仙人日記
 
 その1351ー2017年  如月

2月1週・・・いたりあんバイクで突っ走れ!

駄洒落てベスプで麿の休日!


ご無事を!とスタッフ 出発点シックスセンシズ

プーケット島では誰もが口を揃えて
「いやーレンタカーは止めた方がいいですよ。
日本とは段違いのマナーの悪さで、
ちょっとでも隙間があれば
バイクがどんどん入り込んできて、
車なんて直ぐ動けなくなっちゃうんですよ」

それでもレンタカーで突っ走ったのだから
なーに、バイクなら楽ちんさとばかり
ヤオノイ島の全走破を目指していざ、出発!
 イタリアンバイクで突っ走れ!
重い110kgのVespaLX125 3
オードリー・ヘップバーンとグレゴリー・ペックが乗っていたバイク


山荘のヤマハのバイク・アプリオは50ccで78kgだが
こいつは125ccで110kgもある。
転倒したら重くてとても起こせないぜ!

 
あれっ、セルがロックされてる 終着点北限・開発最先端へ



国際免許無しでは乗れない
先ずは島唯一の
タウン目指して

知らない町、
観光客なんて来ない町、
できれば小さな島、
もっと贅沢を云えば、
英語なんて通じず、
何語かも解んない言葉を話し、
自給自足のような生活を
送っている人びとが住む処へ、
行ってみたい!

どうもそれが仙人の願望らしいのだ。
だもんだから、
ほら、バイクに跨って
いざ出発!との瞬間のまた何と
得意げな嬉しそうな貌。

店を見つければ飛び込み、
勝手に商品を掴み取り
買いもしないのに、これ何なの、
幾らだいと話しかける。

街まで走るとサドルが開かない

野菜店みっけ!

あれ、これ笹で巻いた粽みたい

3人乗りが当たり前

幾ら?このでかい鯵

観光客なんて来ないので人見知りして!



バイクで走り回った道路




此処何処? マノ桟橋
公共船着場
マノ桟橋

船着場なんて見っけたら
そりゃもう大変!

切符売り場で マノ桟橋

船到着 マノ桟橋

下船した美人がにっこり! マノ桟橋

これすべて通勤バイク マノ桟橋

ドラム缶から直接給油
早速、切符売り場のおっさん
捉まえて、
地図を出して、ねえ、此処何処?
と話しかけ、
船から美人が降りて来ると、
うわおー!綺麗だね、
ねーねー、名前は?
幾つ?プーケットに何しに行ったの?
などと質問攻め。

ガソリンはペットボトルで販売



こうやって汲み出すんだよ!

高床式住居

村の釣瓶井戸

雨季には増水するから高床に
島の生活
ウオッチング





猿と椰子の実売り (スマトラ島HPより)

さあ、昼飯準備じゃ!
 バイクで走りながら
井戸なんか見つけたもんだから、
仙人は興味津々。
どうやって汲み出すのかなと
勝手に操作していると
おっさんがやって来て、
「そうじゃないよ、
ほらこうするんだよ」と!

 傍らではおばさんが
大鍋に水を入れて火を興している。
昼飯の用意かなと話しかけたら、
恥ずかしそうにモジモジ。
カメラを向けたら
笑いながら逃げ出してしまった。

数十人の住民を写真に
収めたが、逃げられたのは、
この一度だけ。
よっぽど恥ずかしかったのかな?


やって来たのは肉売りおばさん

見っけ!船の舵だ



此処で道路終り

興味津々なのにシャイ!

猿使い出現

強暴で襲い掛かる猿
椰子の実採りの
猿使い


道路終点地所は現在売り出し中。
誰も居ないのに、
あっと云う間にわらわらと子供達が
集まって来る。
貌にはありありと興味津々と
書いてあるのに、
カメラを向けると逃げ出す素振り。

其処へ突如現れたのは、
な、なんじゃ、
観たことも聞いたこともない
椰子の実を採る猿を
操る猿使い!

