|
その115の4ー2015年 水無月 |
6月4週・・・仙人と木星のカオス
妖しく誘う木星大赤斑と薔薇の秋波 木星ランチョンマット上で夜明けの光を浴びる薔薇 48時間にわたる睡眠不足が肉体と脳に忍び寄る。 肉体の酷使こそ催眠剤とばかり、畑に出て汗びっしょりになって大地と格闘。 疲れて眠くなったら昼寝でもと思ったが、一向に眠くならず。 逆に睡眠不足と肉体疲労が、素晴らしいハーモニーを醸し、肉体は重力の呪縛から放たれ陶然。 ・ しかし60兆個の細胞の機能は確実に低下し、 危機を感知した脳のソフトが、リセットされ始める。 肉体はふわふわと宙を漂い、脳は歪んだ時空間に彷徨い出し過去と未来をシャッフルし 心象風景に≪妖しく誘う木星大赤斑と薔薇の秋波≫を描く。 ・ 究極の官能と化し、木星の真紅の裂け目と呼応し薔薇が妖しい蜜を放つ。 画像は≪回帰すべき遥かなる木星・大赤斑に吸い込まれる山巓人≫に連なり、 ≪終焉のデジャービュ・仙人と木星のカオス≫へと彷徨う。 ・ さて、いずこで終章のピリオドを打つべきか! |
高芝山を背にじゃが芋の収穫 君たちのお母さんはこの大地。 ある日種芋が植えられて それからせっせと水を撒かれ、雑草取りされ 大地に優しく抱きしめられ ここまで、すくすく育ったんだね。 |
根元をしっかり握り、ゆっくり引き抜く。 しっかり大きく育った芋が ぞろぞろ連なって大地から現れる。 大地が生み出した子供達。 やあ、こんにちは! |
≪メークイン≫はポテトサラダにしようか? |
じゃが芋の花 (西畑) |
ゴロゴロと (西畑) |
大地にスコップを突き立てる。 最初は静かに。 生まれた子供たちが 傷つかぬ様に。 |
数回浅く突き立て 大地の硬さを少し確かめ それから深くスコップを沈める。 そうするとどうだい、 次々と新しい星たちが出て来たぜ! |
芋ずる式とはこれか! (西畑) |
傷つけぬようにそっと! (西畑) |
連ちゃん徹夜を襲う村上龍 眠る努力はしたが昨日と同じく寝付かれないので、思い切って起きて読書に熱中。 あの不気味な村上龍の途中放棄した「昭和歌謡大全集」を再度読む。 30代のおばさん集団「ミドリ会」と20代の変質男のカラオケ集団との殺し合いが次々エスカレート。 双方の武器であるナイフが銃トカレフになり、更におばさん集団はロケット弾のM72A2LAWを手に入れ、 深夜の浜辺でカラオケに興じる変質男達に発射。 とまあ、しっちゃかめっちゃか。 ロケットランチャーで仲間を殺され残された2人・イシハラとノブエは更なる復讐作戦を調布市の地図上に記す。 そのイシハラのセリフが村上龍そのものを見事に描き出す。 ・ 「オマンコ1、スズキミドリ、とまず名前とオマンコマークを印し、大きくて歪んだ唇を描き、 出っ歯にして、舌をベロンと延ばさせ、その舌の上にうんこを乗せ、鼻の穴を大きくデフォルメさせ、 その中に鉛筆を突っ込んで、目を思い切り開かせて、吹き出しに 「あ、いいわ、いいわ、もっと大きいの入れて」と台詞を書き込んだ。・・・ノブエにイシハラは、 調布全体にでっかいオマンコマークを描きながら答えた。 「簡単だよ、調布市全部を、吹き飛ばすんだよ」 ・ 面白いぜ龍君!確かに暴力と破壊の感性描写には卓越したものがあるが、 真に迫れば迫るほど、 それが等身大の龍自身であると、透けて観えてしまう。 村上龍はこれ以上でもこれ以下でもないのだと、自ら語っているのである。 (地・森・山・読、6月16日の記録より) |
