仙人日記
 
 その1323ー2016年  霜月

11月3週・・・ようこそ!秋の仙人絵画ギャラリーへ

秋の仙人絵画ギャラリー

迫りくる雲海に怯む山荘存在の総てが白い雲海に
11月19日(土)雨曇 小倉山頂からの山荘


目を凝らして白亜の直方体を見詰める。
地球の隆起も隆起を覆う森も、それらを呑込む雲海も数千年、数万年いや恐らく数億年も、
変わらぬ油彩を描いてきたのだ。
そこにポツンと現れた自然界には見られぬ白亜の直方体。
あの繭の中で糸を紡いでいるのは、如何なる生命体なのだろうか!




知性のパルス

テロ実行犯がイスラム教徒であっても、殆どのイスラム教徒はテロとは無関係で
テロを理由にイスラム教徒を差別したり、入国禁止にしたりすることを知性は許さない。
知性はテロの背景を追い、原因究明を行い、再びテロを許さない術を模索する。
同時にテロによって迫害される無辜のイスラム教徒を守り、世界に立ちはだかる壁を取り除く努力を呼びかける。



牧丘の谷を呑む雲海と扇山
11月19日(土)雨曇 小倉山頂からの山荘

直方体の繭を左に辿ると、更に太古の油彩画に繭が現れ谷に広がる侵入者の存在が明らかにされる。
知の糸を紡ぐ繭の主は、地球の隆起を、隆起を覆う森を、それらを呑込む雲海を、
自然の意図に反逆し食べ尽くそうと出現したのか、
それとも自然の意図そのものになって、新たなる支配者としての君臨を企んでいるのか?。



知性への反逆

従って11月8日の大統領選挙で次期大統領になったトランプの≪米当局が事態を把握できるまでの間、
イスラム教徒をアメリカ入国禁止にすべきだ≫との発言は、
世界の知性への反逆であり、テロを更に激化させる以外の何物でもない。
これだけでなくメキシコからの不法移民対策として、こう述べている。
≪メキシコの出費で国境に巨大な壁を建設する。
メキシコ人には問題があり、麻薬や犯罪を持ち込んで来る、全員とは言わないが奴等は強姦魔だ≫





仙人が目白宅の庭と称する森の冬風物詩
11月17日(木)晴 細川越中森の下屋敷の雪吊り


直方体白亜の繭は、紡いだ糸を森の樹に掛け円錐のフォルムを描いた。
池の水をフォルムを描くキャンパスにするなんて憎いね!



反知性トランプ

 更には≪不法移民は全員強制退去させる。強制送還部隊を作って、人道的な方法で送り返す≫ 
世界の現状を観ず自国の利益のみを求めて、世界各国が走りだしたら、
その先には戦争が口を開けて待っているのは目に見えている。
それだけでなく女性蔑視、人種差別発言と続き、同じ共和党のポール・ライアン下院議長など主流派の多くが
トランプと距離を置くとi云う前代未聞に陥りながら、米国民はトランプを大統領に選んだ。



池に沈む天空
11月17日(木)晴 細川越中森の下屋敷の雪吊り


天空が宇宙を映すように、池が天空を映すなら池の奥には、星々が棲んでいるのだろうか!
その星々は命を宿していて、その標しを光にして耀くのだろうか!



破綻する民主主義

英国のEU離脱に続く民主主義の破綻であり、その動きはイタリアの5つ星運動を触発し、
世界は危うい「ポピュリズム」に曝されている。
トランプが米国民の胸に燻る不満を煽って、1930年代のイタリアのファシズム運動、ドイツのナチズム、アルゼンチンのフアン・ペロン政権などと
同じ安易な「ポピュリズム」への途を辿り始めていると、政治には疎い仙人すら危機感を覚えるのだ。
危機感を抱いたのは仙人だけでないらしく、大統領決定直後から、これまた前代未聞の新大統領への抗議デモが相次ぎ、
オークランドでも9日、約7千人の参加者の一部が警官隊と衝突とか。



残照、美しき終焉のあがき
11月17日(木)晴 細川越中森の下屋敷の雪吊り


あまりに美しいので狼狽えてしまう。
太陽が地平の彼方に落ちていくのを哀しむ筈がない。
哀しみは落ち行く太陽を見つめる人の心にあると知りながら、いや太陽は確かに哀しみの光を発していると想う。
≪哀しみは美しいのだ≫と呟いてみる。



No My President

  朝日新聞デジタルロサンゼルス=平山亜理2016年11月11日11時32分。
≪米大統領選でトランプ氏が勝利したことに抗議する米国内のデモは激しさを増し、西海岸では約60人が逮捕された。
米メディアは投票があった8日以降、米国各地の約50カ所でデモが起きたと伝えた。
地元メディアによると、ロサンゼルスで9日に国道を占拠した数百人のうち28人が逮捕された。ガルセッティ市長は
「市民の多くにとって選挙結果はつらいが、デモは平和的にやってほしい」と声明を出した。 

