陶房・ゆぴてる陶芸活動・U


晶邂逅
大地は海から隆起した生命の晶
生命の土との出逢い

陶房開設:2000年3月
陶房主:坂原忠清

2003〜5年の作品

海の生命はマリンスノーとなって
光の絶えた深海底に
音も無く降り続け降り続け
数億年のときを経て堆積し
第三惑星の
熱い
アンブラッセによって
変成し晶を結ぶ
(チベット未踏無名峰へ・より:1998年)

生命は数億年前の
漆黒の海の晶
生命は現存する晶自身の

肉体

晶の生命の声を聴くには
晶を成型し再び肉体を
創造せねば
 
翡翠壷・・山荘下の竹森川から
カワセミが運んできた羽の色彩を
何とか捉まえられないか!
壷は皮袋のような優しさに。
うーん、だめか!
白萩結露・・柄の部分だけ結露させ
関東ローム層の鉄色との
コントラストを!
さて、これで山荘ワインの
ヌーボを呑んでみるか。
 

窯の火に還元をかける。
するとステンレスの煙突全体が、
優しい透明感のあるバーミリオンに
輝きだした。
太陽に向かって瞳を閉じた時、
瞳の内側に暖かさと共にいっぱいに
広がるバーミリオン。
血の赤を映し出したあの生命感に
溢れるバーミリオンが、
私の体内でなく陶房に描かれたのだ。
葡萄酒冷器・・・土が赴くままに成型し
出来る限り不自然なラインを排除した。
ボトルを入れて氷を満たす。
海のかつての生命よ
蘇っておくれ。

余りの美しさにうっとりと見とれてしまった。
太陽の赤、火の赤、そして血の赤。
生命の時空的歴史を語り継ぐ赤。
漆黒の彼方から永劫の刻を経て
やって来た生命は、太陽の赤となり、
地上の火の赤となり、
やがて生命の血液の赤となって
ガイヤに花開いた。
叫び・・・暗い空間を抱えて壷は
いつも寡黙になる。
松灰釉で大地を強調し
口をムンクの叫びに合わせて
晶に叫ばせてみよう。

生命の存在を許さない
1200℃の世界が、
生命にとってこんなにも優しく
郷愁すら誘うのは、
血が赤に魅かれるからだろう

石垣島の陶房で見た油滴天目釉と
コバルトガラスだけで
焼いた石垣焼は珊瑚海の
美を求めた。

この手法を使って漆黒の宇宙を
飛翔する
生命の孤独な軌跡
を創作出来ないものだろうか?

 
急須擬態・・轆轤を回しながら晶に聴いてみた。何になりたいんだい?
大地そのものでいい。
それじゃ、せめて顔を作ってあげよう。
君は今日から急須になったんだよ。

 箆鹿花瓶・・・山荘ゲートでアラスカのムース角が
森の仲間の声を聴こうと耳をそばだてている。
山荘の晶でムース角を作って会話させよう

ビアグラスを持って
陶房の
テーブルへ移る。
窯の覗き穴の栓を抜く。
還元の赤い炎

が10cmもの
長い尾を引いて
飛び出す。
 
テラスの作品・・・カクテルを飲み干したら
珊瑚海があったなんていいな。
しかしこの薄物にはコバルトガラスが使えない。
2度焼きしか手はないかな。
珊瑚環礁・・・大皿をリーフにして
晶を海に還してやろう。
貝を砕いて作った釉薬を結露させ
海を中央に配しコバルトガラスの底に晶を沈めた。
 

中を覗くと真っ赤に燃えた作品が半透明になって輪郭を失い
太陽コロナに浮かぶ都市のように蜃気楼を出現。


地球生命が認識しうる生命は1200℃のこの世界には存在しない。
にも拘らずその灼熱の炎に浮かぶ蜃気楼
は、確かに生命の影を宿している。
ビアを一口飲み考える。
私の意志が造りだした1200℃のこの世界は私の生命を投影している。
 

蜃気楼・・・光と影を呑みこんだ2次曲面の肉を
陶器の限界を超えた薄さまで落とし
曲面の彼方に蜃気楼を追ってみた。
 
阿修羅の繭・・・深海にもう1つの宇宙が凝縮して
ビッグバーンがその瞬間を待っているとしたら
こんな風に多重宇宙を内包しているのだろうか?