猿使いには忠実

頸に紐付けて椰子の木に

猿使いが声掛けすると

猿は椰子の実を落とす

合図するとスルする降りて
枝もない高ーい高ーい椰子の木に
登って実を切り落とすなんて
確かに危険で重労働。
若しも猿に登らせて実を落とせれば、
こりゃもう楽ちん!
が、果たして猿に落とせなんぞと、
命令出来るもんなのか?

しかも車に括り付けられた猿は
極めて強暴で、
目が合っただけで威喝する程。
ところが猿使いには
極めて従順で愉しそうに話してる。
えっ、猿語なんてあるのか!

きっとこれは新発見に違いないと
帰国後ネットで調べたら
ボルネオ島での猿使いの記事見っけ!
そうだったのか。
これをバイクに括り付け街で
売り歩くんだ。

さあ、次はこの木だ!

ぼくの出番まだ?

採りたてをジュースにでも

猿語を話す猿使いと

バイクが動かない


下の燃料計が0では?

街まで出てガソリン買ってあげる


ゴム林では樹液採取が 
ガス欠事件

 高さ30メートルもある椰子の木の
天辺に居る猿に
どうやって話しかけるのか聴いていたら
猿使いが「どけどけ、死ぬぞ!」
みたいなことを叫ぶ。
途端に、ぶぉーんと唸りを上げて
椰子の実が大地に落下。
 
彼方此方に水牛が
こりゃ人間が直撃されたら
即死もありうるし、
バイクなんぞ破壊される恐れあり。
慌ててバイクを移動させようとしたら、
がーん、バイクが動かない。

こんな時に限って≪冗談は
良子さーん!≫
なんぞと大昔の意味不明な
駄洒落を云ってる場合じゃないのに!
仙人はどこまで阿呆なんじゃ。

固まった樹液

そこに忽然と現れた
黒いブルカを纏ったイスラム教徒。
「ガソリンが切れたの?
街まで行かないとガソリンは無いよ。
買ってきてあげるから待ってな。
200バーツだよ」

ブルカのおばちゃんが
蓋の絞まらぬペットボトルに入れた
ガソリンを引っ提げ再登場。
律儀にも釣銭のコインを渡そうとする。






引き潮で陸続きになったヌイ島を一周(Koh Nui)

「いいよ少ないけどお礼にとっておいて!」と云うと不思議そうな顔してじーっと
仙人の顔を見詰める。
礼金が少なすぎるのか、はたまた親切にするのが当たり前で礼金など、とんでもないと云うことか?
唯1つだけ覚えたタイ語の≪ありがとう≫を早速使って
≪こっぷくん くらっ≫(ขอบคุณ ครับ/ค่ะ)と云ったら不思議そうな表情が解けてニッコリ!

物覚えの悪い仙人がどうしてタイ語の≪こっぷくん くらっ≫を覚えたかって?
そりゃ簡単で≪コップ君、くらっときたね≫ときたねを着けて覚えたのさ。
まーそれはさておいて、そのボトルからこぼれているおばはんの善意の籠ったガソリンを入れたら
何と、タンクから溢れ出るでは!
つまりタンクには十分ガソリンが入っていると云うこと、ガス欠ではないのだ。

メーターの0はどうしたかって?そりゃ単に仙人が阿呆だったということ。
考えてごらん!燃料メーターはエンジンを掛けないと表示しないんだよ。莫迦だね。


朽ちた漁船

大鯵の干物

双胴船ヨットも走る

ほんじゃ何が原因で
エンジンは掛からないのか?
セルモーターの左にある
赤いスイッチが上下に
動くようになってるけど、これ
若しかしたらセルのロックか?

試しに上に押し上げ、
セルモーターを入れたら一発で始動。
そうか椰子の実落下を恐れ、
慌ててバイクを移動させようと
ハンドルを握った途端、
赤いセルロックに触れ
セルをロックしてしまったのか!
実にお粗末!

