その91の3ー2013年水無月 |
朝の光に歓喜する薔薇 6月16日(日)曇晴 中庭石段アーチ 夜明けの光に押え切れぬ歓びの声を上げ、豊饒な彩を仄かな香りと共に撒き散らし命を謳った薔薇。 それなのに弱弱しく暮れ泥む光にさえ対峙出来ず、薔薇は薔薇であることを失おうとしている。 ・ 弱弱しく暮れ泥む光だと云うのに、夕富士の明るさに耐えきれず 薔薇は逆光の闇に沈んでしまい、彩どころか輪郭まで失いつつあった。 |
夕富士に沈む薔薇 6月16日(日)曇晴 中庭石段アーチからの富士 《ほんの少しだけ、薔薇の闇を削り取ってあげよう。ほらこれでどうだい? 拭いきれぬ闇を未だ幾らか引きずってはいるものの、薔薇らしくなったね。 もう少し紅を濃くしてみよう。うん、輪郭は不明瞭だけど薔薇が薔薇であると解るようになったよ。 ・ でもね、たとえ漆黒の闇に呑みこまれてしまっても、心象風景で鮮やかに咲く薔薇は決して消えはしない。 薔薇への想いは、深く濃密な闇でさえ呑みこむことは出来ないんだよ》 その呟きが聴こえたのだろうか、闇を引きずったままの薔薇が輪郭を失った花弁を僅かに震わせ嗤ったのだ。 《よく云うよ!》 その短い、無数の棘を含んだモノローグに、薔薇と富士を結ぶ唯一の回廊の閉じる音が聴こえたのです。 |
新しい芝と語る薔薇 中庭 新たに春に植えた芝にも燦々と陽が当たり 芝も大喜び。 この芝の下には排水路が走っているんだよ。 芝に耳を当ててごらん。 ・ 微かに聴こえるだろう、池から流れてきた水音が。 石卓の下に在った水琴窟が 気づかぬまま数年に亘って水中ポンプ漏電を起こし 無駄な電力が消費され続けてね。 それでとうとうポンプを撤去して水琴窟は無くなって 代わりに排水路を芝の下に通したのさ。 |
我が物顔に蔓延って陽を遮り中庭の芝を枯らし 中畑石垣から延び上がる雑草を助長させる 手に負えなくなった躑躅をばっさり伐ったのは2年前。 ・ そうしたらどうだろう、隣のアーチ薔薇が 透かさず延びて来て最初の躑躅の頭を乗り越え 2番目、3番目も軽々飛越え まるで躑躅の花であるかのような顔をして 咲き始めたではありませんか! |
薔薇アーチとジョン 中庭石段 |
箸置・大根の花 西畑 |
咲き続けるアンネ 奥庭 |
刈っても刈っても咲く薊 葡萄畑 |
最初の南瓜花 葡萄畑 |
大根の花がこんな上品な 紫と白だったとは! 箸置に飾らなければ決して 気づかなかった小さな花。 ・ 週末になると異なる花を咲かせて 黄色からピンク、紅へと 御色直しまでしてくれるのでつい カメラを向けてしまうアンネ薔薇。 これが最後の花弁かな? |
トマトも咲いたぜ! 葡萄畑 |
ピーマンも怖ず怖ずと咲く 葡萄畑 |
黄金のマルコポーロ 奥庭 |
頼りない茄子の花 葡萄畑 |
珍しい緑の花・柿 奥庭 |
薊なんぞ毎週雑草刈りの仕打ちに 遭いながらも咲き続け 近くで勝手に目を出した南瓜までが 刺激されて虫喰われの葉の間に 「未だ早いかい?」 とばかり黄色い花を咲かせた。 ・ トマト、ピーマン、茄子は 夏の山荘野菜の主役達だからと 大切に育てているのだが どうも茄子の元気が無い。 苗が悪いのではと別種のを 移植してみたら花が咲きだした。 ・ 昨年はピーマン、茄子は不出来。 そのかわり美味しいトマトが 連日収穫出来て新鮮なサラダを堪能。 今年も毎週の手入れの成果が 上がり期待出来そう。 ・ 昨年超不作だった柿は花は咲いたが 大量に落ちてしまい 春の冷害の影響が出ている。 この分では今年も干柿作りは無理かな? |
あれ!白い紫陽花だ 山荘池 |
知らんだろ!野蒜だ 西畑 |
嫌われ者のドクダミ 奥庭 |
扇山を映す山の田 福生里 |
夏は来ぬ 6月17日(月)曇晴 座禅草の森下 小倉山のてっぺんで 山荘原野の湧水場所と山荘の位置関係が解る 画像を撮ってから一気に山を下る。 森を出て里の水田に出ると此処にも 山荘原野の湧水場所と山荘が映っているでは。 ・ この位置からだと山荘は手前の森に隠れ 見えないが湧水位置は明瞭。 小倉山頂からの正面画像と異なり 側面画像になるので 導水管を引くにはぴったりの画像。 ・ 扇山の北隣りに在り山荘の真上に位置する 峰が未だ無名であることに気付いた。 この際命名してあげよう。 山荘・ゆぴてるの建つ山なので 《ゆぴてる峰》としよう。 どうだい、気に入ったかい? |
