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その103の3ー2014年水無月 |
そんなにもお前は待っていたのか! 6月19日(木)晴 北峠下の森 |
そう云えばいつも朝トレで通る 北峠下の森に 数年前から捨てられたパイプがあったっけ。 森に行くたびに 十数本の長いパイプに切なそうな瞳で じーっと見つめられるのだ。 ・ 「このまま朽ちるまで あたし達ここに放って置かれるの? もう一度だけでいいから あたしの中に水を通しておくれ!」 |
そりゃ、その気持ち解らぬでもないが 何しろ1本で5mもある長い パイプに水を通すとなるとそう簡単に 望みを叶えてやる訳にはいかないぜ! 仙人はとても悩んだのです。 ・ 先ずこの重いパイプを山荘までどうやって 運ぶんだい? 1本で5mもあるんだぜ。 山道に突っ込める 四駆の軽トラックがあれば どうにかなるかも知れないが 山荘の車じゃ無理。 ・ うん、待てよ! 若しかするとバイクに積んで 上手く固定出来れば 走れるかも! 後は運転手の腕次第じゃ。 |
すげえ、重いけど使ってあげよう! |
どれを選べばいいんだ? |
こいつにしようか? |
てなことになり 無謀にも径12cm長さ5mの 重いパイプを バイクに積んだのです。 ・ ハンドルの上にパイプを載せると 当然ハンドルは動かない。 ハンドルから荷台にかけて パイプが通れば サドルに座ることは難しい。 |
さあ、一体仙人はどうやって この5mのパイプを バイクで運んだのでしょうか? ヒントは脇腹の炎症じゃ。 ・ 運搬後どうも右脇腹が痛いので シャツを捲ってみたら パイプと接触した部分が紅く 炎症を起こしているでは! まー此処までよくぞ我慢したね。 |
さあ、扇山と山荘を繋いでやろう |
さてどうやって運ぼうか? |
葡萄畑まで一直線に 従って奥庭の流し場に排水管を付ける と云う発想は無かったのだ。 しかし収穫した作物が沢山あって 洗う作業が長引くと 当然のことながら排水は溢れ 地面は水浸しになる。 ・ やはり排水管は必要なのだ。 |
野菜に着いた土を洗うだけ。 洗剤を使ったりして 水を汚染することもない。 そのまま流しっぱなしにして置けば 大地が吸い込んでくれる。 |
重い庭石が邪魔だ! |
洗い場に合わせて |
5m管を2本繋いで |
さてこれで流れるか? |
北峠の森に捨てられた管を再利用 差し当たり洗い場と 最短距離にある葡萄畑を結ぶことにすれば 10m程のパイプで足りる。 森に捨てられたパイプを2本繋げば 何とかなりそう。 ・ 問題は水槽と排水管をどう繋ぐか? 2本のパイプのジョイントが 手に入るかの2点。 さて仙人はどうするつもりなのでしょうか? |
さて排水管を引くとなると その排水を何処に導けばいいのか? ここから里の排水溝までパイプラインが引ければ 云うことはないが そりゃ大工事となり、膨大な費用がかかる。 |
長年の懸案が解決するか? |
葡萄畑への排水成功 どうです!この美しい水の循環。 奥庭に導かれた扇山の水が 森に打ち捨てられたパイプを流れて 葡萄畑に嬉々として ダイビングして行くではありませんか! 傍らのアンネ薔薇が 「おめでとう!」と祝福してるかの様。 |
そこで又またバイクの大活躍。 ブイーンと街のホームセンターまで バイクを走らせ 1個35円の塩ビ管のL字型の継手を 見つけ出したでは! それにしても1個35円とは驚きの超安値。 |
工事成功を祝うアンネ薔薇 |
猪、鹿に喰われず、久しぶりの収穫 林檎畑 |
小さいのを唐揚げに! 収穫70kg 日除け帽を被り スコップを持って畑に出る。 木の枝にラジオを掛け FMのクラシック音楽を選び スタンバイ完了。 ・ 何だかそれだけで ウイーンやモスクワの大劇場の 特等席に座った気分。 つい最近まで時間に追われ 能率第一で 畑作業はかなりの重労働で あったのだ。 ・ 時間を捨てた途端 山荘の畑が いきなり大劇場に変身! |
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そうだったのか! 山荘の畑の正体は 世界でも類なき壮麗な 大劇場であったのか。 ・ そう気づいてから 畑作業が如何に贅沢な 豊穣な時を齎すものか実感! 量としての時を捨て 初めて知った質としての 豊穣な時。 ・ 耕運機で土に 命を与えるのも愉しいし 種を蒔いたり 発芽の瞬間に出逢うのも 実に嬉しい。 ・ しかし収穫の時となると それらの歓びを 集大成したような 荘厳な交響曲との邂逅が 実現するのだ。 |
随分大きくなったね! 高芝山をバックに |
森が色づき 枯葉が 舞い散る頃だったね。 小さな小さな 蒼い玉葱の苗を 一本一本 植えたのは。 |
2月には1メートルを 遥かに超える 大雪が降って畑は すっかり ヒマラヤのような雪に 覆われ。 ・ あー、それでも 雪の下でお前は少しも 疑いもせず 荘厳な交響曲を 育んでいたんだね。 |
黒マルチを剥がしたら玉葱ゴロゴロ 右に霞む富士山 |
ちょん切った葉 |
あれ! 誰だ!大地に 五線譜を引いたり 音符を並べたのは? |
花の咲いた玉葱は捨てる |
どれどれ、お前は どんな音を 出すんだい? |
髭根が深く取れない |
おや! お前さんは 音を分割する連符 なのかい? |
髭根をちょん切る |
200個程で収穫91kg |
新玉サラダにしようか? |
鹿害から復活した茄子 |
もうすっかり 諦めていたんです。 ・ 鹿が石段の鉄柵を 乗り越えて 西畑に侵入し 茄子の苗を食べ尽くして しまったので 茄子の収穫なんて 有り得ないと。 ・ 処がどうでしょう! ご覧の通り 喰われた茎の先から 新たな芽を噴き出し 茄子は 見事に甦ったのです。 |
小梅が大豊作 |
翅が綺麗でしょう! 早春に現れる孔雀蝶は 越冬した奴だから 翅はボロボロなの。 ・ でもあたしはその後に 生まれたの。 越冬した先輩たちは 大雪で潰され 多くは死んでしまったとか。 |
収穫に惹かれて孔雀蝶が |
黄色い花が咲いてしまうと 白菜も青梗菜、小松菜も 区別がつかないけど あたし達も あの大雪には泣かされたのよ。 ・ それでも生き抜いたので 仙人はこう云うのです。 「きっとこの種は 生命力が抜群で良い種が とれるぜ!」 |
お前は白菜の種? |
青梗菜かい? |
それとも小松菜? |
林檎の木にロープを張ってその下にブルーシートを広げ 葡萄畑で稔った菜の花を載せて1週間。 もうそろそろ乾燥して、種の収穫が出来るかな? 茶色になった莢を割ってみると、小さな黒い種がびっしり。 ・ でも、確か白菜と青梗菜、小松菜に分かれていたんだけど、区別がつかなくなっちゃったぜ。 ま、いいか、食べられれば! |