仙人日記
 
 その1191ー2015年  神無月

10月1週・・・また或る時はペンキ屋、家電修理屋、庭師なんじゃ!


秋だ!さあ、忙しいぞ!

さらば!美味しく堪能した夏野菜たち
10月3日(土)晴 西畑

宇宙の蒼が降りてきて、不意に秋になった。
染まってしまうような蒼穹を仰いで、
収穫を終え不要になった夏野菜の茎や葉を積み上げ、火をつける。
畑そのものを香炉として、山と積まれた夏野菜たちが、香草と化し夫々の香りを放ちながら、
白煙となって、龍のように身をくねらせ天空に昇る。

遥かなるチベットやブータン、ネパールの山々を登り、山麓の村々を訪ね
チョルテン(仏塔)に漂う、香草の白煙に包まれた日々が、
恰も現存するかのように、鮮やかに甦る。


色付き始めた葡萄畑
時刻は12時15分、
ラジオから「昼の憩い」の
テーマソングが流れて来る。

少年だったころ、
この曲を聴きながら、
田舎の畑でのんびり畑仕事をする
情景を思い浮かべ、
心がシーンと静まり返り、
摩訶不思議な快感に
襲われたのを思い出した。

遥か半世紀以上もの未来で、
その情景の中に
自らを見出す日が来るとは!
嬉しくなって午後散歩には
思い切って豪華な、
鉄塔山コースを選んだ。

小さな谷を挟んだ対岸の
広葉樹林の森に
午後の陽が差し込み、
奥深い光の
グラデーションが
森の仄暗い闇に
束の間の存在を映し出す。

確かに闇が
支配しているのだが、
暖かい刹那の歓びが
垣間見え、
切なさに胸が詰まる。

煙に乗って秋がやって来る



勝手に咲き乱れる秋桜は残してやろう
10月3日(土)晴 西畑

唯々思索し、鈍った肉体の筋肉解しの為に、のんびり小倉山を散策した。
左足裂傷により筋トレとストレッチのみで、1週間も朝トレを休んでいたので、肉体は大喜び。
しかし思索は深まる気配は、全く見せず、
グルグルと同じ場所を回り続けるだけ。
まるで世界が足元の湿った枯葉と土だけで、構成されているようにしか思えず、
枯葉と土を覆う森が見えないのは勿論、その森を見下ろす天空など、



風情を醸す芒は畑の大敵


しかしそれが全く気にならない。
思索とはそんなものと泰然と構え、
寧ろ散策によって何も得られなかったことを
愉しんでいる自らに気づき、
精神の退縮とは、
退縮の認識そのものさえ
退縮させてしまうのだと嗤ってしまった。 
存在しないかの精神の退縮に唖然!
とっても気分よく
散策を終えたのだが、思索の結果は0。
つまり今抱えている問題の解が
解らぬどころか、
問題を整理し方程式を組み立てる
段階にまで達しないのである。


 咲き続けるアンネ薔薇も秋の装い


狂い咲いた芝櫻 奥庭

早くも山茶花 テラス

良い香りの金木犀 奥庭
大地が随分久しぶりに濡れた。
どうしようかと迷ったが、
濡れた大地を
放っておくと云う手は無い。
先週から冬野菜の種を
蒔き始めたが、
未だ発芽に至っていない。

発芽させるには
濡れた大地が欠かせない。
ゴアテックスを着て、
畑に飛び出し
先ずは大根抜き。

森のルビー蝮草 座禅草公園
濡れた大地ならそうスコップを
深く突っ込まなくても抜けるかと
思ったがどっこい、
濡れているのは
大地の表面だけで、
真珠の滴は大地の内部にまでは
達していないのだ。

 スコップを幾ら深く突っ込んでも
反応無し。
仕方なく引き抜くと
途中で折れてしまい、
満足な姿での収穫は出来ない。
 
木通(アケビ)も沢山 滝の落口
 
美味しい熟し柿 奥庭
 
今年のキウイは大きいな! 西畑

お見事な猿の腰掛 上条山 

夏になってから種を蒔き
育てた大根なので、
未だ小さいのだが、
これが辛くて飛び切り
美味いのである。
スティックにして
酢味噌で食べてもいいし、
ポン酢に漬けるも良し、
大根おろしなんぞ最高!

とまあ、冬大根と全く異なる食感で
楽しめるこの時期限定の貴重な大根。
しかし濡れている大地に騙されて、
予想外の悪戦苦闘した結果、
充分耕作の醍醐味を
味わうことが出来た。

泥んこになりながらも諦めず、
更に有機肥料を
たっぷり濡れた大地に撒き、
大地に命が再び溢れる様、
しっかり耕運機を掛ける。
さあ、もっともっと豊かな
大地になっておくれ! 
 
