仙人日記
 
 その126の32016年  皐月


5月3週・・・嬉しそうにアフアフ云いながら光を食べている


チェーンソーの吊上

高ーい大欅の上に殺人兵器なんぞを
吊上げてどうするつもり?
ありゃ、あの重いチェーンソーを片腕で持って、
自分の胴体程もある枝を
伐り始めたでは!

チェーンが外れたり、ちょっとでも手元が狂えば、
顔から胸に殺人兵器が落下し、
大惨事になること間違いなし!

≪男の子はそんなことで、逃げちゃだめだ!
怖くても泣かないでやるんだ≫

穂高の雪壁登攀から帰って来たと思ったら、
仙人め、すっかり幼少に還り
ザイルなんぞ使って又何やら危ない事を
おっ始めたぞ!


危険!重い切断機を片腕


切れ味の悪くなったチェーンを外す

それならば危険であることを充分に認識して、
考え得る限りの保護対策を講じ臆せず
危険な大欅の高所枝切を今、実行すべきである。
新品の切れ味抜群のチェーンソーを

ザイルで吊り上げ、
高さ6mの位置にある太枝にザイルを掛けて
ハーネスのカラビナに結び
落下防止策を講じ、更に高所梯子を固定する。
山荘に引き返せ!

ホームセンターのナフコにバイクを
走らせながら自らに叫んだ。
≪切れ味の悪くなったチェーンソーの刃を
買い替えるのを止めて山荘に引き返せ!≫

しかし引き返してしまったら、ずーっと後悔し続け
結局、再度チェーンの買出しに出かけ
再び危険な大欅の高所枝切を
実行することになるのだ。

 
 
新品チェーンに交換



中庭の躑躅も生き生き
獰猛なチェーンソー

梯子の最上段に立ち
チェーンソーを
片腕で操作するので、極めて不安定。
僅かでも梯子が動くと
バランスを崩し、
最悪の場合にはチェーンソーと共に
ザイルで宙ぶらりんとなり、
切れ味抜群で獰猛なチェーンソーの
餌食となる懼れあり。


忘れられた木蓮の終わり

深山櫻が観てみてと!

鉄塔山の森から石楠花がお出でじゃ!

空木が森を白銀に
さて高所まで持ち上げたチェーンソーの
エンジンをどう始動させるか?
両腕を幹から放し、
左手でチェーンソーを固定し、

右手でエンジンコイルを引き
始動するまで
コイルを引き続けねばならない。
緊張の一瞬が過ぎエンジン始動。

緑葉の光と競う躑躅
すかさず切断レバーを上に引き
チェーンソーを回転させる。
切断すべき太枝は目の前に在り、
チェーンソーを太枝に当てた途端、

大量の木の粉が顔面を襲い
保護眼鏡の僅かな隙間から入り込み、
早くもピンチ。
しかし切れ味抜群で最初のチェーンとは
大違いで、あっという間に切断。



墜落防止にザイルで固定

移植候補場所は幾つもあるが、
他の木々や造形物、例えば
ボンシルバーとの位置関係を考えると
結構難しく、中々決定出来ない。
陶房小屋、山荘原野、林檎畑とかでは
山荘からじかに観賞することは出来ないし。

テラスの山茶花の横がベストと
その位置に立ってみたら、午後からは
山法師と夏椿の影になりそうで断念。
結局最初の
ワインセラー上の前庭に戻り、
地下室のコンクリート屋根から逸れた欅の前を試掘。

君が代蘭がのさばってはいるものの、
どうやらここまでは地中の
セラーのコンクリート屋根は伸びておらず、
花水木を移植出来そう。
花水木の再移植

処で一体何のために
敢て危険な高所の太枝伐りを
せねばならなくなったのか?
実は再移植した花水木の為なのだ。

再移植後、紅葉と琵琶の影になり、
午前中は美味しい太陽を食べられないと解った。
花水木は殊の外太陽が大好きなので、
これではいかん何とか
朝から夕刻まで燦々と陽の降り注ぐ場所に
再々移植せねば!


