1701ー2020年  睦月

初詣の鐘撞じゃ
1月1日(水)晴 向嶽寺鐘撞堂 


≪こらー!衝いてるのは誰じゃ!≫
鐘を衝いた途端、本堂から坊主のけたたまし吼え声が響き渡る。
あれっ、この鐘衝いてはいかんのか!と本堂を見やるが、本堂はかなり遠く
≪声はすれども姿は見えぬ、まるであなたは屁のようだ≫なんて言葉が衝いて出る。
≪何だと、屁なんぞと悪たれついて何処の悪餓鬼じゃ!≫

すっかり幼児化した仙人は鐘撞堂を見つけた途端、嬉しくて駆け登り一発ゴーン!
煮えたった薬缶の如く頭から湯気を立てて、坊主が追いかけてくるかと身構える幼児化した仙人。
しかし追いかけてくる気配無し。
≪ほら2年前の元旦、足和田山蓮華寺の山寺の鐘撞堂でもいっぱい鐘ならしただろう。
お正月なら鐘ならせば鳴らすほど歓ばれると思ったんだけど≫と、幼児化した仙人の吃驚したの何の!
≪屁のようだ≫なんて悪たれつくのも宜なるかな。



2020年1月1日(水)晴 塩の山

≪向嶽寺は非公開寺院のため
建物内部や庭園は原則的に拝観不可≫
とwikipediaには、
記されているので再び吃驚!
そんなことも知らずに、車を止めて庭園をうろついたり
裏に在る≪塩の山≫を散策したりしていたが、
これからは要注意か!

昨日の大晦日は上条山を逍遥し、元旦の今朝は
三つ峠で富士と対峙し、塩の山で悪餓鬼になって燥ぎ、
さてさて2020はどんな年になるやら!
ゴーンと重々しく鳴り響く鐘の音は、裏に聳える塩の山に
跳ね返り塩山市街に遍く時を告げる。

そうかこの寺の鐘の音は除夜の鐘の108つ以外は
時を告げるために鳴らされるのであって、
むやみやたらに打ち鳴らすと、緊急事態発生となって
大変なことになるのかも!
それじゃ坊主が怒るのも、ごもっとも様。

 
2019年12月31日(火)晴 上条山



開運岳・山頂から2020年元旦
2020年元旦詣 
1月1日(水)晴 三つ峠

山荘発:7時38分→
三つ峠登山口(1120m)着8時55分
→中川碑着:10時20分→
三つ峠山10時55分着、11時30分発→
登山口着12時35分→

向岳寺着13時30分→
塩の山着14時→環境センター経由で
向岳寺駐車場→
山荘着14時35分 往復72.5km。
今起きて計ったら、141/88/49。
起床安静時の
左心室収縮期の血圧が141、
拡張期が88だなんて
今までにあり得ない高値。

いよいよ反乱の狼煙は最早
抑えようが無いか!決戦じゃ!
何ぞと新年早々喚く。
こうなったら三つ峠にでも登って
初詣と洒落込むしかないと、
ザックに望遠レンズと2台のカメラ、
中川雅邦の
追悼集を突っ込んで出発。

未だ碑は在るだろうか!

木無山(1732m)山頂直下の中川碑にて
水晶峠から2020初日が
顔を出した7時38分、山荘を出て
南アルプスの銀嶺の
峰々を眺めながら
御坂街道を東へ。

12月23日に降った雪が
凍てつき登山道はバリバリ。
追悼集を開いて
碑に添えて写真を撮る。
34年前の1986年5月25日、
30歳の誕生日に墜死した
中川雅邦君に語り掛ける。

雪森の奥津城へ

≪生誕と同時に
約束される唯一確実な未来は
死である≫


追悼集冒頭ページに記した
仙人の言葉である。
更に弔辞の末尾でこう記した。

≪困難な山に挑むものは
臆病なまでに神経質で慎重である。
あらゆる危険を想定し
1つ1つの危険から
脱出する術を考え、
トレーニングで体を鍛え続ける。


ブータン遠征訓練中にこの壁で墜死




7時38分の初日の出と共に山荘出発
中川君、君も実に慎重な
努力家であった。
君に関しては、山での
トレーニング中の
事故の可能性など、私は
考えてもみなかった。


