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その130の2ー2016年 長月 |
9月2週・・・黒揚羽に吸い尽くされるウロボロス
≪汁出降≫と自称する3代目ボン・シルバー 9月15日(木)雨曇 龍と蛇の赤眼狂乱! ≪汁出降≫ Humor leaves the fall 何て読むんだと龍が訊ねたら、 ≪ウロボロスさ≫と澄ました顔で3代目ボン・シルバーが応えたとかで、森は大騒動。 この3代目ボン・シルバーを名乗る鹿のサレコウベは、一体いつから山荘に居るんだ? 2代目にあたるボン・シルバーが奥庭から会話に参加。 ≪ほら、7月4週に登場した仙人の弟子見習、覚えているかい? あいつが小倉山の帰りに迷って、森からプレゼントされたらしいよ。 それを仙人がおいらの下に置いておいて、暫く見習いさせ、3代目ボン・シルバーに仕上げようとの魂胆だったらしい。 でもって、今回就職先が決まって、烏滸がましくも龍様の上に据え付けられたのさ。 さてさてこの下剋上の3代目、何をやらかすつもりか解らんね≫ それにしても新参者3代目はセンス悪いな。汁出とはなんじゃ? 大地から湧きだす泉でも意味してんのか? そんでもって大地讃頌にこじつけて、そいつが限りなく降り注ぐ尊い役割と、自らの仕事を決めつけ自己満足か! せめてもっと詩的な言葉に出来ないもんかね? ≪ユーモア(体液)は死から出る≫ |
3代目ボン・シルバーの汁出 |
この何処が大地讃頌! |
滝の水量が激しいので、 これをただ流水路に落とし 池に流すだけではぜんぜーん面白くない。 そこで仙人は先週から考えに考え、 やっとこさ閃いた。 ボン・シルバー3代目を創り、 激しく水を吹き出させてやろうでは! それには先ず激しい流れを導く 谷からの導水管とホースを しっかしジョイントさせなければ。 |
外径20mmの導水管に、 内径が15mmのホースに 切れ目を入れ、更に 熱して拡げ無理やり嵌め込む。 内径を5mm拡げて やっと導水管サイズになるので、 切れ目を入れても、 熱して柔らかくしても嵌る筈がない。 |
弧を描いて降り注ぐ |
真紅のハイビスカスの夜明け |
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虫の大好物・赤山鳥茸 |
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そこで更にバンドで締めようと 探してみたがどれも サイズが小さくて合わない。 仕方なくサイズの合わないのを無理して 嵌め込み、 どうにか繋げている状態。 従って水流が激しくなると 抜けてしまうのだ。 |
こいつを解決する為 テーパーの付いた 楔型パイプジョイントを 使うことに思い至り、 道具入れを掻き回し探してみたら、 有ったぜ! しかし残念ながらサイズが 一回り大きくて合わない。 野菜発送序にホームセンターに バイクを走らせ、 パイプジョイントを探すが無い。 注文したいが土日はメーカー休み。 仕方なくテーパー部分を鋸で切断し、 導水管に打ち込み、 その楔にホースを嵌めて 針金を巻き付け締めてどうにか、 最初の問題を解決。 次に3代目のボン・シルバーに ホースを通す穴を開け、 ストックのリングに固定し、 |
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偶然にしちゃ出来過ぎだぜ! |
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蔦を絡みつけ見栄えを良くして どうにか完成。導水管の弁を開くと、 龍の頭上より高く設置された 3代目ボン・シルバーの口から、 お見事な噴水。 しかし水流が強すぎて、 落下地点に工夫が必要。 |
虫が着き易い赤山鳥 |
光に濡れたテラスの雌蕊 |
