162の1ー2019年 皐月
一丁前に花鬱とか偉そうに宣う仙人! ≪シシュポス≫1548年頃の絵画 ティツィアーノ作(ルネサンス期のイタリア人画家) 激しい律動を繰り返し汗を滴らせ、大岩を絶頂に運びる上げる歓びとは異なる、 緩慢な静寂に支配された森の芽吹きにも似た歓喜が、弱弱しい赤血球の流れに潜んでいるのでは! 駆け巡る赤血球には決して理解できない、動きの停止した歓喜は、何処から齎されるのか! シシュポスは死の概念そのものであり、死の神でもあったタナトスを騙くらかし、 手錠の使い方を教えてくれとタナトスに実演させ、そのままシシュポスの家に閉じ込めた。 ゼウスの命に背き、死そのものであるタナトスからの逃走を図ったシシュポス。 動きの停止した歓喜は、ゼウス命からの逃走によって果たして刻むことが出来るのか! |
満開の花に包まれて鬱になったって! ゼウスの支配下で果たして自らの命を絶つことは可能なのか! 可能たらしめるには、人妻である盗人アウトリョコスの娘と 交わって出来た息子・オデッセウスの策略に頼るしかないのか。 あのトロイア戦争で木馬の策を弄し、 長い苦難の旅路で名を馳せたオデッセウスなら、 緩慢な静寂に支配された森の芽吹きにも似た歓喜を創り出し、 不貞の父シシュポスを自裁へと誘い出すことが出来るかも! |
荒れ狂う戦闘の神アレースにひっ捕らえられシシュポスは、 ゼウスによって肉体の永劫の酷使である 大岩を絶頂に運び上げる刑を受ける。 絶頂に至る直前で大岩は転げ落ち、 シシュポスは再び激しい律動を繰り返し汗を滴らせ、 その行為に敢て歓びを見出す以外の術を、 見出すことは出来ない。 この永劫の苦行から自らを解放するには、 総ての動きの停止であることは間違いないが、 |
大岩くらいでオタオタすんな! |
絶頂を目指す仙人 |
断続的に小雨の降る中、 よたよたしながら太い菜花の根元に 唐鍬を叩き込み根を掘り起し、 両手で抱えて 石垣下や南柵側に運ぶ。 いつ終わるとも知れぬ作業は、 二度にわたり神を欺いた シシュポスに課せられた刑罰にかさなる。 大岩を抱えて絶頂を目指し 頂に達するや否や、 大岩は転げ落ち、再び掘り起し、 施肥し耕運機掛けし、 絶頂を目指す。 よたよたとは無縁な全身を、 赤血球が駆け巡っていた時には、 決して見つけることの 出来なかった歓びが、弱弱しい 赤血球の流れに 潜んでいると気づき一人ほくそ笑む。 さあ、耕そう! |
乗り移ったシシュポス |
4年も掛かってやっと咲いた紅の花水木 アップル・ブロッサム2.2m 2016年04月21日 08時45分04秒発注、山荘に贈呈 シシュポスを支配下に置くゼウスがジュピター、つまり山荘の主題である≪ゆぴてる≫と同一であることの意味が観えてきたろ! 山にのめり込み始めた若き仙人の深奥に潜み、自在に仙人を操っていたのがゼウスだと! ゼウスから与えられた≪大岩を絶頂に運びる上げる歓び≫を捨てて、 ゼウス命から逃れれば、≪緩慢な静寂に支配された森の芽吹きにも似た歓び≫を手にすることが出来るのか? 自らは「シシュポスの神話」から脱出出来ないので、理性、啓蒙、奸智で名を馳せた息子・オデッセウスに縋り、 ≪駆け巡る赤血球には決して理解できない、動きの停止した歓喜≫が齎されるとでも! 「何をぐちゃぐちゃ云ってんのよ!4年も掛かってやっと咲いたあたしに ≪動きの停止した歓喜≫と名付けたいだって!そりゃ勝手だけれど、あたしはゼウスの命によって咲いているだけよ。 つまりあんたは例え自裁を成し遂げても、それはゼウスの思惑下であって結局≪さあ、耕そう!≫と帰結し 肉体の永劫の酷使に還るだけのこと」 何ともはや沈着冷徹な、紅の花水木のお言葉ではありませんか! それを言うなら沈着冷静だって!うんにゃ、冷静よりもっとクールなんだからやはりお前は冷徹じゃ! |
これじゃ未だ池浚いは出来ないぜ! |
枯葉を浚うと卵が紛れて |
こいつがお玉杓子になるまで待つか! |
山荘池 5月7日(火)晴 グキッ、疲労臨界点を超えた! と直ぐグキッの原因に思い至ったが 時既に遅し。 左肘の内側の突起である内側上顆が、 骨折した時の様な 激しい痛みに襲われ急激に脱力。 移動しようとしていた岩を前に呆然! それほど突然やって来て、 左腕が動かなくなってしまったのだ。 |
左肘疲労骨折か! |
1週間前の1日に 池浚用の重い掬い網を作ってから 連日池浚いを続けてきた。 掬い網そのものの重さと 沈殿した枯葉と池水が加わると かなりの重さになり、 そいつを池の底から持ち上げると、 その荷重はもろに肘にくるのだ。 こいつはちょっと 重すぎるぜとは感じていたが、 6日目にして遂に 疲労臨界点を超えてしまったのだ。 |
うん、しっかり浚えるぜ! |
ほら、どっさり浚える |
一輪車に載せて花壇へ |
