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その134の4ー2017年 睦月 |
1月4週・・・残照に酔い痴れ発情する奇岩の群れ
混沌と生命の兆しを孕む夜明けを走る 1月22日(日)晴 シックスセンシズ・プライベート・ビーチ 夜明けの瞬間の太陽に逢いたくて生きている様な仙人にとって、静寂は不可欠なスパイス。 静寂に満ちた山荘の夜明けが如何に荘厳でドラマティックであるかは、云うまでもない。 しかし母なる大洋の夜明けが混沌と生命の兆しを孕み、静謐を湛えて森羅万象創生のプロローグを告げる時 仙人は山荘の夜明けとは異なる、生の躍動する歓びに満たされるのである。 見霽かす限り人影の絶えた静寂の大洋に昇る日輪を浴びて、走る歓びこそ贅の極み。 |
ビル群の如く浮かぶ奇岩 |
寡黙な光と海 |
光が風になって揺らぐ |
太陽に喰われちまったぜ! |
誰も居ない夜明けのジョギング |
音の無い夜明け |
残照に酔い痴れ発情する 奇岩の群れ インパクトが強すぎて 言語での表現に戸惑う。 ≪走る歓びこそ贅の極み≫ なんぞと能天気なこと 云ってるけど、 歓び、贅の極みとは程遠い 心象風景が描かれて いるからこそ 仙人は対極に走り 生の危ういバランスを 取ろうとしているに 違いない。 |
残照に酔い痴れ 発情する奇岩が、 そうせせら嗤っているのだ。 その薄昏い意識の襞を 折り畳みながら、 奇岩は仙人を挑発し続ける。 高村薫の「土の記」を 引用するなら さしあたりそんな表現に なるのだろうかと 仙人は独り言ち 記憶の荒れ地にくっきりと 不在の穴を開けた 奇岩と対峙するのであった。 |
あれっ、誰か来たぞと山羊騒ぐ |
朝飯の食材採りじゃ! こんなのありか? 朝食の食材を自ら採りにいって その場で調理するなんて まるで山荘そのもの。 まっ、山荘は山羊や牛、鶏は 飼っていないので野菜、果物だけ だけれどスタイルは同じ。 これは最早ホテルではないし リゾートも超越し・・・。 そうか、だからヴィレッジと 呼んでいるのか! それで世界の注目を浴び、 世界一優れた設計・建設として 数々の賞を受けたんだな! |
鶏も興味津々 |
卵入れ籠持参に警戒 |
2,3個貰ってもいいかな? |
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それにしても これだけの大規模な庭園、農場を 管理し更に44もの客室ならぬ 客棟、幾つものレストラン、 図書館、スパ、スポーツセンターを 機能させるには どれほどの人材を必要とするのか! 従業員たちは目立たぬよう 影のように立ち働く。 |
渋々と卵を見せてくれた母鶏 |
部屋を開け戻ってみると 使っていた不用品は交換され、 闇が迫ると全室のカーテンは降ろされる。 部屋付きプールも オーバーフローで常に新鮮な水が保たれ プールテラスのタオル交換も 素早い。 影のように立ち働く従業員の笑顔が また素晴らしい。 合掌してニコッと自然に微笑む。 |
やめてくれ!靴紐を突いて解いてしまう |
自由な鶏たち 日本の養鶏は 身動きの取れない狭い箱に 入れられ工場生産される。 このヴィレッジの 鶏たちは広い庭を生き生きと 自由に走り回り育つ。 鶏たちの表情の豊かな事。 靴紐に興味を示し 靴を突き回り ありゃ、 紐が解けてしまったぜ! |
行き交う従業員の自然な 微笑みは 心から今、此処でこうして 在ること、働いていることの 歓びを雄弁にメッセージする。 時々卵を採られる 鶏でさえもが 強いられた生活を送り 卵を産まされているとは 思っていないのではと 思ってしまう程、 のびのびしているのだ! |
未練の篭った目で卵を見つめる母鶏 |
鶏卵は此処で調理かな? |
どれどれ、シェフ登場 |
ヌードルに入れてみる? |
この上の画像の女の子、 フルーツをその場で絞って 生ジュースを作るのが専門。 左の画像の4種類のヌードルを 作る女の子とそっくり。 姉妹?と聞いたら ううん、とのこと。 そこにシェフが登場して、 「何にしましょうか?」 |
茹で卵とスクランブルと・・・ |
この採り立て卵を ご飯に掛けて食べたら さぞ美味しかろうと思う。 が、米飯の習慣の無い仙人は、 その時は思いつかず、 あーあの卵1個だけでも お土産にすればなんぞと後悔。 ま、思いついても タイ米のご飯では美味くないかも。 |
焼き立てパンの良い匂い |
焼き立てパンが 香ばしい香りを放ちパン部屋に満ちる。 山荘で自らパンを焼いている仙人は 香りに悩殺され暫し陶酔。 5種類もある 搾り立てミルクは正に贅の極み。 ヨーグルト、ミルク無しでの食事は 考えられない仙人にとって、 此処は極楽じゃ! |
新鮮ミルクだけでも5種類 |
ランチャ・ノイ島の海底洞窟 |
どうしても「土の記」に 記された心象風景は自らであり 傲慢にも 高村薫に盗撮されて しまったという奇妙な捩じれた 呪縛から逃れることが出来ない。 |
ランチャ・ヤイ島の細笛鯛の群れ |
ワイドバンドフュージラー. Pterocaesio lativittata, |
