コスモスの懐妊無限に孤絶して微睡む熱放射体・紫薔（シヴァ） 潜在していた時空間の活性化 （≪スターメイカー≫Ｐ３０７より　作オラフ・ステープルドン） わたしは時を遡源して創世の瞬間まで戻ったように思った。わたしはコスモスの誕生を目撃した。 かの精神は懐妊した。 無限かつ不滅であったが、それは有限で時間的存在として自らを拘束していたし、 自分では気に入らない過去に思いをはせていた。（Ｐ３０６より） かの精神はコスモスを懐妊し、背の黒子を乳房の下に転写したコスモスを生み出し、紫薔と名付けた。 ラピスラズリを飾る乙女・紫薔に≪スターメイカー≫のこの部分を朗読すると、 イオの噴射した硫黄が壁画を飛び出し、紫薔に語りかける。 ≪生命と生命が重なり合う刹那にこそ、存在の真相を垣間見ることが出来るのだ≫ かの精神と懐胎した生命の２つが再び重なる刹那、紫薔はラピスラズリに吸い込まれる。

池上の山茶花に絡む木通 大きな紫の果実が滝周辺に、 幾つも重なって墜ちているのを見て、 あー木通（あけび）が 熟していたのかと思う程度であった。 淡い甘さだったけど、どんなだったかなと 一口、薄い銀のバナナに歯を立ててみておや！ 違う、淡くない、寧ろとろりとした クリームチーズの様に絡みつき、 濃厚な甘さを発しているでは！	木通の大豊作じゃ！ 木通なんて物珍しいさはあっても、 とても美味しい、なんて食べ物ではない。 秋の到来を告げる紫の使者であり、 熟した割れ目から覗く ニューロンの突起を着けた薄い銀のバナナも、 そう甘い訳でも無く、 ただ灼熱の日差しの終わりを語るだけ。
	電話のオブジェにどうだ！

食卓に載せて！	ちょっと待てよ、 木通は決してこんな味では 無かった筈！ と他の木通も食してみたが、 どれも美味い！ 電話が隠れて見えない！ その美味しい木通の茂る 北森を大幅に伐採した。 森の中に居る様な 森そのものである様な そんなテラスが出来ないかと あれやこれやデザイン中。	大きくて甘い果肉
北森が繁茂し伐採		山荘周辺の森はいうに及ばず、 南アルプス聖岳の森や 彼方此方の森で 木通を齧ってみたが、 こんな濃厚な甘みに 出くわしたことは無い。
山荘の木通は ダントツに美味いのだ。 それに気づかず 今まで放って置いたなんて！		伐採したら木通がボトボト！
これ程美味しいのは初めて！		黒い種を包むゼリーが最高！

邂逅・刹那の凍結 登攀者：坂原忠清 セカンド：大田正秀 撮影者：村上映子 ２００６年２月１１日笛吹川東沢乙女瀧 ２４年前１９９５年のラピスの乙女が １３年前の氷瀑登攀に現れ、 凍てついた氷晶に裸身を曝し ２０１９年の仙人に語り掛ける。	不意に甦った記憶 笛吹川乙女瀧氷瀑登攀 時間軸に刻まれていた記憶が ４次の時間軸と直交する５次の空間に流れ出し、 時間軸の上空を自在に飛翔し始めた。
	世界に実存の場を与えるブラフマーの 深い翳にアイスバイルを打ち込む

夏の格納（綺麗に洗って格納）

新雪富士１０月２３日	里コースお気に入りの秋 逍遥路 大きな山荘向日葵  こうして通い慣れた里の風景を 並べて観ると改めて この里の美しさに驚く。 光と風が花々や作物の 息吹を造形し 心象風景と里の造形を結ぶ。 外界と心象を隔てる 肉体が消失するような この刹那が愛おしい。	１カ月前の曼珠沙華
稲刈りの終わった里		もうすぐ冬将軍が
冬花の鉢植え栽培		お気に入り散歩道の花畑
散歩道のお墓		山々に囲まれた墓