オークランドでも9日、約7千人の参加者の一部が警官隊と衝突。火炎瓶や花火を投げるなどした約30人が逮捕された。
デモは10日も各地で続き、サンフランシスコでは高校生約1千人、ミシガン州では大学生約1千人が参加。
フィラデルフィアでもデモが起きた。
(ロサンゼルス=平山亜理)



森に佇む円錐の語らい
11月17日(木)晴 細川越中森の下屋敷の雪吊り


聞こえないって、もう一度耳を澄ましてごらん!
梢から降ろされた黄金の弦が、僅かに震えて、ほら、空気が揺れて垣根を超えて
もう1つの黄金の弦を揺らし囁き合っているだろう。
何を語り合っているんだろうかね。




雲海に影を刻むジオ
11月22日(火)曇 山荘テラスから

「哀しみが美しい」だって、おちゃらけを云うな。
否応なくひしひしと迫りくる死の真っ只中に居て、そう例えば銃弾飛び交う戦場、
無差別な殺戮が進行しつつあるテロ現場、の下にあって、
空を見上げても観えるは青紫の死を告げる雲海のみであったなら、
それでも美しいのか!




雲海となった龍が小倉山を呑み込む
11月22日(火)曇 山荘テラスから


引き裂かれた肉塊の真っ只中に在って、一瞬でその肉塊に自らが加わるとの認識が、
美しさを捉えることは無い。
恐怖、混乱、混濁の果ての狂乱は在っても、美の介在するスペースは無い。
哀しみはもっと遠いのだ。
展開される悲惨な事実を隔絶する、時間と距離のマイクロスコープを通して、
初めて存在と消失の物語は「美」を意識するのだ。
雲海の龍が小倉山を呑み込むように!


翳たちの呟きを映し出す雲海
11月22日(火)曇 山荘前庭の石卓


果てなき繰り返し≪Ⅰ≫     吐蕃子

鈍色の雲の下に広がる昏い冬の日本海をひとりで観てきました。
真っ直ぐに続く道を渡り、登る度に雪のように崩れて潜る砂山を、てっぺんまで登りきると
目の限りに広がる冬の海。
幾重にも重なる重い蒼色と鉛色と時々光る銀色の波との果てなき繰り返し。




屹立する薔薇のパルス
11月19日(土)晴 山荘2階テラス
から

果てなき繰り返し≪Ⅱ≫     吐蕃子

今の自分が求めていた風景だと思った。
己の孤独を剥き出しにするような、だからこそ
その孤独とどう向き合えばいいのか、答えが隠されているかのようだ。
うっすらと光が薄い雲の隙間から洩れくる瞬間、海原の重い藍が
ふわっと菫色に揺れるような気がする。





ひっそり眠る雲海に沈む里
11月19日(土)晴 山荘2階テラス
から

果てなき繰り返し≪Ⅲ≫     吐蕃子

長い時間が経ったような気がしたが、実際には僅かな時が流れただけ。
重い雲から雨粒が落ちて来た。
またここへ来よう、何故ともなくそんな想いが湧きあがり、いつでもこの海が受け止めてくれるという安堵感が、
少し私を強くしてくれた。




雲海から出現した森のさざめき
11月19日(土)晴 山荘2階テラス
から

さあ、聴かせておくれ、存在の輪郭すら定かでなくなった森のお話を!
青紫の死が、そうやって優しく森の葉を包み込み、
海の底に沈めてしまったのに、お前は死の結露を体内に取り入れて美味しそうに呑み込み、
最後のお話しをする為、再び現れたんだね!



空白の究極の拡大は死雪富士と薔薇アーチは語る
11月19日(土)晴 山荘テラス
から

青紫を帯びた空白のキャンバスに描かれた薔薇のアーチが、
無数の真紅に彩られ、漆黒の翳を宿した紅葉が水晶の裸身を擁き、屹立する雪と氷の富士が、
仙人と戯れ、雲海は競り上がる。
時を飽食した物語が一瞬にして空白に呑み込まれ、山荘は時の認識を失う。




太陽光温泉に浸って雲海と紅葉鑑賞
11月19日(土)晴 山荘浴室
から

いくらこのバスルームからの光景が心を抉るとしても、
1日に3回もお風呂に入るなんて、ありか?
そりゃ湯にどっぷり浸り、紅葉した木々の合間に去来する雲海なんぞ眺めていたら、
飽きはしないだろうが、3回は多すぎるぜ!

夜明けの朝トレーニングや大地耕作で全身から汗を吹き出し、先ず1回目、
1日の山荘活動を終え、ご褒美の森や山稜の逍遥を堪能し汗流しの2日目入浴、そして音楽を放ちながら
就寝前の最後のひと風呂と、どうだいこれで3回。
山荘活動の肉体労働に、太陽光風呂は欠かせないのさ!



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