1641ー2019年  文月

  Contents  
《A》 ヤスール火山・陽のあたる修羅
《B》 黒魔術・緊縛裸婦彫像の謎
《C》 エイとの戯れ・海の独白
《D》 サント島、タンナ島・消された緊縛
≪ D≫ サント島、タンナ島・消された緊縛
カヌーでマテブル・ブルーホールに向かう
6月18日(火)晴 あまりの神秘的な美しさにうっとり!(サント島)

無数の川と巡り逢いクルージングしたり、カヌーで下ったり、氷河から流れ出る谷を渡渉したり、泳いだりと交わって来た。
訪れる人無きブータン山奥の美しい渓谷で糸を垂れた時、幾らでも釣れる大きな鱒に歓声を上げたことも。

だが谷そのもの美しさに、これ程までに心打たれたことは無かったのでは!
その美しさの理由はカヌーで川を遡って行くに従って明らかになっていく。

僅か2km程しかない谷は、完璧に透明な流れで明らかに山の斜面を下って来た水では無い。
流れそのものが懇々と湧きいずる泉で、何処までカヌーを走らせても川底が明瞭に映し出され、恰もカヌーは中空に浮いているが如く。
碧い瞳はこの流れの最奥部にあり、碧孔・ブルーホールと呼ばれている。
かなり深いらしく泉の底は流石に見えず、唯静かに碧い光に包まれている。


此処からカヌーでとサム・ウエル!
全く人影が無いので
これ程名を馳せたブルーホールに
観光客が居ないとは!
と驚いたが、ブルーホールに着いて
初めて解った。

余りにも人気が高まり
カヌーでしか行けなかった碧孔に
車で行けるように
碧孔まで車道を作ったらしい。
従って昔の方法、カヌーを
漕いで訪れる観光客は減ったのだろう。


こりゃマテブル川と違うのか!

透き通った静寂に満ち満ちて!

川面の絶妙な碧!

光の差し込みがふるえる

観光客の翳も無くひっそり!

美しき静寂としか表現出来ない!

森の緑を孕んだ水のグラデーション




ミョーシャとブルーホール(碧孔)
少年にしては恥らい方がちょっと変だな!
若しかして女の子だったら
裸で一緒に写真を撮るなんて大変!
話しかけてみたが、唯はにかむだけで言葉なし。
フランス語で「Garçon?」と訊いたら
聴こえるか聴こえないかの小さな声で
「Non!」

ヤバイ!とお母さんに目をやるとニッコリ!
良かった!
下手するとパンチを喰らったかも!

 
えっ!ギャルソンかと思ったけど・・・



碧孔に飛び込むジャンプ綱を手繰って
だいたいだよ、仙人は
ちょっと人懐こ過ぎるんだよ。
挨拶も遠慮も無く、
恰も前からの知己で在るかの如く
直ぐ会話に加わったり、
一緒に行動したり、勝手に
写真撮りまくったり!

まー、時にはバヌアツ空港のように
女の子が駆け寄って
来ることも無きにしも非ずだけど、


行くわよ!

仙人も飛び込む

限りなく透明な碧孔

大きな胸が激しい水飛沫を!



真由美・グリーンさんに仮面を航空便で送ってもらう

レンタルバイクの予約をしたのだが、散歩がてらに
歩いて行ってみると云ったら、驚いていた。
一部にしか道路の無いこの島では、歩くのが当たり前だと
思っていたが逆に、だからこそ道路は車で
走るのだと妙に納得。
「あらっ、この地図全然違ってるわ!」
地球の歩き方からコピーした地図を一目見るなり、
真由美さんの発した言葉。
「あたしが書いてあげるわよ。このホテルを出て右に曲がり、
最初の三差路を右に行って、暫く登ると右にカーブするから
そこをズンズン進めば右側がデコ・ストップよ。
タクシーで10分もかからないわ」

 
仮面の館デコ・ストップ庭

南太平洋が真下に見える丘
 
お気に入りデコ・ストップの庭



さてどの仮面にするか! 

 
DECO STOP製作と明記

 
蝶型対称仮面




サント島からエファテ島仙人宛に航空便で届いたタムタム

 
 
ルビーはシャット(Chatte)だとか!


西のタスマル(Tasmalum)で道路建設現場に出る



バイクで島めぐりじゃ!
平地で楽々ツーリングだと
思ったら大間違い。
剥き出しの茶色い道路の中央を
よく見てごらん!
小石がゴロゴロしてるだろ。
タイアの小さなバイクにとっては、
この小石が難敵。

容易に車輪をとられバランスを
失い横転してしまう。
そこで脚は常に着地出来るよう
延ばしたままで走行。


サント島は一周道路建設中

珊瑚石で壁造り(タンナ島)

登校中の子供は裸足じゃ!(タンナ島)

道路建設は最重要課題

森を切り拓いて道を!
碧孔の上に出てみたら
何と舗装道路建設中。
道路そのものが島の一部にしかない
サント島でこんな山の中に
舗装道路を造るなんて、
如何に碧孔の人気が高いか!