顔面に木屑が飛び散る 


姫夜叉五倍子の仲間?
姫夜叉五倍子?
(ヒメヤシャブシ)

再移植を終えると既に汗びっしょり。
それから5畝もあるほうれん草畑の
ほうれん草を引き抜き、施肥し耕作。

朝から大仕事だったので
朝トレで扇山の森へ入ると、
芽吹きの森に芯から癒される。
日々緑の色を変え絶妙なグラデーションで
森を飾り、生命讃歌を
高らかに謳い上げる春の森。

森を見上げると垂れさがった白樺の実と
同様な実が生り、
実の上に紅簪状の花が開いている。


池の畔に咲き出した芍薬

垂れ下がった実はよく目にするけど、
紅の花には気がつかなかった。
これなんだろう?
山荘ゲート前のカーブに立つ灌木で
何処にでもあるありふれた木。

直ぐ灌木辞典で名前は
調べられると思っていたが、
灌木辞典、ネットの
双方でかれこれ2時間以上も
調べたが同定できず。
後日、朝トレで山荘に持ち帰り
更に精査。


石卓を飾る芍薬

白い花の姫空木と深山桜は、
前から知っていたが
忘れていただけなので
直ぐ同定出来た。

が、このハンノキの仲間であるヤシャブシの
立ち上がった雌花のような紅簪は
さっぱりわからず。
ハシバミの雄花序も枝から垂れ下がり
よく似ているが、雌花は目立たないので、
紅簪のある木とは
明らかに異なる。


アンネ薔薇の咲く前にと牡丹満開

白銀の躑躅もいいね!

これからはアイリス出番よ!



カタストロフィーの瞬間

それにしても高所での伐採作業が
これ程までに豪快で
危険極まりないアクロバティックであったとは!
林業の伐採死亡率は2013年で
49%(林野庁資料より)とある。正に驚き。

どこか先週の雪壁登攀と似てはいないか!
いつ落下し襲い掛かるかも知れぬ
巨大雪庇を真上に仰ぎつつ
じりじりと一歩いっぽと、より高みを目指す。
やがてカタストロフィーの瞬間。

大地を震わせ落下

数百kgもある太枝が、めきめきと音を立て震える。
20数年の星霜を刻み
山荘に君臨してきた大欅が断末魔の叫びを上げ、
西畑に落下。成功!

まー実際にはそれからの後処理が大変で、
落下した太枝を運べる大きさ、重さに
再切断し森まで運ぶ作業が
延々と続くのだ。

 
数百kgの大欅の断末魔


危機一髪で身をかわす

ま、北回帰線は23度26分、
山荘は35度32分程で12度も違うので
南中しても
日陰にはならないかも知れないが、
大切にするならばそこまで考えねば!

と相成ったのである。
しかし伐って良かった。
イオの窓から眺める欅は太枝を失い
今まさに天空に飛び出しそうな風情

再移植したからには何としても
今度こそ守って来年には
咲かせねばと決意していたが、
再移植した花水木を観察すると、
確かに今は朝から夕刻まで

たっぷり陽射しが在るのだが、
花水木の真上10m程の位置に
欅の太枝が伸びているでは!
これでは太陽が北回帰線まで達する頃には、
南中する太陽は
欅に遮られてしまうのでは?

 
闘いは終わったぜ!


陶房小屋を襲う倒木
子狸との闘いじゃ!

ありゃ!ジャガ芋畑が
掘り起こされているでは!
昨夕散水した時は
全く異常無かったので昨夜、
柵を突破し林檎畑に
侵入したに違いない。

被害は15株で小さな芋は
残っているが大きな芋は
総て食べられているでは!
侵入箇所を調べる為
数百mに亘る林檎畑の柵を
入念に点検。

幅15cmの鉄格子では
子狸や小さい白鼻心などは
簡単に侵入できるので、
鉄格子の下に網を張り
鉄格子の下から
侵入出来ない工夫をしてある。

倒木だけでなく小狸も襲って来たって!

倒木どかしたら歓ぶのは狸か?

鉄格子も突破する狸にゃ負けるぜ!
入れない筈なのだが・・・、
あった、此処だ!
網の破れ目を潜り
鉄格子を通り抜け、
鉄格子の下に敷かれた
野菜残滓で作った
侵入防止の土手を掘り起し、
侵入している。

伐採は狸の為か人間の為か
入念に網を補修し
網の上に石を積み、
野菜残滓の土手を築き直したが
敵も死活問題なので、
必死に侵入場所を探し
再度じゃが芋畑を襲うこと
間違いなし。
 
こちら伐採後の陶房

味を占めてしまうので、
一度狙われた畑は
何度も執拗に狙われ途中で
防衛に成功した試しがない。
つまり今年のじゃが芋収穫は
極めて危うい。
おそらく今週中に総て
食べ尽くされてしまう可能性が高い。

今日から目白に帰るが、
次回山荘に来た時の
じゃが芋畑を観るのが怖い。
悲惨な状態になっていると想像できるが、
これ以上為す術は無いのだ。
うーん、悔しいな! 
 