あれっ、エロスって翼の生えた力強い青年じゃなかったっけ! 咲き出した山荘アイリスには豊満な乳房の美女がエロスに! それにしても何と華麗な造型であることか! 嘗て人類が造り上げて来た如何なる造形物よりも美しく、知の概念を超えた摩訶不思議なフォルム。 美女の指先から滴り落ちる透明な体液が、暗渠ならぬ明渠へ幼い知的存在をいざなう。 幼い知的存在はこの明るさに惑わされ、透明な体液を浴びて光の源に吸い込まれる。 幼いのだ。そんな知の概念を超えた摩訶不思議なフォルムに魅かれ、その先に宇宙を夢見るなんて! 確かにこうして数十億年に亘って生命は継承され、進化を遂げ知へと限りない接近を試みてきた。 しかしそれは水の惑星・ガイアの体液の中でしか起こり得ない、極めて限定された稀有な現象。 と認識しつつ幼児への退行現象が激しく進行している仙人は、変貌し光を湛えた暗渠の最奥に宇宙を確信するのだ。 ≪魯迅の言葉のように、希望が絶望と同じく虚妄であるなら、暗渠の深奥に宇宙を確信しても 強ち間違いではないのでは! 何故なら確信こそが虚妄そのものであるから≫なんぞと、相変わらずペダンティックな訳の解らんことを独り言ちる仙人。 |
遅れに遅れたログのオイルステン塗り |
新しく延長した奥庭芝桜の花壇に 岩垣を作ろうと、 瀧下の40kg程の岩を 芝桜花壇の下まで転がり落とそうと 岩に力を加えた瞬間に グキッときたと云うわけだ。 その直前に池浚いし、 その濡れた重い沈殿枯葉を 花壇に運ぶ重労働をしていたので、 肘には大きな負担が 掛かっていたことは間違いない。 |
椎の木が覆い被さり |
切妻部分をしっかり! |
一階テラスもやって!と叫ぶ |
こんなもんで満足! |
使用頻度が高いから2度塗りか! |
急いで湿布したが 作業を中断すると 精神衛生上よくないので、 恐る恐る左肘に力が 加わらぬよう気を着けながら 何とか移動お完了。 その後、散らかった枯葉を集めようと 軽い熊手で芝生を掃こうとしたら、 左肘が痛くてギブアップ。 弱い力であっても 引くことが出来ないと判明。 こりゃ暫く 山荘活動に支障を来すことになるが、 果たして全治するのか! 老化現象が加わり 慢性化すれば全治なんぞ 夢のまた夢であり、 仙人の鬱は増すばかり。 |
森がログに入って来る |
花の女王・牡丹に群がる白星花潜り 花粉を食べに十数匹が犇めく黄金虫科 ≪おいおい、いい加減なこと云うなよ!そいつはな、白星ではなく白点花潜りだぞ!≫ と指摘されても仙人は黙り込むしかない。 白斑の紋様は両者共よく似ていて、素人には識別が難しいのだが、両虫の明確な違いは頭盾の形状と前脚符節の長さの違いだとか。 だいたい頭盾とは前脚符節とは何なのか? どうも頭盾とは縫合線で囲まれた前額と上唇に挟まれた部分で、前脚符節とは昆虫の脚の先の鍵爪の事らしい。 こいつが右画像の様に僅かに異なり、白点は頭盾に凹みがあり更に前脚符節が白星花潜りより長いとか! こんな僅かな差異を見つけ出し、驚いたり時には感動したりと研究に励んでいる人達が居るんだと、その人たちに驚く仙人。 検知出来ぬほどの僅かな差異にこそ、途轍もない真実が潜んでいることは間々あるが、 一体この差異には如何なる真実が秘められているのか、仙人は唯押し黙って白星花潜りを見詰めるのであった。 |
ジャーマン・アイリス(石卓) |
躑躅(中庭) |
大根草(奥庭) |
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連作してはいけないが西瓜は 地べたを這い回るので、 広い場所で他の野菜の邪魔にならない様に。 更に実が生ると烏がやって来て 突いて穴を開け食べてしまう。 となると、どうしても烏が着地出来ない 葡萄棚のある葡萄畑となり、 他の野菜に邪魔にならない場所で 陽当り抜群となると南柵側と、 いつもの場所になってしまう。 |
夕斑枝尺(ゆうまだらえだしゃく) |
接木西瓜なら 5年間ほどの連作は出来なくはないが、 育ちは悪く、味も甘味が落ち 後悔することになる。 接木大玉西瓜5本、 大玉西瓜6本(縞黒)と 計11本の苗を黒マルチを 30m引いて移植したが、 期待が出来ないだけに虚しい。 |
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牡丹(奥庭) |
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芍薬(瀧下) |
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母子草(イオテラス下) |
満天星(1階テラス横) |
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凌霄花発芽(仙人テラス下) |
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3枝共に発芽した蔓薔薇 (仙人テラス) |
ポット栽培のレタス |
香り抜群クレソン |
今が旬のクレソン! |
室内ポット栽培している唐黍も 発芽率が極端に悪く、 先月23日播種し17日経過した現在、 スイートハミーでは 60鉢の内発芽したのは16鉢、 発芽率26.7%と極めて低い。 種袋には発芽率75%とあるが |
50%も低いなんて 誇大広告としか言いようがない。 しかしもう1種類のピーターコーン何ぞ 更に酷く、128鉢の内発芽したのは たったの5鉢、 発芽率0.04%とは驚き入った。 先週、春竜胆を一輪見つけたが、 もっと咲いている筈と 探したが見つからず。 |
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発芽率低い唐黍 (スイートハミー) |
続々発芽のレタス (サニーレタス) |