さて此処は何処だ!


建設中道路は悪路でバイク走行はスリル満点じゃ!
6月19日(水)晴 タスマル(Tasmalum)まで建設中の道路を走る(サント島)





バヌアツ最大の市場(ポートビラ)
面白れー!
なんたって島に行ったら
先ず市場だね。
新鮮な食べ物が選り取り見取りで
手に入るのは
勿論だが、その食べ物が
雄弁に人々の生活を語りかけて
来るんだな。

ほら、若者が市場の前に屯して、
最新のTシャツ着てさ、
興味津々で人々を観てるだろ。
女たちは商品棚の下で、
寝そべったり、子供に乳を呑ませたり、
髪結いを始めたり。

よーく観てごらん!
果物の上に黒マジックで数字が
書いてあるのが見えるだろ。
正札なんて余分なものは
要らないんだ。

でも子供が学校に行くので
お金が必要になったりすると
値段が高くなったり
なんて、聴いたけど・・・。
まっ、時にはそんなこともあるのかな!
なんとも長閑だね。


24時間営業、此処で寝泊まり!

此処を生活拠点にする家族も

売り切れると島に戻る

髪結いも此処で!

赤ちゃんも此処で育つ!

四方を果物に囲まれた住まい

獲れたての魚を路上で売る 
 
冷蔵庫が無いので朝獲魚のみ

サント島にも小さな市場あり 





海底からの湧水が海水と媾うシャンパンビーチ

淡いのである。
滾々と海底より湧き出る泉と茫洋たる南太平洋の海水が渚にて交り合う。
サント島東海岸沿いには確認されているだけで、
6つのブルーホールが在るが、いずれも陸の内部で湧き出でて川となって海に注ぐ。
どうやらこのシャンパンビーチでは海底から湧水が生じ、海をシャンパンにしているらしい。
つまり海全体がブルーホールなのでは!

東西幅60km程の小さなサント島だが、島には最高峰1879mのタブエンマセナ山を始め、
標高1500m前後の高山を幾つも抱えている。
熱帯雨林に覆われた山々に年平均降水量の2300mm(東京の1、5倍)もの雨が降り注ぐのだから、
地下に蓄えられた水が彼方此方で泉となって噴き出すのだ。
南太平洋で一番美しいと云われるのも納得。



サム・ウエル曰くこいつ食い時だ!
サム・ウエルは兎に角
饒舌なのだ。
常に何か喋ってないと折角の
遠方からの客に済まないとでも
思っているのか、直ぐ
ジープを路傍に止めては案内。

≪この辺はね、中国人がココナツの
プランテーション作って
道路も一部舗装してさ、ほら
あれなんか芽出したばかりで
食べてみる!≫

 
皿か、皿はこうやって作るんだ。
と云って傍らの葉を採り、
≪これ小皿、茎をブスリと刺して
繋げると、どう中皿。
でもってこいつを3,4枚とブスリ
するとパーティー用のテーブルにも
なるって訳さ≫

早速割って食べる、確かに甘いぜ!
 
この葉で皿作りするんじゃ!

森はサイクロンの避難所だって! 

プランテーションには
牛も放牧されていて群れを成し
走り回ったり草を食んだり。

≪あの牛、美味いんだぜ!
オーガニックのビーフで、
一度食べたら忘れられないぜ!≫

オーガニックのバヌアツ牛肉は美味いぜ!

うんうん、日本でも輸入してて
バヌアツビーフは
有名なんだよ。
その夜は早速スーパーに行って
ステーキ用のビーフを購入。
レアで焼いてワインで賞味。
ちょっと硬いけど
肉そのものの旨みは抜群!


何か茱萸みたいだけど!

バナナの花じゃ!

檳榔樹の実・酩酊&興奮剤原料だ
 
インド素啓 

彼方此方で出くわすバニアンの
気根にも薀蓄を傾ける。
≪あいつは命を救う木なんだ。
サイクロンがやってくると、
葉っぱで葺いただけの簡素な家は
直ぐぶっ飛んでしまう。

そんな時はこのバニアンの木の中に
逃げ込むのさ。
どんな風が吹いたってヘイチャラ≫

 
野生パパイアも彼方此方に! 


強い鎮静作用のあるカバを呑ませるKAVA BAR(レディメイト)で一服!

