武装するトゥナ ウチワ・サボテン 飛行機から見下ろすと 呆れるほど不毛な 茶褐色の溶岩台地が ぽつんぽつんと 大海原に点在している。 ・ 生命が存在仕様も無い 堅い溶岩だけの地に やがて生命を 生み出す時の累積に驚愕。 ・ 生命の源泉は土、水、光の アンサンブルであるが 実は当然の前提条件として 時の累積があったのだ。 ・ ここに在るのは光と 時の累積、僅かな水のみ。 この苛酷な地で 産声を上げ独自な進化を 遂げた生命・サボテン。 |
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サボテンの花 花さえも食料 ガラパゴスでは 現在までに575種の 原生する植物が 発見されているそうだが 実感としては 「えっ!そんなに在るの?」 ・ 目立つのは団扇サボテン 柱サボテンと僅かな 溶岩サボテンが主で それにスカレシアなどの 灌木が加わっているかな 程度の光景である。 ・ 島の動物達は この鋭い棘で武装された サボテンを中心にして 食物連鎖を形成する。 ・ 棘をものともせず イグアナや象亀は好んで サボテンを食べ フィンチや青眼鳩等は この花さえも食べてしまう。 |
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進化の結果 巨木へ変身 サボテンしか無い様な 環境なので サボテンはイグアナや亀 だけでなく多くの 動物の食料となる。 ・ そうなるとサボテンは 絶滅してしまう。 そこでサボテンは考えた。 彼らの背の届かない 高い幹を伸ばして その上に葉を繁らせよう。 ・ 現実は僅かに背の高い サボテンが食べられずに 生き残り その遺伝子が受け継がれ 長ーい時の累積を経て 巨木を形成したのだ。 ・ しかし結果としてみると 恰もサボテンの 生き延びる知恵が そうさせた、つまり考えた 結果と見えなくは無い。 ・ 人間の思考の原点を 目の当たりにして いるようで 妙に親近感が湧く。 |
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Prikly Pear Cacutus(タートルベイへの森) |
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蕾だったの? 時計草・ベドカ ふと傍らの繁みに 目をやると見たことの無い アールヌーヴォーの 作品が潜んでいる。 ・ ガラパゴスの光と風を 孕んだ翡翠の玉を 3本の腕が無数の針を 纏って包んでいる。 ・ 繊細な造形に魅せられ 翡翠玉の直近の 時間軸に想いを巡らす。 果たしてこれは 果実であろうか? ・ であるならば直近の過去は 花であったはず。 若しかするともっと大きく 成長した近未来の アールヌーヴォーも 潜んでいるかも知れない。 |
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本当に胡瓜か? ペッピーノ 探してみたら直ぐ横に 成長したらしき果実。 居た居た! きっとこれが近未来の アールヌーヴォーだ。 何だかキウイにそっくり。 ・ 早速画像をホテルに 持ち帰り従業員に 聴いてみる。 「これ直ぐそこの藪で 撮ったんだけど 名前教えて」 ・ ところがどうだ。 この地では花も実も僅かで 貴重な存在なのに 誰も知らないのだ。 ・ やっと教えてくれた ガイドの答えはPepino。 早速辞書で調べると なーんだ、胡瓜のことか! でも断じてこれは 胡瓜では無い。 ・ やっぱり近未来の アールヌーヴォーだ。 |
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トケイソウの仲間は南米を中心に400種以上が記載されていますが これはガラパゴスに固有のベドカ (bedoca; Passiflora foetida var. galapagensis)です。 イザベラ、フロレアナ、サンクリストバル、サンタクルスの4島から 報告されています。 |
開いたぞ! |
