1621ー2019年  皐月


一丁前に花鬱とか偉そうに宣う仙人!
≪シシュポス≫1548年頃の絵画 ティツィアーノ作(ルネサンス期のイタリア人画家)

激しい律動を繰り返し汗を滴らせ、大岩を絶頂に運びる上げる歓びとは異なる、
緩慢な静寂に支配された森の芽吹きにも似た歓喜が、弱弱しい赤血球の流れに潜んでいるのでは!
駆け巡る赤血球には決して理解できない、動きの停止した歓喜は、何処から齎されるのか!

シシュポスは死の概念そのものであり、死の神でもあったタナトスを騙くらかし、
手錠の使い方を教えてくれとタナトスに実演させ、そのままシシュポスの家に閉じ込めた。
ゼウスの命に背き、死そのものであるタナトスからの逃走を図ったシシュポス。
動きの停止した歓喜は、ゼウス命からの逃走によって果たして刻むことが出来るのか!



満開の花に包まれて鬱になったって!

ゼウスの支配下で果たして自らの命を絶つことは可能なのか!
可能たらしめるには、人妻である盗人アウトリョコスの娘と
交わって出来た息子・オデッセウスの策略に頼るしかないのか。

あのトロイア戦争で木馬の策を弄し、
長い苦難の旅路で名を馳せたオデッセウスなら、
緩慢な静寂に支配された森の芽吹きにも似た歓喜を創り出し、
不貞の父シシュポスを自裁へと誘い出すことが出来るかも!
荒れ狂う戦闘の神アレースにひっ捕らえられシシュポスは、
ゼウスによって肉体の永劫の酷使である
大岩を絶頂に運び上げる刑を受ける。
絶頂に至る直前で大岩は転げ落ち、

シシュポスは再び激しい律動を繰り返し汗を滴らせ、
その行為に敢て歓びを見出す以外の術を、
見出すことは出来ない。
この永劫の苦行から自らを解放するには、
総ての動きの停止であることは間違いないが、

 
大岩くらいでオタオタすんな!



絶頂を目指す仙人
断続的に小雨の降る中、
よたよたしながら太い菜花の根元に
唐鍬を叩き込み根を掘り起し、
両手で抱えて
石垣下や南柵側に運ぶ。

いつ終わるとも知れぬ作業は、
二度にわたり神を欺いた
シシュポスに課せられた刑罰にかさなる。
大岩を抱えて絶頂を目指し
頂に達するや否や、
大岩は転げ落ち、再び掘り起し、
施肥し耕運機掛けし、
絶頂を目指す。

よたよたとは無縁な全身を、
赤血球が駆け巡っていた時には、
決して見つけることの
出来なかった歓びが、弱弱しい
赤血球の流れに
潜んでいると気づき一人ほくそ笑む。
さあ、耕そう!

乗り移ったシシュポス 


4年も掛かってやっといた紅の花水木
アップル・ブロッサム2.2m 20160421 084504秒発注、山荘に贈呈

シシュポスを支配下に置くゼウスがジュピター、つまり山荘の主題である≪ゆぴてる≫と同一であることの意味が観えてきたろ!
山にのめり込み始めた若き仙人の深奥に潜み、自在に仙人を操っていたのがゼウスだと!
ゼウスから与えられた≪大岩を絶頂に運びる上げる歓び≫を捨てて、
ゼウス命から逃れれば、≪緩慢な静寂に支配された森の芽吹きにも似た歓び≫を手にすることが出来るのか?
自らは「シシュポスの神話」から脱出出来ないので、理性、啓蒙、奸智で名を馳せた息子・オデッセウスに縋り、
≪駆け巡る赤血球には決して理解できない、動きの停止した歓喜≫が齎されるとでも!

「何をぐちゃぐちゃ云ってんのよ!4年も掛かってやっと咲いたあたしに
≪動きの停止した歓喜≫と名付けたいだって!そりゃ勝手だけれど、あたしはゼウスの命によって咲いているだけよ。
つまりあんたは例え自裁を成し遂げても、それはゼウスの思惑下であって結局≪さあ、耕そう!≫と帰結し
肉体の永劫の酷使に還るだけのこと」

何ともはや沈着冷徹な、紅の花水木のお言葉ではありませんか!
それを言うなら沈着冷静だって!うんにゃ、冷静よりもっとクールなんだからやはりお前は冷徹じゃ!



これじゃ未だ池浚いは出来ないぜ

枯葉を浚うと卵が紛れて

こいつがお玉杓子になるまで待つか
山荘池 5月7日(火)晴 

グキッ、疲労臨界点を超えた!
と直ぐグキッの原因に思い至ったが
時既に遅し。
左肘の内側の突起である内側上顆が、

骨折した時の様な
激しい痛みに襲われ急激に脱力。
移動しようとしていた岩を前に呆然!
それほど突然やって来て、
左腕が動かなくなってしまったのだ。



左肘疲労骨折か!

1週間前の1日に
池浚用の重い掬い網を作ってから
連日池浚いを続けてきた。
掬い網そのものの重さと
沈殿した枯葉と池水が加わると
かなりの重さになり、

そいつを池の底から持ち上げると、
その荷重はもろに肘にくるのだ。
こいつはちょっと
重すぎるぜとは感じていたが、
6日目にして遂に
疲労臨界点を超えてしまったのだ。


うん、しっかり浚えるぜ!

ほら、どっさり浚える

一輪車に載せて花壇へ



あれっ、エロスって翼の生えた力強い青年じゃなかったっけ
咲き出した山荘アイリスには豊満な乳房の美女がエロスに!