回帰すべき遥かなる木星 6月27日(土)曇 大赤斑に吸い込まれる山巓人 新たな命を生み出すには、他の生命が捕食者の肉体に深く侵入し消化され排泄された有機肥料と 太陽の降り注ぐ大地、そしてそれらを結ぶ触媒としての水が必要なんだ。 《さあ、有機肥料をたっぷり振り掛け、大地を濡らしておくれ!》 ・ そーらパサパサの大地が潤って生命の呼び声が、微かに聴こえて来ないかい! アクセルを最大限に吹かし、汗を滴らせながら耕運機の ローターを大地に深く沈ませ、 大地を掘り起し、豊穣な星を生み出すんだよ。 そしてその星に深く侵入し消化され排泄物となって、再び新たな命になるんだ! |
色変りアンネ薔薇 (奥庭) |
知らなかった白丁花 ハクチョウゲ(前庭) |
最後の芝桜 (奥庭) |
咲き出した松葉菊 (木橋) |
スイカズラ類の英名 honeysuckle 驚いたぜ! 21年間も山荘で暮らして いると云うのに 未だ知らない花が前庭に あったんだ。 小さくて白い目立たない 灌木の花・白丁花(ハクチョウゲ)。 ・ 驚いていたら忍冬が 《あたしの乳房を吸っておくれ!》 なんぞと唐突に言い出すでは。 何処に乳房があるんだい? ・ なんぞとぶつくさ云いながら ちょっと雌蕊を甞めてみたら、 ありゃ、仄かだけど本当に蜜のように 甘い乳の味。 ・ ふーん、未だ知らんことが 山荘にはきっと いっぱいあるんだね。 |
橋を彩る松葉菊 (木橋) |
白から黄へ吸い葛(忍冬) あちこちに |
待ってました山法師 (ゲート) |
|
白い芯の無いキウイ雄花 (ゲート) |
満開の紅蔓薔薇 (石段) |
白い芯のあるキウイ雌花 (ゲート) |
薔薇アーチ (石段) どうにか分裂せず焦点である木星まで達し回帰。 つまり木星をぐるり回って戻ったのさ。 それから43年後の1960年、 SL9は再び木星に接近したが、近すぎて 木星に捕獲され 彗星から木星の衛星へと軌道を変えるんだ。 |
この薔薇のアーチを、突き抜けてごらん! 98年前1917年のSL9が観えるよ。 そら土星にグングン接近し 巨大重力に鷲掴みにされ、潮汐力によって 肉体が引き裂かれそうになり 軌道が捻じ曲げられ 断末魔の叫びを上げてるよ。 |
2つのアーチを為す薔薇 (石段) |
大瑠璃星ヤンマ (山荘池) |
夏を告げる睡蓮 (山荘池) |
木星の途轍もない重力に抗いつつ 木星を回り続けるが 捕獲されてから32年後の1992年、 遂にSL9は 木星直径の1.2倍まで接近。 ・ この1.2倍の16万8千kmと 云う距離が実は SL9にとって致命的なんだ。 これ以上木星に近づくと SL9は最早姿かたちを留めることは 出来ない。 |
そう、16万8千kmは木星とSL9の ロシュ限界距離。 SL9は21個以上の破片となって 砕け散ってしまったのさ。 ・ そしてその更に1年後の 1993年3月24日8時頃(協定世界時)に この21個以上に砕け散った SL9がパロマー天文台で観測中の ユージン・シューメーカー、 キャロライン・シューメーカー夫妻と デイヴィッド・レヴィによって おとめ座に発見されたんだ。 ・ 何だか、ヤンマも睡蓮も じっと聞き耳を立てているような! |
死にそうな錦鯉とクレソン (山荘池) |
産卵する大瑠璃星ヤンマ (山荘池) |
