仙人日記
 
 その124の42016年  弥生


3月4週・・・大地を捏ねて歓びの叫びを曳き出せ!


イオの部屋の君子蘭も満開になりました!
3月22日(火)晴 2階イオ

それなら代わりに初散歩をしてあげよう。何処に行こうか?
そうだ、長ーい長ーい改修工事をして生まれ変わったばかりの細川越中守の下屋敷にしよう。
あれっ!水琴窟が在る。地面に竹筒が刺さっていて、
水を入れて耳を当ててみてくださいと書いてある。

小さな竹の柄杓で水を注ぎ入れ、暫くしてから耳を当てると、
得も言われぬ摩訶不思議な音色が大地から響いてくるでは!
最初はボトン、ボトンと確かに地中深くに水が落ちるような音でした。
やがて強く張った金属弦を弾く様な不連続な高音が、
カオスから生まれた大地の女神・ガイアの体内を巡り、
ソプラノになって大地讃頌を高らかに謳い始めたではありませんか!



手水鉢左の水門に水を注ぎその左の竹筒に耳を当てる
細川越中守の下屋敷の水琴窟
 



山荘水琴窟

山荘の石卓の下にある水琴窟は深さが4メートル程もあるので、
低音で共鳴音は増幅され竹筒を差し込まなくても、水琴の優雅な音色は地上に響く。
この水琴窟の正体は実は排水の為のマンホールであり、
排水ポンプが作動し残留水量を常に理想の水琴窟に仕立て上げていたのだ。

数年前このポンプが漏電を起こし残念ながらポンプを撤去し、
自然排水に変えてしまったので水量調節が出来なくなり、水琴窟の音色は途絶えてしまった。
単純な構造なので奥庭の滝を利用すれば、
山荘水琴窟は復活出来そうだが、畑や森、庭の手入れだけでも人手が足りず、
陶芸活動に当てる時間も取れない現状では、ま、無理でしょう!
暫くはこの目白の細川越中守の下屋敷の水琴窟で我慢しましょうかね。




箸置きに水仙を

紅白梅に見惚れてビアを愉しむ

山茱萸もいいね!

あー、長ーい眠りについていた
ガイアは今、目覚めたんだ!
と気づきました。
機能を失い活動することを
忘れていたガイアの肉体は、
確かに動き始めたんですね。

ガイアに抱かれて、深い森や
屹立する山稜を駆け巡る日が
再びやって来る予感!


≪本当の心の中は物凄くblackです≫
 ・
そう云って耳を塞いでも、
小さな滴は
光の閉ざされた壺の漆黒を
切り裂いて虚空の海に突入を試み、
その衝撃音をガイアに共鳴させ
大地讃頌を
高らかに謳い続けるのです。


パンジーも忘れないで!

春を謳う復活シクラメン
もっと素直になって
両手を耳から離し
大地讃頌に耳を傾け、
心象を蝕むblackと
真正面から対峙すべきです。

もしや存在の本質が
blackであるとの
認識が無いのでは?

ばら肉の様な薔薇の霜降椿でーす
≪闇の海が
ひたひたと打ち寄せ、
寝室がノアの方舟になって
虚空に漂いだす瞬間を、
固唾をのんで待っている≫


と敢て記したHPのメッセージなんぞ
全く理解せず、
唯おろおろと
嘆いているだけなのでしょうか?

ふんふん、木星にも合うね

咲き出した白銀の椿



大地讃頌を謳おうぜ!


