仙人日記
 
 その126の22016年  皐月


5月1週・・・STAP細胞の頂点を乗鞍岳にしてちょいと、ひと滑り

西穂高岳で雪壁登攀を愉しんでから乗鞍岳へと


3千メートルの素晴らしい斜面にシュプールを描く贅沢!
4月26日(火)晴 乗鞍岳山頂より12時40分グリセード開始

標高1600mの休暇村から標高2450mの位ガ原山荘まで春スキー用のバスが出ているので
この始発8:38に乗ると9:10には位ガ原に着いてしまう。
3月にはリフト終点からスキーにシールを着けてえっちらこっちら3時間も掛けて登る位ガ原に
バスが入ると、スキーヤーが乗鞍岳に殺到する。
従って雪の乗鞍登山を愉しむには3月までと決めていたので、この時期に乗鞍に入るのは初めて。

第3日目 4月25日(火)晴
乗鞍岳へ
活動データ:
16047歩、
11km232m373Kcal

休暇村発 8:38(バス)   グリセード撮影 ~13:00 
位ガ原山荘着 9:10 登山届提出9:30発   位ガ原山荘着 13:50
肩の小屋着 10:50 昼食11:10発   位ガ原山荘発 15:34
乗鞍山頂着 12:20  発12:40   休暇村着 16:00

次の最終バスは15:34なので除雪の終わったアスファルト道路に寝転び、太陽の暖みを味わう。
16:00休暇村着、早速露天風呂に飛び込みビアで乾杯! 



平湯:上高地から下るバスを中ノ湯で待とうと

中ノ湯の滝で乗鞍行バスを待つ
乗鞍岳は山頂から麓まで
なだらかな白銀の斜面。
穂高岳に比べると、
登山技術らしきものは殆ど必要とせず、
危険な場所も無いので、
のんびり登る。

のんびり登っていると
頭の中が閑でしょうがない。
そこで現在読んでいる
≪STAP細胞事件≫の本を通して
一体あの事件は何であったのか
考えてみることにした。
「あの日」 小保方晴子著

真実を歪めたのは誰だ?
STAP細胞騒動の真相、
生命科学界の内幕、
業火に焼かれる人間の
内面を綴った衝撃の手記。


とまあ、大々的に宣伝され小保方晴子の
「あの日」は期待された
STAP細胞騒動の真相を少しも
明らかにせず増冊を重ねているようだ。

乗鞍行バスは無く親子滝でヒッチハイク(親子滝:蔓日々草)

ネットで2万1595円の宿が7200円に!


乗鞍岳山頂直下よりグリセード開始


小保方は今回の騒動の根本原因は
若山のキメラ作製にあると匂わせている。
増殖能力を持つ幹細胞が分裂した結果、
球状の細胞塊スフェアが観察されたとするなら、
スフェアは総ての組織に共通する
スーパー幹細胞(スポアライクステムセル)
存在に繋がるのでは!

地元山梨大学生命環境学部の若山照彦教授が
小保方のSTAP細胞でキメラを
作製したと発表したこともあり、
此処甲州市でも「あの日」は注目されていて、
出版と同時に塩山図書館にリクエストしたが
珍しく既に7人のリクエスト待ち。
2ヶ月待って今回やっと手にしたのである。
 
昼下がりの陽が前方にを落とす



ロビーは広くイベントも行われる

スパルームでは指圧師、指圧器も
このスフェアの培養に成功した
若山の再現実験を試みた小保方は、
増えてきた細胞の形状も増殖能も
ES細胞とは程遠い事を知り、
若山に疑問を抱く。

若山研では胚操作によって作製された
マウスを使った重要なデータを
補佐するためのデータを
「飾りのデータ」と呼び、
結論へのストーリーに合うよう「仮置き」し、
つじつまに合わぬデータは
排除すると不信を述べる。
(101ページ参照)


「捏造の科学者」 須田桃子著


 昨夜から明け方まで
「捏造の科学者」を読み続ける。
万能性に関わる遺伝子Oct-4
(octamer-binding transcription factor 4)が
核心にある。

酸処理をした細胞(STAP細胞)に
Oct4遺伝子が発現したので、
この遺伝子を移植して
テラトーマ(良性腫瘍)を作り、
キメラマウス(2つの異なる遺伝子セットを
持つ鼠)
を作ったが、
どうもこれはES細胞で作ったもの。


画廊のような採光 
 
湯への誘いも洒落てる!
 
