果てしもなく モノリスの時空回廊を 堕ちて行く。 ・ 月面にティコと呼ばれる クレーターがある。 月探査で 強烈な磁気異常体が このクレーター地下6mに 見出された。 ・ この物体はTychoのT 磁気の Magnetic 異常のAnomalyから夫々 MとAをとり TMAと名づけられた。 ・ このTMAに逢いたいと ひたすら想いつめ 26年前にTMA−0への 旅を決意した。 TMAとはモノリス。 ・ Wikipediaには TMA−0について 以下のように記されている。 (抜粋) ・ TMA−0 発見時期:300万年前 発見地点:アフリカ オルドヴァイ峡谷 長辺:4.0〜5.0m 役割:ヒトザルの知的生命 への進化を助長 ・ パッセージUの洞窟に 生命維持装置を 装着して潜った瞬間 TMA−0への時空回廊が 再び開けられた。 |
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The Passage U 洞窟の彼方 |
TMA−0を 求めてアフリカの タンザニア・セレンゲッティ からオルドバイ峡谷に ジープを走らせた。 ・ 原初の知的生命 ホモハビリスを発掘した 人類学者ルイス・リーキーの 未亡人メリーに逢って TMA−0の在った丘を 訪ねるのが目的であった。 ・ 見渡す限り半砂漠の 拡がる月面のような大地。 ジープの疾駆と パッセージUの洞窟が 重なり彼方にリーキーの 粗末な家が現れ 光が目を射る。 |
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The Passege U 洞窟の神秘 |
光を追って目をやると 天空に無数の 生命が舞う。 ・ 時空の割れ目が波立ち 白光が揺らめく。 生命を齎す光は確かに あの時空の割れ目 から放射されてる。 ・ ニューギニア島北端 赤道直下の 海中洞窟が生命揺籃を 緩やかに揺する。 ・ 揺すられる度に 新たなる生命が揺籃から 生み出されるのだ。 |
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The Passege U 邂逅の予感 |
珊瑚と岩礁の成す 小さな洞窟を覗いたら 最初に視覚に飛び込んで きたのが この光景であった。 ・ 大きなウツボの胴体か? 鰭を持った 巨大海蛇か? それとも途轍もなく 大きな蛸の仲間か? 全く見当がつかない。 ・ 洞窟は狭くて この生命体の残りの部分が 見えないのだ。 |
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未知生命の出現 オビゴンの尾・Tassled Wobegong |
岩礁の反対側に回り 岩礁を覗きこむと 見たことも無い髭のような レース網のような 枝状突起が生命体を 縁取っている。 ・ 今まで遭遇したあらゆる 生命体を想い浮かべ ほんの少しでも類似してる 部品を検索する。 ・ 《該当する生命体は 在りません》 |
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髭もじゃ初遭遇 オビゴンの触髭・Tassled Wobegong |
どうも顔らしい。 白眼のように見えるのは 噴水孔のようだ。 ・ 噴水孔があるのは 硬骨魚類。 となるとこいつ鮫の仲間か? ・ でも鮫ならば 噴水孔は5,6対あるはず。 探してみるが どうも他に噴水孔は 見当たらない。 だいたい顔ならば 眼が何処かに無ければ おかしい。 |
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初生命の相貌 オビゴンの顔・Tassled Wobegong |
あった! 噴水孔の少し前に 小さな小さな白い点があって そいつが眼だ。 暗闇に居る為に眼が 退化してしまったのか? ・ 大きな図体してて 眼が こんなにも小さいなんて。 可愛らしい。 ・ だが全体像は どうしたら見られるのか? 更にカメラを抱えて 右往左往する。 |
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やっと見えた碧眼 オビゴンの眼・Tassled Wobegong |
口はどうなっているんだ。 真正面から 近づき思い切りズームアプ。 ・ あれっ! 小さくて細くて短い 半透明な針のような物が 見えるけど あれ、歯かな? ・ あんな小さい歯では 獲物を噛み砕けないし 捕食そのものが 難しそうだな。 ・ 口そのものは横まで 裂けて大きいので きっと獲物は 丸呑みするんだろうな。 |
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小さな歯がキラリ オビゴンの口・Tassled Wobegong |
夜の海で再び 遭遇に成功した。 何と泳いでいるではないか。 ・ しかし何とも ヘンテコリンな容姿。 眼の位置が不明なので 何処に顔が あるかわからん。 ・ 鰭のような大きな手で 鳥のように羽ばたきながら ふわっと ホバーリングしたかと思うと 左右に体をくねらせ 在らぬ彼方へ 泳ぎ去った。 ・ 知的生命が 目覚めるまでの数億年を 唯ひたすら 海の底で待ち続ける モノリスはお前だったのか? |
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夜には泳ぐんだ オビゴン上半身・Tassled Wobegong |
タッスルド・オビガン
(テンジクサメ目 オオセ科 3mを超える)
《D》 華麗なる生命へ