時空の方舟 ２０１９年１０月２０日（日）曇　７５仙人 面白れぇー！　２４年が一挙にすっ飛んでやって来たぜ！ ≪うーん、インスタ映えするケーキなんかあるといいな！≫ その仙人の呟きは空中を伝播する弾性波となって、２４年の時空を超えて紫薔（シヴァ）に達したらしい。 あれっ、それって紫薔じゃなくて柴（シヴァ）の間違いでは！ と抗議するのはバナナが半分しか食べられない、可哀そうな節っちゃん！ あらら、それもしかして節っちゃんじゃなくて幸っちゃんじゃないの！ とまたまた抗議され仙人は、自らの脳内に昏い懐中電灯を翳し、確か２４年の時空を超えてやって来たのは紫薔なのだが。 なんぞとムニャムニャ。 バナナが半分しか食べられない節っちゃんは本当は自分が幸ちゃんだと気づかず、 幸ちゃんが紫薔だとも知らず、１０月２０日にNASA/JPL-CALTECH/SPACE SCIENCE INSTITUTEが特別仕立てした 銀河鉄道に乗せられてしまったんだな。 20個の新たな衛星が発見され、合計82個となった土星のホットニュースが、インスタ映えするケーキになって 小さな銀のトランクに仕込まれているのかな！

シクラメンと新雪富士１０月２３日 そっか、そうそう不通になっていたが、 其のうちそれじゃまずいなと、 急いで復旧工事して梁川駅近くの上の山トンネル の土留崩壊を直したが、 高尾ー大月間が未だ駄目で下り線路しか動かないとか。 そんで特急なんぞ通れず、 高尾ー大月間は折り返し運転で、不通未満。 そう、その未満に乗って来たんだ。	で、新雪に光る富士山をボケーと眺めていたら、 台風１９号で不通になった中央線に乗って 紫薔がやって来たのだ。 何だって≪不通になった電車にどうやって 乗るんだ！≫だって。
	もうすぐビアたいむ!

テラス用シクラメン山荘	不通未満から軽やかな足取りで 無人駅に １人降り立った紫薔は、 銀に黒紫がかった縞模様の 小型トランクを持ってました。 ７５だって！ あれっ、この文様は 何処かで見慣れた記憶を 呼び起こすぜ！ そう紛れもなく 土星の環・カッシーニの文様。	山荘野菜をたっぷり
甘い山荘トマト		山荘ゲートのガマズミ
最後の山荘ピーマン		無花果、干柿も参加

土星の環にケーキを載せてハッピーバースデー！ ≪時空の銀河鉄道には土星探査機とか云うカッシーニが走っていてね、 そいつに飛び乗って２４のトンネルを通り抜け、やってきました。 ケーキは焼いたんだけど、インスタ映えが引っ掛かって車掌さんに相談したら、 そんなら土星の環に盛りつけたらどうだい！なんて云うもんだから、こんな風にしてみたの！≫ 山荘に着いて小型トランクを開けて紫薔が取り出したケーキに吃驚！ 土星の輪に載せられたケーキが蝋燭の灯に照らされ、７５仙人HAPPY BIRTHDAYがケーキの上で躍っているでは！ 土星のホットニュースは確か衛星が新たに２０個発見され８２個になったとか云うもので、７５では数が合わない。 となるとこのケーキは土星ホットニュースに名を借りた仙人の誕生日プレゼントか！

土星探査機 「カッシーニ」NASA/JPL-Caltech

≪お母さん幾つ？≫ 毎年の誕生日の香瑠覇の問には ≪２１よ！≫といつも 紫薔は応えていたとか！ そんな風に２１歳で時間停止宣言して それから２４年間も 土星で何をしていたんだい？ ≪クロマチンよ。 覚えているかしら、２１歳のあの日 のあたしの言葉。 「私のエネルギーは、自分の内部に 向けられ、遺伝子と遺伝子の間に 刻まれた”時の累積”の 暗号を解読するエネルギーに なるべきなのだ」≫