砕け散るSL9 さてそれでは次にロシュ限界に達したSL9は、なぜ破壊されてしまうのか? をビアの摘みにして、更に呑んだくれ、 酔いどれ仙人となって冥界を彷徨うとするか! ・ 月の引力によって地球が引っ張られ、海水が干潮するのと同じ力が働き 木星に近づくに連れ、もっともっと大きな力となり、 やがて決壊せざるを得なくなることは容易に想像できる。 海水の満ち引きは解るけど、星そのものが引き千切られるとなると一体どのような力が働くのか? ・ どうやら木星の引力(重力加速度)とSL9の遠心力(重力加速度)の差が潮汐力となって SL9を引っ張るので、SL9は体積を変えずに形を歪めようと楕円になり やがて引き裂かれてしまうらしい。 となるとその力の大きさが気になるねー。 |
生春巻きの花,も咲く山荘 アンネ薔薇と生春巻きのコラボ 驚いたろうね。シューメーカー夫妻もレヴィも。 《彗星核は長さが1分ほどの棒状に見え、棒の中に幾つかの点が光って見えた》と云うんだから。 長さ1分と云えば、1/60度なので SL9の長さを計算するには、先ず木星の公転軌道の円周を出してと・・・。 木星の公転直径が15億5682万4020kmなので 円周率を掛けると公転軌道の円周は、15億5682万4020km×3.14≒48億8842万km。 それを角度1分で割ればSL9の長さが求められる。 15億5682万4020km×3.14÷(360×60)≒22万6316kmになるな。 (これ観測者が太陽から測定した場合の数値で惚け仙人の全くの誤り。 実際は下図の≪SL9の長さ計算≫の18万2917kmが正しい) ・ こりゃ大きい! 木星の直径が14万kmだから木星の1.3倍もあるぜ! 地球の直径が約1.2万kmだからSL9は、地球の15倍もある長ーい棒状彗星なんだ。 おやおや、生春巻きまでSL9にあやかって分裂ごっこなんか始めたな。 21個に分裂して棒状彗星になったりして、仙人の気を惹こうとしているのか。 どれ、それじゃ1個かぶりつくか! うっほー!こりゃ本場ベトナムの生春巻より遥かに旨いぜ! シェフは誰だ? |
大きな玉葱 (西畑) |
玉葱45kg収穫じゃ! (西畑) |
ここで何故か
|
伴星の自己重力は距離の2乗に 反比例するが、主星からの潮汐力は 距離の3乗に反比例する。 つまり主星と伴星の密度が等しければ、 (ρ1/ρ2)1/3=1となり 主星直径をDとするとr1=D/2なので RL=1.2277Dとなる。 ・ ほらこれで木星直径の 1.2倍と云うロシュ限界が 示された訳だ。 ・ で1.2倍が出た処で燻製で一杯! と喉を潤して。 |
燻製にトライ (テラス) |
この皿使えるね (テラス) |
惚けるにもほどがあるぜ! 7月3日(金)雨 目白朝トレ:ビルの100階登高中 腹筋100回とストレッチ、筋トレを終えて次はマンションの非常階段の登高。 腕の ストップウォッチをオンにし、アキレス腱、右膝、腰の反乱にセンサーを張り巡らし、ゆっくり登り出す。 以前は即、走り出しスピードを変えながらセンサーをチェックしていたのだが、 老化の進んだ現在は、彼らの反乱理由が充分に理解出来るし、暫し反乱軍が支配者を打ち負かすので、 ゆっくり登りながらセンサーをチェックするのだ。 ・ 突然センサーが赤ランプを点滅させ、けたたましくサイレンを鳴らし叫び出した。 ≪おいおい、とんでもないぜ! シューメイカー・レビが観測したSL9の大きさ1分は、地球からの測定値だぜ!≫ 強烈な電撃ショック!あーその一言で総てが解ってしまったのだ。 何と云う浅はかな過ちで有ったか。 木星の公転円周を測定角度で割ったら、観測者は太陽からSL9を望遠鏡で覗いたことになるでは! ・ 非常階段100階分を登下降し全身汗塗れになって再度ストレッチし、 もどかしく熱いシャワーを浴びパソコンを開く。 問題はtan0.5'で簡単に解決するが、果たしてそんな小さな角度の三角関数表が何処にあるかだ。 ヤッホー、有ったぞ(MC鉄塔物語にて発見)! と云う訳で、何とか惚け老人は惚けを無事回収できたのでした。 まあ、惚けの祝いに誤りは削除せず、そのまま載せて恥を曝しましょう。 しかしアキレス腱のセンサーが、HPまでチェックしてくれるなんて嬉しいね! よし、給料を上げてやろうか! |