ハイビスカスの蜜を吸う大きな黒揚羽蝶 9月12日(月)晴 直径12cmの花弁よりでっけいぜ! 水流が激しすぎて飛び散り、水路から溢れ出し奥庭に連なる芝桜の花壇が水浸し。 これじゃ折角の芝桜も枯れてしまう。そこで朝から一輪車を押して岩石運び。 重さ数十キロもある岩を見つけて滝下まで運び、落下地点に設置。 どうにか飛び散る水飛沫は抑えられそうだが、芝桜の花壇への浸水は避けられそうもない。 うーん、何かもっといい工夫は出来ないものか! |
前庭の石卓を飾る曼珠沙華 |
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開花しつつある池畔の彼岸花 |
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腕を組んでじっくり 考えている様なポーズをとって、 意味も無くふとテラスに目をやると、 競うようにして咲き出した 3種のハイビスカスの花弁が 舞い上がったのだ。 でも舞い上がった花弁は 真紅でもピンクでも白でもない黒。 あれ、黒い ハイビスカスなんてあったか? |
3代目ボン・シルバー滝の 落ち口問題をそっちのけにして、 テラスに近づくと 黒い大きな花弁の正体は、 黒揚羽では! 直径12cmもある真紅の花弁に、 覆いかぶさるようにして 見事な黒翅を拡げ、花芯に留まる。 夜明けの光が黒翅を透かし、 12本の翅脈を浮かび上がらせる。 |
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早速食卓に飾る |
あたいの蜜も吸っておくれ! |
バッサばっさと音が聴こえそう! 種蒔きだけでは仙人の筋肉労働組合の 諸氏が納得しないので、雨コースの鉄塔山へ。 森の中で雨音を聴きながら登り続けていると、 いつの間にか胎児になって 子宮に降り注ぐ、まだ見ぬ外界の音楽を 聴いていることに気づく。 無数の雨粒の1つ1つが、 聴き分けられぬ呟きを発しながら、 笠を叩き黄色いゴアテックスの防水着を濡らす。 ボタボタと大きめの呟きを投げかけてくるのは、 風に煽られて森の梢から落ちて来た滴。そうかい、 きっとお前は「早くおいでよ」と云ってるんだね。 でも未だ子宮の奴、 入口を堅く閉ざしたままで、 緩む気配無しさ。もう少し待っておくれ! |
雨の匂いがしたので、昨日は 即ホームセンターにバイクを走らせ 蕪、ブロッコリー、玉葱、小松菜、春菊、青梗菜、 大根、ほうれん草等の種を買い込み、 種蒔をしたが、人参とレタスだけは残して置いた。 人参、レタスは雨が続かないと 中々発芽しないのだ。 しかし今朝は雨が降っているでは! 嬉しくなって長靴、ゴアテックスで 完全防水し畑に飛び出す。 ま、人参の発芽は難しいだろうけれど、 冬用のレタスは何とか発芽させねば。 |
深奥部に突っ込み激しく蜜を吸う黒揚羽蝶 |
黒揚羽に吸い尽くされるウロボロス 9月12日(月)晴 いつの間にか、すっかり山荘の心象風景に溶け込み、彼方此方に現れ挑発するウロボロス。 滝の龍とウロボロスが絡み合ったのを目撃した黒揚羽蝶が、黙って観ている筈がない。 やおら口吻を蜜壺に突っ込み、ちゅうちゅう吸いだしたでは! ウロボロスはハイビスカスの紅に染まり、黒揚羽の深遠な闇に呑み込まれてしまうのでしょうか! |
奥庭をキャンバスにアーチを描く≪汁出降≫ |
どうも龍が煩がって、 |
鉄塔から高芝山に架る虹も≪汁出降≫を祝福 |
ま、やってみるっきゃないかと、 いつもの能天気ぶりを発揮して工事開始。 ところが想定外の難問、 アーチを固定する支持棒に ストックを使おうと、 伸縮自在のストックを最大限に 伸ばそうと引いたがビクともしない。 ペンチ、モンキー等あらゆる工具を 総動員して堅く締まっているストックを 緩めようと試みたが緩まない。 悪戦苦闘45分、4本のストックの内 やっと1本が緩んだので、 どうにか固定に成功。 埋め込んだストックが動かぬ様 大岩を運んでしっかり固定。 それからはトントン拍子で あれよあれよという間に完成。 見事な出来栄え。 |
爽快な放射にご満悦な3代目ボン・シルバー |