母の胎内を想わせる懐かしい土の匂い
先ずは軽く畑仕事を
3月20日(日)晴 山荘畑

大地を寿(ことほ)ぐ音色、
いつか何処かで聞いたことがあるはずと
記憶を辿ってみても思い出せません。
この耳で確かに聞いたはずなのです。
この耳で聞いたばかりか、
その音は私の身体と共鳴したのです。

今思い出しただけでも
陶然となってしまうのです。
でも何処で聞いたのか思い出せません。
記憶にはあるのです。
本当に聞いたのでしょうか?
何とか思い出したいと、
外を見ておりますと、一羽の美しい蝶が
夜の山荘森へ
翔んでいくのが見えました。

私は行かなければならないと思いました。
私は森への扉を開けてみました。
月明かりが足元を照らす中、
雪に濡れた落ち葉を踏んでみました。



靴の裏に落ち葉や湿った土が付いて
一足毎に靴底は厚くなっていきました。
でもそんな事はちっとも気になりませんでした。
月に照らされた森の樹と樹のよい匂いが
私を奥へ奥へと誘うのです。

大地を寿ぐ音色の記憶を
辿るために来たはずでしたのに、
私はその事を忘れてどんどん進んでいきました。
もう随分歩いています。

出ていた月ももう山の端に
沈んでしまったようです。
目を開いていても、瞑っていても
同じくらい真っ暗です。
そこで私は
やっとおかしいと気が付きました。

塩山駅からジョックで山荘に着いたら百姓だぜ!


大地の音色を奏でる五線譜

耕す程に豊饒な大地に
こんなに真っ暗なところを
歩ける訳がない、
それよりも私が息をきらさず
こんなに長い間歩ける訳がない。

最近、現実と非現実の境が
分からなくなっていたのを思い出しました。
でも私はもっと奥へ
行きたくなったのです。
一人で行かなくてはと思いました。


この森が記憶の森なら、
大地を寿ぐ音色の記憶は
この闇の森の何処かにあるでしょう。

もしかしたら、愛犬の舞瑠が
闇の中から鼻を
擦り寄せてくるかもしれません。
そして記憶の森が
何処かで宇宙の闇と繋がっていたら、
大地讃頌の音色も
聞こえくると思うのです。


えっ、馬淵君!
いつから詩人になったの!

命を孕む畝作り

さあ、謳え大地讃頌を


もう駄目だ!これ以上てないぜ

春にわれてグングン育つパセリ
≪宇宙全体の
物質エネルギーのうち、
74%が暗黒エネルギー、22%が
暗黒物質で、
人類が見知ることが出来る
物質の大半を占めていると
思われる水素やヘリウムは4%≫
(wikipedia)


との宇宙背景放射を観測する
WMAP衛星の
観測結果が示している様に、
宇宙の一部である人間の
本質の96%がblackで有っても
何の不思議もありません。


であるならば
真正面からblackと対峙し、
光の閉ざされた地中の壺の中で
大地讃頌を高らかに謳い上げる
小さな滴になってblackを
弄んでやろうではありませんか!

疾うに気づいているとは思いますが
blackと拮抗し得るのは
生命活動のみ。

春の光を吸い込んでクレソン色付く

紫の妖しい光を放つじゃが芋



あたしも食卓に連れってって!

そして大地讃頌こそ
生命活動のオマージュと気づいてしまえば、
あとは如何に上手く
blackを手玉にとるか、との技術論だけ。

一筋の光も通さぬ水琴窟の中で、
漆黒の闇に些かもたじろぎもせず
ガイアの肉体に深く食い込んで、
高らかに大地讃頌を
謳い上げる
小さな滴の何と凛々しいこと。 

 

美味しい白菜も咲きました
 
冬の間も咲き続けた白芝桜
 
牡丹も芽吹きました
 
遅ればせながら紅芝桜です

食卓に嫁いだあの娘より美人になりたい 
そんならいっその事、
雪森のレストランに舞瑠と一緒に
招待してあげよう。
どうして今までそんな簡単なことに
気づかなかったのか!

