太陽を追って 船は西のマタン島に 向かって出航した。 ・ 港での雨は上がり 夕日が雲間から顔を見せ 海を染め始めた。 ・ 飛行機が遅れたため 昼のDVは中止。 夜のDVを希望するが 応ずるは数名のみ。 ・ 3回も飛行機を乗り継ぎ 2日間運動不足で 身体が腐っている。 たとえ1本目が夜であろうと 潜らねば! |
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1本目から・ナイトダイブ |
うおっほー! まさか透明膜を張って 眠りに入った ナンヨウブダイ君に 逢えるなんてラッキー! ・ あれ!でも 左の幕に襞が寄って 透明じゃ無くなっているよ。 これじゃ、幕張りが バレバレで かえって敵に存在を 示しているようなもんだね。 ・ でも本人はライトを当てても すかりり熟睡。 そうか膜を破られると 敵侵入に気づくのであって 灯りは敵では無いんだ。 |
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幕を張る南洋武鯛 ナンヨウブダイ・Blunt-headed Parrot Fish |
羽を広げて 泳ぎ回る蓑笠子も 初めての出逢いだね。 ・ こいつテリトリーがあって 雌を巡って闘い 雄を追い出すんだ。 ・ 尾に茶のT字が 見えるだろう。 あれが同定の決め手。 ・ 鰭には強い毒があって 刺されると 極めて危険らしい。 ・ 縞馬・ライオン魚と 英名は賑やかだね。 |
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麒麟蓑羽ばたく キリンミノ・Zebra Lionfish |
沿岸にある ハウスリーフでの 夜DVは魚影が薄く つまらんことが多い。 ・ だがクルージングと なると大違い。 昼は活発に飛び回り とてもカメラで 捉えきれない沢山の魚が 静かに 眠っているのだ。 ・ シンジュタマガシラが まさかこんな目をして 口を半開きにして いるなんて、お目には かかれない。 |
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眠る真珠玉頭 シンジュタマガシラ・Scolopsis Margalitifer |
小さくて黒いのに 七色の虹のように光る この摩訶不思議な 生命を見たときは 面食らった。 ・ 飛んだと思うと 次の瞬間には砂に潜り 変幻自在。 なにしろ夢中で シャッターを押し続けた。 ・ 船に上がって画像を 再生して観たら 紛うことなくコブシメ。 小さすぎて脚が 見えなかったのだ。 |
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昆布締めの子供 砂に潜るコブシメ・Broadclub Cuttfish |
金に象嵌した 青玉・サファイアが 半分閉じられた瞬間に 逢えるなんて ナイトダイブじゃないと ありえないね。 ・ 昼は体の文様と同じような 海底部に寝そべり 完全な保護色で 唯ひたすら眠っているのに 夜になると 獲物求めてこの通り。 ・ 公家や神官が手にする 忽(こつ)に似てる とか骨が硬いので骨(こつ) だとかゴチの由来は 諸説あるらしい。 |
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・ ナイトダイブは 18時30分と決まっている。 1時間潜ると ディナーは20時になる。 ・ 飲兵衛はここまで待てずに 昼のDV3本で 切り上げサンデッキに出て 呑みはじめる。 ・ 従っていつもナイトダイブは 少人数でゆったりと 愉しむ事が出来る。 ・ 撮影もじっくりと 充分時間をかけて出来るし 魚の動きも少ないし 最高のダイブ。 |
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鰐ゴチの碧眼 夜行性のワニゴチ・Crocodile Fish |
最初は大貝被りの 擬態かと思ったがどうも 擬態の海綿等 背負ってないようだし。 ・ かたっぱしからPCで 検索したが 一番似てるのがカラッパ擬。 毛深さ体型では 貝被りらしいが・・・。 10cm大の蟹の種類は 少ないのだが 判らん! ・ 夜行性で素早しこくて 直ぐ砂に隠れ 姿を見せないので カラッパの撮影は難しい。 |
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カラッパ擬き お前は誰だ?カラッパモドキ・Box Crab |
連夜のDVで お目にかかるお馴染みの オトヒメエビ。 胸の美しい青紫は 大人の徴。 ・ 紅白縞の太い脚は 3番目の脚。 1,2番目の透明な 細い脚が先端の鋏を 開いて獲物を探してる。 ・ 細くて長い白い触角で 大物魚に接近し 小さい鋏と大きな鋏で 大小の寄生虫を クリーニングする。 ・ 大小の鋏を使う なんて芸が細かいね。 あれっ!左鋏の 先端が折れているよ。 |
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乙姫海老参上 オトヒメエビ・Banded Coral Shrimp |
クマザサハナムロなんて 泳ぎが速くて 昼なんかとても撮れない。 撮れてもピンボケ。 ・ 夜になると 色も模様も変え変身して ご覧の通り。 海の群青を切り取った 鮮麗な藍青色は 何処にも見られない。 ・ 特に白い横縞は 眠っている時にしか 現れない独特な眠り縞。 ・ 初めて見せてもらったよ。 |
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熊笹花室の眠り縞 クマザサハナムロ・Pterocaesio tile |
フラッシュの他に ライトの照明が ナイトダイブの撮影には 欠かせない。 ・ 先ず被写体に 確認照明を当てる。 次に撮影部分に 当てる照明の強さと範囲 を決めて ライトを固定する。 ・ 左手にカメラ 右手にライトを持つと シャッターを押す 手が足りない。 ・ 3本目の手の代わり カメラに固定した照明を 付けるか 助手が居ないと撮影は 出来ない。 ・ が、両方共無い時は 必殺技を使うしかない。 カメラを固定したまま 右手の親指を ギリギリまで延ばして 指の先端で シャッターを押すのだ。 ・ 勿論、うまく いくはずが無い。 押した途端に照明が ずれて影が出来たり カメラがぶれたり。 ・ そんな悪戦苦闘の 2枚の近接ショットが これである。 |
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漣河豚 白アイシャドウのサザナミフグ・Whitespotted Puffer |
《C》 未知なる邂逅へ