2つの峰が水田に映っているだろう。 双耳峰の様に見えるけど左の峰は 手前から延びる頂上に 続いている尾根で双耳ではないんだ。 つまり右の峰が頂でついさっきまで 仙人はあそこに居て写真を撮っていたのさ。 ・ 福生里には幾つも水田があるけど 竹森川の対岸に聳える小倉山と扇山の 両方を同時に映す水田は 多分此処だけではないだろうか? ・ この小倉山から昇る満月を 水田に映したらどんなにか幻想的だろうか。 そうだ、今度満月が昇ったら バイクを飛ばして観にこようかな。 |
田植えの終わった鏡に映る小倉山 福生里 |
梅の収穫15kgも 冬駐車場下で収穫 6月15日(土)曇雨 |
雪道で梅林オーナー広瀬氏と共に 1月19日(土)晴 山荘下道 |
卓上に置くだけでいい香り 居間 |
麦酒のフレーバーの仕込み 大雪の日の約束 雪の日に山道をバイクで走るなんて とてもとても在り得ない話し。 チェーンを装着した四駆のジープですら 山荘の急坂を登るのは難しいのだ。 ・ その山荘の急坂を見たことも無い 雪道専用のクラシックバイクで颯爽と走るのは 山荘下の梅林のオーナー広瀬氏。 「どうぞ好きなだけ梅採っていって下さい」 との以前の約束を覚えていて この雪の日も梅とバイクの話し。 「これ40年前のホンダのMOTORA、 今はもう手に入らないですね」 |
大瓶に4本仕込む キッチン |
2年ほど前の春の日に招かれて オーナー氏の家に行って驚き。 小石川植物園で初めて見た 珍しいハンカチーフの木が数本無造作に咲き乱れ 色とりどりの石楠花が其処かしこに。 ・ 倉庫にはクラシックバイクの他に クラシックカーが処せましと並んでいるでは。 植物、クラシックカーのマニアにとって 正に垂涎の的。 さて氏との約束のお陰で麦酒のフレーバーが たっぷり出来たぞ。 今度山荘麦酒を持ってお礼に行こうかな。 |
桃太郎トマトだぞ 葡萄畑 |
笑えぬ話し 何と云っても一番大変なのは 雑草取りと種蒔き後の散水なのだ。 朝晩連日散水しないと当然ながら 蒔いた種子は発芽しない。 ・ 幸い山荘の畑にはスプリンクラーが 設置されているし 奥庭からの長いホースで散水出来る。 散水施設が無ければ 車に水タンクを積んで畑に運んで 散水するしかないがこれを 発芽するまで続けるのは容易ではない。 |
ミニトマトはどっさり 葡萄畑 |
美味そうな杏 奥庭 |
しょぼくれた茄子 葡萄畑 |
林檎は不作かな? 林檎畑 |
すくすく育つ唐黍 林檎畑 |
特に今時は田植えが終わった処で 水田への水を絶やす訳にはいかない。 農作業しながらラジオを聴いていたら 地元ニュースが流れてきた。 ・ 《水不足で韮崎市の区長が 消防用の防火用水を勝手に自分の 水田に引き市から5倍の 料金を徴収された。 区長は「違法と知りつつも早苗が 枯れてしまうのでつい、やってしまった」 と述べている》とか。 |
やっと発芽した人参 西畑 |
北海道から送ってもらった芋 中畑 |
初収穫の空豆 葡萄畑 |
あれ美味しいはずなのに? 中畑 |
くそー、どうしてなんだ! 山荘での農作業が始まって19年目、この間何度も挑戦したが一度も収穫まで漕ぎつけなかった空豆。 秋に種を蒔き冬越しさせ春に花を咲かせ初夏に収穫する。 山荘の寒さに耐えきれず冬越し出来ず枯れてしまうもの、花が咲き実が着いた頃に油虫が着き枯れてしまうものと この2つの難関を突破して収穫に到った空豆は無かったのだ。 ・ それがどうだ。葡萄畑の倉庫前に勝手に発芽した空豆が見事結実し収穫出来たのだ。 早速収穫したじゃが芋と茹でてビアのおつまみに。 空豆は美味しかったが、折角北海道から送って貰って僅かに生き残った貴重なじゃが芋は美味くない。 山荘の不出来な小さな芋の方が遙かにコクがあって美味しいのだ。残念! |