でもって異邦人・ベルベル人の
ハファの座っている画像を探したのだが、
どうしても見つからない。
ま、どうしても見つからない時は
ミズ イリザコフにお願いして
特別出演してもらおう。
 
先週は雪の花弁を着けたんだよ


大地を捏ねて歓びの叫びを曳き出せ!
3月20日(日)晴 轆轤室 突如侵入者の作陶

そうすればあんなにも熱望していた森のレストランでの愉しい食事が出来るんだ。
そんなことを想いながら昨日からの鹿威しの調整をしていたら、
地獄耳の馬淵君が聴きつけて早速メールして来るでは!
「これから行きます。昨夜からビーフシチューをごとごと煮込んで作ったので持って行きます」
 ・
どうやら先日、横浜マラソンに出て5時間18分で完走してすっかり体力に自信を着けたらしく、
山荘活動にやる気満々なのです。
ほんなら車で迎えに行かないから、塩山駅から走っておいで!
と云ったらほんとに走ってやって来たのです。



轆轤上手いな!ぼく敗けそう

先に帰った仙人がお風呂に入って、
テラスに御馳走を並べて
良く冷やした山荘ビアを出したら、馬淵君が
グッドタイミングで帰還。
これでどうにか森のレストランは、
ハファの画像を借りてこなくても開業出来そう。

あれ、この日記何だか変だな、
ピーマンだな、と誰かが呟いている様な!
そーか、やっぱ変か?
きっと突如侵入して来た馬淵君と
あっちゃんのせいだ。
お彼岸なので牡丹餅を作った。
馬淵君に食べさせてから、先ず中畑の雑草取りと畝作り。
其れから轆轤室でたっぷり陶芸して、
窯小屋の灯油タンク、居間ストーブタンク、給湯タンクに
140㍑程給油し、いざP2峰から扇山への
愉しい縦走散歩。

稜線まではどうにか着いてきた馬淵君、
「足が痛いよー!」と嘆きながらずんずん遅れ、
遂に見えなくなってしまいました。

 
それじゃちょっと特別参加で


変梃りんなもの創り出したな!

でかい!何じゃこりゃ!
採りたて山荘ほうれん草を
たっぷり入れて作った
熱々牡蠣グラタンが美味しくて、
あっという間に食べ尽くされてしまったが、
馬淵君の作った
ビーフシチューはテーブルの
中央に残されたまま。

肝心のビーフは芯まで
レンジの熱が届いておらずシチューも
味が雑で深みが無い。
添えてあるブロッコリーに
絡めて食べたが、、
慌ててビアで流し込む。


「まー食えなくはないか。
が、残りは馬淵君が
責任もって全部食べろよ」 
調理人にとっては死刑宣告に等しい
無慈悲な仙人の酷評にめげず、
馬淵君は怒りを隠して笑顔で
「ハイ、全部食べます」と
応えるのでした。

でも仮借なき酷評を流石に
云い過ぎと思ったか、
更に加えた言い訳気味の仙人の一言。
それが馬淵君を
心底、打ちのめすのでした。

作為の無作為だって!

夕陽が落ちると愉しい山散歩でーす


Blackはどっちだ!Blackには観えぬ爽やかな笑顔の馬淵君!
3月20日(日)晴 ホントのBlackはちょっと指の長すぎる仙人では?

≪調理は山荘活動のメインテーマの1つ。
お世辞や外交辞令で美味くもないものを美味いなんぞと云ったら、
いつまでたっても調理の腕は上がらない。
ヒマラヤでは食えないような不味いものを作ることは、犯罪に近い行為なんだ。
日本から飛行機で運ばれ、更にポーターに背負われベースキャンプまで運ばれ、
其処から高所キャンプへと隊員によって担ぎ上げられた貴重な食材を使って出来た料理が、
不味くて食べられなかったらどうなる?

それでなくても高所キャンプでは低酸素、低温に激しい疲労が加わり、
食欲の衰えは酷い。美味い物でさえ、喉を通らないのに不味かったら最早致命的。
高所キャンプに居る隊員にとって食事は死活問題と云っても過言ではない。 



馬淵君のビーフシチュー
此処はヒマラヤではないって!
そりゃそうだ。
しかしその心構えで調理に臨むことが
山荘活動のテーマの1つなんだ≫ 
こんなこと云われたら誰だって、
もう山荘活動なんかするもんかと
思うのですが・・・。