森は昇り龍茸ラッシュ 小倉山


ヤクザになった仙人 鉄塔峠

すっかり融けて重さも形も
失っているのに気づいて、
嬉しくて、
「そうだよ、この森こそ其処なんだ」
と一人ごちる。

いつ来てもひっそりと、静まり返ったこの森が、
心象風景の背景と気づいてから
20年を経て最早、
日常化され色褪せてしまっても、
おかしくないのに
益々忍びやかな彩を展開する。
秋はが長くなるんです!

 
其処だけ外界と切り離されていて、
するっと肉体をすり抜けると、もう其処なのだ。
あーこんなにも簡単に其処に入れるのに、
入ろうと願っても入れない。

鬱っとおしい外界と繋がる肉体が、
重さと形を失う刹那を、自由に創り出せたら、
もっともっと沢山此処に来れるのに!
上条の森を逍遥しながら、
鬱っとおしい肉体が、


うっぴょう!長げー脚 鉄塔峠 

午後やっと雨が上がったので、
先ず残りの玉葱苗30本を
移植する為、移植場所を探す。
オクラの場所を予定していたが、
観てみると未だ
小さな実を着けているし、
花も咲いているでは。

小さな実も柔らかくて美味しいし、
花もとても美しい。
これを今むざむざ
切り倒してしまうなんて、
勿体無いし可哀想だし、
とても出来ない。

森の秋のを食べよう!
そこで唐辛子、茄子、ピーマンの
畑を撤去することにし、
僅かに残っている実を
収穫し抜き去り、
施肥し耕運機を掛け、
マルチシートで畑を覆い
90本の玉葱移植完了。

ギラギラの夏の太陽と異なり
秋の光は透明な水晶。
この水晶が玉葱になったり、
絹のような舌触りの
蕪を生み出し、
蕩ける青梗菜や白菜、大根、
甘いほうれん草を、
豊かに育ててくれるんだ。

太陽光を白球にする玉葱

勝手に育った小松菜をお浸しに




また或る時はペンキ屋 家電修理屋、庭師なんじゃ!

晴れた日にはテラスも秋の衣替

半日もあれば塗り終わるなんて思っていたが、相変わらずの能天気さに我ながら呆れる。
テラスの棚が腐蝕し、載せてある大皿がいつ落ちても
不思議でない状態なので、要修理とは思っていたが、
この修理だけでも半日では終わらず、今朝まで持ち越し。棚にする木材、留め具の買い出し、
腐蝕棚の解体、木材採寸、切断、取り付けと結構時間を食う。



最初は理想の、1年に2度塗り実施


何回も穴を開け螺子をねじ込み
ガタガタになってしまった穴、
最早締める機能を失い
棚を支えることが出来ないのだが、
ちょっと見方を変え、
位置をずらし再度突っ込んでみると、
最初の機能が復活。
さて、今日も忙しくなりそう。 
以前の取り付け方法が甘いので、
新たにL型棚受で
しっかり固定したりと
想定外に時間が掛かる。
しかし焦らずじっくりと取り組めば、
面白くなり次の作業が愉しみになってくる。
今朝もじっくり時間をかけ
緩やかに攻めてみる。

 
やがて1年に1度



そして遂には2年に1度

それじゃあんまりだわ!(1缶5千円也)
1999年9月生まれ
満16歳

何しろ屋根が無いんだから、
遮るものは無く
カンカン日照りで
肌は罅割れ、荒れ放題。、

容赦なく降り注ぐ雨は、
肌の奥まで浸み込み、
肉体そのものを
スカスカに腐らせる。

それでも16年間も、
生きながらえてきたのは、
このオイルステインのお陰。
ペンキやニスを塗ると
木材は呼吸が出来ず腐朽を
早めてしまう。

通気性を保ちながら、撥水効果のある
屋外用オイルステイン
は、
木目に浸み込み、水分浸透を防ぎ、
木を活かし続けるのだ。
問題はこいつ、他の塗料に比べると
滅茶高いのだ。

