|
その119の1ー2015年 神無月 |
10月1週・・・また或る時はペンキ屋、家電修理屋、庭師なんじゃ!
さらば!美味しく堪能した夏野菜たち 10月3日(土)晴 西畑 宇宙の蒼が降りてきて、不意に秋になった。 染まってしまうような蒼穹を仰いで、 収穫を終え不要になった夏野菜の茎や葉を積み上げ、火をつける。 畑そのものを香炉として、山と積まれた夏野菜たちが、香草と化し夫々の香りを放ちながら、 白煙となって、龍のように身をくねらせ天空に昇る。 ・ 遥かなるチベットやブータン、ネパールの山々を登り、山麓の村々を訪ね チョルテン(仏塔)に漂う、香草の白煙に包まれた日々が、 恰も現存するかのように、鮮やかに甦る。 |
色付き始めた葡萄畑 |
時刻は12時15分、 ラジオから「昼の憩い」の テーマソングが流れて来る。 ・ 少年だったころ、 この曲を聴きながら、 田舎の畑でのんびり畑仕事をする 情景を思い浮かべ、 心がシーンと静まり返り、 摩訶不思議な快感に 襲われたのを思い出した。 ・ 遥か半世紀以上もの未来で、 その情景の中に 自らを見出す日が来るとは! |
嬉しくなって午後散歩には 思い切って豪華な、 鉄塔山コースを選んだ。 ・ 小さな谷を挟んだ対岸の 広葉樹林の森に 午後の陽が差し込み、 奥深い光の グラデーションが 森の仄暗い闇に 束の間の存在を映し出す。 ・ 確かに闇が 支配しているのだが、 暖かい刹那の歓びが 垣間見え、 切なさに胸が詰まる。 |
煙に乗って秋がやって来る |
勝手に咲き乱れる秋桜は残してやろう 10月3日(土)晴 西畑 唯々思索し、鈍った肉体の筋肉解しの為に、のんびり小倉山を散策した。 左足裂傷により筋トレとストレッチのみで、1週間も朝トレを休んでいたので、肉体は大喜び。 しかし思索は深まる気配は、全く見せず、 グルグルと同じ場所を回り続けるだけ。 まるで世界が足元の湿った枯葉と土だけで、構成されているようにしか思えず、 枯葉と土を覆う森が見えないのは勿論、その森を見下ろす天空など、 |
風情を醸す芒は畑の大敵 しかしそれが全く気にならない。 思索とはそんなものと泰然と構え、 寧ろ散策によって何も得られなかったことを 愉しんでいる自らに気づき、 精神の退縮とは、 退縮の認識そのものさえ 退縮させてしまうのだと嗤ってしまった。 |
存在しないかの精神の退縮に唖然! とっても気分よく 散策を終えたのだが、思索の結果は0。 つまり今抱えている問題の解が 解らぬどころか、 問題を整理し方程式を組み立てる 段階にまで達しないのである。 |
咲き続けるアンネ薔薇も秋の装い |
狂い咲いた芝櫻 奥庭 |
早くも山茶花 テラス |
良い香りの金木犀 奥庭 |
大地が随分久しぶりに濡れた。 どうしようかと迷ったが、 濡れた大地を 放っておくと云う手は無い。 先週から冬野菜の種を 蒔き始めたが、 未だ発芽に至っていない。 ・ 発芽させるには 濡れた大地が欠かせない。 ゴアテックスを着て、 畑に飛び出し 先ずは大根抜き。 |
森のルビー蝮草 座禅草公園 |
濡れた大地ならそうスコップを 深く突っ込まなくても抜けるかと 思ったがどっこい、 濡れているのは 大地の表面だけで、 真珠の滴は大地の内部にまでは 達していないのだ。 ・ スコップを幾ら深く突っ込んでも 反応無し。 仕方なく引き抜くと 途中で折れてしまい、 満足な姿での収穫は出来ない。 |
木通(アケビ)も沢山 滝の落口 |
美味しい熟し柿 奥庭 |
今年のキウイは大きいな! 西畑 |
お見事な猿の腰掛 上条山 |
夏になってから種を蒔き 育てた大根なので、 未だ小さいのだが、 これが辛くて飛び切り 美味いのである。 スティックにして 酢味噌で食べてもいいし、 ポン酢に漬けるも良し、 大根おろしなんぞ最高! ・ とまあ、冬大根と全く異なる食感で 楽しめるこの時期限定の貴重な大根。 しかし濡れている大地に騙されて、 予想外の悪戦苦闘した結果、 充分耕作の醍醐味を 味わうことが出来た。 ・ 泥んこになりながらも諦めず、 更に有機肥料を たっぷり濡れた大地に撒き、 大地に命が再び溢れる様、 しっかり耕運機を掛ける。 さあ、もっともっと豊かな 大地になっておくれ! |