三つ峠岩壁で墜死した中川君

今でも、君の死が
信じられない。
ザイルを手繰るとその先に
君が居るような気がする。

又、どこかの山で逢おう。
それまで暫くお別れだ。
さようなら、中川雅邦君≫

10時50分開運岳

原生林散策

静まり返った森




≪ネイチャー
メデシン≫
で発表

≪生理的老化は
34歳、60歳、78歳で急激に起こる。
研究チームは、各被験者の
2925の血漿タンパク質のレベルを
それぞれ測定し、
そのうち
1379のタンパク質レベルが
被験者の年齢によって明らかに
異なっていることを突き止めた。

また、被験者の年齢は、
これらのうち
373のタンパク質によって、
概ね3年程度の誤差で精緻に
予測でき、9のタンパク質でも、
ある程度の精度で
予測が可能だという。

加齢のみの要因で不可逆的に
生じる生体の変化、
すなわち「生理的老化」は、
平均34歳、60歳、78歳の
3つのポイントで
急激に起こることも示されている。

多くのタンパク質は、
一定のペースで増減したり、
生涯、同じレベルを維持するのではなく、
一定期間、同じレベルを保ち、
特定のポイントで、
突然上下に変動しているのだ≫
 




2020へジャンプとかっちゃって
 読書の丘 2本の鉄塔が嗤ってござんす!


太陽の光をたっぷり浴びて、読書の丘に積もった雪が真っ先に融け始めた。
≪全部融ける前においでよ!≫
と雪丘が呼んでる気がしたので登ってみると、やっぱり彼方此方で枯草が顔を出しているでは!

冬になったばかりなのに仙人は叫ぶ。≪やったー春だぜ!≫
そりゃ1月は新春とは言うけど、冬はこれからだぜ。
高く飛び上り着地した瞬間、傾斜した雪丘でスリップし、仙人は大袈裟に転倒したのであります。
2020は華々しく転倒し、転げまわる年になるのでしょうかね!



雪が降ると

雪森へすっ飛んでい行く

直ぐ嬉しくなって

≪ネイチャーメデシン≫に
掲載された情報では
どうやら78歳で
生理的老化は急激に進むとか。

アルブミン、グロブリン、フィブリノゲン
など2925の血漿蛋白質を
年齢別に調査。
その結果、47.1%の
1379種に年齢別の蛋白質の
レベル変化が観られたとか。


そんなら今のうちに
雪山を愉しまなくてはと、
ルンルン、鼻歌を歌いながら、
仙人は雪の森へ。

スニーカーのまんま飛び出した
もんだから直ぐに
雪が入って来て雪が融け
靴の中はビショップびしょ。

それでも気にせず、
せっせこ、セッセコ登って
とうとう小倉山の
てっぺんに着いたとか!


スニーカーでせっせとラッセル!

この雪の深さが溜らん!



仙人五

此処数年で体力がガクンと落ちた。
余りに酷いので目白での10階までの階段登下降は、3年前から10往復を6往復に替えざるを得なかったのだ。
山荘での山トレ―ニングも速度を落とし、
弁膜症、大動脈瘤に苦しむ心臓や、腰や膝、アキレス腱にも負担がかからぬ様、ゆっくり登るようにしている。

2年前2017年5月に陽介君と登った穂高での雪壁登攀を最後に、アルプス登山からも足が遠のいた。
60歳までは殆ど体力の衰えは覚えず、このまま連日のトレーニングを惰らなければ
70歳くらいまではチベット遠征登山も続けられるかもと思っていたが、
61歳で32回に及ぶ長いヒマラヤなどの海外遠征にも、終止符を打たざるを得なかった。



雪山をスニーカーで登るなんて阿呆か!
12月24日(火)晴 座禅峠 その通り阿呆でござんす!
 

衣裳垢膩(えしょうこうじ):衣服が垢で油染みる 頭上華萎(ずじょうかい):頭上の華鬘が萎える 身体臭穢(しんたいしゅうわい):身体が汚れて臭い出す
腋下汗出(えきげかんしゅつ):腋の下から汗が流れ出る 不楽本座(ふらくほんざ):自分の席に戻るのを嫌がる

これが≪天人五衰≫の兆しらしい。
ほなら≪仙人五衰≫とは如何なる兆しなのか?
雪山専用のヒマラヤ登山で使う立派な登山靴を10足以上も持っているのに、雪山をスニーカーで登る
なんてのは≪仙人五衰≫の最たる兆しなのか!
はたまた、敢えてスニーカーを選んでの行為だとすれば、単なる阿呆だということか!

