その１０３の２ー２０１４年水無月

意思を伝える薔薇 アンネ薔薇咲く　奥庭 薔薇が喋った。 「論文撤回で、事実そのものが なくなるわけではない」 どんなにかこの言葉を 待っていたか！ 迫害される薔薇に ローマの 異端審問所に呼び出された ガリレオが重なるでは。 ・ E pur si muove （伊語） And Yet It Moves（英語） それでも地球は回っている 【あーでも、実際はギリシャ語で 言ったとか・・・】

地動説を唱えないことを 宣誓させられたガリレオは 自ら望遠鏡を作り 木星の衛星を観測し 地球が動いても月は決して 取り残されはしないと 証明していたのだ。 ・ あーそれじゃ 何のことかさっぱり解らんて？ あのね、つい先頃の 4百年程前の１６世紀までは 地球が宇宙の中心で 地球の周りを 太陽も星も回っていると 考えられていたのは 今では 小学生だって知ってるだろ。

		もしも地球が動くなら 月は地球に置いて行かれて しまう筈。 と云うローマ教皇庁の疑問に 木星衛星の観測結果を ガリレオは示したんだ。 ・ ほら、木星から離れず ４つもある大きな衛星は 木星と共に動いているではないか。 勿論それでも地動説は 認められずガリレオは 異端審問裁判で 断罪されてしまったのさ。
白銀の輝きを放つ 山法師が笑った。 「幾ら何でも、STAP細胞の有無を 地動説に重ねるなんて 相変わらず 仙人は思い込みが激しくて とても付き合いきれないね」 ・ 其処へやって来たのは 畑生命を支配する水の管理を行う 自動散水機の修理人と その水を温め、山荘生命を 支える温水器の修理人。

太陽光熱温水器停止？ 　前庭　５月７日（水）	顔面出血じゃ！　中庭　５月７日（水）	自動散水機も不調じゃ！葡萄畑　５月２０日（火）
朝トレーニングを終え風呂に飛び込むと、ありゃ、お湯になっていない。 確か朝トレに出かける前に湯上げスイッチを入れておいたのだが何故・・・・？ ディスプレイを観ると今まで見たことのない≪点検≫表示。 何を点検すればいいのか、兎に角カタログを引っ張り出し調べるが、解らない。 点検表示と同時に何処を点検すべきかの表示も出ると書いてあるが、点検としか出ていない。 これじゃ温水器修理人を呼ぶしかないか？ ・ 自動散水機のヘッドが回転せず畑の一か所しか散水しないので、散水の機能を果たさず 一か所の土を流出させ、これまた早急に修理せねば。 なんとか仙人独力で解決せんと奮闘したものの、ドジを踏んで仙人は顔面出血なんぞして 「おー久々の顔面出血じゃ！」なんぞと吼えてるし。 未熟な見習い仙人だもんだから、しょっちゅう彼方此方怪我をしては出血しているのに 顔面からのほんの僅かな一条の出血が、そんなに興奮するほど珍しいのかね。 ・ そうそう昨年は確か自動散水機を修理してて転倒、自動散水機に激突し 肋骨を折ってコルセットなんぞしてたんだっけ？ となると、やはりこれまた自動散水機修理人も呼ばねばならないのかな？

「≪事実そのものがなくなるわけではない≫ ふふん、にも拘らず論文撤回 ちゅうことは 決して本人の意志では無い。 意志でも無いのに何故撤回したかが 問題じゃな。」 と呟くは畑の生命を操る 自動散水機修理人。	ゆぴてるの妻・ユーノー ゲート・前庭で咲き誇る山法師 と、まあそんな事情で１か月前の自動散水機修理人と 温水器修理人が何故か 突然飛び入りしてきて何やらぶつくさ呟くでは。

		「教えてやろうか！ ６月５日朝のかわら版によると どうやら撤回には ３つの理由が有るらしいぜ。 その１ 論文を掲載した ネイチャー編集部が独自に 調査を行い、どうも こいつは取り下げさせたほうが いいのではと判断し 米ハーバード大の チャールズ・バカンティ教授に 撤回を打診したらしい。 ・ 強制撤回される不名誉を 避けさせたいとの 編集部の意図が教授に伝わり 教授は晴子さんに 『白紙にすることも１つの道 ではないか』と連絡したとか。 ・ 実際、教授は撤回を申し入れたと ５月３０日付のネイチャー誌に 報道されているんだって」
恰も自ら取材したかのような したり顔で話すは 太陽光で山荘の生命を支える 温水器の修理人。 ・ 仙人の思い込みの激しさに 呆れ返っていた山法師も 聞き耳を立て 「そんなら２つ目と３つ目の 撤回理由は何なの？ 焦らさないでさっさと教えてよ」 と言い出す始末。 ・ 遥々と八王子から駆けつけて来た 温水器の修理人は すっかり気を良くして再び 語り始めました。

