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その118の1ー2015年 長月 |
9月1週・・・アンネ薔薇もたじろぐ玉虫の煌めき
玉虫とボン・シルバーの語らい 9月1日(火) 雨曇 中庭 おいおいひでーじゃねいかい!もう夏は終わりだってよ! 8月の末なんか山荘じゃ涼しい日じゃなくて、寒い日が続いて森の蝉だってオーケストラは早々店じまい。 秋到来と勘違いした蟋蟀、螽斯、邯鄲、鈴虫,松虫なんぞが、山荘テラスをステージにして 「ライブじゃ!ライブじゃ!」と喚き始めるし、どうなってんだ? ・ そう云やー8月の山荘は何処へ行っちまったんだい? なんだか、ホームページ開いても笠ヶ岳だとか双六岳だとか、仙人が槍ヶ岳の穂先にしがみついて、 今にも落っこちそうなヤバイ画像があるだけで、何処にも山荘は居ないぜ! |
アンネ薔薇もたじろぐ玉虫の煌めき 奥庭 |
「そうなのよ、それでね、 あー遂に仙人はくたばっちまって、 やっと山荘は以前の 森の静けさになったんだ、と思って、 それじゃ久しぶりに 下に降りてみようかしらなんて!」 ・ そうそう確かに玉虫さんは 山荘の大欅に 以前から棲んでいる山荘の顔。 でも、もの凄ーく臆病で 決して下に降りてきたり、 人に姿を見せることはないんだったね。 ・ こうして2人で顔を合わせるのも 初めてだね。 うーん、以前から 噂には聞いていたけど、 玉虫さんの美しさは半端じゃないね。 |
灯りを着けた途端、吃驚! 灯りを目指して ブーン、と飛び立ったのは玉虫。 あれ、いつの間にか 山荘に入り込んでひっそり 隠れていたんだな! ・ で、逃がしてやろうと 窓を開けたんですが、外は闇。 どうしても闇に 飛び出そうとはしません。 朝になったら翅を開いたまま 網戸に凭れ掛り 動かなくなっていました。 ・ そーら、お前が 飛んで行きたかった場所に 連れて行ってあげよう。 木星の妖しい大赤斑に向かって 屹立する チベットの雪山だ。 この雪山は仙人が初登頂した 山なんだよ。 |
冥界を飛翔する玉虫 居間の壁画 |
天空に架かるヒマラヤの未踏峰を駆け抜けた仙人の脚の墓標 9月2日(水) 雨曇 居間壁画 するとどうでしょう。 仙人が初登頂した雪山が墓碑名を黒々と刻み、突如勃起したではありませんか! 死んでしまった筈の玉虫もこれには吃驚仰天。 精神錯乱をきたしたのか、あの繊細でお淑やかな玉虫が吃驚仰天に便乗して勃起の先端を、 ぴちゃぴちゃと音を立てて舐め始めたではありませんか! ・ 昨年、本年と2度にわたり致命的な損傷を受け、回帰不能となった仙人の脚は 天空の得も言われぬ悦楽に襲われ、木星の妖しい大赤斑に吸い込まれ、 あーそうして、仙人は木星そのものになってしまうのですね。 玉虫は冥界の使者だったのかい! |
テラス前の積乱雲動画展 刻々と姿を変え飛翔する積乱雲を鑑賞できる山荘テラスは最高! こんな風に積乱雲がもりもり盛り上がった日には、 仙人がアルプスなんぞに出かけて、遊び惚けていても山荘の野菜達は 光をいっぱい吸い込んで、グングン大きく育っていたのです。 例えば西瓜、今年は葡萄畑の西瓜が幾つも幾つも実を着けてそれはそれは美味しそう。 いつも烏に狙われ、悔しい思いをしてきた西畑の西瓜も今年は早めに収穫。 さて、それでは食べてみましょうか! |
ラグビー西瓜も出来た 西畑 |
崖に下がった西瓜 山荘中央道 |
大きくなったね! キッチン |
どうしたんだろ? 毎週、毎週、雑草を取って 水もたっぷりやって せっせと面倒看て来たのに 1つも西瓜が成ってないでは! ・ そう思って南柵の下を覗いたら あれ、崖の途中に 西瓜が吊り下がっているでは! 大きく実って 今にも落下し割れてしまいそう。 |
あたしと一緒に育ったのよ 西畑 |
こりゃ大変! 網を掛けて落下防止策を打たねば。 ・ さて、どうにかネットは掛けたものの これでは烏にどうぞ!と 差し出している様なもん。 更にこの西瓜の上に烏害を防ぐ ネットを掛けねば! ・ そんな風にして大切に大切に 育てた西瓜が 美味しくない筈有りません。 |
パカーンと割れて! キッチン |
さて美味しいかな? キッチン |
