161の1ー2019年 卯月
葉が茂り密林になる前に風の路を 松の斑天牛の運ぶ松材線虫が森を枯らす。扇山の山頂。 山荘の森には多くの赤松が混在し、常に山荘を脅かしている。 凄い繁殖力で彼方此方で芽を吹き、 あっという間に大きくなって松の斑天牛に喰われ、天牛の寄生虫の松材線虫に喰われ倒木となる。 山荘近くの赤松が倒れると山荘を直撃するので、ここ数年で10本程伐採した。 しかし伐採しきれず脅威は去らぬまま、更に新たな脅威に襲われている。 倒木の多くは隣の大樹に寄りかかった状態となり、こいつが風に煽られ揺れて互いに擦れ合い発熱し、山火事の原因となるのだ。 奥庭から眺めると不気味な音を立てて、赤松が威嚇する。 倒木となって山荘の屋根を破壊されるのも脅威だが、山火事で焼かれたら脅威どころの話ではない。 現在山荘の森は県によって伐採された赤松が100本以上も転がっているが、それでも脅威は去らない。 |
松の斑天牛 |
これ以上被害が広がらぬ様、 倒木をビニールシートで覆い、 倒木に巣食う天牛や 松材線虫を閉じ込めているが、 彼等の拡散を 封じ込めるまでには至っていない。 となると微力ではあるが 仙人も出撃せねば! |
松材線中虫と同じく青変菌で枯死した松 |
ルートを遮る倒木 |
支えを入れ伐採 |
2台のチェーンソウを ザックに背負い扇山ルートを塞ぐ 倒木の伐採に出動。 2本の大木を伐り倒し 扇山の急な登りに差し掛かると ブイーン、ブイーンと 左胸が震え出す。 |
|
ヤベー左心室の逆流が酷くなって きたかなと胸に手をやると、 携帯が鳴っている。 「クロネコヤマトですが 今何処に居るか解りません。 えーと、ワイン工場の 前辺りをウロウロしてます」 そうだった午後に 仙人テラスの不良品の照明具の 再配達が在るとか言ってたな! |
2台のチェーンソウで |
落日の山頂 |
でかい!巨木の伐採新記録じゃ!(小倉山頂) |
「これから森を下って戻りますが、 山荘はワイン工場の 直ぐ上ですから、待っててください」 と伝え、急いで 小倉山山頂から山荘に下るが、 宅急便の車無し。 電話すると未だ山荘への道が 解らずあちこち 走り回っているとのこと。 刃を研がねば! チェーンソウ研磨器の丸鑢が 固定出来なくなり、 チェーンソウの刃を 研げなくなって久しい。 一昨日新品の2代目を手に入れ 2機のチェーンソウの 研磨を始めたが、 壊れた研磨機の原因を 探ろうと分解したら、 回転軸の溝に突っ込んで回転を 止めるストッパーのレバーが 折れているらしい。 その折れた部品を発注するより 研磨機そのものを 買った方が安いに決まっている。 |
となったらこの1代目研磨機は 捨てるしかないと再び 組み立ててみたが、暫くして閃いた。 ストッパーが折れたなら、 回転軸をペンチで固定し 丸鑢を取り付けてから 締め具螺子を 締めればいいのでは! やってみたら何のことは無い しっかり丸鑢は固定され 研磨機は復活した。 嬉しくなって2台の研磨機で チェーンソウを研ぎ、 いざ長年の懸案、 小倉山山頂の伐採に出陣じゃ! 随分伐採を経験してきたが 頂に繁る赤松の大木は 滅茶でかい!。 直径60cmほどで,刃の長さが 30cmしかないチェーンソウで 伐り倒すのはかなり難しい。 今までで最大の大物を 目の前にして圧倒され逡巡。 下手すれば 巨木の下敷きになるか、 倒れる瞬間の切断部の 跳ね返りに直撃されるか、 倒木方向の木々が共倒れとなり 予期せね方角からの 突撃を喰らうか! |
少しは風通し良くなるかな! |
朝の食卓に水仙 |
辛夷も咲き出した |
椿も食卓を飾る |
ソルダム満開 |
穴があったら入りたいとは正にこのこと。 テラスに飾られた花を観て 「あら、木五倍子ね!」と村上さん。 「ハナカンザシだよ」と応えたが 実は木五倍子(キブシ)。 何処でどう勘違いしたか! 以前のHPにも 木五倍子とキャプション付けてるにも 拘わらず何故 似ても似つかぬ花簪に入れ替わって しまったか! 老化現象で片づけられん! |
越冬した大根が咲いた |
ブロッコリーも花開く |
奥庭で光る李(スモモ) |
テラスの木五倍子 |
ヒョーロリ、ヒョーロリ鳶が 山荘上空を旋回し獲物を狙っている。 高芝山へ向かって なだらかに伸び上がる森や 散在する畑からは、 巣作りに勤しむ雉の けたたましい鳴き声が響く。 扇山の樹陰では 鶯が前奏曲を様々に変えて 谷渡りを繰り返す。 |
森のデザートはチーズ林檎 |
食卓の杏子の花がピンクの 花弁を震わせ、 木星のランチョンマットに 産み落としたのはチーズケーキ。 おや、杏子の実ではなく どっからどう観ても林檎では! さては杏子め、春に酩酊したな! それでは春爛漫を いただきまーす! |
花簪ではないぜ!木五倍子(キブシ) |
すっかり開いた柳! |
森では檀香梅が香る |
作陶場から一輪車で運ぶ 駐車場から路上に車を降ろし平坦地で作業開始。 先ず5本のナットを緩め 油圧ジャッキでゆっくり車体を持ち上げ、 スタッドレスタイヤを外す。 作陶場から運んできた最初のノーマルタイヤには バランスウエイトが内側に7つ着いている。 これでこのタイアの高速回転時のバランスは取れているのだが、 保管期間に多少の変化があり 再測定せねばならぬ。 其れには設備の在る修理工場に 持って行くしかないが面倒だからパス。 |
森の中に建てられた作陶場に格納してある ランドベンチャーのノーマルタイヤを一輪車に積み込み、 2つの起伏のある森の小径を押し上げ下り駐車場へと運ぶ。 駐車場はやや傾斜していてジャッキで 車体を持ち上げても駄目。 傾斜面ではジャッキを限度まで押し上げても 車高が高過ぎてジャッキが届かないのだ。 |
さてバランスウエイトはOKか! |
冬タイアは重いぜ! |
車高が高いので一苦労 |
山荘のテラス 久しぶりの山荘は進化していた。 イオからの風景が全く違う。 出窓に置かれた 陶器やアンティーク、・・・ そこは山荘主の意志が齎す完璧な世界。 山荘の各棚に置かれることで そのモノたちは輝き出す。 そこは山荘主が せつないまでに愛した モノたちの居場所だった。 ところが、今回 出窓のモノたちが居ない。どうした。 出窓がテラスになっていた。 テラスのテーブルには 可憐な西洋水仙が活けてある。 閉じられた部屋が開放されていた。 |
しかし、その醍醐味が |
夜の山荘テラス |
|
ブレーキデスクとブレーキ |
最後は全体重で締める |