海に潜って魚たちに出逢っても 脳内を縦横にめぐるトンネルに 去来するのは高村の フレーズばかり。 例えば下巻の最終章15のこの部分。 ≪脳内を縦横にめぐるトンネルは、 当人が知らない間に入口が閉じ、 どこかにある筈の出口も閉じて 両端につながるや、 始まりも終わりも無いトーラスに なったようだ。 その閉じた内部はどこか、 新聞記事で読んだ重イオン加速器、 あるいはあの県立医大付属病院の |
二筋玉頭 フタスジタマガシラ Two-line Monocle Bream. |
胡麻藍子 ゴマアイゴ Orange Spotted Spinefoot |
仮面(?)玉頭 カメンタマガシラ Bluestripe Spinecheek |
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メロンバタフライフィッシュ - Chaetodon trifasciatus? |
ワイドバンドフュージラー. Pterocaesio lativittata, |
黒箱河豚 クロハコフグ –、 Ostracion meleagris Shaw, |
スピード・ボートのお出迎え |
MRI装置のようでもあり、 そういえば記事で読んだのは 宇宙創成の話だったと 半睡の縁で思い出す端から、 伊佐夫は脳の血管に詰まった 数ミリの血栓が 物思いをせき止め、 溢れさせる夢を見る。 溢れ出た物思いは、 粘性ゼロのプラズマ状態の 物質となって 伊佐夫の脳内を満たし、 気体でも液体でもない密度をもって 揺れながら、ビッグバンの 数百万分の1秒後の記憶ー陽子や 中性子が生まれる前の、 クォークとグルーオンのプラズマ として宇宙を満たしていた ときの自身の波動を ほのかに思い出そうとする≫ |
霙蝶々魚 ミゾレチョウチョウウオ |
記憶の荒れ地にくっきりと 不在の穴を開けた 奇岩と対峙し、 数百万分の1秒後の記憶、 クォークとグルーオンのプラズマが 宇宙を満たしていた 時の自身の波動を ほのかに思い出し、 改めて伊佐夫は仙人自身であると 確信を深めるのだ。 |
スカンクアネモネフィッシュ Skunk anemonefish |
胡麻藍子 ゴマアイゴ Orange Spotted Spinefoot |
7年前の2010年10月3週に記したが、 高村薫の超大作 「晴子情歌」、「新リア王」、 「太陽を曳く馬」にすっかり魂を 奪われた仙人は、 この3部作完結で世界が 終ってしまったような脱力感に襲われ 暫し 粘性ゼロの プラズマ状態の物質になって 漂っていたのを思い出す。 |
ワイドバンドフュージラー. Pterocaesio lativittata, |
7年前の2010年10月 3週の記録 主人公に一言も 触れなかったが勿論、 高村薫は主人公・福澤彰之 そのものでもある。 不義の子との告白を 母・晴子から受け、 「新リア王」で自民党の有力な 政治家・父・栄に反発し 僧侶の途を選び 父と同じように不義の子・秋道を 産ませた福澤彰之。 「晴子情歌」、「新リア王」、 「太陽を曳く馬」の超大作の 最後を、高村は 息子への手紙と云う形で 福澤彰之に語らせる。 |
海を切り裂いて飛ぶように走る |
胡麻藍子 ゴマアイゴ(後方) Orange Spotted Spinefoot |
Dear TADAKIYO, With your PADI eCard, |
コーラルバタフライフィッシュ Humped Batfish |
細笛鯛 ホソフエダイ Two-spot snapper |
黒点河豚 コクテンフグ Blackspotted puffer |
金線笛鯛 キンセンフエダイ Gold striped sea-perch |
メロンバタフライフィッシュ - Chaetodon trifasciatus |
「えっ、500本も海外の海を 潜っているのに今更 OW(Advanced Open Water certification) も無いでしょう。 ライセンスは出しますから、 どうぞ自由に潜って下さい」 モザンビークのトーフでの ダイビングはOW以上のライセンスが 無いと許可されない。 あり得ない話しだが、まー そんならOWカード貰っておこうか!。 |
コーラレバタフライフィッシュ Humped Batfish |
アオ・ポー桟橋 |
豪華な双胴船がズラリ |
隠された桟橋か! 一体プーケットの何処から 船は出るのか? 最も大きなシャロン桟橋か? それともプーケット湾の ロイヤル・プーケット・マリーナか? 地球の歩き方最新版の 地図を観ても 現地で発行している大きな 観光地図にも ヤオノイ島への船が出る桟橋は 記されていない。 |
ネットで探しまくって アオ・ポー桟橋を突き止めたが、 さて、どの地図にも アオ・ポー桟橋なるものは記されてない。 具にプーケット島を調べ 北東の半島先にAo Po ポー湾を 探し出したが、桟橋は無し。 余程小さな桟橋かと思いきや、 豪華船が犇めく大桟橋。 にも拘らず地図に載ってない理由は? どうもこの桟橋、 金持ちの私的桟橋なのでは? |
大型クルーズ船も停泊 |
シックスセンシズ桟橋 |
細笛鯛 ホソフエダイ Two-spot snapper |
