170の2ー2020年 睦月
いおテラスで沈みゆく初落日に献杯! 細やかな新年会5PassSP35は金賞受賞蔵・吉乃川で! 無数の結露に透明性を奪われペアガラスが像を失い、半光沢の割れたひかりを散乱する。 左手を結露に翳し中指を突き出しペアガラスに触れる。人差し指、薬指を加え一気に結露を拭い去る。 透明性を取り戻したペアガラスに水晶峠が浮かび、7時37分夜明けの太陽が水晶峠の窪みに踊る。 絡み合った森の翳を貫いて、この昏い翳こそが生命の始原であると激しく絶叫する。 絶叫は3度繰り返され、山荘の夜明けを告げる。 生まれた、登った、死んだと絶叫したのだろうか!それとも・・・ |
しょうがないただ上へ行くしかない。 正しくはその山道を少し下ればよかったと思うのだが、迷い人は頂上に着くまでは上を目指すのだ。木を掴み登って行く。 いつものスタイルだ。太い木はつかみにくく、丁度良く掴みやすい木は腐っているものが多い。 体重を掛けようとすると腐った木は地面から簡単に抜けていく。しかし、ともかく上を目指す。 もう仙人様の笛の音も聞こえなくなった。私は熊避けの笛を鳴らしながら冬枯れの道無き斜面を登り続ける。 だれもいない森でズルズル落ちながらも必死に上を見て登る。 |
虹光を放つ吟醸吉乃川 |
山荘からは観えないが、 鉄塔登山口から高芝山の頂までに 3つの小ピークがある。 3つ目のピークは ケルンの積んである高芝山の 南峰で、此処から頂までは 数分の距離である。 このピークと頂が台形を無している。 手前の2つのピークは 南峰よりずーっと大きいのだが、 山荘の位置からは 頂稜背後に隠れ観えない。 |
この観えない小ピークから 派生している尾根に迷い込み。、 酷い目に遭っているので 昨日は慎重に慎重を重ね 地形の確認をしながら登ったのだ。 にも拘らず昨日は迷ってしまった。 何が原因なのか、 何処で間違えたのか確かめねばと 再びバイクで高芝山に向かう。 |
ブラックホールが揺らめく2020高芝山(左)の夜明け |
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登山後の酒盛りじゃ! |
さて山荘に戻ろうか! |
果物の様なミニトマトと蒲鉾 |
イクラには柚子を! |
法蓮草に鎮座した数の子 |
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ズワイ蟹もお出まし! |
何故だろうまた道の無い所を歩いている 山荘庭迷人 服など持ち物は風に吹かれてどこか遠い所に飛ばされるといいな。 そして婆はこの世から静かに消えるのだ。と夢想する。でも絶対に熊と会ったらそんな事にはならないし、まず会いたくない。 そして、太陽にはもう一つ(私が山荘に帰るまでなんとか道を照らして下さい)と現実的なお祈りをして下山開始である。 最近左の膝が痛い。登りはなんでもないのに下りになると、痛みで膝が曲がらなくなる。 痛まないよう、横滑りで下りる。さて尾根から先どの道でおりればよいのか。行きの尾根歩きの途中には下りの道は探せなかった。 左膝の事を考えると、おかしな道は行けない。福生里と矢印のある道が一番確実そうである。ここは以前通った事があるのだ。 ここでシカの角を見つけた覚えがある。立派な指標があるのだから大丈夫だろう。 福生里への道を歩き始めると、道は随分荒れている。 いつから倒れているのか2、30本の細い木が道を塞いでいる。 雪の少し残る道を慎重に歩きながら倒木を跨いだり、くぐったりして下る。日影の道はもう薄暗くなってきている。 暫く行くと荒れた道は左右に分かれている。山荘は左手である。それに左のほうが明るい、左に行ってみる。 最初は良かったのだが、何故だろうまた道の無い所を歩いている。 振り返って扇山を見る、(方向としてはここで良さそう、)と思った瞬間にずるずる滑り落ちる。 慎重にいかなくてはならない。ここで怪我をしても自分は何処にいるのかわからないのだ。 携帯を持っていても自分の場所を伝えられなければ助けは来ない。膝の痛みくらいで済んでいる状況でよしとしなくては。 |
2012年4月22日 (取付作業中割ってしまう) |
山荘発:12時00分→竹森林道アイスバーンのバイク駐車位置12時30分→ 鉄塔登山口13時00分→高芝山着13時33分 (途中赤マークを4カ所追加) |
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頂発:14時00分→鉄塔登山口着14時35分(迷い込んだ尾根を確認しつつ) →バイク駐車位置発14時50分→山荘着15時20分。 2つ目のピークに迷路が 仕組まれていることが判明。 |
2020年1月4日 (成長して割れ目広がる) |
凍てついた雪道で高芝山鉄塔まで行けず 1月3日(金)竹森林道 車輪は空転し動かず 8年前2012年4月22日に取り付けた高芝山の頂標識が割れているでは! きっと樹が成長して割れたのだと思って8年前の記録を調べたら、なーんだ取り付け作業中に割ってしまったのだ。 しかし具に観察すると割目が広がっているので、樹が成長していることは確か。 山に迷うのは山稜や森が枯葉に覆われ、微かに残る踏み跡すら消えてしまう晩秋から初冬にかけてである。 雪に覆われたルートよりも枯葉に隠されたルートを探し出す方が遥かに難しく、 通い慣れた高芝山ですら4、5回はルートを失い遭難一歩手前までに至った。 |
この先まで行きたいが! |
