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その120の4ー2015年 霜月 |
11月4週・・・山荘もテロ(巴里のど真ん中でテロ、130人死亡)
黒黴テロに怯える テラス下柿と畑柿、2段に重なる柿簾 柿色に映える山荘・・・ 11月22日(日) 曇 西畑 予兆は確かに在った。 例年に無く暖かい日が続き、その上この時期、此処では滅多に降らない最悪の雨に連日襲われたのだ。 北極からの寒気の襲来によって裸柿は護られる筈だったのに、寒気はやって来なかった。 つまり裸に剥かれた干し柿を護るべき警護陣は、遥か北極圏に留まり、 抗すべき武器を持たぬ丸腰の裸柿は、黒黴テロの真っ只中に曝されてしまったのだ。 ・ 勿論、当局としては打つべき手は入念に打った。 黒黴テロリストの侵入を防ぐ為、硫黄を燻蒸し裸柿に亜硫酸ガスを浴びせ、 タンニン物質の酸化を防ぎ、干し柿の黒変を防止すると同時に、微生物の発生を抑え、乾燥を促進させ、 断固黒黴テロリスト侵入を阻止したつもりであった。 だが、その結果は悲惨であった。 巴里のど真ん中で128人(その後130人に)もの丸腰の市民が殺されてしまったのだ。 |
フランスのパリで13日夜 (日本時間14日早朝)、 中心部のコンサートホールや 北部のサッカー場などを標的とした 同時多発テロが起きた。 オランド仏大統領は 14日午前に演説し、 過激派組織「イスラム国」(IS) によるものだと断定した。 AFP通信によると 一連のテロで128人が死亡した。 |
またAFP通信によると、 |
累々たる屍 (血のハートを描いたのは誰か?) ルバタクラン(コンサートホール) 被害者の携帯写真から 脱出してきた男性は仏メディアに語った。 「悪夢だった。入り口に男たちが入ってきて銃を放った。 観客は床に伏せたが、アラー・アクバル(神は偉大なり)と 叫んでいた男は銃を撃ち続けた」。 アラーはアラビア語で神を意味する。 (朝日デジタル パリ=青田秀樹2015年11月14日12時34分) |
米国のロックバンドのライブが開かれていた「ルバタクラン」。 |
厳戒態勢の事故現場(パリ市内) |
エッフェル塔も厳戒態勢 |
10人の容疑者 |
パリ同時多発テロを巡り、 フランス治安部隊が18日未明に パリ近郊サンドニで行った急襲作戦で、 事件の首謀者とされ、 過激派組織「イスラム国」(IS)メンバーの モロッコ系ベルギー人、 アブデルハミド・アバウド容疑者(27)が 死亡したと米紙ワシントン・ポストが報じた。 ・ 欧州治安当局幹部の話として伝えた。 仏検察当局は、死亡した容疑者について 「身元を確認中」として、死亡説の確認を避けた。 |
捜査を指揮する |
運び出される被害者 |
黒服、黒フードで顔を隠したテロリスト パリ 11月13日か? |
モランス検事は、急襲作戦の目的はアバウド容疑者の拘束だったことを明らかにした。 一連のテロ事件後の16日に寄せられた目撃情報のほか、電話の盗聴、銀行口座の金の動きなどから、 サンドニのアパートを割り出したことを明らかにした。 また、殺害、拘束した容疑者は「新たなテロを起こす可能性があった」と説明。 地元メディアは、容疑者グループが19日にもパリ西郊のビジネス街でテロを計画していたと伝えた。 ・ 仏メディアによると、検察当局はバタクラン劇場周辺のゴミ箱から自爆犯が使用していた携帯電話を発見。 劇場を襲撃する直前の13日午後9時42分、「準備ができた。行くぞ」というメッセージの発信を確認した。 また、検察当局によると仏南部マルセイユで18日、ユダヤ人教師がISを信奉する若者3人にナイフで刺された。 3人の若者のうちの1人はISのTシャツを着て、 12年に仏南部トゥールーズで仏軍兵士ら7人を殺害したISメンバーの男の写真を掲げていたという。 ・ 教師の命に別条はないという。3人は逃走中とみられる。 内務省は18日、一連のテロが起きた13日以降、非常事態宣言に基づき、 414カ所を家宅捜索、ロケットランチャーなど重火器を含む75の武器を押収したと発表した。 また、60人を逮捕し、118人に自宅軟禁を命じ警察の監視下に置いた。 (毎日新聞 2015年11月19日 10時59分(最終更新 11月19日 15時14分)) |
