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その124の3ー2016年 弥生 |
3月3週・・・咲いたぜ!水晶の花が!
水晶の白梅を生み出した夜明け 3月15日(火)晴 奥庭6時40分 闇の海がひたひたと打ち寄せ、寝室がノアの方舟になって虚空に漂いだす瞬間を、 固唾をのんで待っている。 妖しく芳醇な香りを放つ梅の樹の下で鹿威しの岩を叩く重く鈍い音が、梅の香と共に 雪の虚空を震わせ微かに響いてくる。 舫いは解かれ、方舟は湿った雪の降る虚空へと旅立つ。 ・ 方舟に乗せられた生命が救われることは決して無いと知りつつも、 一縷の望みを託して、闇が引き帰港した払暁の方舟を迎える。 船底に生命は無く、底知れぬ漆黒だけが口を開いていると堅く信じていた眼に 飛び込んできたのは、≪水晶と化した白梅≫ さては、妖しく芳醇な香りを放つ梅と、湿った雪の奴め、企んだな! |
前庭の夜明け |
小倉山から6時51分の太陽 |
待ちきれずにそっと 寝室のカーテンを開けて 覗いてみた。 夜明け前の富士が 僅かに藍のシルエットを纏い、 漆黒の天空に在った。 ・ 地表を覆い尽くす新雪が 天空の闇を照り返し、 仄かな光を孕んだ闇を 去り行く雪雲と共に 更に追い立てる。 ・ 光を孕み僅かに潮騒と潮の 香りのし始めた闇の海を カーテンで閉じ、朝の筋トレと ストレッチに集中。 |
雪の桜が満開(前庭の落葉樹) |
汗を吸い込んだTシャツの上に ゴアテックスを着込こみ、 カメラを携えて 光煌めく新雪の世界に 飛び出す。 ・ 雪に包まれた紅梅に カメラを向ける。 紅梅の直ぐ上に聳える 大きな梅の木には、 凍てつき氷柱を従えた白梅が 重そうに枝を垂れている。 やっと咲いた水仙が 雪の中から濡れた顔を覗かせ、 何だか 泣きべそをかいている様な。 |
紅梅の叫び 助けて!重くて落ちちゃう 3月15日(火)晴 奥庭6時39分 花心を隠すように紅の唇が、震えつつ落とされる予感に慄く。 凍てつく仕打ちに遭うことを知りつつ、 それでも敢えて虫達の生殖から離れた早春に、唇を開いたんだね。 冬越しする寒さに強い赤立羽蝶だって、こんな日には決して蜜を吸いに来ることは無いのに 待っているんだね! ・ 命の証しとして蓄えた花唇を濡らす蜜が、生の歓びを讃歌するアリアを聴くこともなく、 落ちてしまうなんて! |
山茱萸も雪塗れ |
奥庭の白梅 |
雪がやや深いので 登山靴はやめて長靴にして、 さあ、雪の森へ出発! 統べての葉を落とし 空をパッチワークにして 遊んでいた細い枝が、 |
ボン・シルバーも雪化粧 |
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今朝はすっかり雪化粧し 水晶になって光を散乱させる。 見慣れている山荘の 雪景色なのに、 初めて雪の森を観たかの様な 新鮮な歓びが満ちて来る。 |
白い花弁に白い雪 |
雪のトッピング(山茱萸) |
どう 水晶の花弁も悪くないでしょう!と一番咲水仙 3月15日(火)晴 奥庭6時53分 そーりゃ、観ていろよ! 仙人の奴めきっと、頭ん中ショートして火花パチパチ散らして訳の解らん事、喚きだすぜ! ボン・シルバーの予言通り、妖しく芳醇な香りを放つ梅と湿った雪に惑溺させられ、 水晶の花弁で装った水仙の 余りにも清楚で透き通った痛々しいまでの美しさに、逆上せ上り仙人はすっかりノックアウト! ・ そう云えば確か水仙は、実は仙人なんだとか! 仙人の想いが積もり積もって妄想となり、いつしか想いが現実と交差してしまったのかと思いきや、 何と中国の古典に由来してるとか! 曰く、≪仙人は、天にあるを天仙、地にあるを地仙、水にあるを水仙≫ 仙人の遥かな前世はナルキッソスだったりして? |
紅梅 |
蕗の薹 |
白梅 |
なごり雪前の花々 3月13日(日) 山荘庭 |
仏の座 |
咲き誇っている山荘の花を HPに載せて 届けてあげようと、 奥庭や前庭、畑でパチリ、パチリ。 若しや慌てん坊の 春蘭や春竜胆が咲いては いないかと、森まで出かけ撮影。 ・ その2日後には 雪で覆われてしまった花々。 |
白菜 |
大犬のふぐり |
山茱萸 |
ほっ!堪らんね!この雪の感触 3月15日(火)晴 山荘の森から扇山へ 雪が降った。 20℃を越える日が続き、もう雪の出番はないだろうと思っていただけに意表を突かれ、 失念された季節が突かれた意表に牙をむく。 そうだ未だ早春の3月で山荘では雪が降って当たり前。 俄に現れた雪の森に嬉しくなってずんずん森の奥へと逍遥。 さて森の奥はどんな顔して待ってるかなと、 倒木や立ちはだかる岩を超えて深奥部へのアプローチを試みたが、途中で断念。 |
生まれ変わった扇山峠への道 「山荘で見る雪は これが最後ね」とさみしそうに君がつぶやく。 なごり雪も降る時を知り、 ふざけすぎた季節のあとで、今春が来て君はきれいになった、 去年よりずっときれいになった。 |
雪が呟いたのだ。 「これ以上観ないで。ほら、もう殆ど解けかかっていて あのキラキラした白銀の肌は 何処を探してもありはしないでしょう!」 そうかなごり雪も降る時を知っていたんだ。 そう云えばそんな歌をいるかが歌っていたっけ! |
胸躍るラッセルじゃ! |
これマジに山荘の庭の続き? |
夜明けの太陽に胸を射られたぜ! |
繊細で微妙な新雪の味わい |
キックキックトントンと 小狐の紺三郎になって足踏みしながら 雪の原を下ると、 目の前に市松模様の雪を着けた檜の森。 ちらちら、チラチラ織りなす白と緑の 森がひゅーっと時を吸い込み、 |
てっぺんもふかふかの雪(扇山の頂) |
瞬きしているうちに64年が 呑み込まれてしまったでは。 するとどうだ、「ぜんまい」に登場する ベルベル人のハファのように ずんずん小さくなって、 君はきれいになったでは! |
雪森の彼方から太陽が! |
薔薇に染まる森 |
太陽と雪の交歓の歌が聴こえるぜ! |
一瞬にして終わってしまった雪森逍遥を惜しむ (見上げた雪森に懐かしい山荘レストランが観えるでは!) |
ようこそ雪森の山荘レストランへ! 3月15日(火)晴 甦った舞瑠とMs Илизаров(ミズ イリザコフ) なーんだ、暫く姿が観えないと思っていたら此処に居たのか! 舞瑠と待っていてくれたんだね。 今朝は水晶の花が一斉に花開いて、山荘はまるでお花畑、欅も小楢、柿の木や林檎の木まで雪の花を付けて、 朝日に染まってすっかり満開の桜になって、それはそれはお見事! ・ さあ、それでは今朝は特別によく冷やした山荘ワインと、 山荘の人参をたっぷり入れた焼き立てのパン、いつものホットな山荘とんもころし、枯露柿なんぞで 雪森レストランでの会食を愉しみましょうか! それでは満開の水晶の花々に乾杯! |