仙人日記
 
 その1343ー2017年  睦月

1月3週・・・天空を映し山巓のシンフォニーを奏でるヴィラ

自然とのハーモニー Six Senses

天空を映し山巓のシンフォニーを奏でる
満々と水を湛えた丘の頂上プールに映る天空
1月21日(土)晴 ヤオノイ島シックスセンシズ・ヒルトップ

一瞬、息を呑み我が眼を疑った。
電動バギーで丘の天辺まで登り、階段を歩み山巓への最後の一歩を上がった途端、飛び込んできた光景。
ヒマラヤの未踏峰山巓で目にしてきた数々の光景とは全く異なる、
我が心象風景に潜んでいた新たなるフォルムとの邂逅。

天空と海の狭間に潜み、望遠レンズを装着した一眼レフを取り出し、シャッターを切り続ける。
だが果たしてこの心象風景を捉えることが出来るのだろうか?
 



プーケット海に眠る小さな島・ヤオノイ

≪シックスセンシズは
世界一優れた設計・建設の商業不動産案件として
イギリスの2010年
インターナショナル・コマーシャル・プロパティ・アワードを
受賞した≫ 
( 2012年12月20日付タインニエン紙より)
<その後の受賞歴>
2012年の受賞:The SPA Traveller Awards 2011
Conde’Nast Traveller - UK Gold List 2012 その他

とコンダオ島のHPには記したが、
自然との調和、エコに徹した建築はアートでさえある。
ベトナムのコンダオ島・シックスセンシズのプールが描いた
天空の碧に魅せられ、
再び訪れたプーケット海・ヤオノイ島のシックスセンシズ。
天空を映した山巓の水面に
偲びやかに流れるのは、地と宙の碧きシンフォニー。
 
島の山巓にプール付きヴィラを造るとは!



レンタカーで走った道路

プーケット島からヤオ・ノイ島へ




専属プール付きヴィラ

此処は寝室か?
熱帯林の中のヴィラ№12
浴室の他にシャワー室も2つ

部屋が多いだけではない。
ヴィラにはメードとは別に
専属のバトラーが付いていて、
24時間いつでもスタンバイし
食事から散歩、アクティビティーの手配、
会計精算まで行う。

浴室を兼ねたラウンジか?

これもラウンジ?

広すぎる洗面所
 つまりホテルやリゾートには
欠かせないフロント、レセプションが
無いのである。
専用のスピードボートで
ヤオノイ島の専用桟橋に着くと

受付無しで
そのままバギーでヴィラに
送られるのだ。
まるで自分の別荘に帰ってきた感じ。
 
庭の潜り戸を抜け玄関を開けると
 
庭にはプールと遊戯室が



板壁を引っ張ったらバリン!

壊れた板壁を開いたらTVが
都会の騒音遮断
気に入ったぜ!TVが何処にも無いぞ!

しかし客室設備のリストには
ケーブルテレビ、衛星放送あり。
NHKの受信も可能とある。
ほなら、一体TVは何処に?

 どの部屋を観てもTVらしきものは
見当たらない。
探索を諦めて2日目、
寝室と浴室の板壁に長方形の
切り込み発見!

そうだ、そう云えば
バトラーがTVは壁に嵌め込まれて
いるので必要ならどうぞ!
とか説明していたような。

そこで切り込みを引っぱたら、
バリン!壊れた。
あーあー、又ドジしちまった。

まさか壁の中に隠してるとは! 
 
つまりTVなんぞ観るな!か?



庭の専用プールで唯ひたすらに泳ぐ
1月23日(月)晴 プールサイドからの連写

カーナビ無し、道路マップ無しで迷路のようなプーケットの旧市街をレンタカーで走り、
未開のジャングルが広がるヤオノイ島をバイクで突っ走り、
せめて最後の日くらいは、のんびりとヒルトップヴィラで過ごそうと思っていたら、
「12時チェックアウトですが、最終便で帰るならどうぞそのままヴィラにいつまでもご滞在ください」とのこと。

出発の朝、バトラーがさり気無くテーブルに載せて置いた手紙を
勝手にそう解釈したのだが、果たしてその訳が正しいのか、実は仙人自身が疑っているのである。
手紙の末尾にはこう記されていたのだ。
”If you don't leave you cannot come back " and as you will be leaving tomorrow
we are very much looking forward to welcoming you soon agein.
ありゃ、まるで出鱈目訳ではないか! 幾ら英語が解らないとはいえ酷い仙人!



泳いだ後のビアの美味い事! 
違訳なんぞどこ吹く風とばかり、
ほなら今日は
庭のプールで泳ぎまくり、
プールサイドで高村薫の
「土の記」を読み、ビアを傾けて、
プーケット海の太陽を飽食しようと、
ま、この有様ですよ。
 
 
呑んでは泳ぎ本を読む
朽ちていく肉体と
肉体内部に巣食う心象風景との
執拗な闘いが、
実に精緻な文体で綴られていく。

同じ心象風景に出っくわし、
何度も言語化を断念した思惑が、
すらりと、恰も
何の試行錯誤もしなかったが如く、
描かれるのである。

バイクで買って来た唐揚げ美味し!
そうか、こう書けば
あの捉えどころのなかった
心象風景は
言語によって客観化されていくのだ。

何度そう思ったことか!
いや、殆ど全ページに亘りその精緻な
文体は続き、圧倒される。

連写セットならではの画像が決まったぜ!

