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その133の3ー2016年 師走 |
12月3週・・・原始仙人新宿御苑に出現し忘年会
山荘滝の凍てついた夜明けじゃ! 12月19日(月)晴 水晶のネックレスにボン・シルバー大喜び いいや、ご存知あるまい。山荘の夜明けが如何ほど美しいか! どんなに言語を弄しても、最早伝えられないんじゃ! ほんなら画像で勝負するしかあるまいと、撮ってはみたが、こんなもんじゃないぜ! |
滝の落口は豪華なネックレスが累々! 光を当てると6放射の星型に輝き、 一瞬にして悩殺されてしまった。 あれはナンガ・パルバット峰遠征の帰途に 立ち寄ったラワルピンディの記憶だろうか? それともK2峰遠征だったろうか? 何しろパキスタンだけでも10回の遠征隊を 組織したので、いつの想い出か定かではない。 |
想い出そうとしても、決して忘れることの出来ない スターサファイア。 ラワルピンディの怪しげなアンチック屋の 奥まった部屋に引き込まれ 薄暗がりで見せられたスターサファイア。 |
巨大なサファイヤの塊だって! |
西畑で収穫、テラスで干す |
実は未だ巻が不十分 |
滝が凍ってからでは遅い 白菜漬け そのスターサファイアは、 すっかり忘れ去られ 仙人の書斎の引き出しに暫く 隠遁していた筈なのだ。 |
で、今そのスターサファイアは どこに在るかと云うと、 ナンガ・パルバット隊員だった晶子が 支配する空間の何処かに、 ひっそり眠っていると 決して忘れることの出来ない記憶が 告げるのだ。 あいつめ眠ってるのに飽きて きっと山荘の滝まで 散歩に来たに違いない。 |
しかしもう寒すぎて白菜は凍ってしまう |
そこで若すぎるが仕込むことに |
凍てついてパリパリに割れる白菜 12月19日(月)晴 ≪寒くてもうこれ以上成長できません≫と富士に訴える白菜 当然、大地も凍てついているので引き抜こうとしてもびくともしない。 スコップで白菜の周りの氷を砕き、根の下にスコップを差し込み梃子の原理を使ってエイと上に持ち上げる。 ゴロンと凍土を付けた根が出てくると、そいつを包丁で勢いを付けて断ち切る。 ブリキ板のようにバリバリと音を立てる白菜を抱えて籠に入れ、テラスに運ぶ。 何度も繰り返していると指先が痛くて、しくしく泣きだす。 そうか、そういえばここんとこ氷壁登攀もしてないし、ヒマラヤにもすっかりご無沙汰して、 指が凍傷になるようなことは無かったね。 |
晩秋の名残 |
仙人、冬至に参上新宿御苑 12月21日(水) 冬至・快晴 |
枯れた芝生に紅葉の紅 |
子福櫻、寒桜、ヒマラヤ櫻が
蒼空にくっきり浮かぶのを撮影し、 すっかり落葉したプラタナスの
並木道を散策し、 殆ど人の来ないお気に入りの 芝生にどっかり坐し、 冬至の太陽にグラスを掲げる。
赤ワインを透過して
南回帰線上の太陽が、 慎ましく煌めく。 |
ヒマラヤ櫻満開 |
さあ、明日から北に向かっての
旅が始まるんだね。 ゆっくりだけど1日1日と
確実に日は長くなり、 戻って来るんだね。 待っているよ!
そうだ、その前に
アフリカまで 迎えに行ってあげようか! |
凛と咲く寒桜 |
ネパール王室から贈られたとか |
八重の子福櫻 |
朝トレーニングで非常階段を駆け上ると太陽が! 12月21日(水) 6時57分目白台マンション屋上からの日の出 屋上まで朝トレで駆け上がると、ビルの谷間から飛び出す瞬間の太陽に遭遇。
冬将軍到来のあのガラスのようにピーンと張り詰めた透明さはないものの、天空は一片の翳りすらない快晴。
北の高気圧が移動性となり日本列島の真上に来る兆しに違いない。
となると今日は北風も収まり、暖かい日差しに包まれ、
冬至返上した小春日和になるだろう。
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紅の葉が敷き詰められた森 |
よし今日は
お気に入りの芭蕉庵や 細川越中邸や椿山荘の森でなく、 少し足を延ばして、 フランス式整形庭園や イギリス風景式庭園のある 新宿御苑に行こう。
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冬至の太陽が低く光る |
友と語らん鈴懸の途 |
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右:新宿門、左:千駄ヶ谷門 |
池には真鴨、オシドリ等が |
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南回帰線に立つ太陽 |
グレーのタートルネックに
黒革スーツを羽織り、 有機ワインの赤1本、山荘産枯露柿、 サンドイッチ、野菜サラダ、 ピーナッツをバッグに詰めて 愛車に跨り