こんな風に云われ続け20年にもなるのに
何故か馬淵君は、
せっせと調理に勤しみ
山荘通いを続けるのです。

山荘人参、パセリの海老和え

馬淵君が山荘シェフと
認定されるのはいつのことやら!
でもね馬淵君、心配は要らないよ。
山荘の隠れたる
Ng(ネットぎらい)会員には、
今回のビーフシチューとは

比べもんにならない餌としか
思えない料理を作り、
数々の失敗を重ね続け、尚平然と
「ま、食べられなくはないわね」
と抜かす味音痴の輩が居るのだから。

山荘ほうれん草の牡蠣グラタン
味覚は言語のような認識手段の1つ。
味覚の違いは、延いては
世界の認識の仕方にも
繋がると思わないかい?なーんちゃて!
(何を偉そうに、仙人なんて、
究極の味音痴の癖して!)


若しかしたらこれって、
仙人に有るまじき馬淵君へのいじめと
受け取られかねないよ。
もっと馬淵君を励ましてあげなくちゃ!

実は
≪馬淵君も物凄くblack≫
なんです。
あんまりblackだ、
blackだとメ―^ルを
送って来るもんだから
先日もこんな
激励メールを出したのです。

闇に落ち込むだけだから、
blackの要因は
強烈な意思で

Que Sera, Sera
ケセラセラ)
と笑い飛ばすべし。

扇山の檀香梅がビャクダンの香を運ぶ

 いつ切れるか解らん
契約社員に比べ、
俺は正社員だぞ。
 
未だ40代の若さだぜ。
俺には合気道があるぜ。
 その気になって
本気で取り組めば、
結婚だって出来るし。
 
 
 
とまあ、①から④まで
薔薇色の人生ではないか!
馬淵君!

山荘野菜の煮物
昨夕、扇山の頂を
ちょっと下ったところで予期せぬ転倒。
 木の根に乗って滑ったか、
躓いたか解らんが
とにかく転ぶなんて想定出来ない斜面。

左肘にピンポン玉大の
内出血した瘤が生じ、
転倒直後はかなりの痛み。
今年に入っておそらく
初めての山での転倒なのでは?

定番のタン、ハツの茸ボイル
記録をみると1月が25回、
2月が35回、3月が
昨日までに22回と計82回の
山トレをしているが、
これだけ山を駆け巡っていて
1回だけの転倒だけで
済んでいるなんて奇跡じゃ!

というのも山荘周辺の山は
小倉山を除けば、
登山道が在る訳では無く
殆ど獣道に近く、枯葉に覆われた
岩、木の根、樹木が
行く手、足元を阻み危険な
転倒条件が揃っている。 
 
食後は出来立てホヤホヤの牡丹餅
しかしこの何でもない扇山斜面での、
唯1回だけの転倒に落ち込んだ。
村上の様に複雑骨折し、
難しい2回もの手術を
余儀なくされることになっても
なんら不思議はないからだ。

で、今朝もう一度扇山に登り
転倒現場を検証。
どう観ても 危険な要素は見当たらない。
 多分いつものように、
あらぬことを考え乍ら下り始め、
足元の木の根や岩に全く
注意散漫だったのだろうな。


青梗菜の菜花にラップされて山荘は蜜に濡れてます!
3月22日(火)晴 西畑からの山荘

それでも今まで転倒しなかったのは、転ぶ瞬間に反射的に防御態勢を取り、
更に未然に転倒を防ぐ能力が稼働していたからなのだ。
その能力が昨日は転倒を防げなかった。
と云う事は老化の更なる進行以外に、転倒理由は見いだせないのでは!

と落ち込んだのだが即、考えを改め立ち直ることにした。
これから益々登山に励み、転倒経験回数を増やすべし!
大いに転倒し転倒のエクスパートになって、精々怪我の程度を小さくするしか、術は無いのだ。 
とまあ、いつものように能天気で身の程知らずの仙人は(おもんぱか)るのであった。

つまり ≪本当の心の中は物凄くblackです≫と叫んでいるのは、
仙人そのものであったとの、お粗末な今週の結論だったのでしょうかね。


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