 
此処でもシャイな少年に

いやー参った参った!
と自らの愚かさに
改めて吃驚こいた仙人は、
「あリがとうよ、イスラム教徒のおばはん!
このガソリンのお釣りも
ペットボトルのガソリンも
お礼にあげるからね」

と云って釣りのコインとガソリンを渡すと、
鳩が豆鉄砲を食ったような顔して、
おばはんは、
再びじーっと仙人の顔を
見つめるのでした。


円を描いて網を下ろす刺網漁 

その地元民の底知れぬ優しさと、
天から降って
湧いたような200バーツを手にした
おばはんの顔が忘れられなくて、
翌日もバイクを走らせ仙人は、
唯ひたすらに
我が心象風景の中を走るのでした。

≪ねえ、何処かの大統領とかの
トランプ君、7か国のイスラム圏の
入国禁止令を出したんだって!
テロリストがイスラム教徒だったから
イスラム教徒を差別する。
なら、テロリストがキリスト教徒だったら
どうするんだい?

こんなイスラム教徒を差別するなんて
地獄へ墜ちるぜ!≫

ロブスター養殖場  
スパにちょっと寄り道!
   

ホテル外で唯一のスパ店 
タイ式スパに
ギブアップ
 

えーと今、円安で
1バーツが3.3円だから
ホテルのスパ料金
4800バーツは1万5840円か。
これじゃ日本のスパと変わらん。

プーケットの街中では
1時間200バーツくらいだから
探せばもっと安い
スパが島内にあるに違いないと
バイクを走らせると
やっぱあったぜ!≪Arita Massage≫

1時間400バーツ、1320円
ホテルスパ料金の12分の1。
うんうん、この位なら許せるかな!
と転がり込んだが、
タイ式スパが
殆ど拷問を受けてるような力で
グイグイ攻められるのを
すっかり忘れていた。

痛められ始めて気づいたが
時すでに遅し。
仙人は呻いたのであった!
 
安い1時間400B、ホテルは4800B
 
ホテルのスパ店
 
4800Bは高すぎない?



スパ後はラウンジで食事 

おばちゃん何か作って! (タカオ桟橋で)

珍しい風呂付ラウンジ 

何処からともなく漂ういい匂い。
くんくん、あったぞ!
ふーん、此処でも干し魚なんて
造るんだ!

街の食堂に顔出すと
おばちゃんが中華鍋で料理中。
何か作ってよと云うと
Vサインして「任しといて!」


バイクツアーを終えて帰着 

「ほら、チキンのナゲット風唐揚げと
フライドポテトよ」
そいつを引っ提げてビレッジへ戻る。
さて今日はどのラウンジで
食事を愉しむかなと
迷う程、屋内、屋外に食事テーブルが
設置されている。

庭の見下ろせる浴室ラウンジが
いいかなと、
呑み始めたら目の前を1メートルもある
大きな蜥蜴が悠然と歩む。
ぶっ魂消たぜ!


呑んでたら庭に現れた大蜥蜴 

美味そうな匂いを嗅ぎつけたな! 

マングローブの森にも1メートルの大蜥蜴 




びれっじ逍遥








図書館もひっそり


数頭の山羊が、のそーと小屋から
顔を覗かせ、「ンメー!」と一声、朝のご挨拶!
ぞろぞろ山羊が集まり、
「何じゃ、なんじゃ!」とばかり
夜明けの見慣れぬ訪問者に興味津々。

その声に触発され、
山羊農場の奥にある大きな養鶏場が
一斉にときの声を上げる。
卵を入れる小さなバスケットを左手に持ち替え、
養鶏場の柵を開き中に入るや否や、数十羽の鶏が足元に群がり、
歓迎のご挨拶とばかりスニーカーを突き始める。

突くと靴紐が緩むことを知った1羽が、
執拗に紐を攻撃し、
それを観ていた数十羽が加わり大騒動!
図書館へぶらり
パソコンで山荘BBCと接続し送信

静かに明けるヤオノイ島の
光の波紋に漂いながら、
蘭の茂る小道を歩み
マングローブの森を抜け農場に向かう。
よく耕された小さな畑が、
そこかしこに散在し、ピーマン、さやえんどう、
キャベツ、トマトに混じって、
アロエも生き生きと大地から顔を覗かせ、
光を吸い込んで嬉しそうに熱帯の微風に揺れる。


 
大きなソファーがブランコに



バトラーのマさんの案内で

此処が森の入り口だって!