鉄線（クレマチス）　前庭	咲き始めた蔓薔薇　中庭	「２つ目は 理研の検証実験にあるらしい。 論文への様々な疑義は 夫々調査するにしても 果たしてSTAP細胞は 在るのか無いのかを 検証することこそが一番肝心な ことなのではないか？ ・ 当然その検証実験には 晴子さんが参加しなければ 意味がない。 ＳＴＡＰ細胞を作れない人が 検証実験やったら 自らの未熟をすり替えて ≪存在しない≫と云う結論を 出す可能性が高い。 ・ しかしこの検証実験に 参加する条件として晴子さんの 論文撤回が 求められているような 裏圧力が臭うらしいのだ。
実際、晴子さんは ≪参加のためには撤回に 応じざるを得ない≫ と云う趣旨の説明をしているとか。 ・ これが撤回の２番目の理由だって。 どうだい、おかしいだろう？ 何故、撤回しないと 検証実験に参加させないの？ ・ 始めから ＳＴＡＰ細胞の 存在の有無を 問題にしていない、のでは？ つまり御座なりの実験を行い 一刻も早く≪無い≫との結論を 出そうとしているのでは？ と疑いたくなるよね。	紅満天星躑躅　前庭	紅満天星躑躅　前庭
吸葛（スイカズラ）　前庭	蝮草（マムシグサ）　座禅草公園	前回の論文の調査委員会の 対応を覚えているかい？ 他機関では１年以上かけて 調査する この手の問題を理研は僅か４２日で 調査を終えたんだ。 ・ これは理研規定の１５０日以内と 比べても異常に短いし どうもおかしいんだよ？。 この裏に国から出る巨額資金が 絡んでいるとなると もう、とても許せないよね。 ・ えっ！その裏が知りたいって！ ほら、政府が今春の閣議決定を 目指していたあの新制度 【特定国立研究開発法人】への 指定問題さ。
昨年も理研には５５０億円の 運営費交付金が 国から出ているんだけど これとは別に より自由に使える資金が 【特定国立研究開発法人】には 交付されるんだって！ ・ まー理研調査委員会は 急いで４２日間で 結論を出したものの結局 間に合わず 今国会での指定は 見送られてしまったんだけどね。 ・ さてどうする？ 論文撤回同意への第３の理由も 聞きたいかい？」	エゴノキ　前庭	エゴノキ　前庭

頑張ったね！６月２日　小倉山頂直下

雪の北鎌尾根の登攀者 １９７８年４月槍ヶ岳北鎌尾根 天空に突き上げる最後の急峻な 氷のガリー（岩溝）を抜けると 槍ヶ岳の頂であった。 ・ 山巓にピッケルを打ち込み、ビレーをとり ザイルをたぐる。 ザイルに結ばれ、やや上気した顔の 冨美代さんがガリーの底から姿を現した。 ４日目にして遂に 手にした雪と氷の槍ケ岳の山巓。 ・ 「ご苦労さん！ これで危険なルートは終わった。 よく頑張ったね」 小倉山の頂に立った冨美代さんに 今、再び 同じ言葉をかけてあげよう。

