仙人日記
 
 その114の62015年  皐月
 
 Con Dao
 
撮影日:2015年5月9日~15日
場所:ベトナム・,コンダオ諸島  
撮影&編集:坂原忠清
       村上映子

《F》 煌びやかな珊瑚の宮殿へ

倉掛雀鯛(クラカケスズメダイ)
Black soft-snouted sergeant-major
 ホンカウ島 バイコーバン 

ネットで幾ら調べてもコンダオ諸島のダイビングショップは見つからない。
ネットサーフィンを繰り返し、どうにか見つけた2つのショップからメールが届いた。
レインボーのリャン(Ryan)は仙人のHPを観て you are quite experienced とメールしてきた。
ダイビングマップを観たのだろうか?
それとも少しは日本語が解るのかと思ったが、逢ってみて全く解らんことが判明。

Sakahara,
I see that you are quite experienced, and I think you will quite enjoy the diving here on Con Dao!
How many people will be diving, on which exact dates, and what are their names?
Please clarify, are you providing aall of your own gear?
Regards, Ryan

Hi Sakahara,
If you bring a full set of your own equipment (excluding tanks and
weights) then we offer a 10% discount. I'll do a price of $150 per
person per day if you do 2 or more days diving.
If you can get $100 dollars for 2 dives elsewhere, then I would be quite
surprised. That is extremely cheap to dive on Con Dao.
Regards Rhys

 
誰も居ない静かな海
 

無数の珊瑚から成る宮殿 


【7a】 二人乗りバイク

二人乗りが前提で作られているので、乗ってみると後部座席は実に快適だ。
足を乗せるペダルもあり、何よりシートが広々心地よい。

運転者は先ず慣れなければいけないし、どうやらバイクとしての性能は落ちるらしく、
「おもちゃを運転しているみたいで頼りない」との感想。道路は舗装されているし、車はほとんど走っていない。
町までの
10分程の道はカーブは多かったが、基本的には安心して走れる。

町は海沿いに広がるが、よく整備され、とても明るくきれいな所だ。
予約していたダイビングショップに先ず寄る。
ところが、ショップはリゾートへの送り迎えをしてくれないとのこと。
まさかバイクに荷物積んでくる訳にはいかない。
此処は諦めて、リゾートのダイブショップを利用しよう。




さて、レインボーダイバーズは何処だ?

街中のDVショップまで
バイクで
 
待ってました!レインボーのアスレイでーす



さて手続き完了
フィンも無いし
100ドル札もありませんよ!


あれあれ、ボートが
出発してから
器材をチェックしていたアスレイから
「フィンがありませんよ!」

云われるまで
気づかないなんてね、ドジ!

それでは出航!

あれっ!村上さんフィンが無いよ!

シャーナイ取って来るか?とリャン

リャンさんありがとう!



【7b】 ビールと野菜果物をザックに一杯

次は市場へ。時間のせいか、生ものはあまり出ていなかったが、野菜やフルーツは豊富だ。

ビールと野菜果物をザックに一杯になるほど買い込んで、市場を後にする。
一旦戻って荷物を置くことと、ダイブの予約をしなければいけない。
ところがダイビングはもう一杯で受け付けてもらえないとのこと。
明後日も無理。途方に暮れるが、
リゾートの方で町のダイブショップに予約して送迎はタクシーを申し込んでくれると云うことで一件落着。

しかしタクシー代は自己負担だし、
初めからリゾートに予約できていれば問題無かった筈なのに、旅行社の情報不足だろう。

まあ仕方ない。何事も経験と割り切らないと。
隊長は再度町にバイクで、魚市場に行ってみるとのこと。私は少し疲れたので、休憩。
ゆっくりバスタイムを楽しみ、夕方のビールタイムの用意をする。



藍に染まる脚

フィンだけではありませんでした。
次は≪100㌦紙幣が、ありませーん!≫
一体何処へ消えたのでしょうか?
村上さんの記憶の彼方から
出て来た100㌦紙幣は、どうやら
ホーチミン市の帰路でのツアー代金前払いに
消えたらしいのです。
出てきてよかったね!
それでは、蘇った記憶に乾杯!
午後はビアタイム

新鮮な野菜、魚で乾杯! 

素晴らしき珊瑚
DVサイト:ホンカウ島 ①バイコーバン ②バイユーホンバイカン島 ③ホンブン ④バイダク

いずれのDVサイトも手つかずの見事な珊瑚に覆われ、ダイバーの影無き静寂の世界。
美しさに魅かれ毎回1時間を超えるダイビングとなった。
タンクの空気気圧が0に近づいても、珊瑚の森の妖しい囁きに憑りつかれて浮上出来ないのだ。
が、お馴染みの珊瑚海の魚は居るものの魚種には乏しく、雀鯛のオヤビッチばかりが矢鱈と目立つ。
珊瑚海には欠かせないあの金魚花鯛の、群舞すらも見られず、海千山千のダイバーには物足りない。


琉球菊花珊瑚

花鉢緑石 


【12】  海中世界はやはり心躍る

1年ぶりで潜る海中世界はやはり心躍るものがある。珊瑚がとても良い状態で、種類も豊富に海底世界を彩っている。
だが、そこにすむ魚たちの姿は、おなじみの顔ばかりで、珍しい種類や大物はいないようだ。

