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その121の1ー2015年 師走 |
12月1週・・・夜明けの歌が肉体の深奥から微かに微かに響いてくる
大根の仲良し陽向ぼっこ 12月1日(火)晴 ログハウス グリーグ作曲の≪ペールギュント朝の気分≫が聴こえてこないかい? 聴こえてこないって? ほら、よーく耳を傾けてごらんよ。 そうそう右の高芝山に掛かったバイオリンがさ、ペールギュント4幕13曲Morgenstemningを 風に弾かせているのが、微かに聴こえるだろ! ・ 澄み切ったフルートやオーボエに第二バイオリンが、ハーモニーの内声部から湧き出でて、 しっとりと絡み合う。 何だって!≪あたしフルートになりたいって!≫、大根の分際で? そりゃ無理だね。もっと細くキンキンに堅くなって、澄んだ高い音が出せるようにならなくちゃ! まっ、精々大根役者になって精神病院で、皇帝を演じるペールギュントにでもおなり。 |
葉を着けて干すと落ちないかな? そりゃ実に呆れる程単純な理由なのさ。 仙人のベッドに置かれている プレーヤーにセットされてるCDが2年前から 変えられていなくて、 そのトップにこの≪ペールギュント朝の気分≫が、 入って居ると云うだけのことさ。 ・ 夢見がちで自由奔放な男ペールが、 大金持ちになって 朝起きるてみると宝はすべて奪われ 砂漠にひとり残されていてね。 すっからかんになった仙人の心象風景に 静かに流れる音色は 恋人ソールバクそのものだったのさ。 |
ほら、葉を切ってしまうと 大根がずっこけて落ちてしまうでしょ。 それに大根の葉も一緒に 沢庵漬けにすると風味が加わって美味しいし。 ・ でさ、大根なんか観て どうして仙人は≪ペールギュント朝の気分≫ なんだい? |
今にも落ちそう?! |
小倉山を観ながら陽向ぼっこ |
アイスバイルにも1つ |
先ず1段目は軒下へ |
果たして大根は陽向ぼっこしてて 気持ちいいのだろうか? そんな訳無いのに 大根に呟いてみる。 ・ 「 いい、気持ちが良いのは 観ている奴だけに決まってるでしょ。 つまりあんただけ」 仙人は大根の怒気に触れしょぼん! |
何が≪仲良し陽向ぼっこ≫よ。 大地に抱かれ、 天空の真珠の滴を全身に浴び、 体内に吸い込んで 初めて命の歓びに触れるのよ。 ・ あたしたちはこれから 乾涸びた皺くちゃ婆あになって、 沢庵和尚に喰われちまうだけ。 気持ち良い訳ないでしょ。 |
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井桁に組んで壁にも |
皇帝演じる大根役者勢ぞろい |
大根脚に悩殺される仙人 12月1日(火)晴 活動日記より 高が、井桁に組んで吊るすだけの単純作業が、どうしてこんなにも面倒なのだ? きっと目から鱗が落ちる様な簡易明瞭な紐の組み方が有る筈。 そう思ってあれやこれや試行錯誤。 太くて重い大根などは1本吊るすだけで、紐に重力が掛かり縛らないで置くとずっこけてしまう。 一々縛ってから作業すると時間が掛かる上に、 採り込むときに再びその結び目を解くか切断せねばならず、更に手間がかかることになる。 なんとか結ばずに大根を井桁に組むことは出来ないか? ・ 先ず大根を二重巻きにし、上からの紐に2回巻き付け下におろし2本目の大根も同じように処理し、 そのまま大根の片端のみの固定を続け、紐の終わりで大根を結ぶ。 こうすると不安定な片端固定でも、大根はあまりずっこけない。 もう1本の紐で同じことを繰り返すと両端が固定された大根井桁が出来上がる。 まー大根の長さ、太さによってバランスが異なり簾のような綺麗な井桁には程遠いが、 まーこれで何とか干すことは出来るでしょう。 (地、森、山、読より) |
大根屋敷の完成じゃ! 大根役者だなんて嗤ったな! 幾ら食べても中たらないから、幾ら演じても中たらない役者と同じだって! 幾ら食べても中たらないのは、膵液や唾液に含まれる消化酵素アミラーゼを含んでるからさ。 こいつでデンプンやグリコーゲンを分解し、食中りを防いでいるのさ。 ・ それだけじゃないぜ。春の七草のひとつ「すずしろ」として昔から好まれていたし、 薬草としても名を馳せていたんだ。 血栓防止作用や解毒作用もあるし、まー云ってみればいいとこばかりで野菜の優等生なのさ。 それを大根役者だなんて嗤うとは、お主の無知を曝け出しているも同然さ。 |
木星に放つイオの生命 2階イオの壁画 |
12月12日(土)晴 活動日記より 成功! 極端に睡眠時間を削って 活動量を増やし、 思惟的に ある種の極限状況を 創り出せば、 若しや血が騒ぐのでは! 騒ぐ血を導く 血管の拡張工事を行うには 今こそ絶好のチャンス。 |
イルカと遊ぶ仙人に滴る紅 2階仙人書斎の写真 |
扇風機で風を当て黴を防ぐが・・・ で、昨日11日は12月だと云うのに尾鷲市では 夏日の25.6℃を記録。 これは最早暖かさではなく暑さ。 山荘も最高気温23℃を午前9時45分に記録。 雨にたっぷり浸かり夏日の大気温に暖められたら、 干柿がどうなるか自明の理。 |
昨朝まで降り続いた雨は、干柿場の屋根シートを凹ませ 幾つものプールを屋根に作り、シートはその重みに耐えきれず 破れ決壊寸前。 そっとプールを持ち上げ溜った水を流したが、 慎重を期したにも拘わらず水は干柿を直撃。 干柿は当然ビチョビチョ。 |
急遽陽当り、風通し良い畑へ移動 |
やばい!雨水がシートに溜まってしまった といつもの脈絡のない破天荒の屁理屈を展開し、 干柿を奪った憎っくき雨め、とばかり穴を掘り続ける。 この掘削拡張工事が豊かな稔りを齎せるか否かは、 来年の夏収穫期を待たねばならぬが、 手ごたえは充分。 久々に1時間を超える汗みどろの大地との 深く激しい交歓に充足。 |
つい先日700個の干柿を黒黴テロで失い、 今度こそと最後のチャンスと再度干柿作りに挑戦したが、 これで更に1440個の干し柿を失うことになる。 この絶望感から這い上がるには、 このたっぷり降って濡れ掘りやすくなった大地を掘り、 雨に復讐するしかない。 |
数か所に雨水プールが |
燃ゆる小楢と大根のElegy 12月7日(月)晴 書斎より 夜明けの歌が肉体の深奥から微かに微かに響いてくる。 細胞の1つ1つに全神経を収斂させて、 ともすれば消えてしまう響きを追う。 ・ 響きは静止と律動を繰り返し 徐々に高鳴りうねりとなって渚に打ち寄せ、無数に泡立ち潮騒を奏でる。 すっかり忘れていた夜明けの潮騒は更に血を騒がせ、 沸騰した紅の血潮は遥かな時の回廊を遡る。 ・ そうだったね12月は 氾濫する意味の喪失に為す術も無く、唯狼狽えつつ、 一点に凝縮された漆黒のカオスから、新たな銀河を生み出した終焉の月。 (12月21日(月)晴 地森山読より) |