木星に乗り上げ錦鯉死す (池) |
彗星を振り撒く自動散水器 (西畑) |
Ft=2GMmr/R3 その引き裂かれる力Ftは 実に明瞭簡潔で 2つの星の質量を掛け合わせ 距離の3乗で割って 万有引力定数Gを掛けるだけ。 ・ そうか、そんなの常識か! 気づかぬは仙人のみか? |
R3だからR(距離)が小さくなれば その3乗で潮汐力は劇的に大きくなる。 距離が1/3になれば 破壊力は27倍になり、1/10なら 1000倍となるのだ。 これじゃとてもじゃないが 決壊は避けられない。 ・ 処で、だからと云ってどうして 池の一番大きな錦鯉が 死んじまうんだい? そうかお前さん仙人の話を聞いて すっかりSL9に 成りきって木星に激突したんだな! |
燃える星☆(素焼き) (窯室) |
一番大きな鯉が死んだ (池) |
山荘クローゼットの棲人:彗星SL9 (階段下クローゼット) 豊饒な大地を夢見て山荘を訪れる巡礼は 肩に背負った大きな荷を先ず このクローゼットに降ろす。 ・ しかしそのクローゼットの壁に張られた この美しい碧い宝石の 連なりSL9の画像について 問うた巡礼は居ない。 気づいていて敢て、問わないのか それとも・・・? |
山荘に棲む彗星 識別符号は D/1993 F2 (Dは消滅した彗星を表すプレフィックス) |
シューメーカー・レヴィ木星に衝突 (階段下クローゼット) |
物体が事象の地平面に 近づくにつれて、 相対論的効果によって 物体の時間の進み方が 遅れるように見えるため、 観測者からは |
暫し待て!9秒後に始まる終焉 カオスを仙人と木星の画像に戻すには ページを更新すべし! |
ブラックホールに 落ちていく物体は 最終的に事象の地平面の 位置で永久に 停止するように見える。 (wikipedia) |
仙人と木星のカオス |
SL9、木星に還る |
ロシュ限界は物質が落下を余儀なくされ 逃れられなくなる伴星と主星との距離を表し シュヴァルツシルト半径は 光も脱出できなくなるほど曲がった時空領域の 半径距離を意味する。 ・ ロシュ限界は物質の存在形態の終焉を宣告し シュヴァルツシルト半径は 光そのものを閉じ込めてしまうので 視覚による認識世界の終焉を告げる。 事象の地平線 と云われる所以である。 ・ ロシュ限界には再生の囁きを聴くことが出来るが シュヴァルツシルト半径では 僅かに再生の望みを 託した子守唄を、自ら口ずさむしかない。 終焉の終焉なのだ。 |
21個以上の岩塊に破砕された星は、 深く大地の奥に達し 激しく震える刹那に一体化を果たし、 カオスに回帰する。 ・ 虚空の長い旅は事象の地平面で、 永劫にとどまりカオスだけが、 時の坩堝で子守唄に身を委ねる。 減衰後の甦生はあるのか! ブラックホールの地平面の近傍で このような仮想粒子対が生成すると、 それらが対消滅する前に片方の反粒子が ブラックホールの地平面内に落ち込み、 もう一方の粒子が遠方へ逃げ去ることがある。 地平面内に落ち込んだ反粒子は 負のエネルギーであるため、 ブラックホールのエネルギーは減衰する。 (wikipedia) |
鮮烈な突入に激しく震える木星 |