オスロブ・ダイビング

珊瑚海・生命への旅

            珊瑚海其の31・・・・・・・もう1つのヒマラヤ

 
 Oslob  撮影日:2014年4月
場所:セブ島,オスロブ  
撮影&編集:坂原忠清


《A》 さあ、潜るぞ!


夕焼け雲の彼方に

4月半ば昼下がりの
成田空港出航ロビーは
閑散としている。

社会人は一番忙しい時期、
ゴールデンウイーク前の
穴場でもある。


ところがフィリピン航空
433便の機内は
ほぼ満席に近い混み具合である。
セブ直行便ということで、
利用者が多いのだろうか。
 
セブまで約4時間半。
夕焼け雲の彼方に
赤々と燃ゆる太陽が沈む頃、
セブ島のマクタン空港に到着。

エージェントが用意してくれた
タクシーでリロアンへと向かう。

途中で買い物の為
スーパーによる予定だったが、
なんと祝日なので
スーパーは休み。
代わりにコンビニで
缶ビールを買い込んだ。

 



PR433便:マクタン島上空1

マクタン島に沈む夕日


壮大な日 




滞在コンドミニアム


ボンガビレッジは何処か?

街中のいたるところでホリデーの賑わいが感じられ、子供たちのキャンドルサービスの列も見られる。
イースターホリデーかななどと思いながら南国のムードを感じる。

冷房がきつすぎる車内で、あるだけの上着を羽織って、いつの間にかぐっすり寝入ってしまった。
目が覚めた時は真っ暗な森の道、時々人家らしきものが点在するが目的地は近い筈。

ところがそれから、運転手が窓を開けては、人がいると「ボンガビレッジは何処か?」と尋ねて回る有様。
辿りつけるのだろうかと不安にさせられる。
確か船着き場のすぐそばということなのだから分かるだろうにと不思議になるが、
全く標識なども無いのだから仕方ないのか。
ようやくリゾートにたどり着いたのはもう真夜中近く。

出されたサンドイッチを一応お腹に入れ、そそくさと眠りについた。



滞在宿は戸建2階建てプール着きリゾートでレストラン無し


いの果てにやっと着いたぜ! 

 2階建てのリビングから一望

1階は直接プールにがっている
 

早速いでみるか! 

あれ!も来ているでは



とにかく贅沢な造り

朝日の中で広がる風景の美しさに感嘆。
到着時には深夜だったので何も見えなかったが、部屋のバルコニーの先には洋々たる海原が朝日にきらめいている。
対岸にはドマゲッティのあるネグロス島が緑濃く横たわっている。
さまざまなヤシの木が大きな葉を広げ、これぞ南国のリゾートだという見本のようだ。

部屋もコンドミニアム風で一階にはベッドルームが2つもあるし、二階は大理石のフロアのリビングで、
簡単なキッチンスペース(コンロは無いが)もある。
広々したバルコニーがあり、ここでのんびりビールを飲んだら気分は最高だろうと思われる。
一階の部屋からは直接プールに入れるようになっていて、全部で3棟の客室がそのプールを独占している。
とにかく贅沢な造りではある。



庭のテラスに差し込む照 
照の旅

太陽が美しいのだ!
山荘やヒマラヤで
極上の太陽との邂逅を無数に体験し
知り尽くしている筈の太陽の美。

朝に夕に
太陽が美しさを誇り
これでもかと云わんばかりに
惜しげもなく光の矢を
投げかけ誘うのだ。

レストランは海の夕日テラス 

残照に立つ人と花  
  ≪どう、山荘やヒマラヤの太陽と比べて!
海から昇り海へ沈む太陽こそが
生命の輝きを語れるのよ≫

スコールが付き物の熱帯の海で
一度も雨に降られず
連日、豪華な朝陽と夕陽の歓迎を
受けたのは初めて。

夜明けからサンゴ海に潜り
午前中に3本のDVを
終えて午後は日本から持ち込んだ
プレーヤーで
音楽を愉しみながら、ゆっくり
ビアを堪能する。

山荘農夫にもこんな
プレゼントを分けてくれるなんて海の太陽に
感謝せねば!
 
スパタイム1間500ペソ(1250円) 

午前中3本り午後は音楽とビア 

山荘野とビアで乾杯!
 
刻々と水平線にる残照 

海面に描く光の軌跡は
過ぎ去りし日々when my heart was young and gay
なのだろうか?
あの光の軌跡に輝いていているのは
ナンガパルバットの8千mの頂上直下で
絶命した中島修だろうか。

修だけではない。
ナンガの東壁で墜落した大宮秀樹も
光の帯を成しているに違いない。
いやそれだけではない、
若くして相次いで山で死んだ我らが遠征隊員の
成田や中川、大谷、高橋、小口も
光を投げかけているのだろう。

生命を拒絶する希薄酸素と凍結した
峻険な岩と氷の世界に挑み続け
1人、また1人と
死んでいった隊員たち。
彼らが求めていたのは濁りのない光?

そうだったのか!
これ程までに太陽が美しいのは
織り成す光の綾に彼らの
透明な生命が煌めいているからなのか!

 Gone are the days when my heart was young and gay,
Gone are my friends from the cotton fields away,
Gone from the earth to a better land I know,
I hear their gentle voices calling "Old Hermit Kiyo".




ボンガリゾートに軍配

早速外を探索に行くが、リゾートの外に出ると舗装された幹線道路で、ジョギングするような雰囲気ではないようだ。
SPAがあるらしいので、利用できるか尋ねると、ホリデー期間は閉鎖中だという。
朝食はマリンビレッジで摂るとのこと。通常なら宿泊もマリンビレッジなのだが、
今回は既にそちらがいっぱいの為、姉妹ホテルの方で宿泊することになった。

尤も結果としてはそのほうがダイビング後の時間をのんびりと過ごせ、
毎夕すばらしい夕陽を堪能しながら、贅沢な時間が過ごせたのである。
車で5分程離れたところにマリンビレッジはある。
ダイバーのためのホテルといったところか。
ダイビングショップが併設されているので、設備はそろっているし、便利だろうとは思うが、
アフターダイブを楽しむためには
断然我々のボンガリゾートに軍配が上がりそうだ。


原語で歌えるのはロシア民謡幾つかと
英語数曲なのだが
その数少ない1つに忘れようにも
忘れられない≪Old Black Joe≫がある。

何故か美しい夕陽に出逢うと
60兆の細胞の1つ1つが
この歌をハミングし始めるのだ。
夕陽に染まるハイビスカスを観ながら
ふと気づくと
いつもの≪Old Black Joe≫が
60兆の細胞を
駆け巡っているではないか!

になったハイビスカス

Gekko!
 Gekko!と謳う

夜明けをうヤモリ(家守)

紋家守(ヒョウモンヤモリ)

光と共に謳いだすのはGekko
あー気持ち悪いなんて、とんでもない!
このゲッコ、人相は悪いけど
あれ虫相かな?
まー兎に角悪いんだけど
勇気を出して触ってごらんよ!

ほら、マシュマロみたいで柔らかくて
凄ーく気持ち良い感触だろ!
この柔らかな体で小さな隙間に潜り込んで
身を守るんだよ。
こいつソフトなだけじゃなくて
歌も実にうまいんだ。

夜になると部屋の隅から現れて
月の光にハミングして
いろんな夜曲を謳ってくれるんだよ。
さて今夜はどんな歌が
聴けるのか愉しみ!
≪Old Black Joe≫をリクエストしようかな!

Index

Next