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その134の2ー2017年 睦月 |
1月2週・・・命を揺さぶる山荘の夜明け
里人を眠らせ、仙人の屋根に雪降り積む 1月9日(月)晴 テラスから見下ろした里 干してある白菜が雨で濡れてしまったら、2回目の白菜漬けが仕込めなくなると焦り、山荘へ。 山荘に着いた途端、雪が降りだし、 大急ぎで段ボール箱に、干してある白菜を取り込み、 倉庫に移し、やっと一安心! 今はもう山荘の庭は真っ白で、すっかり雪国。 |
二階テラスから |
テラスは雪の原 |
雲海と雪のコラボ |
窓の外は雪国 |
勿論闘う努力はする。 しかし存在そのものに 意味が見いだせない状態は、 益々酷くなり、
宮本輝の『五千回の生死』の如く、 日々、虚空回帰への誘惑と 闘っている。 |
雪雲の下は未だ降雪中 |
闘いの術は 途切れることのない活動。 起床と同時に筋トレ、 ストレッチと筋肉を目覚めさせ、 階段を走り登り、 汗びっしょりになって大地を耕し、 |
めげずに頭をもたげる菜 |
山や森を駆け肉体を酷使する。 考えてはいけない。 全身から汗を滴らせ、 駆け巡る血潮の 歓びの声だけに耳を傾けるのだ。 |
雪の冷たさで更に甘くなる菜 |
そうすれば そこに新たな騒音が加わわり、 5千回の虚空回帰への誘惑が、 5001回になっても、 闘う意欲を 引き出すことは出来るのだ。 |
どれどれ、艶々してるぜ! |
ユンボで除雪に大活躍 1月9日(月)晴 あれ、広瀬さんではありませんか 凍てつく寒さ、圧し掛かる雪をものともせず生命を謳歌する山荘の野菜の歓びに共感し、 里に降りてみると広瀬さんがユンボでラッセル中。 いつもの満面の笑みを浮かべ話しかける。 「ありゃ、今日は山登りじゃなくて散歩かい?オカリヤ巡りでもするんかい?」 「ううん、オカリヤ観てから山に行こうかなと!」 |
道祖神のお仮屋 |
お仮屋の中には男根が! |
お仮屋 塩山市や牧丘町では スギ、ヒノキの枝で道祖神に小屋架けし、 わらで大きな男根を 突き立てた小屋をお仮屋(おかりや)と 呼んでいる。 |
わら小屋が作られるのは、 以前に稲作地帯であった なごりである。 これを甲府ではオチョウヤと言い、 スギの枝を柱に、わらで 御殿ふうのお宮を13日に作り上げ、 14日夜にこれを燃す。 |
彼方此方にお仮屋が |
除雪に励む広瀬さん |
やっとこさラッセル登山じゃ! 1月10日(火)晴 小倉山の座禅峠直下 驚いた雉が飛び立ち、雪面すれすれに飛翔し雪森に消える。 その忙しない羽音が森に吸い込まれると、 森の静けさが強調され、シーンと云う静寂が耳を射る。 そうか、そんなに静かなら久々に雪の声でも聴いてあげよう。 |
きゅっ、キュッとこの音堪らん! 峠に出ると今まさに陽が小倉山頂に落ちる瞬間。 この座禅峠から山頂に落ちる陽が、 観えるとは考えもしなかっただけに、 新鮮な驚き! |
やや強く意識して脚を蹴り込むと、 きゅ、キュと雪の歓びの声。 |
小倉山頂の落日じゃ! |
嬉しか、まるでヒマラヤでは! 1月10日(火)晴 山荘の山々も大したもんだ! 幾つもの未踏峰を求めて巡り歩いた、チベットの村々が眠っている。 何処にその気配が潜んでいるのだろう。 棚引く雲海に突き出した峰々が、ヤクの放牧されたチベットの臭いを放出しているのか? それもあるだろうが、この小さな愛らしい雪の盆地がラサやシガツェ、ヤンパーチンの風情そのものなのだ。 |
残照が雪里を染める |
夕陽が去り蒼が迫る |
時のフィルターをかけると、 瞬時にして 存在そのものから 可視的な属性である 文化や文明は消え去る。 |
その認識の元で敢て、 生きる意味を見出すとしたら、 可視可能な 存在の属性の使徒となって、 傅くしかあるまい。 |
やがて里の灯がちらり |
夜明けを告げる彩雲 |
命を揺さぶる山荘の夜明け 1月10日(火)晴 そして再び水晶峠からの赫奕たる光の燦爛! 水晶峠に立ってポッケにぎっしり詰めた水晶の欠片を見つめたら、 あれ程透き通っていた水晶が濁っているでは! 確かに水晶の森で探し当てた時は、透明な光を発していたのだ。 登っても登ってもずり落ちてしまう枯葉の急斜面で、それでもきっと辿り着けると信じて脚を前に出し続けたのに、 着いてみたら既にポッケの水晶は濁ってしまった。 あのずり落ちる急斜面で、たった一度だけ≪達することは出来ない≫と疑ったことがあった。 想いの一途さだけが水晶を透明にさせると云う事に懐疑を抱いた瞬間、 総ては観えなくなってしまったのだ。 |
水晶峠の光散乱 |
次の瞬間、光は里を射る |
遂に意欲そのものから疎外され 唯立ち竦んでいる。 どうにか腹筋などの筋トレ、 ストレッチは熟したものの、 どうしても雪の畑に出て、 土づくりのための穴掘りや 山トレーニングを |
行う意欲が湧かない。 雨や雪が降っていて 出鼻を挫く様な天候なら、 未だ話は分かるが、 快晴で風も無く暖かい朝なのに、 一体どうしたことだ。 |
ジオに迫る光 |
ジオを貫く陽神 |
立派な 氷の髭 どうじゃ! これで一声吼えたら 森中が シーンとして、 新たな王の誕生に おっ魂消るぜ! |
1月6日(金)晴 最低気温ー5.1℃(6時12分) |
冬将軍の 素晴らしい贈り物だね。 ボン・シルバーの奴 嬉しさを抑えきれず、 カッコつけて キッと見得を切ってるぜ! それにしても 見事に立派な髭だね! |
雪を愛でるチベット密教仮面 |
シクラメンも雪に大はしゃぎ |
雪の砂漠を遥々と |
髭、遂に大地と合体 1月15日(日)晴 最低気温ー8.6℃(2時54分) 山荘への途はすっかり凍てつき、冬用タイアのスタッドレスでも最早登れず。 冬用駐車場でさえ雪と氷に覆われ、車を入れるのがやっと。 冬駐車場から森を抜けて、山荘奥庭に出てみると、ボン・シルバーがお出迎え。 ≪どうだい仙人様、おいらの髭に参ったか!≫ |
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ちょっと明日17日から24日までダイビングを兼ねてアンダマン海のヤオノイ島へ出張です! |