脱衣室には疲労回復のクリームまで完備
 
誰も居ないので泳ぎまくったぜ!
 万能性を持つSTAP細胞は
そもそも存在しないのでは?
と「捏造の科学者」は展開していく。
先ずこの訳の分からんOct-4から
調べてみることに。

octamer-bindingを直訳すると
束ねられた8量体(染色体を構成する
強い塩基性のタンパク質ヒストンの構造)

transcription factor
転写遺伝子のことなので、
さしあたり≪8量体転写遺伝子4≫が
直訳になる。



小洒落た摘みが多く
呑兵衛(仙人)には堪らんメニューが目白押し

約40種類の和洋バイキングです。
お料理には、信州の郷土料理などを取り入れたお料理となっており、
定番人気のお造りや天ぷらは日替わりで、
また、信州味噌の味噌汁や塩丸イカ・イナゴの佃煮・花まめ・地元産 長芋・野沢菜漬けなど
信州の郷土料理もご用意しております。
調理スタッフがお客様の目の前で調理する「名物屋台コーナー」では日替わりで、
ベーコンやソーセージ・手羽先の鉄板焼きなどをご提供しています。
(休暇村HPより)




白樺の森では散策ガイドが案内
 
しかしこんな日本語では
意味を成さないので、
やはりOct-4 と呼ぶしかない。
このOct-4 は胎児の幹細胞に
存在する転写因子で、
幹細胞状態を維持し、細胞が分裂し
分化し始めると発現量は低下する。

細胞が”初期化”されると
Oct-4は活動を始め、
(いやその逆でOct-4が活動を始めると
細胞が初期化されるのか
未だ解っていないが)



夜明けに露天風呂に入ったら仏法僧が謳うんじゃ!


遺伝子の情報が読み取られて、
そこに書かれてあるタンパク質が
生成され、胎児(embryo)の発生に
関わる様々な過程や、
生後各細胞によって行われる様々な
仕事を調整する(Molecule of the Monthより)

つまりOct-4の有無が細胞の初期化、
万能細胞の誕生の証しとなる。
そこでこのOct-4にクラゲの蛍光発光を
引き起こすたんぱく質GFP(Green Fluorescent Protein)
遺伝子と人為的に融合させた
Oct4-GFPを合成し、
Oct-4を緑の蛍光色で光らせ、
万能細胞のマーカーとしたのだ。



休暇村前8:36分発

除雪車奮闘中
まーなんと巧妙で
飛躍的な発想であることか!
このGFPは2008年に
ノーベル化学賞を受賞した下村 脩が
発見・分離精製した物であるとのこと。
さてやっとこれで本題に入れる。

この緑の蛍光色の有無こそが
STAP細胞が万能細胞であるか否か
の決め手になるので、
小保方は緑色に蛍光している細胞の
スライドを記者団に見せて、
この酸処理された細胞は
万能細胞であると云い切った。

しかしこの緑の蛍光は
細胞が死ぬ際にも
観られる現象だと云う。
ここから捏造がスタートし、
万能細胞ではないSTAP細胞を使って、
テラトーマ(良性腫瘍)を作り、

キメラマウス(2つの異なる遺伝子セットを
持つ鼠)
を作ったとの発表に至るのだ。
何故万能細胞では無い
STAP細胞でテラトーマや
キメラマウスが作れたのか?