カババーでは胡瓜1本150バツ(150円)

①カバの根を切り分け、ココナッツの繊維で
汚れをこすり落とします。
②きれいになったカバの根をバリバリかじり、
細かくなるまで噛みます。
③十分にやわらかくなったら
それを葉っぱの上に吐き出します。
④噛んだカバをお米が入っていた袋などの
粗い繊維の上にのせ、
水を加えながら濾します。
⑤シェル
(ココナッツの殻)にその絞り汁をため、
いっぱいになるまでカバの根を絞ります。
年長者から順にカバを飲みます。

カバはもともとは村のチーフなどの
位の高い人たちが
儀式などで飲んでいたものなのですが、
それが庶民にも広まり、今やバヌアツには
欠かせないものになっています。

ちなみにカスタム(しきたり)の強いタンナ島では
女性はカバを飲むことも、
男性が飲んでいるところを見ることも
タブーとされいます。

しかしこれはタンナ島をはじめとした
南部のみの習慣で、
首都のレディメイト(カババー)では
カバを飲む女性の姿も見られます。

(ばぬあ通信 バヌアツ共和国JICA活動記録)

太平洋の島嶼国にはコショウ科の
植物のカバを砕いたもの,
粉末状になったものを水に溶かして
飲用する習慣があります。
特にバヌアツのカバは,他の島嶼国の国々より
濃い濃度で作られているため
肝機能障害を起こしたり,不衛生な製造過程で
汚染されている場合もあり,
下痢の原因にもなりますので十分な注意が必要です。


 犬が放し飼いになっており,
しばしば犬に噛まれることがあります。
現在のところ,バヌアツでは狂犬病の心配は
ありませんが,破傷風を発症する恐れが
ありますので,不用意に犬には
近寄らないようにしてください。
また,破傷風の予防接種を受けておいてください。
万一,犬に噛まれたら,破傷風ワクチンの
追加接種をすぐに受けてください。
場合により,破傷風免疫
ヒトグロブリンの接種も必要となります。
(日本国外務省)


女はカバ禁止だってさ!


カバは夜しか呑んじゃいけないんだよ

人と共棲する犬は全く自由で人懐こい



さあ、タンナ島の宿エバーグリーンに出発


観念としての美と、あるがままの自然を
調和させようとの試みが産み出した
華麗なる庭園。
全く想定外であっただけに、
この庭園の突然の出現には、心を奪われた。

空港前に舗装道路も無い島なので、
自然な森の中に簡素なバンガローがあるだけの
宿泊地・エバーグリーンを想定していたのだ。
ところがどうだ、宿泊施設の敷地を
遥かに超えた広大な庭。
オーナーの意図は那辺にありや!
南太平洋のシャングリラ

何とも陳腐な表現にしかならないのが悔しい!
舗装道路の無い空港前では、
対向車の巻きあげる土煙の洗礼を受け、
ペタペタと裸足で歩きながら学校へ向かう少年を、
眼にしつつ、着いた処は
外界から隔絶された地上の楽園・シャングリラ
としか云いようのない
人の意志が創り出した世界。


先ず宿の造園アートに吃驚! 




アナナス

七変化(ランタナ)
仙人の脳内散歩
ちょっくら覗いてみっか!


猩々草(ショウジョウソウ)

猩々草(ショウジョウソウ)




花々のれるタンナ島
カラペラムン山(MT Tukosmera)の神棲む・Jon frum Cargo村が!



タンナ島の蘭(春蘭に似ている)
≪John from America≫

木立矢筈葛(アラマンダ)

ハイビスカス

極楽鳥花

猩々草(ショウジョウソウ)


華麗なる造園アートに唖然!
そう云えばこの
リゾート所有者は
中国人



珊瑚を積み上げた万里の長城のようなオブジェ!


 
ブーゲンビリア
 
木立矢筈葛(アラマンダ)
 

コクネシア・インディカ

ブーゲンビリア 


 修羅の子宮を突き破り、躍り出た白骨龍との邂逅
ヤスール火山と浜で見つけた魚の背骨を山荘オブジェに!


白い砂浜に白い骨の連なり。その瞬間を忘れることはないだろう。
訪れる人も居ない静かな浜辺を逍遥しつつ、貝殻や珊瑚、魚の骨や波に彫刻された小石を見詰め、
時には拾い上げ、具に観察し稀にポッケにしまい込み、山荘に持ち帰る。
保護色の白い砂に埋もれたこの白い骨の連なりを観た時は、運命的な出逢いを感じた。

間違いなくこいつは此処で待っていたのだ。
頭と尾にはヌメアで見つけた緑の石を着けてあげよう。
さあ、お前は業火を突き破って生命の業を何処へいざなうのか!大いに語ってもらおうじゃないか!