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もう進めん! |
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さて今回迷い込んだルートは 何処か確かめねばと 眼を皿のようにして先ず最初の ピーク1440mに登る。 このピークからの明確な尾根は 北西に伸びるのが1つだけで、 尾根は竹森林道から 分かれる西鉄塔に至る 林道の上に聳え、間違えようが無い。 つまり最初の 1440m峰には迷路無し。 |
2つ目の1550m峰には、 とても間違え易い支稜が 北西と南に延びている。 頂から降ると 先ず北西の支稜に誘われる。 登山道らしき踏み後は 稜線を辿る正規のルートより 北西支稜の方が広くなだらかで、 2度ほど迷い込んだ経験がある。 |
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ルート失い岩溝に墜ちる |
2か所裂けたぜ! |
迷人を迎える為に輝いている 山荘庭迷人 慎重に、慎重にと声を掛けながら進む。平らな所が見えた。道ではないようだが、明るい場所にやっと出た。 しかし、そこは狭い河原のようで見たこともないところである。 山荘に近づいているはずなのにと焦るが、冷静になってみると、なんだか山荘の裏山に似ている。 そうかここをぐるっと回り込んでいくと山荘に着きそうである。また道無き道である。歩き始める。 左膝をかばっていたせいか右膝もおかしくなってきた。しかしそんな事をいってはいられない。 太陽はもう見えない。沈みかけているのだ。 ぐるっと回り込んでみると見慣れた丸太の貯木場がある。無粋であった貯木場が嬉しい。 この先に山荘があるのだ。森はますます暗くなってきた。しかし、太陽の最後の光で森の枯葉が輝いている。 迷い人に進む道を示してくれている。私は太陽に守られていると確信する。 大きな木を跨ぎ、くぐり、柵までなんとか辿り着く。しかし、この近くに出入口はないのである。 それは以前迷った時に体験済みなのだ。以前蜘蛛の巣をかき分けて進んだ柵際を落ち葉を踏みながら歩く。 やっと山荘の明りが見える。山荘はあちこちが暖かく光っている。 いつもの明りが今は迷人を迎える為に輝いている。行きと同じゲートを開け、到着である。 その時山の端がオレンジ色に輝き残照は消えていった。 |
冬満月に突き刺さる高芝山鉄塔 1月10日(金)17時02分月齢14.9 ウッドデッキから 従って右に降りてはいけないと呪文のように唱えながら下り、 その10数メートル下で左に折れる南支稜に踏み込んでしまったのだ。 急な下りを通して木の間に時々鉄塔が観えるのだが、これが間違いの発見を遅らせた。 この東鉄塔を登山口の西鉄塔だと信じて下り続け、鉄塔直下で地形の相違に気づき、 右隣の尾根上に聳える西鉄塔を見上げた時、あーまたやってしまったと愕然。 |
高芝山に昇る満月 1月10日(金)17時02分月齢14.9 居間から そこでそのまま間違えて下ったルートを登り返せば、難なく正規のルートに戻れたのだが、 最早かなり下ってしまい、 今更登り返すより急峻な沢をトラバースした方が楽で速いと判断したのが大失敗。 トラバースの途中で失敗に気づき直上を開始したが、 花崗岩の露出する谷に降り積もった枯葉が行く手を遮り、 岩場の間隙を隠す穴に落ちたり、岩場を滑り落ちと悪戦苦闘。 一気に50m程滑り落ちて最早登る気力を失い再度トラバースし、 どうにか正規の稜線ルートに出られるまでに1時間半。 枯葉に埋もれた冬山を甞めてはいかん!雪より恐ろしいのだ。 |
雪に埋もれたテラス花 |
温室で鬱を封殺 夜半から雪になり 十数センチの初雪となった。 鬱前兆の落ち込みが 繰り返し繰り返し打ち寄せるので、 総てを投げ打って 肉体に耳を傾け、鬱の源である 精神を肉体そのものへ 回帰させようと試みるが、 逆に肉体が 精神へ回帰してしまい狼狽える。 |
積雪10cm以上だ! |
こんなもんでどうじゃ! |
温室でも造ってやっか! |
チャックが弱いな! |
さあ、此処なら暖かいぜ! |
先ずは葡萄畑と奥庭、中庭の 屈曲接点である石垣上に 2mのロングステージを設置し、 その上に庭側を入口として 大型ビニール温室を 置いたらどうかと考え、 奥庭の障害となる躑躅を チェーンソーで刈り取り、 ロングステージをセット。 |
ちょっと狭いか! |
もう限界、これ以上咲き続けることは出来ません! ウッドデッキで雪んこに敗けず咲く山茶花(右)とパンジー(左) ここまで進めればもうビニール温室を組み立てるだけだが、3mの単管パイプを葡萄畑石垣下に打ち込み 温室の床を支える土台を造らねばと気づく。 それじゃ土台上の温室の床が完全に空中に曝され、温室どころか冷凍室になりかねないぜと直ぐ隣のボンシルバーが嘲笑う。 その上居間の東窓から丸見えで、折角の素晴らしい東窓の景観が奪われてしまうと、 追い打ちをかけて瀧上のジョンシルバーが喚く。 樹木を伐採し、重いロングステージを設置したが、こうまで両者に嗤われてはこの計画案は即撤回するしかない。 そんでは一体どこに設置すればいいのか!と3つの庭や西畑、葡萄畑をウロウロ、うろうろ。 名乗り出たのが窯室隣で慎ましく控えている石南花。 ≪あたしを移植して此処を使ってください≫ 石南花の他に紅梅、椿、アイリスなど棲んでいるが、ちょっと枝を避ければ温室スペースは確保できそう。 |