初めて海の中の世界を目にする者なら、息を飲む美しさに違いないが、
そういう意味では世界の珊瑚海を知り過ぎてしまったようだ。
きれいだなとは思うが、嘗て味わったような新鮮な感動は残念ながら訪れない。

その代わりまったく他のダイバーはいないし、珊瑚の海を散歩する楽しさを十二分に満喫した。

未だまだ訪れる人が少ない、自然が護られた海なのだ。
この時期なら見られると云うウミガメの産卵する島の傍の筈なのに、ウミガメには全く出合えなかった。

2本潜ったが、あまり変化は無く、心地よい海中ではあったが、深く印象に残る場面が無かったのは少々残念。
浅瀬で漂う時の気持ちよさは、この上も無く快適だが、この深さならダイバーでなくても、シュノ―ケリングで充分なのではとも思われる。
翌日のダイビングは、私は結局1本のみにしたが、それでも十分だったようだ。



人面針千本 ヒトズラハリセンボン
Black-blotched porcupinefish
珊瑚海の命
ホンカウ島

ホンはベトナム語で島なので
本当はカウ島と云うべき。
ホテルから眺めると
目の前に大きなバイカン島が
水平線上にでーんと
広がり、カウ島は見えない。

辺りは地元の漁船の影すら無く
静寂そのもの。
よく目立つ黒い縞10本で飾った
見慣れない魚。
50センチ程の大きさなので
一度見たら忘れない筈だが
記憶にない。

そろそろ1時間を超え
エアーも切れるので上がろうかと
ボートのアンカーロープに
近づいたら
ロープが気に入ったのか
ロープの廻りから離れない。

倉掛雀鯛 クラカケスズメダイ
Black soft-snouted sergeant-major

縮緬奴 チリメンヤッコ
Vermiculated angelfish

縮緬奴 チリメンヤッコ
Vermiculated angelfish
 
二筋玉頭 フラスジタマガシラ
Two-line Monocle Bream.
 
黒平鯵 クロヒラアジ
Blue trevally
 
三筋 チョウチョウウオ 
Oval butterflyfish

六線奴 ロクセンヤッコ 
Sixbar angelfish

槍気質 ヤリカタギ 
Chevron butterflyfish

縮緬奴 チリメンヤッコ
Vermiculated angelfish

果てしない珊瑚が何処までも

 


黒平鯵 クロヒラアジ
Blue trevally

縮緬奴 チリメンヤッコ
Vermiculated angelfish

八筋蝶々魚 ヤスジチョチョウウオ
Eightband butterflyfish

鬼虎魚 オニオコゼ
Devil stinger
珊瑚海の命
ホンカウ島


それどころか
野生魚なのに人見知りしない。
ロープだけでなく
ダイバーにまで興味を示し始め
ぐるぐる煩く付き纏う。

タンクから抜けるエアーと
遊んだり、ウエットスーツに接近し
ふんふん、
見慣れぬ皮膚だな?
鱗もないし、ぬるぬるしてないし
と興味津々。

付き合って遊んでいるうちに
つい撮り過ぎて
気が付いたら20枚近い
黒平鯵をアップしてしまった。

嘴長蝶々魚 ハシナガチョウチョウウオ
Copperband butterflyfish

縮緬奴 チリメンヤッコ
Vermiculated angelfish

二筋琉球雀鯛 フタスジリュウキュウスズメダイ
Reticulate dascyllus

六線笛鯛 ロクセンフエダイ
Five-lined snapper 

燕魚 ツバメウオ
Longfin batfish  
 
縦笛鯛 タテフエダイ
Brownstripe red snapper


テーブル珊瑚

山葵と醤油を用意して
その辺に泳いでいる黒平鯵なんぞを
とっ捕まえて、お刺身にしたり!
大きいね!
このテーブルを食卓にして
宴を開いたら、随分と愉快だろうね!
 
知られざる海に触れる歓び


八筋蝶々魚 ヤスジチョチョウウオ
Eightband butterflyfish  
 
黄筋元禄鯛 キスジゲンロクダイ
Goldengirdled coralfish
 
真鯛 マダイ(稚魚)
Red seabream
 
浜隈魚 ハマクマノミ
Oneband anemonefish 
 珊瑚海の命
ホンバイカン島


なんて馬鹿なこと考えていたら
やって来たのは真鯛の稚魚。
同じ鯛でも黄筋元禄鯛は
あんまりけばけばしくて
とても食べる気にはならないが、
真鯛は美味そう。

浜隈魚がぎょろり
目を剥いて睨みつける。
「いい加減にしなさい!
珊瑚をテーブルにするだけで
珊瑚海では重罪なのに
その上
美しき舞姫たちを喰ってしまうなんて
そんな思いが発覚したら
どうなるか考えてごらん!」

で、発覚しないよう
美味そうな硨磲貝(シャコガイ)
見ても涎を流さぬよう
仙人は気を付けたとか?
 
三筋 チョウチョウウオ 
Oval butterflyfish

八筋蝶々魚 ヤスジチョチョウウオ
Eightband butterflyfish

二筋玉頭 フラスジタマガシラ
Two-line Monocle Bream.


硨磲貝(シャコガイ)

水管の表面にはたくさんの眼が有り
光量や光の波長を調節し、
褐色藻に光を届ける役目をしている。

共生藻が光合成をして出来た栄養分を得る貝。
口をあけているとキラキラした膜が見える。
コレは水管の肥大したもので、
いわば褐色藻の栽培室になっている。

 光を食べる貝



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