仙人日記
   その97の42013年師走
12月4週・・・クリスマスにはローストチキンを召し上がれ!

初雪に甦る ジョンとアイベックス


あれれ、雪塗れのジョンがってるぜ!

アイベックスはチベット高原を
走り回っていたんだから
雪は親しい友達みたいなもんなのさ。
だから山荘に初雪がやって来ると
いつも真っ先に
歓びの雄叫びを上げるんだな。
見せたかったなー!
そりゃ、ジョンの燥ぎ様ったら大したもんさ。
鹿は餌が喰えなくなるから
雪を嫌うのにジョンはまるでお構いなしさ。
ほら大きな角が歓びに輝いて
艶々と何とも立派だね。
 
アイべックスも雪大迎!

あっと云う間に雪

雪はログにも似うね
モノクロの世界に
手作りした風見鶏の緑だけが
鮮やかで目立つね。
敷石なんぞまるっきし熊の足跡。
静けさが
切々と迫って来て
静寂そのものの音色が
聴こえてきそう。
夏の暑い陽射しを遮って
涼やかな影を落とし
朝食の場を提供してくれた石卓。
楓や山法師の葉も
すっかり落ちて石卓は
ただただ
寒さに震えているばかり。

テラスもも雪こんこん

冬の石卓はしそう




P2峰がえているね
夕映えの雪山

全く気が付かなかった
このアングル。
まさかログの背景に
P2峰がこれ程までに
迫っているとは!

20年も棲んでいるのに
ま未だ未だ
未知なる美しさに山荘は
満ちているんだね。

高芝山がまるでヒマラヤみたい!
 
深々と雪が降り続け
彩を失い
光と影だけになった世界に
一瞬差し込んだ
薔薇色の光彩。

漆黒の窓枠に
囚われていた心象が
見い出したのは
限りなく透き通った歓び。

純粋思惟の世界
でしか観ることの出来ない
あの光を今
きっと観ているんだね。

暮れなずむ高芝山がぐーんとるね


雪の山荘:夜明けの瞬間
夜のから現われた山荘
 12月21日(土)晴 小倉山頂から
 



夜明けの座禅峠にく2つの太陽
光がこんな風に
2つに分かれて
雪の峠で戯れているなんて
初めて観たよ。

「どっちが本当のあたし?」
と問いかけているけど
そんなの
生まれたばかりの
赤ちゃんだって
直ぐにわかるのにね。

きっと光も初雪が
嬉しくてジョンのように
燥いでいるんだね。
小倉山の雪の夜明けが
あんまり
良かったので
夕刻には
沈み行く太陽を追って扇山へ。

森の背後で碧い影を
海のように漂わせているのは
秋に登った
あの懐かしい赤石岳だぜ。
どうだ、いいだろう。
あいつとは
兄弟の契りを結んだんだぜ。

夕映えの山山頂




クリスマスには ローストチキンを召し上がれ


わんかい!
銀世界の朝が嬉しくて
小倉山の天辺を目指して里を
歩いていたら
ひょっこり現われたのは広瀬氏では。

「大分鶏が大きくなったので一緒に
絞めて喰いませんか?」
「いやー、ヒマラヤでは鶏、羊、牛なんぞ
ベースキャンプまで連れてって
絞めて喰っていたけど
絞めるのはポーターだからね。
自ら解体した経験はないんですよ」

先ず首をちょん切ってと!

血をしっかりさないと!

殺人現場ならぬ鶏現場じゃ!

湯に漬けんと羽はけんよ!

Oh My God!

そうそうその調子だ!

羽はえんからカットして!

恐るる村上も参加

最後にった羽を焼くんじゃ!
山頂を目指して
スピードアップしながら話は続く。
「ほんじゃ、この前、鹿を解体した
川村さんに来てもらって
絞めますか?」

で朝トレーニングの後で
畑の中の鶏小屋に行ってみたら
既に準備万端。
「鹿の解体に比べりゃ、こんな鶏は
どうってことねーずら」
あれよあれよと言う間に鶏は丸裸。
寒そー!
そっか死んでるから感じないか!

さあ、これで一丁がり!




それじゃ調理しますか!

オーブンから良い匂いの丸焼きが!
どうじゃこれがクリスマスのローストチキンだ!

まさか七面鳥の代わりクリスマスに食べられるちゃうなんて夢にも思って無かったんだろうね、今朝までは。
畑に造られた鶏小屋で充分に走り回り、美味しい畑の野菜をたっぷり食べて育ったから
肉がよく締まっていてまるでスルメを食べているよう。
咬めば咬むほどに味がじゅわーっと染み出て、美味いの何の!

うーん、遠い未来に人類にもこんな日が訪れるのかな?
「銀河系の中心から2万6千光年も離れた片田舎で育ったhumanityは、まーよく運動もしてるし
そろそろ食べごろかな?
さて、焼いて食べようか、蒸すか、それとも笹身を取り出して刺身にするか?」

「いやー未だ未だ未熟で、美味しいと感じるほど知能が発達してないから
食べてもあなた達のような超越知能者にとっては何の足しにもなりませんよ。それどころか
激しい下痢や嘔吐に苦しめられるのが落ちですよ」
とか必死で抗弁したりして・・・・・。


からクレソンを持ってきて!
こうしてみると
確かに人間はこの上も無く残酷で傲慢で
極悪非道なのです。

この残酷な殺しの部分を他者にやらせ
奇麗にお店に並んでいる死体をながめながら
「あら、こっちの方が美味しそうね」
なんぞと宣ふのですから
一層、罪は重いのです。

とか云いつつ殺しに加担した慙愧に
耐えかねるでもなく
仙人は実に美味しそうにローストチキンに
むしゃぼりついたとさ。

さっきまできていた鶏か!


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