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ムジュジョだって! ホテルマン語る ところが帰国後 調べてみると時計草は 正しくパッションフルーツの 花ではないか。 ・ してみるとあの毛の生えた キウイのような奴は やはりペッピーノ・胡瓜では なくてパッションフルーツ? ・ 更に研究所で発行している 2006年鑑の11ページ にはこの花の写真が パッションフルーツの花として 載っているのだ。 ・ 不可解な驚きは続く。 千葉大名誉教授の 栗田子郎は 《ガラパゴスに固有のベドカ》 と述べている。 ・ 一方、「ガラパゴス博物学」の 著者・藤原幸一は ガラパゴスの帰化植物の 中でパッションフラワーを 「日光を遮断して原生林を 殺してしまう」と 述べている。 |
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同じかな? ムジュジョの実 どっちが真実なのだ。 そういえば大体 何故passion(情熱)なんだ? と調べてみると これまた吃驚! ・ 「キリストの受難」の 花であり果実だったのだ。 アッシジの 聖フランチェスコが見た夢 の「十字架上の花」は これに違いないと信じた イエズス会の宣教師達が 命名したらしい。 ・ Passionの原義は苦しみ でありキリストの受難を 意味するのだ。 ・ あれれ!ムジュジョの欄に 侵入して最早 スペースが無くなって どうしよう。 この花はキトへ同定依頼に 出しているので 返事が来てから考えよう。 |
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火炎樹 マラカスの木 ガラパゴスに来て 初めて良く知っている 花に出会った。 熱帯の島々でお馴染みの 火炎の木・鳳凰樹。 ・ 群生することが多く 炎の森を成したり時には 全山を炎にかえる。 まさかこのガラパゴスでも お目にかかるとは驚き! ・ しかしいつものように 群生せず1本だけ ひっそりと咲いている。 探してみると ダーウィン通りの街路樹 に混じって数本の 火炎樹があった。 植樹されたのであろう。 ・ 大きな堅い剣状の莢は マラカスに種子は レイやネックレスに加工され お土産屋に並ぶ。 |
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palo verde サンタクルス島では サボテンに次いで よく見かける花なのに これ又ホテルの従業員に 訊いたが中々 解らない。 ・ 一人が「アカシアだ」と 答えたが怪しいので帰国後 キトのガイドに画像を 送って問い合わせた。 ・ やはりアカシアとの返事。 確かにアカシアは 600種にも及び同定が やっかいだ。 ・ 日本では偽アカシアなる 針エンジュがアカシアとして 罷り通っている。 ・ ミモザ名で知られる 房アカシアや球状花を付ける 銀葉アカシアの知名度が 高いがこんな花は 日本では見たことが無い。 ・ 莢が出来てるのでマメ目 のアカシア科なの だろうとは思うのだが・・ |
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貴重な建築材 『アヨラの市内から3km 海イグアナ、ペリカン等 海鳥の見られる 美しい白砂のビーチ』 ・ 3kmもあるタートル・ベイの ビーチまでは当然車道が 在るものと思って 出かけたが何と広大な サボテンの森に 狭い歩道が延々と続くのみ。 ・ 思わずジョックしたく なるような素敵な森と小径。 嬉しい誤算。 その先に広がる白砂の ビーチの美しさは 確かに一見に値するが タートルもイグアナも 見当たらない。 ・ 巨大な亀とイグアナを 撮ろうと意気込んで来たが 撮れたのは森の植物。 マタサルノだと 教えてくれたキトの石倉さん によるとこの木は建築材 に使われるとか。 |
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猿尾枷 半砂漠のサルオガセ 雨の多いブータンや ボルネオの森に ふと迷い込んだような 錯覚に陥る。 さっきまで一面に拡がって いた広大なサボテンは 何処へ消えてしまったのか? ・ サンタ・クルスは実に 不思議な島である。 砂漠と熱帯雨林が同居 しているのだ。 ・ この熱帯雨林の森を 造ったのは南からの卓越風。 この風が山の斜面に ぶつかり霧を孕み多量の 降雨をもたらす。 ・ 従って上に行くほど雨が 多くなり原生林では ご覧のように木々に猿尾枷が 絡みつくのだ。 |
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《F》 陸から海へ