森は昇り龍茸ラッシュ 小倉山 |
ヤクザになった仙人 鉄塔峠 すっかり融けて重さも形も 失っているのに気づいて、 嬉しくて、 「そうだよ、この森こそ其処なんだ」 と一人ごちる。 ・ いつ来てもひっそりと、静まり返ったこの森が、 心象風景の背景と気づいてから 20年を経て最早、 日常化され色褪せてしまっても、 おかしくないのに 益々忍びやかな彩を展開する。 |
秋は脚が長くなるんです! 其処だけ外界と切り離されていて、 するっと肉体をすり抜けると、もう其処なのだ。 あーこんなにも簡単に其処に入れるのに、 入ろうと願っても入れない。 ・ 鬱っとおしい外界と繋がる肉体が、 重さと形を失う刹那を、自由に創り出せたら、 もっともっと沢山此処に来れるのに! 上条の森を逍遥しながら、 鬱っとおしい肉体が、 |
うっぴょう!長げー脚 鉄塔峠 |
午後やっと雨が上がったので、 先ず残りの玉葱苗30本を 移植する為、移植場所を探す。 オクラの場所を予定していたが、 観てみると未だ 小さな実を着けているし、 花も咲いているでは。 ・ 小さな実も柔らかくて美味しいし、 花もとても美しい。 これを今むざむざ 切り倒してしまうなんて、 勿体無いし可哀想だし、 とても出来ない。 |
森の秋の光を食べよう! |
そこで唐辛子、茄子、ピーマンの 畑を撤去することにし、 僅かに残っている実を 収穫し抜き去り、 施肥し耕運機を掛け、 マルチシートで畑を覆い 90本の玉葱移植完了。 ・ ギラギラの夏の太陽と異なり 秋の光は透明な水晶。 この水晶が玉葱になったり、 絹のような舌触りの 蕪を生み出し、 蕩ける青梗菜や白菜、大根、 甘いほうれん草を、 豊かに育ててくれるんだ。 |
太陽光を白球にする玉葱 |
勝手に育った小松菜をお浸しに |
晴れた日にはテラスも秋の衣替え 半日もあれば塗り終わるなんて思っていたが、相変わらずの能天気さに我ながら呆れる。 テラスの棚が腐蝕し、載せてある大皿がいつ落ちても 不思議でない状態なので、要修理とは思っていたが、 この修理だけでも半日では終わらず、今朝まで持ち越し。棚にする木材、留め具の買い出し、 腐蝕棚の解体、木材採寸、切断、取り付けと結構時間を食う。 |
最初は理想の、1年に2度塗り実施 何回も穴を開け螺子をねじ込み ガタガタになってしまった穴、 最早締める機能を失い 棚を支えることが出来ないのだが、 ちょっと見方を変え、 位置をずらし再度突っ込んでみると、 最初の機能が復活。 さて、今日も忙しくなりそう。 |
以前の取り付け方法が甘いので、 新たにL型棚受で しっかり固定したりと 想定外に時間が掛かる。 しかし焦らずじっくりと取り組めば、 面白くなり次の作業が愉しみになってくる。 今朝もじっくり時間をかけ 緩やかに攻めてみる。 |
やがて1年に1度 |
そして遂には2年に1度 |
それじゃあんまりだわ!(1缶5千円也) |
1999年9月生まれ 満16歳 何しろ屋根が無いんだから、 遮るものは無く カンカン日照りで 肌は罅割れ、荒れ放題。、 ・ 容赦なく降り注ぐ雨は、 肌の奥まで浸み込み、 肉体そのものを スカスカに腐らせる。 |
それでも16年間も、 生きながらえてきたのは、 このオイルステインのお陰。 ペンキやニスを塗ると 木材は呼吸が出来ず腐朽を 早めてしまう。 ・ 通気性を保ちながら、撥水効果のある 屋外用オイルステインは、 木目に浸み込み、水分浸透を防ぎ、 木を活かし続けるのだ。 問題はこいつ、他の塗料に比べると 滅茶高いのだ。 |
御免!穴があったら入りたい |
それじゃお詫びに此処だけ2度塗り |
ヤベー床が浸水じゃ! 8月29日脱衣室 |
洗濯機排水管ひび割れ 8月29日脱衣室 |
建築後21年の 山荘備品危うし そもそも山荘の機能を支える 家電製品などの 電気系統が怪しくなってきた前兆は 水槽の水を加圧して 水道に送り込むポンプの故障。 ・ 北アルプスから戻り さあ、美味しいソーメンを食べようと 水道を捻ったが水が出ない。 何とか谷から引いた水で ソーメンは食べたが・・・・。 |