金線笛鯛 キンセンフエダイ Gold striped sea-perc |
細笛鯛 ホソフエダイ Two-spot snapper |
浮上 Exit |
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霙河豚 アラレフグ Guineafowl puffer |
縞海蛇 シマウミヘビ Banded Snake-eel |
霙河豚 アラレフグ Guineafowl puffer |
おめでとう!魚が祝う海外潜水500本記録達成パレード 仙人め、さては仙術を使いおったな! 1月17日(火)晴 ラチャ・ヤイ島ならぬ成田AP
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オオモン蛙鮟鱇 オオモンカエルアンコ Latreille, 1804 |
鼠河豚 ネズミフグ Spot-fin porcupinefish |
狼魚 オオカミウオ Bering Wolffish |
ジャワ兎魚 ジャワウサギウオ Rbbit fish |
花蓑笠子 ハナミノカサゴ Red lionfish |
アンダマンバタフライフィッシュ Andaman butterflyfish |
シャロン桟橋のゲート |
シャロン湾を出航 |
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クルーズスタッフと |
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3時間も大揺れで参った! |
ライフジャケットは必需品 |
船上のランチもギブアップ! |
トライアングルバタフライフィッシュ Triangle butterflyfish |
胡麻藍子 ゴマアイゴ Orange Spotted Spinefoot |
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人面針千本 ヒトズラハリセンボン Black-blotched porcupinefish |
燕魚、ツバメウオ Platax teira |
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レッドテイルバタフライフィッシュ Red Tail Batterfly Fish |
レッドテイルバタフライフィッシュ Red Tail Batterfly Fish |
レッドテイルバタフライフィッシュ Red Tail Batterfly Fish |
仙人め、さては仙術を使いおったな! 1月18日(水)晴 ラチャ・ヤイ島 発光するコブシメ |
偏羅銀宝 ベラギンポ Spotted Sand-diver |
金線笛鯛 キンセンフエダイ Gold striped sea-perc |
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漣河豚 サザナミフグ White spotted Puffer |
オオバロニア Valonia |
漣河豚 サザナミフグ White spotted Puffer |
角出し ツノダシ Moorish Idol |
角出し ツノダシ Moorish Idol |
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青の目羽太 Peacock Coralcod |
風来蝶々魚 フウライチョウチョウウオ Vagabond Butterfly Fish |
乙姫蝦 オトヒメエビ Banded Coral Shrimp |
インディアンバナーフィッシュ |
鰭星蓑笠子 ヒレボシミノカサゴ Dendrochirus biocellatus |
印度風来蝶々魚 インドフウライ ,Indian vagabond batterflyfish、 |
花蓑笠子 ハナミノカサゴ Red lionfish |
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花蓑笠子 ハナミノカサゴ Red lionfish |
オーロラシュリンプゴビー (Amblyeleotris aurora) |
紋花蝦蛄 モンハナシャコ Peacock mantis shrimp |
やつし沙魚 ヤツシハゼ Vanderhorstia |
コブシメ大墨烏賊? Giant cuttlefish |
コブシメ大墨烏賊? Giant cuttlefish |
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灸羽田 ヤイトハタ Malabar grouper、 |
灸羽田 ヤイトハタ Malabar grouper |
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インディアンバナーフィッシュ Heniochus pleurotaenia |
青矢柄 アオヤガラ |
縞旗立鯛 シマハタタテダイ Philippine pennant coralfish |