土との触れ合い

陶房・ゆぴてる:活動ガイダンス

《1》 活動趣旨 自然との共棲を試みる山荘活動(畑作、椎茸栽培、果樹栽培、干柿作り、ビア&ワイン造り、調理、動植物や星の観察、森散策、山歩き)の一環として陶芸を行う。
活動域を世界に求め熱帯域珊瑚礁でのダイビング、ヒマラヤでの登山なども実施してきたが陶芸は海、山に続く土(大地)を通しての自然との
共棲への試み。 
   
   
《2》 会員 A:自由作陶会員・・・轆轤などの作陶経験のある会員で陶房・ゆぴてるの施設を使って自由に作品を作る。
B:ビギナー会員・・・ 初歩から指導。初めてでも出来る簡単な作品造りから始め、自分の判断でA会員になる。
C:体験コース  ・・・1回の体験で作品を完成させ焼成後作品を受け取る。
   
   
《3》 活動日 毎月第一日曜日、午前10時〜15時 
《4》 活動予備日 第一日曜日が不都合で不参加の場合は翌月の活動日前日(土)と翌日の2日続けて陶芸活動を行う。 
《5》 活動費 @入会費:1万円 A月会費 A会員:2千円(2万4千円/年)  B会員:3千円(3万6千円/年) C体験:5千円/1作品
  納入:年会費として3回に分割し4か月分(A会員:8千円、B会員:1万2千円)を活動日の前月末までに銀行振り込み。
  銀行口座:三井住友銀行生田支店 普通口座 □0□□732 坂原忠清   ※(家族の場合は2人目は半額,子供は材料費のみ)
 ≪例≫ B会員加入、1泊2日、宴参加の場合:1万円(入会費)+1万2千円(4か月分)+千円(粘土代)+5千円(宿泊費)+千円(宴)=2万9千円
   
   
《6》 材料費 @粘土代:千円/5kg  又は自分で好みの粘土を購入する。山荘の土で粘土を造りブレンドすることも可能。
A素焼き、本焼き、釉薬代:作品の大きさによるが目安として皿、碗などの小作品:500円/1個  中作品:千円/1個
 大物作品については面積から算出。 
   
《7》 活動日程 @前日(土)からの活動可能。
 前日:活動内容:畑作、森の散策、山荘周辺の山歩き、陶芸を愉しみ活動後は各自1品調理し山荘特産のビア等での晩餐会を行う。
 畑作活動で採れた野菜は収穫時には持ち帰り可能。宿泊参加費:5千円(子供無料)
A当日:朝の森散策後に朝食をとり10時から作陶。15時の終了後は遅い昼食と早い晩餐を兼ねての1品持ち寄り宴(参加自由、山荘産ビア、ワイン提供)。
  宴参加費:千円(子供無料)
   
   
《8》 宿泊スタイル @母屋(布団) A母屋屋根裏部屋(寝袋) Bテラス(星を観ながらの宿泊(寝袋) Bログハウス(寝袋)  C森のテント(寝袋山荘でテント類提供    
《8》 アクセス @車で来る場合:当HPのアクセス地図参照  A電車:中央線塩山駅下車 バス(玉宮行乗車で上竹森上手下車) タクシー10分
《9》 制作作品 食器類:皿、茶碗、カップ、カップ&ソーサー、徳利、杯、小鉢、割り小鉢、片口、花瓶、一輪挿し、急須、おろし器、箸置、蓮華、壷
記念品:結婚記念や誕生日贈呈の名前入りの皿、茶碗、カップ、ビアジョッキなど。
その他:表札、動植物造形、筆立て、ペン皿、スタンド、ランプシェード、陶板画、アクセサリー(イヤリング、ペンダント等)、各種オブジェ 
   
