仙人日記
   その91の22013年水無月

6月2週・・・カンブリア紀のアリア
 カンブリア紀のアリア
 高芝山から昇る太陽 2階廊下東窓から 6月9日(日)晴 5:25

カンブリア紀のアリアを謳っているのが《遺伝的揺らぎ》であると知っていましたか?
漆黒の翳を深く落とす高芝山の背後で、超新星のような生命の爆発の瞬間は待っていたのです。
永劫に続いてきた闇に高らかに生命を謳いあげる歌手さえ見つかれば、赫奕たる太陽は昇ることができるのです。

《遺伝的揺らぎ》を生み出すには遺伝情報の異なる2つの個体が、互いに遺伝子を提供し合い
無性生殖の固定した遺伝子の流れに、異なる遺伝子を放り込まなければなりません。
そうして生じた揺らぎから新たなる環境に、より適した形質を持った子孫が生み出されるのです。
その無限の繰り返しが僅か5億年で知的生命を生み出したんですね!

生命の爆発と云われるカンブリア紀の夜明けを高らかに謳い上げる歌手は、この《遺伝的揺らぎ》だったのです。
このアリアを聴く為に山荘の夜明けは在るのです。




山荘の北回帰線・高芝山 2階廊下東窓


北緯23度26分22秒、長さ3万6787.559kmの北回帰線は
確か台湾上空を走っていて
日本の最南端の沖ノ鳥島より
緯度で3度も離れているからとても遠くて観えはしない。
あれ大体、北回帰線なんて
北緯23度地点だって観えはしないんじゃなかったっけ?

小賢しいこと言ってるな。
6月21日の高芝山のてっぺんの太陽が
北回帰線で
12月22日の水晶峠の上の太陽が
南回帰線だなんて山荘では常識なのさ。
山荘では北回帰線が観えるんだぜ。
嘘だと思うなら6月21日に山荘に来てご覧。
その日の朝、晴れていれば
高芝山の頂から日輪が一条の光を投げかけて
「ほら、此処が北回帰線だよ」と
教えてくれるんだ。

勿論12月22日には南回帰線だって
観えるんだぜ。

 光の抱擁 2階廊下東窓



大変だ花がいちゃった! 

玉葱のだよ 

倒れるのは穫合図 

先ずを切断して 
翳になった葉の裏に
年輪のような玉葱の輪が観えるかな?
あー話しが飛んじゃったけど
「カンブリア紀のアリア」に映っている
スパティフィラムの葉翳のことさ。

あれが現れた日こそ
山荘玉葱を収穫するに最も適した日。
太陽がぴかぴかでないと
収穫した玉葱は腐ってしまうからね。

ほらルチの上に並んだ 
いつもは黒いマルチシートを剥がして
それから葉を切るんだけど
そうすると小さな穴しか開いていない
シートが破れて
使えなくなってしまうんだよ。

そりゃ次回には新しいシートを使えば
いいのだがそうすると
前のシートがゴミになって燃やすと
有毒ガスを出すし。

3つで1.6kgもあるぜ 
そこで今年から使ったシートを
再利用することにし
その為に先に玉葱の葉を切ったのさ。
シートは上手く回収出来たから
次回も使えそう。

あんまり大きいので計ってみたら
3個で1.6kgもある。
さてそれではコロッケ、サラダと
調理が愉しみだな。
 
全部で80kgも採れたんだ! 
玉葱は大収穫だけど
じゃが芋は男爵もメークインも
北海道から送って貰った芋も
霜にやられ
花が咲いたのも僅かでほぼ全滅。

その上辛うじて残っているじゃが芋が
猪や笹熊に喰われてはと
明らかに未だ早いが敢えて収穫。
小さくていつもなら畑に放置
してしまうのだが今年はしっかり掘り出す。

早速唐揚げにして
塩胡椒で食べてみたら滅茶うま。 
御餅とバターのような
えも言われぬ究極のポテトに舌鼓。
 
と云うことは1つで00g以上もあるんだ 



ず小さな太陽を 

薔薇の花でってあげようか 

次にきな太陽をと 
うーん、どうしようかな?
昨年は妖精達が玉葱を収穫したので
妖精達の名を
玉葱で描いたんだけど
今年は収穫日でも記そうかな。

いやそれじゃ余りにも芸が無いな。
そうだ、北回帰線にやって来て
葉翳に年輪のような
玉葱の輪を表わした太陽を描こう。
感謝の気持ちを込めて。

先ず小さな太陽を描いて
沢山咲き始めた薔薇をあしらって
燃え盛る太陽にしよう。
想像を絶する高圧高温の中心核の
数値はと、えーとそうそう
2500気圧、温度1500Kだったっけ。

薔薇だけでその想像を絶する世界を
表すのははちょっと無理やな。
中心核の外側に
光球と彩層の大きな円を描いてと。
 
あれ!何だかな太陽だな! 
 最後に髭の様なコロナと紅炎を
着けて、これでどうだ!
あれ、昔、むかし何処かで見たことが
あるような・・・。

そうだ、これ幼児が描く
セックスマークと同じじゃないか?
と云うことは・・・
そうか元々セックスマークと
太陽はおんなじなんだな。

もしかするとこれ
遙かなる過去・《遺伝的揺らぎ》にも
連なるカンブリア紀の
シンボルなのかも知れない。

うん、そうだと勝手に決め付けてみれば
これ中々面白いでは。
で、今年の玉葱収穫祭のマークは
これになりました。

*K:ケルビン
(絶対温度)ー273℃=0ケルビン



白菜の採り 西畑から奥庭へ  
 
のたのた登って行く家鴨のような
 小倉山頂からの富士 6月10日(月) 
 
小さな芋しかれない 林檎畑から陶房へ 

つい先週まで真っ白だった富士の雪もかなり融け、吉田大沢に家鴨のような農鳥が現れた。
農鳥とは自然が描く農業カレンダーで、多くは山体に描かれた残雪の形か、雪面が融けて現れた黒い大地の影。
こいつが現れたら玉葱、じゃが芋を収穫し、冬野菜の種を採って来季に備えねばならない。

玉葱、じゃが芋の収穫は終えたので残るは青梗菜、小松菜、白菜の種採り。
青梗菜は黄色く稔り真っ黒な小さな種が沢山採れたが、白菜は未だ鞘が青くとても実が採れそうにない。
仕方なく林檎の木に張ったロープに白菜の実を吊るし、熟すまで暫く様子を観ることにした。
果してこんな状態で種が採れるのだろうか?



Index

Next