仙人日記
 
 その124の12016年  弥生


3月1週・・・重力波は時間と空間のカオスの叫び

ブラックホールに呑み込まれる森羅万象
SXS COLLABORATION画像と山荘払暁画像の合成 3月9日(水)
重力波イベントGW150914の衝撃が大きすぎて、HP仙人日記に手が着けられなくなってしまった。
≪ブラックホールの1つは太陽の36倍の質量を持ち、もう1つは29倍の質量を持っていたが、
それらが合体して太陽3個分のエネルギー(600万兆兆キログラム)を重力波として瞬時に放出し、
新たな太陽62個分のブラックホールを形成した≫ この衝撃から浮かんだのは
E=



に太陽質量を代入するまでも無く
それが、途轍もないエネルギーで
有ることは言うまでもない。
ちなみに太陽が電磁波として
放射しているエネルギーは
毎秒、太陽質量のたったの1兆分の1
のさらに一億分の2
のエネルギーだけである。
実際、GW150914によって
放射された重力波のパワーは、
観測可能な宇宙の全ての
星や銀河による光学パワーよりも
10倍以上大きいのである。

にも拘わらずその結果、
重力波が歪めた空間は
太陽と地球の間の1天文単位
( 約1億5000万キロメートル≒1011 mの間で、
10−10 m = 0.1 nm の変化量。
0.1ミリでは無い



1250℃の長時間高熱に怯える窯小屋
狂 気 の 初 窯
ナノミリなので更に
その10億分の1(10−9)ミリ、
つまり原子の半径程の
歪みなのだ。

太陽3個を使ってその程度の
歪みしか起こせないとなると、
一体この広大な宇宙を
生み出すには、如何程の質量が
必要なのかと
質量とエネルギーの等価性を表す
E = mc2
に想いを馳せたが、
ふと自らの早とちりに気づいた。

質量とエネルギーは同じだが、
エネルギーと空間が
同じであるとの数式は
無いのでは?

となると時間と空間が
融け込んだ無から、宇宙の最初期の
超高温度・超高密度を
生み出したビッグバンは、
エネルギーの関与は無かったのか?
空間はエネルギーと
等価性は無いのか?

窯の火入れ



米国の大学などの研究チームは
17日、約140億年前の
宇宙の誕生にさかのぼる
最も初期のシグナルである重力波を
検出したと発表した。
宇宙の誕生に関する
ビッグバン理論を補強するものだ。


蓋のブランケット隙間から炎が
研究チームは、
南極点にある電波望遠鏡を使って、
今日宇宙に残されている
原始的マイクロ波放射の中に
重力波の自然的パターンを
発見したと述べた。
科学者たちは、この放射を
ビッグバンのかすかな
名残りとみなしている。
 
この発見が正しいと判明すれば、それは、宇宙構造を圧縮したり伸張したりする重力波が
宇宙誕生初期の拡張の瞬間、つまり「インフレーション」の瞬間に潤沢に生成されたことを示す
(By ROBERT LEE HOTZ and GAUTAM NAIK  ≪
2015年1月30日にこの研究者グループは、発表は誤りであったことを明らかにした≫

 
 
パッキングのブランケット
 
ブランケットの耐火度は1500度
 
ブランケットは綿状のセラミックファイバー



LIGO(レーザー干渉計重力波天文台)重力波捕捉データ
図1,2,3

図1. 時間と周波数で示した空間の歪み≫


 LIGOハンフォード(H1、左図)およびLIGOリビング
ストン(L1、右図)検出器で観測された重力波イベントGW150914.二つの図は、
LIGO検出器内に引き起こされた重力波による空間の歪み(下記参照)の変化を、時間
(秒)と周波数(ヘルツ、または秒あたりの波のサイクル数)で示したものである。
図は両方とも、GW150914の周波数が35ヘルツから150ヘルツまで、1秒の20分
の1の間に急激に増えた様子を示している。 - GW150914は最初にL1へ、ついでH1
へ時間差7ミリ秒で到着した。これは重力波が2検出器間を伝わるのにかかる時間と一致する。
(Ligo Scientific Cllaboration)

13億年前のメッセージ
 夜明けのアリアに酔い痴れるジオ 3月6日(日)

太陽65個分の2つのブラックホールが絡み合う生殖行為によって、
太陽3個分の質量がエネルギーになり重力波となって放たれ空間を歪めた。
質量がエネルギーに変換され、更にそのエネルギーが重力波になって空間を歪めるなら、
重力波は空間を無限に小さくすることも、
逆に無限に大きな空間を創り出すことも可能なのでは!

となるとビッグバンの瞬間に重力波は潤沢に生成されたのではなく、
ビッグバンそのものを重力波が生み出したのでは!
そう直感したのだが、重力波は存在によって生じる現象なので有り得ない話しでは。
さて時間と空間のカオスである無の中で重力波を何処に見出せばいいのか! 