目白から明治通りを南下。 新宿御苑まで僅か3kmなので 愛車のミニサイクルで、 のんびり走っても 20分もあれば新宿門に着いてしまう。 ミニサイクルを門柱に立て掛け、 誰も居ない平日午前のゲートを通ると 飛び切り贅沢な広大な森と 芝生を陽光に曝し、 ひっそりと佇む御苑がお出迎え。 |
鈴懸巨木の残照 |
森を囲むビルの森で遊ぶガラス拭き 12月21日(水) 気持ち良さそう、新宿御苑手前のビルで そっから見下ろしたら新宿御苑の森はどんな風に見えるんだーい! ≪ふふふ、観たいだろう、でも駄目さ。 こりゃオイラだけに許された、胸躍る飛切り豪華な自由への旅なんだ。 こうしてユラユラ上がったり下がったりしながら、ビルの森を散策するのは、実に愉快だぜ! 何たって存在するもの総ては、逃れられぬ重力呪縛に捉われ、いつだって追われている。 それがどうだい、足元にはなーんにも無いんだぜ! 足元に何にも無いと云うことは、重力呪縛に捉われている者にとっては、死の瞬間なのさ。 死を超越しての逍遥、それがオイラの仕事なのさ! |
ビルの森から眺めたら原始仙人も忘年会、いいな! 12月21日(水) 外周3.5km新宿御苑を囲むビル群 ドローン登場か! 何だって! ≪ 死を超越しての逍遥、それがオイラの仕事なのさ!≫だって! そうカッコつけるなよ、実は何を隠そうこの老い耄れ仙人もザイルを結びあって、氷河や岩壁を登攀し、 アルプスやアンデス、更にはヒマラヤくんだりまで出かけて、 その≪死を超越しての逍遥≫とやらを堪能していたのさ。 しかし超越できず死んでしまった隊員は8人にも達し、その死を目の前にして、 ≪死を超越しての逍遥≫が、言葉の遊びでも恰好付けでもなく現実そのものであると実感したんだ。 で、今日は一緒にヒマラヤを駆け巡った隊員と忘年会をしようと都会の森にやって来たんだ。 ほら此処からだと都会の山巓みたいで、天空に直接繋がっていて、存在を失って重力呪縛から 自由になった隊員を呼べるような気がしないかい? さて自由になった8隊員が、どんな姿に変身してやって来るか愉しみだね! |
孫の幼稚園がお休みで! |
広ーい広ーい芝生独占して |
鈴懸に熱中して |
「 素数、素数とあらゆるものを 数に置き換えては これって、素数かなと云ってた孫が、 なんだか ホルストの「惑星」を聴いてから 素数は何処へやら ≪惑星≫ばかり聴いているのよ。 どうしてか訊き出しましょ」 |
NTTドコモも森と背比べ |
きっと狙っていたのだ。 「21日は幼稚園がお休みだから、 1日中孫を独占できるでしょ。 ねえ、お祖父ちゃん、孫を借りて 新宿御苑に行って 孫と一緒にお弁当食べようよ」 その孫にカメラを向けたら 一瞬目が合った。 |
ビル森と鈴懸の森と |
このグラデーションが憎いね! |
この光と翳が沁みるぜ! |
≪忘年会じゃ!≫と叫び突如新宿御苑に出現した原始仙人 12月21日(水) 美味しそうなワインに釣られたか原始仙人 ≪これだから生きてるって愉しいね≫ 芝生に寝転んで、ありゃ、大地ってこんなに暖かかったっけ! とほくそ笑みながら靴を脱いで、右足をひょいと持ち上げたら、あらあら不思議、爪先に黄金のワインが忽然と! 序に槍を構えた原始仙人まで現れたぜ! そんなのありかって?だってほんとに出て来たんだ。 ほら山荘ワインはシャンパンに近い醸造法で造るから、黄金の泡が溢れてる。 美味そうだね、出来立ての枯露柿を摘みにして呑んだら、さぞかし極楽だろうね。 これじゃ、きっと仙人の仲間が嗅ぎ付けて、すっ飛んで来るよ! ほらほら、「チュチン、チュチン」と啼きながらハクセキレイがやって来たぜ! |
真っ先に来たのは白鶺鴒(ハクセキレイ) |
忘年会に混ぜて! 一緒に宴会じゃ! そうかそうか、一緒に 忘年会やるか! そら、サンドイッチがいいか、 それとも枯露柿か? ハム、ツナ、おー卵が好きか! と鶺鴒に投げた途端、 間髪を入れず 飛んできたのは嘴太烏。 こいつ性格悪くて、 後から来たのに鶺鴒を 威喝し独占しようと仙人にすり寄る。 すかさずやって来た もう一羽の烏。 「おいらも混ぜて!」 それを観ていた烏が更に加わり、 仙人の目の前で 取っ組み合いの大喧嘩! 爪弾きにされた鶺鴒は、 芝生を走り回る 女の子に「ちゅん、チュン」と訴える。 「そんなら、お兄ちゃんも 呼んでくるから、 みんなで仲良く仙人と忘年会しよう」 女の子は風の様に走り お兄ちゃんを連れて来て、 烏と土竜と鶺鴒と 原始仙人と一緒に枯露柿を 美味しい美味しいと云って 食べたとさ! |
穴掘って地中からは土竜も参加 |
何やら旨そうな匂い! |
あっち行け!と追い払う烏 |
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仙人のワインごちになろうぜ! |
駄目だ!、俺だけだと闘い始まる |
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あーら、私も呑ませて! |
呑めなくてむくれる鶺鴒 |
お兄ちゃんも一緒に忘年会よ! |