南瓜との別れ |
脳味噌を曝け出して 南瓜がポツリ。 ≪あのさ、それってあの誰でもが、 聴いたことはあるけど いまいち解らんと云うエントロピーと 違うんかな?≫ |
最後のゴーヤー |
未だまだ採れるトマト |
大根の皮を干すと最高! |
晩秋のトマトもいいね! |
艶やかな緑を失って、 もう大きくならなくなったゴーヤーが、 色褪せつつあるトマトと呟く。 ≪あーよく引き合いに出される 珈琲とミルクのお話しかな。 ・ グラスのミルクに珈琲を注いで 暫く観察していると やがて均一に混じり合い、 決して元のミルクと珈琲に 戻ることは無い。 確かそんなお話しだったような?≫ |
鷹の爪そろそろ漬物での出番 |
皮を剥かれた大根、 よく熟して割れた無花果 干されて真っ赤になった鷹の爪も ダイアローグに加わる。 ≪無秩序の度合いを示す物理量とか 云われてて ・ この場合珈琲とミルクが分れた状態が 秩序有りで 混じったのが無秩序で エントロピーが大きいと云うんだったね≫ |
第2柿干場として陶房を選んだが・・・ ≪ほらほら話が脱線してないかい? 有りもしない脳味噌丸出しにして南瓜が投げかけたポツリは 【それって】で始まってるだろ? それが何だか解りもしないで、エントロピーだけに、 話しがずれてしまってさ、 それって何なのさ?≫ |
ホームグロウンテロリストに襲われて、 700個全滅の危機が迫っていることも知らず、 暖かな陽光に包まれ干し柿も語る。 |
透明屋根、風通し、陽当りも悪くないが・・・ |
収穫量は少ないが大きくて甘いキウイ |
「キウイにこれ程までに気高い 香りがあるなんて驚き!」と 仙人を唸らせた山荘キウイが しゃしゃり出る。 ・ ≪南瓜の脳味噌が見上げている 方向に何が在る? ほら、ホームグロウンテロリズムと ロゴが掲げられているだろ。 あれに違いないさ≫ |
モロッコの種もどっさり |
初挑戦晩秋胡瓜じゃ! |
おっと忘れてた森の椎茸 |
11月下旬の胡瓜とは思えない大きさ |
春から7か月かけ育てた人参、里芋 |
ダメ元と半ば諦めつつ 3度目の種まきをしたのだが、 まさか11月下旬になって これ程大きな胡瓜が 収穫出来るとは、山荘始まって以来。 ・ ≪つまりホームグロウンテロリズムと エントロピーがどう結びつくのか? それこそが問題と云いたいのかい?≫ と1夏で3世代を達成した 絶倫胡瓜がキウイに話しかける。 |
ホクホクしてて栗の様 |
連日の雨と暖かい南風に干柿ノックアウト テラスからの雲海 |
≪そうか解ったぞ! ミルクは白人を核とする 西欧文明社会人で 珈琲は白人の支配下に あったアルジェリア、 モロッコ、チュニジア等の イスラム教徒と 云いたいんだな≫ ・ 光を奪い湿った大気を 伴ってじわじわと 迫って来る雲海が、 幾らか怒気を含んで 喋りはじめる。 |
≪いいかい、百年前の 第1次世界大戦では フランスに支配されていた 17万人余の アルジェリア人が フランス軍に動員され 中央同盟国 (ドイツ・オーストリア・ オスマン帝国・ブルガリア)を 相手に戦わされた。 ・ この大戦中、および 戦後の労働力不足から 多くのアルジェリア人が フランス本土に渡り 働きフランスを 支えたんだ。 |
例年に無いこの生暖かい湿り気が干柿を直撃! 雲海に包まれる高芝山鉄塔 |
山荘で育った食材 |
晩秋に咲く琵琶の花 |
蕩ける柿、無花果、キウイ |
採れたてメークインとクレソン、三つ葉、ほうれん草、骨付きラム |
