・DVガイド

Putu Eka Mulyana
インドネシア人のDVガイドで
極めて寡黙である。

撮影に熱中し2度程
チームから離れ
単独で緊急ブイを出し
浮上したこともあったが
そんなの全然気にしない。

ガイドが浮上してからも
ダイバーの残圧判断で
自由に潜水することも可能。
欧米人向きのガイドは
これが当たり前。

寡黙に込められた彼の
メッセージは
《自立せよ!
ひ弱なダイバー諸君》
こんなガイドに回り逢うと
撮影が大いに捗る。
《気に入ったぜプチュ!》

パヌイー・ヨット操舵室




キャビン
洒落た狭さ

前回メキシコ船の
蛸部屋キャビンには
泣かされたので
今回は慎重に事前チェック。
トイレ、浴室と居間が
あるのでまーいいかなと
航海を決定したが・・。

天井と左舷に窓があり
朝な夕なには太陽が
飛び込んで来るし天井の窓
からは星も仰げる。
だが何とも窓が小さ過ぎる。

洒落た造りではあるが
部屋そのものが
狭くて息苦しいのも難点。
せめてサンデッキが
広々としていればと最上階に
出てみると
まるで猫の額のごとし。

こうなると救いは
ダイニングルームだが
ここも狭くリラックス出来ない。
定員20人に今回9人で
狭苦しいのだから
20人も詰めたら過密だな。



キャビンの夜明け

慣れるものである。
2,3日すると狭さが
大して気にならなくなった。

左舷の棚にスピーカーを
2つ置いて
オーディオセット。
その隣を本棚にする。
今回の目玉は平野啓一郎の
「ドーン」、ジョン・グリシャムの
「依頼人」、辺見庸の「美と破局」
その他10冊あまり。

さあ、これで準備完了。
唯ひたすら潜って
DVの間に音楽を聴きながら
読書に勤しむ
贅沢な日々が始まったのだ。

船室天井、朝一番の太陽が
目覚まし時計。
起床後腹筋とストレッチ
更に筋トレ後、朝飯前のDV。

キャビン天井

肉体がしゃきっとした処で朝食、
さて今朝はショパンのバラード4番を聴きながら読書でも・・・。
1時間半の休息を挟んで再びDV。
これがなんと夜のDVまで終日続くのである。



マラトゥア島
椰子で乾杯!
村上映子:記

「デラワン」其処は
特別な響きが
感じられる場所だった。

ダイビングを始めたばかりの頃
世界の海を潜ってきた人物が
今までで最も好きな場所
として挙げた地名だったから。
またサンガラキは
マンタの群が見られるとも
聞いていたし、それだけに期待に
胸膨らませ乗船した。

しかしながら
率直な感想を言えば
印象の薄いダイビングだった。
今回、面白かったのは
むしろナイトダイブだった。
ナイトの経験が少ないから
言えることなのかな。


400本、200本の記念ダイブ
としては残念ながら少々
もの足りない
思いが残った。



おめでとう200本!
村上映子:記

けれども、毎日めいっぱい
潜るクルージングの楽しさは
十分味わえた。

船のスタッフ、ガイドは
とても良くやってくれたし
共に潜ったダイバー達も
気持ちよい人たち
だったことはクルージングでは
大切な要素である。

マラトゥアで島に上陸して
島民達との僅かな触れ合いが
あったことは心に残った。


紅海で100本目の
記念ダイブを潜ってから
3回目の夏が来てようやく
200本ダイブを達成できた。
バディ氏のちょうど倍時間が
かかったことになる。

数は決して多くは無いが
振り返ると、いずれも
充実感に満ちた
DV旅行に
同行させてもらって
感謝の限りだ。


マラトゥア島海底

同じインドネシアのラジャアン・パッドが
あまりにも素晴しい海だったので、今回が物足りなく
思えたのかな、と贅沢になった自分に内心であきれてもいる。




デラワン島海底

沖縄慶良間での1,2本目を除くと残りは総て熱帯域。
熱帯域での珊瑚海DVサイトの5段階評価も34回目となり
終わりに近づいた。
もう次なる500本DVは必要無いのであろう。
ついでに400本!

今回セレベス海での
最初のDVが
400本目となると話したら
ガイドのジュリーが
Tシャツをプレゼントしてくれた。

クルージング船名
《PANUNEE》のロゴ入りの
Tシャツに船のクルーや
ダイバーが祝福の
メッセージを書いてくれた。

ジュリーは日本語で
「おめでとう」と書きたいので
教えてくれと言う。
初めての日本語に挑戦し
見事な達筆でサラサラ。

100本目が
イルカと泳いだパラオ。
200本目が
宇宙基地のような
紅海のシャルム・エルシェイク。
300本目は
ハンマーヘッドが乱舞する
嵐のココ島。



《B》 デラワンDVへ




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