氷壁登攀者を時空望遠鏡で覗く紫薔 潜在していた時空間の活性化（山荘２階廊下）

１つの細胞に含まれる二重螺旋の 遺伝子本体ＤＮＡを真っ直ぐに繋ぐと長さは、 ２メートルにもなるんだけど、 そのＤＮＡが入って居る細胞の直径は、 約１０μｍ（マイクロメートル）。 マイクロは１０ー６、つまり１００万分の１だから 遺伝子の長さは細胞の ２÷１０－５＝２×１０５＝２０００００（２０万倍） となるでしょ。 直径１ｍの細胞倉庫に 東京から静岡の先までの２００キロメートルもの 二重螺旋の線路を入れることになるのよ。 どう考えたって不可能でしょ。 この線路を折りたたんで ４個のヒストンＨ２Ａ、Ｈ２Ｂ、Ｈ３、Ｈ４に 巻き付けて収納したものをクロマチンと呼ぶの。 あー、ヒストンてのは蛋白質で 二重螺旋を巻き付ける芯になっていて １つのヒストンは螺旋を左巻きに １.65回巻き付けてヌクレオソームとなるのよ。 正確には約１.46bpの塩基を １つのヒストン８量体に巻き付けると１.65回となり この芯とＤＮＡの重量比が１：１だとか、 色々あるんだけどこのクロマチンを 研究しているの！

電子書籍に収められた、太陽を背に光る土星（カッシーニ撮影） 　NASA/JPL-Caltech/Space Science Institute

DNAが折り畳まれて クロマチンをつくり、 分裂期にはさらに 染色体へ変換される。 H2A、H2B、H3、H4を２つずつ 集めた８量体に左巻きでＤＮＡを １.65回巻き付けると 右の絵図になるのよ。 これはクロマチンのヌクレオソーム構造と 呼ばれているの！ アートとしか云い様のない美しさ。 あたしが描いたのよ！

２４年の時空を超えて クロマチンは 真核細胞内に存在する DNAとタンパク質の複合体。 遺伝子の発現・複製・分離・修復等、 DNAが関わる あらゆる機能の制御に 積極的な役割を果たしている。 クロマチンを構築するうえで 最も基本となる構造が、 ヌクレオソーム（nucleosome） （wikipedia）

H2A、H2B、H3、H4の ヒストン八量体と DNAから構成される ヌクレオソーム構造。 蛇足だけど脊椎動物の精子核に 含まれるクロマチンは 通常の細胞核より遥かに凝集してて こいつが雄親の遺伝情報を 子孫に伝えるのよ。 つまり精子はクロマチンそのもの。

紫薔が観たのは自分自身？ ２０１９年１０月２６日日経ナショナル ジオグラフィック社 ２016年10月、NASAのカッシーニ探査機が撮影した最後の土星の画像。 その3年後、土星に20個の新たな衛星が発見され、合計82個となった （PHOTOGRAPH BY NASA/JPL-CALTECH/SPACE SCIENCE INSTITUTE）

そうか再生不良性貧血症で 不足している血小板を造る為の 遺伝子組換え蛋白質ロミプレート・ＴＰＯに ついて当ＨＰで取り上げたけど、 このトロンボポエチン受容体作動薬の 作出もクロマチンが出発点なんだ！ 二重螺旋の渡し棒は Ａ（アデニン）、Ｔ（チミン）、Ｇ（グアニン）、 Ｃ（シトニン）、と云う ４つの遺伝情報を司る 塩基で出来ているのは知ってるでしょ！ あの配列を１つだけ替えたのを スニップと呼ぶんだけれど、たった１つ 変えただけで クロマチンはノアの方舟になるの。 塩基を操り遺伝情報を変えれば 理論的にはあらゆる生命を造り出し、 未来へ送ることが出来る。 その大元になるのが、 クロマチン研究と言ったら ちょっと言い過ぎかな！