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紅い鬼灯、向日葵、珊瑚 |
更にその後の 独立戦争の結果、 アルジェリアは独立。、 フランス軍側に加わって 「民族解放戦線」と 戦ったアルジェリア人兵士(アルキ) 約25万人とその家族の多くは 報復を恐れてフランスに脱出、 集団となって 住み着いたんだ。 (資料:田岡俊次) |
晩秋の光 |
その後1960年代の経済成長による労働力不足でアフリカ諸国から百万人の移民を受け入れ フランスのイスラム教徒は現在、5百万人に達し人口の8%を占めるに至ったんだぜ。 で問題は散々扱き使われた移民達のその後のフランス政府の対処にあるんだ≫ |
大皿に描かれたサフィニアは語る あれれ、大皿の紫に魅かれてテラスのサフィニアがやってきて、 すっかり大皿の心象に融け込み澄まし顔で語る。 ≪まーまー雲海さんのフランス政府の対応への怒りが、爆発すると収拾が付かなくなるから、 そこから先はあたしがバトンタッチしましょう。 先ずは射殺された今回のテロの首謀者ベルギー人のアブデルアミド・アバウド容疑者(27)が 潜伏していたパリ近郊サンドニの状況を記した数年前の記事をちょっとご覧になって。 ・ 貧しい「移民」たちのためにフランス政府が都市郊外に安い高層住宅を建設。 60~70年代に建てられたその高層住宅も築50年を経過して老朽化し、地域全体が「移民」のゲットーと化している。 これに多くの職のない若者達があり余ったエネルギーのはけ口を求めて日々暴行をくり返すため、 警察は郊外地区を「熱い地帯」と呼んで警戒するだけではなく、移民の若者に対して 「何もしていないのに外見だけで身分証明書を見せろとしつこく迫る」という差別的対応をする。 そして就職の際に提出する履歴書に、郊外の住所を書いただけで面接を拒否されるという事態にもなっているのだ。 (11/22:日経新聞) |
白黴、青黴、黒黴に襲われる 舞い踊りながら 風に乗ってやって来たのはイロハ紅葉。 ≪そうか、その差別された移民の2世、3世が その不満の捌け口としてIS(イスラム国)に同調し、 ホームグランドであるフランスでテロを起こしたので、 自国で育ったテロリスト、 ホームグロウンテロリストと呼ばれているわけね。 |
解ったでしょ! 戦争になれば兵隊にし、 労働力が不足すれば安い賃金で働かせ、 不況になり邪魔になれば ゲットーに追いやり、徹底的に差別されてきた移民。 移民のように彼方此方流れる雲海さんが キレそうになるのも、解らなくはないわね≫ |
やがてテロは地球全面に! |
大皿に舞い踊るイロハ紅葉も
「熱力学第二法則」に反して、移民反対、イスラム教徒入国禁止等と フランスのみならず米国までも声高々に叫び始めたぞ。 注がれた珈琲は拡散されず、エントロピーは増大せず。 ≪こんなの有り得ないぜ!≫ イロハ紅葉は首を傾げています。 |
≪グラスを地球に置き換えて、ミルクや珈琲を人種に例えるのは少々無理があるけれど、 まー、地球を外部からのエネルギーの供給を受けない断熱系と考え、 人種の交流が不可逆と捉えるなら、エントロピーは増大あるのみでしょうね。 さて、そうなると遠くない未来にエントロピー増大の結果、人類は混血が進み 貧富の差が小さくなり、均質に混じりあい個の識別困難なカオスへと 回帰するのでしょうか? 若しそれが究極の幸せだとしたら、絶対的平等って【死】なのかも知れませんね! ・ あの、更にグラスを宇宙に人種を星々に変えてみたら、 エントロピーの増大によって宇宙がどうなるか、観えてくるのでは! 宇宙は閉じられた断熱系ではないから、エントロピーには支配されないって! あのね、宇宙が無限でないのは自明の理だよ。 無限の概念は無限自らの自己否定に過ぎないのさ≫ ・ 遂に大皿までもが何やら呟き始めましたよ。 |