オペ後初登頂　６月２日　小倉山頂

雪の北鎌尾根の登攀者 １９７８年４月槍ヶ岳北鎌尾根　槍山頂直下のアイスガリー （撮影：坂原忠清　登攀者：冨美代）

「危険なルートは 終わったですって！ その夜のことをもう忘れて しまったんですか？ ・ 逃れようもなく刻々と迫りくる死。 各自がしたためた遺書。 あれほどまでに死に 接近した恐怖は今回のオペとは 較べようもありません。 ・ 登頂を果たし 槍の肩に幕営し夕食を とり始めた頃に そいつは突然襲ってきたのです。 テント内の金属は帯電し 髪の毛は逆立ち 稲妻と共に炸裂する雷鳴。 ・ 暴風雪がテントを 吹き飛ばさんとばかりに 激しく叩き もう生きた心地はしません。	春に咲く野薊　葡萄畑	春に咲く野薊　葡萄畑
冬越しした春菊　林檎畑	冬越しした春菊　林檎畑	重いザックを背負い ザイルを結びあって 危険に満ちた 雪の北鎌尾根登攀に成功した と云うのに 待っていたのは一瞬の登頂の 感激とその直後から 襲い来る死の嵐。 ・ 温水器の修理人の話を聴いていて 決して理解出来はしなかった 晴子さんの STAP論文のネイチャー掲載の 歓びとその直後の絶望が 分かるような気がしました。 ・ そう云えばあの時 あたしも３０代になったばかり。 そりゃ雪の北鎌尾根登攀の 歓びと晴子さんの 歓びは全く別次元のものだけど その喜びと直後の 絶望との落差だけは 理解できるような」
野薊が真っ黒くろ介みたいに 目ん玉を剝いて一言。 「あのね、仙人さんよ。 幾らなんでも冨美代さんまで 動員して一体、 何を語ろうとしているんだい？ ・ 冨美代さんの体験と 今回の晴子さんの歓びと絶望を 結び付けようなんて 全くおかしいぜ」 ・ すると山荘の厳しい冬を 超えて咲いた春菊もキウイ、 松葉菊もシュプレヒコールする ではありませんか。 ・ 「そうだ、そうだ！ 冨美代さんは唯無心に このささやかな小倉山の 山歩きを愉しんでいるのに 変な処に引っ張り出すな。 ほら、小倉山も 怒ってるぜ」	雄花キウイ　西畑	雄花キウイ　西畑
雌花キウイ　西畑	雌花キウイ　西畑	放射状に延したキウイの 雌蕊が黄色い雄花 に優しく語り掛けます。 ・ 「冨美代さんは唯 晴子さんの気持ちが解ると 云ってるだけでしょ。 まーまー此処はそう喧々せず 論文撤回の３番目の 訳とやらを温水器の修理人に 訊いてみましょうよ」 ・ 「そうこなくちゃ！ ここで嫌らしいおっさんが 登場するんだ。 その名は【文部科学省幹部】。 つまりいつも政治問題が 発生すると 裏で暗躍してるとされる あの文部官僚さ。
その文部官僚は こう云ったのさ。 『理研の勧告に従って 論文を取り下げれば情状酌量 となるという考え方もある』 ・ もし撤回しないと 諭旨免職とか、懲戒解雇 つまり辞めさせられるか 首になるとの 脅しが掛かっているんだってさ。 ・ こうなりゃ、もうお手上げさ。 論文撤回はやむなし。 とまあ、こういうわけなのさ」	松葉菊　西畑	松葉菊　西畑

砕かれた標識　６月９日雨　小倉山頂

心無き人に砕かれた小倉山頂標識は呟く。 「仙人様、砕かれ、痛みと哀しみの どん底にあるあたしにも一言云わせてください。 ・ 論文を読んだ第三者が STAP細胞を作れたら初めて論文の 正しさが証明されたことに なるのではないでしょうか？ 従って検証実験に晴子さんを参加させないのは 間違いではありません。 真実であるならば、きっと世界の科学者の誰かが STAP細胞を作る日が来る筈です。 その日を静かに待ちましょう」

７つの断片　６月９日雨　小倉山頂

９日（月） １６７７８歩、１１km７４４m、５８７Kcal   曇雨 西畑、小倉山 ＺＺ（２:４９） アスパラ、唐黍、人参、胡瓜播種 １０８１５歩、７５７０m、３８８Kcal, 再びショック！小倉山の山頂標識が何者かによって砕かれ捨てられているのを発見！ 先週２日の月曜日に写真を撮った時は異常なく、 平日の雨の日にこの山を訪れる人は居ないだろうから、昨日、日曜日に割られたと推察できる。 陶板をビスでしっかり固定してあるので、簡単には外れない。石か岩をぶつけでもしなければ７つの断片に割れることはない。 一体誰が、そんな意味もない悪戯をしたのか？ ・ そういえば７年前の昨日は秋葉原無差別殺人事件が起きた日だ。勿論何の関係もないが、 無意味な悪意のなせる業であることは間違いないだろう。