仙人日記
 
 その102の22014年皐月
5月2,3週・・・ボン・シルバーがやって来た
重力レンズの彼方からボン・シルバーがやって来た
5月8日(木) 中庭夜明け

どう考えたっておかしい。
恵太が≪途中で鹿の骸骨をみつけた≫と云うのは、有り得ない話なのだ。
この鹿の骸骨は恵太が山荘を訪れる1週間前に
仙人が山荘の森で見つけ、ゲートのチベットアイベックスの上に載せて置いたのである。

恵太と森の散歩に出かけた時、もし恵太が鹿の骸骨を見つけたなら興奮して
真っ先に仙人に発見を告げたであろう。
となると、この鹿の骸骨は恵太の心象風景を描く重力レンズが齎したものかも知れない。
さて恵太のシナプスは如何にして、在りはしない鹿の骸骨を認識したのか?


反転するシナプス幻想




活動記録より
5月8日(木) 中庭

森で見つけたジョン・シルバーの2代目を中庭に設置。ボン・シルバーと命名しよう。
今回は骨に直接、金属ドリルで穴を開け、水晶山で大きな水晶を運ぶのに使った金属ポールを突っ込み、更にポールに穴を開けガチを通し頭蓋骨を固定。
びくとも動かぬ固定に大満足し、さて中庭に打ち付けてみたら、何と角が水平になっていてオブジェとしての面白さが消失。

そこでびくとも動かぬポールを悪戦苦闘し何度も諦めつつやっと抜きやり直し。
新たに穴を開け角が天を指すよう工夫しどうにか設置。
これだけで半日もかかってしまうのだから、幾ら時間があっても足りぬのは当然かな?


   

骨だけの鹿だぜとく黒介 中庭

夜明けに雄 中庭夜明け

どうだ!この力 中庭


絶対上まで行くぞ
恵太
9歳、4年生)

山登りをした。
途中で鹿の骸骨をみつけた。頭のほうだった。
夜キャンプファイヤーをした。それから寝た。
次の日、朝4:50に起き、5:30に水晶山へ出発。
まずあやとお母さんがギブ,
次にみさきちゃんがギブ。
最後にケータとリョウヤくんと仙人で水晶山に入った。
頂上まで行けなかったが水晶をいっぱい取れたので嬉しかった。次に来たときは絶対頂上まで行くぞ。
次もよろしくお願いします。




闇のけ目から現れたボン・シルバー 中庭夜明け
像と実像のコラボ

90億光年彼方の超新星を
「重力レンズ効果」で明るく見せている超新星
「PS1-10afx」が発見され、
超新星の正体が証明された。

3つの超新星はティベリウス(Tiberius)、
ディディウス(Didius)、カラカラ(Caracalla)と
名付けられ、それぞれ
Abell 383、RXJ1532.9+3021、
MACS J1720.2+3536の各銀河団が
レンズ役を果たしていた。

【2014年5月1日 カブリIPMU】

爆発的に認識力を拡大させる
恵太のシナプスが
5月1日に流された「重力レンズ効果」の
ニュースを恵太の意識を無視して
貪欲に取り込んだと
考えると総てはクリアーになる。

果たして恵太の心象風景を描いた
重力レンズは
恵太の意識を無視して
如何なる光景を映し出そうとしているのか?

森や木々や花々は
勝手に織り込まれたソフトを通して
画像をダウンロードし始めた。
それでは
ちょっと覗いてみようか?

退するディラックの海 中庭夜明け



森に満ちる反する生命 19日(月)上条山稜線

恵太の心象風景に
忍び込む、その最初の瞬間が
いつであったか知らない。
何度も慎重に足音を忍ばせ
既に何度も訪れ
恵太のシナプスを操っていたのだろうか?
存在そのものが虚像なのでは?
と、ふと感じる最初の瞬間は
いつ、やって来るのか。
 
時空を自在に飛する生命 上条山稜線



森にむ記されなかった生命 上条山稜線

そら恵太、しっかり目を開けて
象形文字を翳して迫る
森の虚像を見つめてごらん!

今まで全く観えなかった何と多くの顔が
観えることだろう。
その1つ1つが明らかな意思を持って
恵太に語り掛けているでは!
存在が虚像ならば
虚像は常に視覚化され
記されなかった無数の生命を
心象風景に登場させても
不思議ではない。

象形文字をし存在を問う 上条山稜線 



花に宿る霊を見せてあげよう!  牡丹(奥庭)

光にちて精霊へ  アイリス(前庭)

そられてきたぞ!  芍薬(石卓)


光に乱する小さな葡萄花  19日(月)葡萄(葡萄畑)

恵太は1つの銀河宇宙を成す
森を見つめる。
しかし認識しうる森によって
認識は妨げられ
恵太のシナプスは森のもう1つの真実である
虚像を捉えられない。

が、牡丹に貸してもらったサングラスが
超新星の眩い光を取り除いた刹那
恵太には観えてしまった。
恵太、森で光り輝く超新星がそんなに
眩しいのなら
サングラスを貸してあげよう。
そーら、どうだい?

今まで決して観えなかった存在の背後に潜む
反転した生命の
息遣いが迫って来ないかい?
 
初めて知った橡(前庭)



輪廻生を描く  牡丹(奥庭)

黒い大地を突き破るように
やや湾曲した白い骨はアーチを描き
恵太のシナプスに到達した。

シナプスは更にサレコウベとなった鹿の
顔を認識し
大地に埋もれた右の大角を映し出す。
森の背後に潜む息遣いが
森の銀河によって歪められた時空を経て
大地に現れるのを。

鹿の精霊との  石南花(鉄塔森) 



炎の中核に潜む漆仮面  躑躅(上条山稜線)




恵太は確かに
途中で鹿の骸骨をみつけた。のだ。
≪認識が認識を疎外する≫
認識の疎外を如何にして取り外し
存在の反転した世界への
回廊を創り出すか?

恵太が存在の虚像性に気づいて初めて
知った真実はこうして
唐突に鹿のサレコウベを通してやって来た。

透過されかぶ白仏陀  躑躅(上条山稜線) 



造形された闘うマサイ面  藤(座禅草公園) 


だが未だ幼い恵太の意識は
その囁きの意味を
理解することは出来ない。
森と一体化した山荘の正体が実は
≪重力レンズ≫で
あると恵太のシナプスは囁く。

うピエロ  躑躅(上条山稜線)  



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