何故、土星かって！ 話しが飛ぶわね。 土星の衛星には、実は ≪時空の方舟≫を司る摩訶不思議な 現象があるのを知ってる？ そう、土星の第10衛星ヤヌスと 第11衛星エピメテウスが 約4年毎に公転軌道を交換して 舞い続ける現象。 これって言葉にすると呆気ないけど、 とても稀有な現象で 太陽系ではこの土星でしか 発見されていない。 つまり現在、全宇宙で唯一発見された 特異な現象なんです。 このヤヌスとエピメテウスの為す 現象領域にこそ、時間停止宣言した あたしの行くべき研究所は 在るに違いないと21歳のあの日、 直感したのよ。 もしや時空間に連なる特異点かも！

紫薔の星・土星の贈り物は７５ケーキ！

２衛星が公転軌道を交換する瞬間 ヤヌスとエピメテウスの摩訶不思議な振る舞い （画像：Wikimedia Commons,） 蜻蛉や蝶がくっ付いたり離れたりしながら交尾し、遺伝子交換を行い未来を生み出すのと ヤヌスとエピメテウスの行為が重なり、もしやこれは時空間に連なる特異点！ そんな直感を抱かせるメッセージを、土星が放っているような気がしたのかも知れない。 まー兎に角どんな摩訶不思議な現象か説明してみましょう。 ２本の黄線は内側と外側の２衛星の公転軌道で、僅か５０ｋｍしか離れていない。 ヤヌスの直径１７９ｋｍより小さく、エピメテウスの直径１１３ｋｍよりも小さいので、ほぼ２軌道は同一。 さて内側軌道を回っているエピメテウスはヤヌスと同速度であるため、角速度は １日で約０.25度だけ早まり、徐々に外側軌道を回るヤヌスに追いついていく。この様子を表したのがＡ。 ヤヌスに近付くとヤヌスの重力に引かれ速度を増し、逆にヤヌスは後方からエピメテウスに引かれ減速する（Ｂ）。 エピメテウスの運動量が増し、軌道半径が大きくなり外側軌道へと向かい ヤヌスは軌道半径が小さくなり内側軌道に向かい、２衛星は数万ｋｍまで最接近する（Ｃ）。 で、完全に軌道が入れ替わった状態がＤ。

手作りケーキだって！	チョコ板にちょっと仙人を！	ヤヌスに追い付きそうになった エピメテウスは外側軌道に 移ったので角速度は小さくなり、 ヤヌスは内側軌道に入り 角速度が大きくなるので ２衛星は離れていく（Ｅ） これを４年毎に繰り返し 公転軌道を入れ替えるのよ！ 解ったかしら。 この２衛星の交尾が次に 観られるのは２０２２年なのよ。
でも最接近しても１万ｋｍより 近づくことは有り得ないので、 遺伝子交換が果たして可能なのか！ いや、双方が激突した刹那、 遺伝子交換が行われ 時空間に連なる特異点が開かれるのかも、 なんぞと想像を逞しくしながら ２４年間、クロマチンの 研究をしていたのよ。	苺は木星の大赤斑か！	７５が段々解けて０へ！

時の死を自在に超えて紫薔はやって来る 登攀者：坂原忠清 セカンド：大田正秀 撮影者：村上映子 ２００６年２月１１日笛吹川東沢乙女瀧 ≪さて、それでは時空望遠鏡で１３年前の仙人の氷壁登攀を覗きながら、 よく冷やした白ワインを開けて７５ケーキを頂きましょうか！≫ とニッコリ微笑みかけてケーキを切るのは紫薔なのか、それともお話し上手な バナナが半分しか食べられない、可哀そうな節っちゃんなのか！ いずれにしても、とても面白いお話しだったので、バナナを１本丸ごと上げて、 ゆっくり食べれば１本だってきっと食べられるよと励ましてあげようと、 仙人は思いました。