それにしても何と華麗な造型であることか!
嘗て人類が造り上げて来た如何なる造形物よりも美しく、知の概念を超えた摩訶不思議なフォルム。
美女の指先から滴り落ちる透明な体液が、暗渠ならぬ明渠へ幼い知的存在をいざなう。
幼い知的存在はこの明るさに惑わされ、透明な体液を浴びて光の源に吸い込まれる。

幼いのだ。そんな知の概念を超えた摩訶不思議なフォルムに魅かれ、その先に宇宙を夢見るなんて!
確かにこうして数十億年に亘って生命は継承され、進化を遂げ知へと限りない接近を試みてきた。
しかしそれは水の惑星・ガイアの体液の中でしか起こり得ない、極めて限定された稀有な現象。
と認識しつつ幼児への退行現象が激しく進行している仙人は、変貌し光を湛えた暗渠の最奥に宇宙を確信するのだ。

≪魯迅の言葉のように、希望が絶望と同じく虚妄であるなら、暗渠の深奥に宇宙を確信しても
強ち間違いではないのでは!
何故なら確信こそが虚妄そのものであるから≫なんぞと、相変わらずペダンティックな訳の解らんことを独り言ちる仙人。



遅れに遅れたログのオイルステン塗り
新しく延長した奥庭芝桜の花壇に
岩垣を作ろうと、
瀧下の40kg程の岩を
芝桜花壇の下まで転がり落とそうと
岩に力を加えた瞬間に
グキッときたと云うわけだ。

その直前に池浚いし、
その濡れた重い沈殿枯葉を
花壇に運ぶ重労働をしていたので、
肘には大きな負担が
掛かっていたことは間違いない。


椎の木が覆い被さり

切妻部分をしっかり!

一階テラスもやって!と叫ぶ

こんなもんで満足!

使用頻度が高いから2度塗りか!

急いで湿布したが
作業を中断すると
精神衛生上よくないので、
恐る恐る左肘に力が
加わらぬよう気を着けながら
何とか移動お完了。

その後、散らかった枯葉を集めようと
軽い熊手で芝生を掃こうとしたら、
左肘が痛くてギブアップ。
弱い力であっても
引くことが出来ないと判明。
こりゃ暫く
山荘活動に支障を来すことになるが、
果たして全治するのか!

老化現象が加わり
慢性化すれば全治なんぞ
夢のまた夢であり、
仙人の鬱は増すばかり。


森がログに入って来る


花の女王・牡丹に群がる白星花潜
花粉を食べに十数匹が犇めく黄金虫科

おいおい、いい加減なこと云うなよ!そいつはな、白星ではなく白点花潜りだぞ!≫
と指摘されても仙人は黙り込むしかない。
白斑の紋様は両者共よく似ていて、素人には識別が難しいのだが、両虫の明確な違いは頭盾の形状と前脚符節の長さの違いだとか。
だいたい頭盾とは前脚符節とは何なのか?


どうも頭盾とは縫合線で囲まれた前額と上唇に挟まれた部分で、前脚符節とは昆虫の脚の先の鍵爪の事らしい。
こいつが右画像の様に僅かに異なり、白点は頭盾に凹みがあり更に前脚符節が白星花潜りより長いとか!
こんな僅かな差異を見つけ出し、驚いたり時には感動したりと研究に励んでいる人達が居るんだと、その人たちに驚く仙人。
検知出来ぬほどの僅かな差異にこそ、途轍もない真実が潜んでいることは間々あるが、
一体この差異には如何なる真実が秘められているのか、仙人は唯押し黙って白星花潜りを見詰めるのであった。





ジャーマン・アイリス(石卓)

躑躅(中庭)

大根草(奥庭)

連作してはいけないが西瓜は
地べたを這い回るので、
広い場所で他の野菜の邪魔にならない様に。
更に実が生ると烏がやって来て
突いて穴を開け食べてしまう。

となると、どうしても烏が着地出来ない
葡萄棚のある葡萄畑となり、
他の野菜に邪魔にならない場所で
陽当り抜群となると南柵側と、
いつもの場所になってしまう。


夕斑枝尺(ゆうまだらえだしゃく)

接木西瓜なら
5年間ほどの連作は出来なくはないが、
育ちは悪く、味も甘味が落ち
後悔することになる。

接木大玉西瓜5本、
大玉西瓜6本(縞黒)と
計11本の苗を黒マルチを
30m引いて移植したが、
期待が出来ないだけに虚しい。


牡丹(奥庭)

栄螺の首輪(花水木&芝桜) 

芍薬(瀧下)

母子草(イオテラス下)
 
満天星(1階テラス横)
 
凌霄花発芽(仙人テラス下)
 
移植3本で唯1本生存(仙人テラス)
 
3枝共に発芽した蔓薔薇 (仙人テラス)

ポット栽培のレタス

香り抜群クレソン 

今が旬のクレソン!
 
室内ポット栽培している唐黍も
発芽率が極端に悪く、
先月23日播種し17日経過した現在、
スイートハミーでは

60鉢の内発芽したのは16鉢、
発芽率26.7%と極めて低い。
種袋には発芽率75%とあるが


50%も低いなんて
誇大広告としか言いようがない。
しかしもう1種類のピーターコーン何ぞ
更に酷く、128鉢の内発芽したのは
たったの5鉢、

発芽率0.04%とは驚き入った。
先週、春竜胆を一輪見つけたが、
もっと咲いている筈と
探したが見つからず。


発芽率低い唐黍 (スイートハミー)

続々発芽のレタス (サニーレタス)

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