ビンと弾ける良い音! キッチン |
過ぎ去りし葉月を語る胡麻斑蝶と高砂百合 9月1日(火) 雨曇 西畑への降口 ほら姦しく聞こえてくるでしょう! 全く高砂百合ときたら、おしゃべりだけが快楽の総てだと云わんばかりに喋りまくって、煩いったらありゃしない。 そこにインドからやって来た胡麻斑蝶まで加わったもんだから、その煩さはそりゃもう推して知るべし。 何をくっちゃべっているのか、ちょっとだけ耳を欹ててみたら、 どうやら先月、森に出現した沢山の茸と、その茸たちを巧みに操り森の薄暗い陰を利して 茸を無数の梃に替えてしまう魔女の話らしい。 ・ とまあ、訳の解ったようなわかんない様な話にちょっとだけ耳を傾けてみようかと! |
鬼猪口擬 オニイグチモドキ |
卵茸 タマゴダケ |
脂茸 ヤニタケ |
林道ゲートを鎖で閉じて 錠を掛けられて以来、 とんと登らなくなってしまった鉄塔山。 大きなゲートの東側に 錠の掛けられていない 小さなゲートがあるので、 そこから入ればいつでも 鉄塔山に行けるのだが、 やはりそこまでして 登りたいとは思わず、 ご無沙汰続き。 ・ で、今朝こそはと ゲートに行ってみたら、 ありゃ鎖は外され錠も 掛けられておらず入れるでは! ラッキーとばかり 実に久しぶりに鉄塔山へ。 森には彼方此方茸がニョキニョキ。 残念ながら石南花の花は 既に終わってしまったが、 |
茸を操る魔女か? 鉄塔山の森 |
この静かな林道の 独特な雰囲気が とても心にしっくりと馴染む。 何よりも登るに従い体中の筋肉が、 嬉しそうにハミングするのだ。 ・ 毎朝畑仕事ばかりで 酷使されていた筋肉が、 久々の朝トレ登山に歓声を上げ、 これぞ本来の俺様の仕事 とばかり張り切る。 ・ そうかつい数年前までは、 山トレ優先で、余った時間で 畑仕事をしていたが、 何という贅沢な日々であったことか! でもこんな風に年を取って いくのも悪くは無いぜ! |
脚紅猪口茸 アシベニイグチダケ |
卵茸 タマゴダケ |
赤山鳥 アカヤマドリ |
脚細昇龍茸 アシボソノボリリュウタケ elfin saddles |
これが魔女の正体か? |
脚細昇龍茸 アシボソノボリリュウタケ 妖精の鞍 |
裏紅笠茸 ウラベニガサダケ |
ほんとだね! 形は鞍そのものだけれど なんか今にも羽搏き飛び出しそう。 妖精の鞍なんて呼ばれてる らしいけど《昇り龍》とも云われている。 ・ やはりこいつ飛んで行くんだ。 雷の吠え狂う嵐の日に! |
破れ紅茸 ヤブレベニタケ |
紅日傘茸 ベニヒガサ |
毒鶴茸 ドクツルタケ |
卵茸 タマゴダケ |
黄油占地 キアブラシメジ |
僕どくつる化身 |
黄網脚山鳥 キアミアシヤマドリ |
そうか、魔女はこの 昇り龍の鞍に跨って雷鳴轟く 嵐の天空を駆け巡り、 天の意志を忖度し、森の陰を利し、 生殖の印としての茸を 森に遣わしたに違いない。 ・ だからこそ茸は生殖器の 魔羅や陰梃に 似ているのかな? |
占地の仲間 シメジ |
でも天の意思とはなんじゃ? そりゃ龍が鳳凰・麒麟・紫雲・瑞星などと 同じ祥瑞を表すことは確かで 魔女がこの龍に乗って来るなら なんか良いことが起こりそうな気が するんだけど! ・ そうじゃ! 森は茸の陰に満ち、陰は溢れ出し 真珠の滴となって 命が輝きだすんじゃ! |
房姫箒茸 フサヒメホウキタケ |
黄油占地 キアブラシメジ |
裏紅笠茸 ウラベニガサダケ |
桔梗 キキョウ 奥庭滝上 |
木槿 ムクゲ 前庭 |
ラテン語のサルビアが転訛して セージ(sage)になった。 ・ こいつとんでもない優れもので 古いアラビアのことわざに、 「庭にセージを植えているものが、 どうして死ぬことができようか」 とあるとか。効能書は続く。 特に殺菌力、消化促進、解熱、 浄血作用に優れている。 |
また、抗酸化作用が強く、 ヨーロッパなどでは古代ローマ時代より 免疫を助ける 薬草として使われていた。 ・ 更に葉を乾燥して ハーブティーとして飲用したり、 肉料理には欠かせなく ソーセージのセージは、このセージが 語源とも云われているとか! ・ せっちゃんの贈り物だよ。 |
高砂百合 タカサゴユリ キーボード |
セージ ヤクヨウサルビア 池畔 |