そんなことに悩んでいる内は≪衰≫ではなく≪呆≫なのか、なんぞとぶつぶつ。



窓を開けたら雪里に!

雪背景もいいね!!

テラスは雲海の上に!

テラスの花を掘り出して!

綺麗だね雪の花!

雪テーブルで乾杯!

山茶花が雪に圧し潰された!



老化退はガクン

トレーニングさえ続けられれば、急激な生理的老化は逸早くキャッチでき、
老化速度は緩やかなのではとの希望的観測は、見事裏切られた。
老化衰退はガクン、がくんと音を立てて進行し警戒信号を発するのだ。
それをスタンフォード大学の研究チームが、ヒトの血漿タンパク質を分析し突き止め、
34最、60歳、78歳で急激な生理的老化が生じると24日前の2019年12月5日の学術雑誌≪ネイチャーメデシン≫で発表。

さて仙人75歳の現在、急激な老衰化が生じているのは78歳の先取りなのか、
それとも60歳衰退の名残なのか、いいや最後の78歳老化の前兆現象なのかも、
なんぞと呟きながら、雪山に燥ぐのだ。


降雪前に冬タイア交換じゃ
12月9日(月)晴 駐車場 右足に全体重かけボルトを締め、左足を上げた見飽きポーズだぜ! 


見飽きたポーズと云われても、こうすると右足に力が加わって、
手では締められないタイアのボルトがしっかり締まるんだから、まー許しておくれ。
態とらしく、そんなに高く脚を上げなくても良いじゃないかって!
此処まで上げて、エイコラと脚を振ると効果抜群なのさ。



森の書庫から駐車場へ


作陶は殆ど轆轤室で行うので、
作陶小屋を訪れるのはこのタイア交換の時くらい。
これじゃ怒っても当然!
そこで怒りに触れぬ様、恐る恐る
タイアに忍び寄りそっと、タイアを運び出すのだ。

枯葉の絨毯の上に転がして、
ランドベンチャーの車庫までゆっくりゆっくり運ぶ。
一歩間違えて斜面下に落としたら大変!
林檎畑や森を突き抜けて
里まで転がって行ってしまうかも!

此処は森の中の作陶小屋。
遠征資料や母屋にあった書籍が持ち込まれ
今や作陶小屋と云うよりか物置。
タイアまで保管されて作陶小屋は怒り心頭。
 
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枯葉の海の航海じゃ!

遠く離れた芝生の向こうから女の子が走って来る。
「何してんの!すごーく面白そう。一緒に登ってもいい!」

フランス語で喋りまくりながら駆け寄って来たのは、
≪You and me Nronger together≫と書かれたTシャツの女の子。
≪ぬざろんじゅらんさんぶる≫Nous allons jouer ensemble.
と言ったのだろうが、聴きとれたのはアンサンブルだけ。
 ≪あんさんぶる≫といやー、
一緒に遊ぼうに決まっていると仙人も大歓び!

でかい!重い!


このタイア転がしを見たら
きっと子供達は黙っちゃいない。
あのバヌアツ空港で眼をキラキラさせて
飛んできた女の子のように
一緒に転がしたがるに違いない。


ブリッジを超えて! 



さて始めるか!

通常タイアを書庫へ

ジャッキをいれて!

どでんとタイアを駐車場に転がし、
ジャッキを車体の下に入れ、
夏タイアを外す。

ね、ね、あたしにもやらせて!
そう言いながら
女の子が小さな手を延ばして
ジャッキを車の下に入れる。


さあ、次はこのレバーを上下して
油圧を高めて
車を持ち上げるんだ。

えっ、こんなでっかい車が
持ち上がるの!
渾身の力を込め、顔を赤くして
女の子がレバーを押す。
そーら、車が段々上がってきたぞ!


油圧ジャッキで上げる

圧を抜いて終了



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