鳥や動物の声がひっきりなし

森の天辺にヨガ道場が!
マングローブ森へ

数十羽の猛攻撃をものともせず、
鶏小屋に侵入。
居るいる、抱卵中の鶏が
一斉に闖入者に不審な眼差しを向ける。

「あのさ、2,3個でいいから
卵くれない!」
突かれるかと覚悟を決めて
母鳥のお腹に手を入れてみるが、
「あ、そう、いいわよ!」と
言わんばかりに、
自ら巣を明け渡すでは!




さてそれでは座禅でも
 
マングローブの森の案内図

それじゃ3個だけ失敬!と母の体温を留めた暖かい卵をバスケットに入れて農場からレストランに踵を向ける。
アンダマン海にたゆとう、芸術的な奇岩を一望できるレストランではシェフがお待ちかね。
「茹で卵とスクランブル、1つは生のままヌードルに入れてみようかな!」

コンダオ島のシックスセンシズには無い、農場を取り入れたこのシステムは
最早ホテルの概念を超えた未開ジャングルと文明の見事なコラボ。

こんな風にして、ヤオノイ島の夜明けを迎えて今日で7日目。
昼は、船で島々を巡りダイビングし、車やバイクで島を走り回り、飽きるとスパに行ってみたり、
部屋のプールサイドで本を読んだり、のんべんだらりと時の赴くがままに過ごす。

さて今夜の深夜便で、プーケット、バンコックを経て仙人は厳寒の山荘に戻るが、おそらく暫くは、
アンダマン海の光に捉われたまま、呆けたような日々を過ごすのであろう。
≪ヤオノイ島シックスセンシズにて 2017年1月23日(月)晴れ≫


透明ガラスの床下に小滝と花々が

蓮花目線にテーブルが仕込まれて

森に突き出したラウンジ
 
突然、1メートルもの大蜥蜴がゆらり! 

劇的な再開であった。
マレーシアのジパダンや
インドネシアのコモド諸島で
遇って以来である。

この島には大蜥蜴が生息している
とは聞いていたが、
動物園がある訳でも無し、
どこかで飼育されてる話も
聞いていない。

つまり野生のまま生息して
いるのであれば
遭遇のチャンスはほぼあり得ない。

ジパダンで遭った大蜥蜴
そいつがまさか呑んでる最中に
庭に現れたり
マングローブの森に出現し
話しかけて来るなんて!

≪最高の贅沢は
自然との調和にある≫と
殆ど脳味噌なんて無いに等しい
大蜥蜴が無い知恵を
絞り出して
話しかけてくるもんだから仙人は、
腹を抱えて
転げまわって大歓び!
 
大蜥蜴の去った後に太陽が
 コモド諸島の大蜥蜴やジパダンの
大蜥蜴に比べると
このヤオノイ島の奴は美しい。
マングローブの森で
濡れた背中が太陽の光を反射し
ラピスラズリになった一瞬、

余りの美しさに、
時間が止まってしまった。
究極の美は一瞬に宿り、
その一瞬こそが永遠なんだと実感!
 
大蜥蜴の棲家か?


コモド諸島の大蜥蜴と遊ぶ混沌仙人
2007年4月26日 コモド諸島のダイビング

草叢から現れては襲うと聞き、恐る恐る進んで行くと、それは広場に何頭も集まって姿を曝していた。
熱帯であるはずなのにここだけは冷気が漂っている。鎖帷子に身を包んだそれは3・4mはあり、頭と数えるに相応しい重量感だ。
人々の心の澱を食うて巨大化したのだろうか。邪悪な鎖帷子は汚れ、腹の辺りに血を流した跡も見える。
共食いもするらしい。ただそこにいるだけで怖い。

このまま動かないのかと思ったその時、鎖帷子の隅々まで充実させた巨体が物凄い速さでぶつかり合い、低音でうなり合った。
食糧を見つけたのだ。まさにドラゴンと呼ぶに相応しい一瞬の動きだった。
自分の何倍もある水牛も食糧としてしまうコモドドラゴンとの強烈な出会いだった。

(2007年4月26日 コモド諸島の隊員ダイビング記録より
 
そんなに恐れられているドラゴンをいとも簡単に、ごっつんと殴りつけてしまう原始仙人が如何に強えーか!



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