御免!穴があったら入りたい

それじゃお詫びに此処だけ2度塗り




ヤベー床が浸水じゃ! 8月29日脱衣室

洗濯機排水管ひび割れ 8月29日脱衣室
建築後21年の
山荘備品危うし


そもそも山荘の機能を支える
家電製品などの
電気系統が怪しくなってきた前兆は
水槽の水を加圧して
水道に送り込むポンプの故障。

北アルプスから戻り
さあ、美味しいソーメンを食べようと
水道を捻ったが水が出ない。
何とか谷から引いた水で
ソーメンは食べたが・・・・。

 てっきり雷にやられ
ポンプ室のブレーカーがとんだか、
揚水ポンプに過電流が
流れ損傷したか?と思ったが・・・

ポンプ室に行って点検するが、
何処にも異常無し。
そこで山荘の揚水ポンプの
カバーを外し、
操作盤スイッチを点検。

テストでは作動するが自動では、
モーターが止まってしまう。
うーん、こりゃ深刻じゃ。
直截的な原因は、
どうもオーバーヒートらしいが。

21年間の酷使の果 8月29日脱衣室 
 
水槽ポンプまで作動せず 8月6日タンク


新品の排水管が装着出来ないぞ! 8月29日脱衣室

活動記録より 8月29日(土)

大変だ、脱衣室が水浸し!
慌てて大型タオルで水を拭き取ろうとしたが、
ありゃ!排水管が割れて水が噴き出してるでは!
とてもタオルでふき取るなんてレベルではない。

蛇腹の排水管が劣化し裂けてしまったのだ。
さて交換したいが果たして20年前の2槽式何ぞと云う、
骨董品のような洗濯機の部品が未だあるのか?
洗濯機の後ろのパネルを外して調べたが、
排水管そのものが外れない。

ぶった切る覚悟でどうにか外したものの、
さてホームセンターで
このサイズの排水管が手に入るか?
で、悪戦苦闘の結果どうにか交換に成功。
脱衣室の氾濫

そろそろ、濯ぎ終わったかなと洗濯機のある
脱衣室を覗いたら

ぎょぎょ、いつの間にか、脱衣室が湖に!

老衰した老い耄れ洗濯機め、遂に反乱を起こし
氾濫させやがったな!
と、まあ駄洒落を云ってる場合ではないだろうが!
年寄りのお漏らしは、お別れのサイン。
さっさと,襁褓(むつき)を代えておあげ!

 
ストーブの排気口も詰まっているぜ! 10月11日奥庭


2台のストーブ着火せず

鳥か地蜂のか!
寒みー
でストーブのスイッチオン
ありゃ点かぬ!

今朝の最低気温は7℃で
昼間になっても雨は上がらず、
寒いので書斎のストーブを
着けようとスイッチを入れたがエラー、
着火不良表示。

若しや 給排気筒に鳥が
巣を掛けたり、
地蜂が土を運んで排気筒を
塞いでしまったかも?
ストーブ本体を壁から外して、
延長管を抜いて
掃除、点検したが直らず。

隣室カリストのストーブが
問題なく作動してるのを確認し、
書斎ストーブと交換。
ありゃ!駄目だ!
やはりエラーと
点火不具合を示す≪1≫表示。
仕方なく
屋外に出て壁に梯子を掛け、
給排気筒に棒を突っ込み
チムチムチェリー宜しく
煙突掃除。

山荘には居間の
大型ストーブと合わせ
4台のHITACHI・KHJ90,J28Cが
設置されているが、
前回修理した時、業者から
「もうこのタイプは部品を
作ってないので修理出来ません。

従って今度壊れたら別製品を
買ってください」
と云われてしまった。
なんとか自力で修理せねば。

4台のストーブ点検



次は庭師じゃ!

チベットで買ってきた龍を
駄目元と期待せず
加工してみた。
今まで滝の岩上で
山荘の守護神として
君臨してきたが、
ふと気が付いたのだ。

そうだ、滝の水を
こいつの口から
噴出させたら、龍の奴
もっともっと生き生きと
嬉しそうに
舞い上がるに違いない。

  しかしこの銅の合金で
できた龍の中には
砂が詰まっており、
銅合金は
薄くて傷つき易い。

遂に龍はった!
果たして加工可能か?
今までも足や尾を
何か所も折ってしまい
針金で止めている状態。

口にドライバーを突っ込み、
ハンマーで打ち込み、
どうにか穴を開ける
ことには成功したが、
果たして太いホースを
口から首に
通すことが出来るか?

試行錯誤の結果
どうにか貫通口に
ホースを仕込んだが、
首が折れてしまった。
次にこの龍を空中に
浮かせるには
どうしたらいいか?

どうじゃ!火を吐くぞ

傘立てか冷蔵庫の部品か
忘れたが、金属フレームが
あったのでそれを組み立てて
その上に龍を載せ、
蔦でフレームを覆ってみた。
ドキドキしながら、
扇山の谷から引いた清水と
ホースをつなげる。

みごと龍の口から
水が噴き出した。
で今朝その下に筧をセットし
鹿威しを置くと、龍が
鹿威しを
叩き始めたでは。
やったー!

宙を舞う龍じゃ!



Index
Next