てっきり雷にやられ ポンプ室のブレーカーがとんだか、 揚水ポンプに過電流が 流れ損傷したか?と思ったが・・・ ・ ポンプ室に行って点検するが、 何処にも異常無し。 そこで山荘の揚水ポンプの カバーを外し、 操作盤スイッチを点検。 ・ テストでは作動するが自動では、 モーターが止まってしまう。 うーん、こりゃ深刻じゃ。 直截的な原因は、 どうもオーバーヒートらしいが。 |
21年間の酷使の果 8月29日脱衣室 |
水槽ポンプまで作動せず 8月6日タンク |
新品の排水管が装着出来ないぞ! 8月29日脱衣室 活動記録より 8月29日(土) 大変だ、脱衣室が水浸し! 慌てて大型タオルで水を拭き取ろうとしたが、 ありゃ!排水管が割れて水が噴き出してるでは! とてもタオルでふき取るなんてレベルではない。 ・ 蛇腹の排水管が劣化し裂けてしまったのだ。 さて交換したいが果たして20年前の2槽式何ぞと云う、 骨董品のような洗濯機の部品が未だあるのか? 洗濯機の後ろのパネルを外して調べたが、 排水管そのものが外れない。 ・ ぶった切る覚悟でどうにか外したものの、 さてホームセンターで このサイズの排水管が手に入るか? で、悪戦苦闘の結果どうにか交換に成功。 |
脱衣室の氾濫 そろそろ、濯ぎ終わったかなと洗濯機のある 脱衣室を覗いたら、 ぎょぎょ、いつの間にか、脱衣室が湖に! ・ 老衰した老い耄れ洗濯機め、遂に反乱を起こし 氾濫させやがったな! と、まあ駄洒落を云ってる場合ではないだろうが! 年寄りのお漏らしは、お別れのサイン。 さっさと,襁褓を代えておあげ! |
ストーブの排気口も詰まっているぜ! 10月11日奥庭 |
2台のストーブ着火せず |
鳥か地蜂の巣か! |
寒みー! でストーブのスイッチオン ありゃ点かぬ! 今朝の最低気温は7℃で 昼間になっても雨は上がらず、 寒いので書斎のストーブを 着けようとスイッチを入れたがエラー、 着火不良表示。 ・ 若しや 給排気筒に鳥が 巣を掛けたり、 地蜂が土を運んで排気筒を 塞いでしまったかも? ストーブ本体を壁から外して、 延長管を抜いて 掃除、点検したが直らず。 ・ 隣室カリストのストーブが 問題なく作動してるのを確認し、 書斎ストーブと交換。 |
ありゃ!駄目だ! やはりエラーと 点火不具合を示す≪1≫表示。 仕方なく 屋外に出て壁に梯子を掛け、 給排気筒に棒を突っ込み チムチムチェリー宜しく 煙突掃除。 ・ 山荘には居間の 大型ストーブと合わせ 4台のHITACHI・KHJ90,J28Cが 設置されているが、 前回修理した時、業者から 「もうこのタイプは部品を 作ってないので修理出来ません。 ・ 従って今度壊れたら別製品を 買ってください」 と云われてしまった。 なんとか自力で修理せねば。 |
4台のストーブ点検 |
次は庭師じゃ! チベットで買ってきた龍を、 駄目元と期待せず 加工してみた。 今まで滝の岩上で 山荘の守護神として 君臨してきたが、 ふと気が付いたのだ。 ・ そうだ、滝の水を こいつの口から 噴出させたら、龍の奴 もっともっと生き生きと 嬉しそうに 舞い上がるに違いない。 ・ しかしこの銅の合金で できた龍の中には 砂が詰まっており、 銅合金は 薄くて傷つき易い。 |
遂に龍は甦った! |
果たして加工可能か? 今までも足や尾を 何か所も折ってしまい 針金で止めている状態。 ・ 口にドライバーを突っ込み、 ハンマーで打ち込み、 どうにか穴を開ける ことには成功したが、 果たして太いホースを 口から首に 通すことが出来るか? ・ 試行錯誤の結果 どうにか貫通口に ホースを仕込んだが、 首が折れてしまった。 次にこの龍を空中に 浮かせるには どうしたらいいか? |
どうじゃ!火を吐くぞ |
傘立てか冷蔵庫の部品か 忘れたが、金属フレームが あったのでそれを組み立てて その上に龍を載せ、 蔦でフレームを覆ってみた。 ドキドキしながら、 扇山の谷から引いた清水と ホースをつなげる。 ・ みごと龍の口から 水が噴き出した。 で今朝その下に筧をセットし 鹿威しを置くと、龍が 鹿威しを 叩き始めたでは。 やったー! |
宙を舞う龍じゃ! |