消されたバヌアツ緊縛裸婦彫像

そりゃ違うのではないか!
≪聖なる島への侵略者として異国の女を、西夏の女の様に晒し者にした可能性も0では無いかも。≫

「バヌアツ美術館にて緊縛裸婦彫像を白昼夢する仙人」として緊縛裸婦を、侵略者か!
と一瞬想定したが若しや緊縛裸婦は、1906年以降、英仏によって共同統治されてきた島民そのものなのでは!
となると丸裸にされた女の肌に喰い込む荒縄は英軍、仏軍両国の軍隊であり、
大きく股を拡げ無理やり露出された女性器は、島から産み出される甘い汁であり有無を言わせず英仏が、
自由に出来る奴隷そのものを意味したのでは!

≪海の彼方からジョンが船に乗ってやって来る。その神は見知らぬ不思議な物を齎し我々を豊かにする≫
西洋人が初めてやって来てバヌアツのサント島を精霊の地(エスプリッツサント)と名付けたのは413年前の1606年。
やがて高貴な香木として名高い白檀がエラマンゴ島で発見され、神は海の彼方から続々とやって来る。
英国の神と仏国の神が緊縛裸婦の甘い汁を巡って争い、神は島民に荒縄を掛け勝手気まま自由に緊縛裸婦と媾う。

荒縄緊縛を断ち切る試みは1974年にタンナ島で始まり、
≪タンナ共和国≫としての独立宣言が為されたが、仏軍によって制圧される。
翌年1975年にはサント島中心に
≪ナグリアメル連邦≫が分離独立宣言を発し、失敗を重ねながら1980年代に入ると
再びタンナ島で、
≪タフェアン共和国≫、サント島で≪ベマラナ共和国≫が独立宣言するが西洋の神々に制圧。
≪ベマラナ共和国≫について
(第二次世界大戦後に世界から消えた国10選)はこう記している。

≪ベマラナ共和国はオーストラリアの右側(東)に存在した国家です。
当初バヌアツ共和国として独立が決まっていたものの選挙の結果になっとくできない島民が独立を宣言しました。
武器と言えるものは弓矢程度のものしかなかったため軍隊の鎮圧により3ヶ月で消滅してしまいました≫


ペニスサック(ナンバス)を着け天空に弓を射るタンナ島民
(背景はヤスール火山 banuatu bing images)


1980年7月30日にイギリス連邦加盟の共和国としてバヌアツは独立したが、サント島の島民は選挙の結果に納得出来ず、
「ベマラナ共和国」としての独立を8月に宣言。その3ケ月後には軍隊に鎮圧されてしまった。
このような紆余曲折を経て≪バヌアツ共和国≫が155番目の国連参加を果たしたのは翌1981年。

国連参加38年後の2019年現在、果たしてバヌアツの緊縛は解かれたのか!
webサイトのバヌアツに一瞬だけアップされた緊縛裸婦彫像は、未だに解かれぬ緊縛を世界に知らしめる意図があったのか!
プランテーションや道路のみならず無償支援で大型会議場を建て、港の埠頭、スポーツ複合施設、首相府庁舎
などを造り、援助と云う顔をして深くバヌアツに侵入する中国。
大型会議場の維持費が払えず、電力・水道会社への未払いが数百万バツ(数百万円)に上っていると
サルワイ首相は地元紙デイリーポストに語ったとか。
このニュースのTweet:
中国は相手に返せない借金を作らせるのが目的だからね。 返せなくなったら更に貸し込んで国ごと盗むんだよ。

バヌアツのキーワードでアップされていた緊縛裸婦画像は現在、何らかの事情によってバヌアツからは削除されてしまった。
もしや≪緊縛裸婦彫像≫に着けられていたキャプションはニュースのTweetと同じであり、投稿者は中国人?
【中国は・・・盗むんだよ】何ぞと如何にもあたしゃ中国人ではありませんぞ、との擬態は見破られてしまったのか!
ならば≪何らかの事情≫は充分に理解できる、なんぞと仙人は一人合点するのである。

皮肉なことに≪バヌアツ・緊縛≫で検索すると、
検索し難くしてある筈の混沌仙人HPが、≪バヌ2バイク≫なるサイト名で出ているでは!
となると≪バヌアツ・緊縛≫は仙人の単なる白昼夢を超えて、ネット上で勝手に独り歩きし出すかも。

やばい!仙人も消されてしまうかも!
その前に、ヤフーやグーグルのwebサイトから、どうやったら≪バヌ2バイク≫を削除できるのか!


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