ガラパゴス・ダイビング
珊瑚海・・・・・・・もう1つのヒマラヤ
其の22
Galapagos Is
撮影日:2008年12月 場所:ガラパゴス諸島 撮影or編集:坂原忠清 |
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『コンチキ号漂流記』に胸躍らせ、トール・ヘイエルダールのような 冒険する学者に憧れ、『ビーグル号航海記』を読んでガラパゴスのイグアナや象亀に 興奮した少年が半世紀を経てようやくガラパゴスへやって来た。 逸る心を抑えて半世紀前の少年は出発前日の日記に、こう記した。 ・ 明日からダーウィンの進化論の島・ガラパゴスまで、ちょっと出張です。 イグアナ、ゾウガメ、アシカ、ペンギン達が《時》に閉じ込められ 固有種として現存する異空間。 エクアドルから千キロ彼方の太平洋上ガラパゴスまで飛び サンタクルス島に滞在しダイビングの予定。 |
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DV Site 原図:Nauta Routes ・ 12月19日:セイモア島 @カナル(Canal)、Aプンタ(Punta) 12月20日:サンチャゴ島 Bコ-シン(Cousins)、Cノース・セイモア(North Seymour) 12月21日:ゴードンロックD(Gordon's Rock)セイモア島 Eプンタ(Punta) |
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《A》 イグアナの島へ 《B》 象亀との邂逅 《C》 愛らしきアシカ 《D》 ガラパゴスの鳥達 《E》 ガラパゴスの花々 《F》 陸から海へ 《G》 火山海底の佳人 《H》 ノースセイモア島での死 |
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相対評価・・・《5》最高、《4》良い、《3》並、《2》やや悪い、《1》悪い
珊瑚の成育 | 1 | 透明度 | 3 | 魚影 | 4 | 静けさ(ダイバー数) | 4 | 周辺環境(汚染等) | 5 |
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総合評価・・・《4+》
クレストを立てる海イグアナ 化石なのだ、イグアナは。 ・ 海藻しか食べないと頭では理解しているが 初めて大きなイグアナに近づくのは怖い。 どう見ても肉食の恐竜のようにしか見えないのだ。 ファインダーを覗きながらじり、じりと接近しシャッターを切る。 全く動かない。微動だにしない。 僅かに開いた暗い瞳は視覚に映ずる存在を超えて遥かな時空を彷徨う。 ・ 天敵が居ないので追われることもなく、餌を競って戦う必要もなく 唯、太陽を浴びながら 岩の一部と化し化石となって悠久の時を漂うのだ。 |
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漂流者イグアナ 造山活動が活発で アルプスやヒマラヤが 生みだされ生命が 満ち溢れた新生代。 ・ 今から5百万年前 新生代第3紀の後半に ガラパゴスは盛んな 火山活動により海上に 姿を現したと考えられている。 ・ 海を漂流して流れ着いた イグアナは 草木の無い赤茶けた 死の大地・ガラパゴスで 生き延びる術を 手に入れる必要に迫られる。 ・ イグアナは海に潜った。 海草を食べ独自に進化を 遂げたのが ガラパゴス固有のこの 海イグアナである。 ・ 1m50cmにもなる 海イグアナは ガラパゴスでしか見られない。 閉鎖された時と空間が 生み出した 貴重な創造作品である。 |
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海イグアナの鋭い爪 ガラパゴスの海流の 激しさは半端ではない。 ・ 南極からやって来る 冷たいフンボルト海流が 北からの暖かい パナマ海流にぶつかり ガラパゴスで唐突に 西に折れる。 ・ 海の深層では クロムウエル海流が 西から流れてきて 島に突き当たり湧昇流となり 複雑な流れを生む。 ・ 湧昇流は低層の栄養塩分を 表層に運び上げ 魚や海草を育てる。 ・ 激しい流れに 飛ばされぬよう鋭い爪を 発達させ岩にしがみ付き 豊かな海草を 獲得した海イグアナ。 |
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黄金の陸イグアナ 5百万年前に海上に 姿を現したのは実は 南東に位置するエスパニョラ、 サンクリストバル島で イサベラ島など北西にある 島は僅か5〜30万年前に 誕生したのだ。 ・ つまりガラパゴス諸島は ホットスポットから 生み出されたのである。 ・ 長い年月をかけて 島々に緑が芽生えた頃 流れ着いたイグアナは 海に潜らず陸の サボテンを餌として進化。 ・ 激しい海流と闘いながら 進化した海イグアナと 異なり陸イグアナは 鋭い爪も持たず クレストも小さく顔つきも 温和である。 |
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21世紀の進化 ガラパゴスでの進化が つい先程 21世紀の初頭に起こった。 ・ 進化は遠い過去の話と 誰しもが思っていたので 世界に衝撃が走った。 ・ 引き金は地球温暖化。 それはサンタクルス島の 東にある小さな島 サウスプラサで発見された。 ・ 温暖化で海水温が上昇し 海草が減少し 海イグアナが陸に上がった。 ・ 陸イグアナの雄が成す ハーレムに押し入り 弱い雄を追い出し 海イグアナの雄が 雌イグアナと交尾したのだ。 ・ その結果鋭い爪の生えた ハイブリッドイグアナ が生まれ 木にも登り海にも潜る 水陸万能の 新種が誕生した。 温暖化に対応した 21世紀の進化なのだ。 |
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溶岩蜥蜴 イグアナ科 ヨウガントカゲ亜科 随分沢山の溶岩蜥蜴を 見たがこんな赤い頬の奴は 中々見かけない。 雌の印らしいがそれなら もっと沢山見かける 筈なのだが・・・ ・ 君もイグアナ科だって? そういえば僅か背中に クレストらしき物が 残っているね。 きっと、威喝する時には クレストを立てるんだね。 ・ 海イグアナの祖先は カリブ諸島のグリーンイグアナ らしいけど君達は イグアナ程の大きさにならず 10cm程の溶岩蜥蜴 になったのかな? ・ 雌への求愛や敵への威喝 で見せる『腕立て伏せ』 が見たかったけど あれは雄しかしないんだね。 |
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