黙然たる営みの精緻と輝き
数冊持参した本は、
いづれも「土の記」に比べたら、
稚拙で、とても読めない。

改めて高村薫の絶望の深さと
冷徹なまでに透視し
不確かな存在の輪郭を描く
鮮やかさには、
打ちのめされる。

土を耕し生きる72歳の男は仙人では!



バジル、トマトも朝摘みを食卓に!

庭師は砂浜も整地
庭に散在する畑

巧みに作られた一戸建てのヴィラは、
熱帯雨林に溶け込み
隣のヴィラが観えることのないよう
造られている。

ヴィラの門扉も数年で朽ちてしまうような
年輪の粗い熱帯樹や
竹で造られ、侘び、寂の趣さえある。
ヴィラそのものがすっかり森の一部となり、
逍遥していても
ヴィラの存在を忘れてしまう程。

森が明るくなると
小さな有機農園が現われる。
実質的に新鮮な野菜をヴィラに
供給しているが、
それ以上に、この農園は、
森に描かれたアート
なのだと気付く。

森のバナナも育って

あれ、庭師と同じ服




我が山荘の畑より良く手入れされているでは!
案山子と握手

案山子に着せられた
グレーのつなぎと
濃紺のシャツは、
廃棄処分となった古着
等ではない。

畑を手入れしている
庭師が着ているのと同じ
新品の服で
農園とのアンサンブルを
考慮した
実に憎いまでの趣向。
さり気なく配置された
案山子は
今にも動き出しそうで、
試しに握手を求めたら、
ありゃ、
握手に応じるでは!

≪何だって、
ふーん、そうなのか、
向日葵の種を割って
食べるだけでなく、
サラダオイルも絞るんだ≫

あんまり美味しいので
鳥たちが虎視眈々。
だもんで
種が啄まれぬよう
座って監視してると云う訳か!

ジャングルの中の畑 向日葵からはオイルを採るんだって!


庭や森に
咲き乱れる花々


兎に角、森を歩くのが
愉しい。
数百メートル以上離れた
レストランや図書館に
行くのも電動バギーを呼べば
直ぐ来てくれるが、
そんなことしたら
シックスセンシズの森が哀しむ。

プール付きの広いヴィラには
1日居ても退屈することは無く
 ヴィラから敢えて外に出る
必要は無いのだが、
森が呼ぶのだ。

ヴィラの庭にも
バナナやマンゴー、
紅い実を着けたマニラ椰子等が
彩りを添えているが森に出ると
更に多くの花々が、
そこかしこに咲き誇っている。

それだけではない。
花園そのものをレストランに、
取り入れた蓮池・Bar The Denや
透明ガラスの床下に
小滝や熱帯植物を覗かせた
お洒落なThe Dining Roomもある。
   
   

今夜は此処で和食ディナーにご招待します
 ヤオノイ島シックスセンシズ・ヒルトップでのサプライズ

≪地と宙の碧きシンフォニー≫が聴こえるなんぞと云ったら
はあー、気障だね、そんな訳ねーだろと一蹴されてしまいそうだが、
よーく、この画像を見詰めてごらん!

灰蒼色の海に翳を落とす愁いを帯びた島々。
海の蒼にミルクを混ぜたような水面が手前に拡がり、更にその手前に鉄朱を含んだ大理石模様の床が
コントラストを成し、深い緑を湛えたクッションが無造作に踊る。

えっ、それでも何も聞こえないって! そりゃもう、耳鼻科に行くしかないな!


幹に括りつけた
椰子の実の蘭鉢
蘭は幹にも生えて
花を咲かせるんだと一瞥していたが、
あれ、良く観ると
椰子の実の殻を花鉢にして
幹に括り着けてあるでは!
     そうだったのか。
こんな風にして細やかな
美意識を彼方此方に鏤め、
第六感・シックスセンシズに訴え、
旅人の潜在意識に、
かけがえのない自然の美を
刷り込んでいるんだな!




山巓プールが宇宙に!
さぷらいず
Dinner

そうだった!
そういえばコンダオ島の
シックスセンシズでも突然ディナーに
招待され驚いたことがあった。

3泊以上の長期宿泊者には、
その国に合わせた料理で
持て成すサプライズがあるのかな?

先ずは軽くアペリティフ
 
地と宙のきシンフォニー

眺望抜群の2階でアペリティフを愉しんでいたら、階下のテーブルにやって来たフランス人カップル。
丸みを帯びた翡翠の天空を映した水面に流れる妙なるシンフォニー、
シンフォニーにすっかり溶け込んだ2人。絵になるぜ!
≪ちょっとお邪魔しまーす≫とばかり、いつもの手を使って一瞬にして2階から転移した仙人。


 
オーダーはスマホで

刺身、大きな海老、鰹の炙り
 
和食がずらりと 

大きなロブスターグラタンも


美味いのだ!
プーケットの高層ホテル
ロイヤル・パラダイスではディナーも
朝食も不味くて食べられず、
持参した梅干しをおかずにして
耐え忍んでいたが、
此処の料理はレベルが段違いに高い。

ディナーは云うに及ばず、
朝食なんぞ夕方まで食べ続けても
飽きない程の質と種類の多さ。。
仙人の朝食には欠かせない
牛乳、ヨーグルトも
牧場からの直送で、痺れる美味さ。

各種の特製アイスクリームや
焼き立てクッキーは
いつでも無料で食べ放題。
いやー参ったぜ!

突然の招待に吃驚!



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