仙人日記
 
 その1214ー2015年  師走

12月4週・・・命の揺籃に身を委ね、歓びの嗚咽を漏らす薔薇

大晦日交響曲をでるテラスの無人譜面台
観衆は放射霧と太陽 12月31日(木)晴 テラス

干柿場から前庭の石テーブルに柿を運び、
紐を切断しキッチンペーパーで1個1個包み箱詰めにする。
そう大変ではないと高をくくっていたが、どっこい400個ともなると、半端じゃない。
最初は食べ易いように柿の蔕を切り落としていたが、どうも見栄えが悪い。
そこで蔕を切ってしまった柿を山荘用として没にし、新たに蔕を着けた柿を箱詰めやり直し。
黴にやられてはいないかも厳しく チェック。

白い黴が柿表面の襞の奥に観られるが、これは枯露柿本来の善玉白黴。
試しにその部分だけ食べてみたが、蟹臭さも無く、味も変わらず。
今朝も続きの箱詰め作業を行う。計12箱(300個弱)。 
その後広瀬柿とロバートブラウンを持参して広瀬宅を訪問。
雨が降り続き畑仕事、山トレーニングもやめて枯露柿発送作業。


山荘の森

からの贈り物


さあ、枯露柿の収穫だ!

2015年12月22日収穫

枯露柿は冬将軍の進軍ラッパを聴いて育つんです。
処が例年11月には高らかに鳴り響くラッパが今年は
全く聞こえず、やって来たのは暖かい南風と降り続く雨ばかり。

山荘の太陽がいっぱい詰まった
枯露柿を贈ります。
夏の太陽で育ち、冬の陽で蕩ける蜜になり
とても甘くなりました。

 
いつもより小さいけど甘みはどうかな?



大皿で日向ぼっこ

蒼と枯露柿コラボ
最初に仕込んだ700個の柿は全滅。
でもめげずに2回目を仕込み、
やっと枯露柿完成。

汗と涙の結晶です。
お召し上がりになった感想など
以下のHPの
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お寄せ頂ければ幸いです。
http://www.geocities.jp
/upiter4773/20150606/

検索:新仙人日記でも開けます

柿ゼリーをヨーグルトに

暖かすぎて甘み不足

放射冷却による霧が山荘に迫る
 12月31日(木)晴 テラスより

結野楯夫西洋美術史教授に降臨したGODに成り代わり仙人は語る。
「と云うことは16の薔薇は朝な夕なに2度も花開くのだ!
そして7つの頂を深く胸に抱いて、2016はプロローグするのだ!
総ての知慧、叡智を総動員して、深遠な道理を悟る薔薇を大歓迎しよう!」
 いやはやこりゃ面白いことになってきたぞ。



葡萄畑南柵際のマルチ

延々と穴掘り計120個 

お化けのような巨大小松菜
「モナドの領域」のモナドとは確か
≪ライプニッツが著書『モナドロジー』
(『単子論』とも)において
提唱した哲学上の概念≫で

数学では無限小や無限大という
極限に関する古典的で
直観的な感覚を扱う
超準解析(Nonstandard analysis)の
超実数の集合。
こいつを基盤にして、
冒頭の河川敷で発見された片腕が
何を語るか、
知を総動員して死にかけた薔薇を
咲かせようと、筒井康隆は 勃起するのだ!
面白くない筈が無い。
知を俯瞰し自在に操り
モナドの薔薇を咲かせるなんて、
筒井康隆ならではの神業。
 
息抜きに作陶を
 
すっかり轆轤に慣れて


青梗菜が春と間違えて咲き出す
 

これじゃまるで冬山で
ピッケル握っているのと同じじゃ!
元旦は晴れそうなのでダイアモンド富士の
初日の出を観る為に
竜ヶ岳に行こうかと思っていたが、
この程度の寒さでオタオタしていたのでは、
とても竜ヶ岳なんて無理。
思えば随分ひ弱になったもんだ。
最低気温を更新したかと思った程
寒かったのは、バイクに乗ってゴミ出ししたからか!
卓上の最低気温記録計を観たら
28日のー3.3℃を下回ってはいなかったが、
(実はこの日の最低気温はー4.7℃であった。測定ミスと判明)
バイクに乗ってると指先がチンチンして、
冷たいのではなくて痛いのだ。

暖かい日が続き畑に菜花が 



大きな冬季保存大根 

白菜、大根の漬物試食 
竜ヶ岳なんてハイキングコースだぜ。
標高1485mだから山荘の
扇山や小倉山よりちょっと高いけど、
山頂まで2時間で
達するコースは緩やかで
ルンルン気分で登れる初心者向き。
となったら矢張りここで
日和ってはいかん!
元旦登山を竜ヶ岳にせねば!
中央高速を使えば
山荘から竜ヶ岳登山口まで
1時間半で行けるかな?
昨夜は桜木志乃の「凍原」、
筒井康隆の最新作
「モナドの領域」を読み耽る。

余りの美味しさに2回目の漬物作り 

ありゃ!忘れていたブロッコリーが 



氷マリンバをでる凍てつく滝 

最後の長編と銘打って出版された
「モナドの領域」は、
相変わらずのペダンチック仕立てで
美貌の上代真一警部、
奇矯な行動を繰り返す美大老教授が登場し≪GOD≫が降臨。
参考資料がトマス・アキナス
「神の存在の真性について」やウンベルト・エーコ
「トマスの美学・超越的特質としての美」、G・W・ライプニッツ
「必然的真理と偶然的真理」等であることから、
この作品の詭計は透けて観える。
冷たい水で腐ることも出来ない植物が、
泥と一緒に積み重なって
巨大な浮島となった釧路湿原に消えた、
当時10歳だった弟。
64年前のパンドラの箱を開けて
殺されたのは誰か?
2009年の作品だが、ふーん、桜木志乃は
こんなもんも書いていたのかと、
云う程度で登場人物の深みに乏しく物足りない。


夜明けの光を浴びてう氷  



氷のマリンバと共に謳う薔薇 

オレンジのワンピースに包まれた花心は、

生殖との乖離を超越して、

命の揺籃に身を委ね、歓びの嗚咽を漏らす。

そんな風にして貴女は、

遥かな時を駆け抜け、命を追い続けたのですね。

左花唇を充血させ、

間近な終焉を真正面に見据えながらも、

怯えることなく、

真紅に咲き続けようと、冬陽を貪る薔薇。


春から冬まで咲き続けたアンネ薔薇との別れ  


そんな貴女の為に、

森で深い眠りに

就いていた鹿角と

氷のマリンバを聴きながら

揺れていたルビーで、

リースを造ってあげましょう!

さて、どんなリースが

貴女に相応しいのでしょう。

謹賀新年さらば!2015年 
想いだしてください。

大きな翅で

鳥のようにバサバサと

羽ばたき

濡れた花心に命を注いで

くれた大紫蝶を!

あの時の歓喜を、

紅の宝石に託して、

ハートのリースは如何!

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