図2. LIGO検出器の簡略図
H1:ハンフォードとL1:リビングストンの光の移動時間10ms(0.01秒)



図2. Advanced LIGO検出器の簡略図(正確な縮尺ではない)。基本のレーザー干渉計に加
え、 以下のような新しいテクノロジーで感度をより向上させている:各アーム間にレー
ザー光を何回も往復させ、重力波の影響を増幅させる(光共振器)。干渉計全体の実効的
なレーザーパワーを増加させるためのパワー・リサイクリング・ミラー。光検出器で得られ
た信号帯域をさらに最適化する、シグナル・リサイクリング・ミラー。これらのテクノロ
ジーによって、共振器内の光のパワーを5000倍に増やし、信号は干渉計内により長く滞在する。

左側の挿入図(a)は、2か所のLIGO天文台の位置と向きを示し、2地点間の光の移動時
間を示す。 挿入図(b)は測定器のノイズが今回イベントが起きた時点で、各検出器におい
て周波数によって変化する様子を示す。測定器のノイズが小さければ小さいほど、感度は高
くなる。大きなスパイクは、狭い周波数範囲で、測定器のノイズが多いことを示している。

(Ligo Scientific Cllaboration)


 重力波イベントGW150914
合体する2つのブラックホール
  3月6日(日)

LIGOはワシントン州ハンフォードとルイジアナ州リビングストンに同じ構造の2基のマイケルソン干渉計をもつ。
本格的な観測稼働の4日前の2015年9月14日09:50 (UTC)に、
2台のLIGO干渉計で6.9ミリ秒の差で重力波と思われるイベントが計測された。
35Hzから250Hzまで周波数を上げながら振幅を大きくする波形が0.15秒ほど続き、その後急速に減衰した。
ルイジアナ州の方が先に感知したため、南半球側から到来した重力波と考えられている。
LIGOは、このとき技術確認稼働の最終段階で、2基とも安定に稼働していた。

重力波の検出は困難を極める。重力波を発生させる天体現象の頻度も定かではない。
1年で数回程度の重力波を現在のレーザー干渉計装置で観測しようとするならば、
重力波の典型的な振幅として、10−21以下の小さな時空の歪みを検出する必要がある
これは地球と太陽との距離(天文単位 = 約1億5000万キロメートル≒1011 mのオーダー)に対し、10−10 m = 0.1 nm の変化量に過ぎない。

太陽が電磁波として放射しているエネルギーは、
毎秒たったの質量の1兆分の1のさらに一億分の2のエネルギーだけである。
実際、GW150914によって放射された重力波のパワーは、
観測可能な宇宙の全ての星や銀河による光学パワーよりも10倍以上大きいのである。
(National Geographic)



枯葉の下から水仙が

蕗の薹は蕗味噌に
これぞビッグバーン!

ふふん、狼狽えて
みっともないったらありゃしない。
こうやって形象の無い大地から
夫々個性ある形態と色彩を
爆発させる
あたしらこそ重力波の源さ!

そう云って仙人を嘲っているのは、
山荘の野菜達。

そりゃそうでしょう。
2月12日の≪「重力波を初観測」
米中心の国際研究チーム 発表≫の
ニュース以来、丸っ切り
畑の野菜を放っぽらかして、
連日ニュースを読んでは、
唯唸っているだけ。

白菜は防寒の新聞紙を破って!

じゃが芋は発芽して


13億年の旅路を捉える天体オブジェ・ジオ

13億年前の2つのブラックホールが放った微かな囁きを、どう捉えるのか?
13億年前の2つのブラックホールが合体し発する重力波信号を
GW150914と命名し
そのGW150914が1秒の20分の1の間に周波数が35ヘルツから150ヘルツまで
急激に増えた様子を捉えたのは、
H1のワシントン州ハンフォードとL1のルイジアナ州リビングストンの2基のマイケルソン干渉計。

オーストラリアからやって来たジオ君、今夜だけマイケルソン干渉計になっておくれ。


図3. 2つのブラックホールが合体するまでの状態の
計測データと相対理論の
予測波形図&距離と速度≫

図3. GW150914の主要な結果。これはハンフォードH1で検出された重力波ストレインの再構成されたデータと、
一般相対性理論から計算された予測波形との比較である。
連星ブラックホール合体の3つの過程(インスパイラル、合体、リングダウン)において比較された。
下図は、ブラックホール間の距離と速度、さらに合体が進むにつれてのその変化の様子を示す。
(Ligo Scientific Cllaboration)

重力波は時間と空間のカオスの叫び
SXS画像と蟹星雲・ジオの合成 3月9日(水)

聴こえてしまうのだ。
卵管膨大部でひっそりと息を潜めていた卵子は、時に満たされた精子を待ち続け、
空虚でしかない自らの空間に時を呑み込む夢を追う。
夢の叶う、その瞬間に迸る歓喜の叫びが、聴こえてしまうのだ。

歓喜の叫びは卵管を下り、漆黒の子宮に至りビッグバーンの瞬間を待つ。
左の小さなブラックホールが時に満たされた精子なのだろうか?
となると右の大きなブラックホールは漆黒の子宮だけでなく、卵子としての使命も帯びているのか?
重力波の検出によって知性は、更なる未知を手にし存在の根源へと混迷を深める。

さあ、それではこのビッグニュースが齎した衝撃を大いに愉しもうではないか!
先ずは漆黒の虚空にジオと蟹星雲の受精卵を挿入してみよう。
うーん、中々いいね。
さしあたりこれは≪無≫からインフレーションに至る10−44秒後からビッグバーンに至る
10−34秒後までのイマージュとしよう。


 



(元画像:科学コミュニケーターブログ)



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