   
《10》 実施成形法 @手ひねり  A巻き作り  B紐作り  C轆轤引き  Dタタラ成型  E石膏成型 


作陶のプロセス


【0】 土作り 山荘の土を掘り出して信楽や志野の土とブレンドして粘土を作ることもしています。
【1】 土練り @荒練り、A菊練り
【2】 成形 @手ひねり  A巻き作り  B紐作り  C轆轤引き  Dタタラ成型  E石膏成型(急須,鶴首、壺、ジョッキ等)
【3】 仕上げ @削り出し(厚みの調整など)、A高台作り(轆轤)、B取っ手等の接着、Cやすり掛け
【4】 乾燥 @自然乾燥(陰干し、天日干し)、A強制乾燥(ドライアー使用)
【5】  素焼き  灯油窯(750〜800℃で約8時間)〜常温に戻るまで約2〜3日 
【6】  釉掛け  @ずぶ掛け、Aスプレー掛け、Bいっちん、C筆がき D絵付け・呉須、シールなど使用, E色ガラス釉 
【7】  本焼き  灯油窯@酸化焼 A還元焼 基本:1250℃で10時間〜常温に戻るまで約3〜4日 
【8】  仕上げ  @高台などのグラインダー掛け、A洩れ防止剤処理 


陶房・ゆぴてるの活動画像リンク先 《1》轆轤を引く子供  《2》陶房での作陶  《3》轆轤作業

  高い知能を持った
生命体が同じよう
に自らの生命
投影して、
太陽系や宇宙そのものを創生しても何
の不思議もない。

更に一口飲む。
認識は
多重構造を持ち
より高い知能の
獲得と共に
層を重ねて
無限の広がり
を見せる。


宇宙の彼方には
事象の地平線があるが
認識の地平線
何処にあるのだろうか?
認識を超える存在への
アプローチは
可能なのか?
 初雪に乾杯・・・ワインセラーで
05ヌーボの瓶詰をしていたら
雪が降ってきた。
テラスのデカンタが
ドレスアップしておおはしゃぎ。

忘られし君・・・おい!たまには思い出してくれ。
初雪に興奮したのか棚の奥で眠っていた
初期の作品が呟いた。
早速テラスに出してやったら得意顔。

胸が高鳴る
成型してから5ヶ月間
悩みに悩み抜いて
窯で眠らせたままの作品。
どうにか釉掛けを済ませ
いよいよ
窯出しの瞬間
迎えた。
まず窯手前の器に
目を魅かれる。

底部の群青の
ガラス
その上を黒織部が
環状に取り巻き
更に上縁を乳白が覆う。
森の精・・・山荘の森をビアグラスにしよう。
口あたりの感触を生かすには
究極の薄さが要求される。
轆轤、手捻りでは限界がある。
石膏に水分を吸わせて究極の薄さ実現。
踊り子・・・夜になると山荘のバーに
やって来る踊り子。
素肌の晶を縁取りにして光の中に
惜しげもなく身を晒す。
綺麗だよ。

器全体が宝石のような輝きに満ちている。
小倉山稜線から生まれ出た朝の煌きが窯に差し込み器に踊る。
ピン、ピンと小さな音色を奏でガラスに細かい罅が走り始める。
器に溢れる鮮やかな光と密やかな音色が新生の歓びを告げる。

 

惑星・(特大皿)・・・クレーターを生み出すにはどうしたらいいのか?
急激に窯の温度を上げる無謀な試みで釉薬を沸騰させ
ついに惑星が誕生した。

天空の海・(大皿)・・・漆黒に僅かな光が交わると
宇宙は群青に染まる。
生命が魅かれる天空の群青と海のコバルトを
大皿に沈めてみよう。

釉薬となった灰と山荘大地の土が高温エネルギーを浴びて新たなる星になった瞬間に今立ち会っているのだ。
素焼きせずに成型後の土に直接釉掛けした作品も初めての試みにしては綺麗に焼けた。

灼熱の窯の熱りとビアの酔いが晶邂逅の叙事詩を高らかに謳い上げる
さてこの歓びを誰に伝えよう!
(山荘日記生命の記録・
より) 
奇跡の碗・(並碗))・・・極限の薄さに底が割れた。
その亀裂に緑が貫入し、光が内と外を繋いだ。
この碗にスープを入れると、底から光が差し込む。
秋桜花弁・(小鉢)・・・窯を開けた瞬間
その儚く淡い可憐な美しさに胸を打たれた。
これは私が作った物ではない。
海の晶の生命が自ら花開いたのだ。

土に触れてみませんか? 果てしも無く遠い過去の命との触れ合い。
1泊2日のゆったりした時間の中で森の散策をしながら陶芸体験が出来ます。
希望者は Index  の連絡先BBCへ。


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(リンク先:http://陶芸.教室検索.jp/
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