こっちは狸の棲家じゃ!


小狸の棲む森の新緑が嬉しそうにアフアフ云いながら
光を食べている


昨夕散水と同時に侵入路を点検したら、裏扉をしっかり結わいつけたプラテープが噛み切られていた。
そこで目白で思いついた太陽光灯を扉開閉口に立て、鉄製の車のフォイールと岩で
がっちり侵入路を塞いだ。
今朝、散水に林檎畑に降りてみるとありゃ!
フォイールも岩も太陽光灯も見事に外され、じゃが芋畑は悲惨!



次々と咲き続けるアンネ薔薇

それでは食卓に!
じゃが芋を死守せよ!

子狸め、中々やるではないか!
負けて堪るかと
せっせと扉の補強作業に励む。
未だ無傷のじゃが芋株は
半分以上残っているので、
何とか子狸と知恵比べをして
じゃが芋を護らねば!
しかし西畑や葡萄畑も具に
チェックしてみると、
じゃが芋の根元が掘り返されている。
被害は全畑に及びつつあるようだ。

となると下手すると
今年のじゃが芋は全滅
なんてことも在り得るかも!

草刈してたら薊もたくさん

君って中々お洒落だね!



蒟蒻の花が咲いたぜ!


光を食べている森の中に、
紅の鍔を着けた
大きな槍発見!
いや、ちょっと曲がっているから
大太刀かな。

こいつを畑に立てて
子狸を脅かせたらいいのだが、
きっと子狸の奴
莫迦にしくさって嘲るに違いない。
≪お前の精神年齢は幾つじゃ!
相変わらず莫迦のままだな≫

大太刀で狸汁じゃ!

そうなったら子狸をひっ捕らえて
狸汁にでもしてやらねば!
なんぞと思うだけで、
結局子狸に惨敗して、
すごすご引き下がるしかないかな。

それにしても昨日から今日にかけての
蒼空のまた何と深く澄み切っていること!
森の新緑が嬉しそうに
アフアフ云いながら光を食べている。

 
でかいな、1メートルもあるかな!


子狸、山荘畑に出現!

青梗菜、レタスの収穫始まる
林檎畑の裏扉補強の成果は
果たしてあったのか?
恐る恐る林檎畑に出向くと、
やったー!車フォイールの上に
載せた3つの岩は全く
動かされた形跡も無く、
びくともせず鎮座ましましているでは!

扉の隙間に新たに立てた木が
侵入を阻止し、
その奥にあるフォイールを
動かすことが出来なかったのであろう。


蕪の葉は若い今だけ食べられる

これで一安心だが、子狸は
きっと新たな侵入路をを求めて、
長い林檎畑の万里の長城柵を
うろつき回りきっと
再び侵入するに違いない。

何しろ美味しいじゃが芋が
畑一面に育っているのだから、
食べない手はない。
きっと今頃、親狸に相談して
知恵を授かっているに違いない。


じゃが芋、見っけ!

親狸だって≪もう少し頭が小さければ、
幅15cmの鉄格子を潜り抜けて
あたしが、がっぽり食ってやるのに、
悔しいわん≫ なんて云ってるだろう。

さて今朝も薔薇の棘に刺され
血を流しながら剪定し、
アスパラの陽当りを良くしたり、
里芋の植付、大根播種、胡瓜の播種準備、

 
この芋滅茶美味いぜ!
全畑への散水と大活躍し
颯爽と扇山へ。

ゲートを出るや1mもある
大きな蒟蒻の花に遭遇。
一体いつ咲いたのか
今まで全く気づかなかったぜ。

驚いてカメラを取りに
山荘に引き返したり
撮影したりと
もたもた時間をとられ、
夜明け4時半から
活動開始してるのに
扇山から戻ったのは9時過ぎ。

やっと朝食だぜ!
あんまりお腹が空き過ぎて、
いつも美味しい山荘パンが
いつもより更に美味しく、
神様の特別な贈り物のように思えて、
こうして食べられることに
感謝と感動すら覚えてしまった。
 
山荘の畑最高!

気の早い玉葱を採ってサラダに!

大根播種を忘れその上に蕪種を蒔き蕪大根混在





Index
Next