位ヶ原山荘までバス運行

この先の道路右に位ヶ原へのルート

しかし標識は道路沿いに平行してる

道路最先端では除雪中
それは誰かが
STAP細胞とES細胞を
すり替えたからである。
或いは混ぜたからである。

その誰かは小保方晴子でも
理研CDB副センター長の笹井芳樹でも
山梨大教授の若山照彦でも
ないらしいと云う。
何故なら捏造してこの3者が
得るものは何もないからである。
と云うか寧ろ、総てを
失うことになると充分に
知っているからだ。

となると誰が何の目的で
敢てSTAP細胞とES細胞を
すり替えたかである。
正にミステリーである。

剣ケ7峰3026m
2002年に史上空前規模の
論文捏造事件が、
米国ベル研究所の
ヤン・ヘンドリック・シェーンに
よって行われたが、

その捏造事件との比較を
須田桃子は載せている。
不正の舞台、小保方とシェーンの
類似点の考察も面白い。

山頂鳥居

自死した笹井芳樹は小保方に宛てた
遺書の末尾に
「絶対にSTAP細胞を再現してください。
・・・
実験を成功させ、新しい人生を
歩んでください」
と記している。

この時点で笹井はSTAP細胞の
存在を信じていたと
云うことである。

が、自死した2014年8月5日の
あの日から1年6カ月を経て
世界中の科学者の誰もが
STAP細胞の再現に成功していない。

つまりSTAP細胞は
限りなく存在しないのだ。

乗鞍本宮


二重靴を脱いで大地の温もりに身を委ね
4月26日(火)晴 14時28分 位ヶ原山荘で15時30分の最終バスを待ち続ける

片脚を上げて太陽に翳したら真相らしきものが観えた。
小保方は酸性処理したり細いピペットに細胞を通して細胞にストレスを与え、細胞を痛めたりして、
その結果死につつある細胞の蛍光を200回も観て、万能細胞発現と信じた。
信じたものを正当化するための論文のコピペや画像改竄などは、博士論文時代からのお手の物。

若山はお得意の技術を駆使して、小保方から渡された細胞を使って、
キメラを試みたが上手く発現しない。
そこでSTAP細胞が存在するなら、辻褄を合わせようではないかと、ちょっとES細胞を混ぜて
差し当たりキメラを作ってみた。

笹井はSTAP細胞は存在するのに論文の書き方が拙くて、ネイチャーに通らないのなら、
いっちょ、書き方を教えてやろうではないか!
ほら、どうだいこの俺様の腕前は! ネイチャーに載ったろうが!



兎と鴨のキメラ
 ま、真相はこんなところだろう。

それにしても2014年1月の
STAP細胞の報道には
実に簡単に、仙人も踊らされ、
舞い上がってしまった。

当HPにも
その興奮の一端をしるしたのだが、
まさか
こんな結末を迎えようとは!

キメラ剥製



胸踊ることも、血騒ぐことも無く、
恰も、存在そのものが幻であったとしか思えない。
そんな生き方がお前に許されるのか!

山荘主は見習い仙人を決意し、最後の鮮やかな真紅の薔薇を
夢見るようになった。
さて、その真紅の薔薇を得るにはどうしたらいいのだろうか?

あれ、変だな。確かこの雪壁登攀が如何に躍動する生命活動そのものであったか、
述べるつもりだったのに、真紅の薔薇は消えてしまった。
それどころか翌日の乗鞍岳山頂では、すっかり真紅の薔薇は姿を潜め、
STAP細胞なんぞが位ヶ原を徘徊し、仙人自身がキメラに憑依し、
大地に寝そべり何やら妖しいオーラを発しているでは!

つまり穂高の雪壁登攀は、シーシュポスの神話でしか無かったと云うこと。
となると見習い仙人はこれからも、真紅の薔薇を追って、永劫の旅を続けるって訳か!
永劫の旅が終わらない限り、見習い仙人の見習いは取れないんだな!

神々のプロレタリアートであるシーシュポスは、
無力でしかも反抗するシーシュポスは、
自分の悲惨なあり方を隅々まで知っている。
まさにこの無残なあり方を、かれは下山の間中考えているのだ。



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