仙人日記
 
 その1022014年皐月
5月1週・・・森で寝るんだぜ!
≪A≫ 森で寝るんだぜ!
プロメテウスのに集う
5月5日(月) 山荘の森

火をじっと見つめてごらん!
吸い込まれそうになるだろう。
そう、満天の星空を仰いでいると
何だか天空へ落ち込んでしまいそうになるのと同じような感覚が
湧き上がって来るんだ。

気が付くとあの赤い炎がゆるゆると肉体に忍び込んで
ほら、血になって体中を駆け巡って
ぼくたち一人ひとりの60兆個の星々を輝かせ、あー、そうしてリッキーは
満面に笑みを浮かべつつ
大地さえ手玉に取って踊らせてしまうんだね!

 
ほら、こんな風に
火は
虹鱒だって焼いて
生命を奪ってしまう。

森や山を焼き尽くし
動物を焼き殺し
草木を灰燼に帰す。

生命にとって
火は直接
死に連なり全てを
奪う
恐ろしい存在。

捕えた虹を焼いたら良い匂い!

幸せとは劫火への回帰にあるのか?
それともプロメテウスは
単なる偽善者?
きっと真っ黒くろ介は、プロメテウスの正体を知っているんだね。

プロメテウスは
ゼウスの反対を押し切り、
幸せを齎すと信じ
天界の火を
盗んで人類に与えた。

その瞬間
人類は劫火への回帰を
悟った。
生命を生み出した
あの炎の中に人類が
戻る日の来ることを
ゼウスより深く
プロメテウスは
理解していたのだ。

さては着くかな?
 
森で集めた丸太に宿る火

火のすは文明か破壊か?



テントの近くに地を作った
≪1≫ 亮哉(11歳,5年生)

朝9時半に仙人先生(以下『仙生』)の山荘に到着。広くて大きくて自然がきれいですごかった。
仙生はすぐに山荘スイーツを出してくれたけど、「全員そろってから食べよう」と、先に荷物をテントをはるところに運んだ。
道は急で、運ぶのに時間がかかった。テントをはったら集めた太枝を組んでキャンプファイヤーの準備をした。
そのあと、子供みんなで大枝を集めまくってテントの近くに基地を作った。
作り途中だったけど全員そろったから下におりて山荘スイーツを食べた。ものすごくおいしかった!

それから、陶芸開始。ぼくはひょうたんを作りはじめた。だけど、中の穴があさかったから作り直すことにした。
今度行くときは完成させたいと思う。
そのあと、魚のつかみ取りに行った。ぼくはつかみ取りじゃなくて釣りをえらんだけど、人が多すぎて1匹しか釣れなかった。
つかみ取りをした妹が6匹も取っててビックリした。




キャンプ場まで運び

山荘スイーツをべてファイト!

くて堪らんぜや

新たなる山荘
の住人

5人の妖精と7人の元妖精

月始めの第一日曜日を陶芸活動の日に決め
4月から≪土との触れ合い≫を再開した。

5月は4日の日曜日が活動日。
ところがだ例によって、元妖精の面影も無い葉っぱからの恐ろしい
脅迫文が再び届いたのだ。


≪5月5,6日と先生の敷地にテントを2つはって、
宿泊するのはありですか?
うち五人と、主人の妹の家族四人と伺って良いものかどうか。
宿泊費も払います。いかがでしょうか?≫

えっ!どうしてこれが脅迫文か解らないって?
仕様がないな、
ほんじゃ山荘の森に翻訳してもらおうか。

「何だって!次の陶芸の日とかが5月4日だって。
その日だけは陶芸に関心ある者に山荘を公開するだって!
ふん、ざけんじゃね。
つまり、陶芸せん者は山荘に行っちゃいけんとかよ。


  いいか、そいつはな
山荘の森や畑が仙人一人のもんだと、とんでもない勘違いを
している愚か者の戯言(たわごと)じゃ。
そんなもん断じて許さん!
まー仙人なんてちょっと脅かせば、ちょろいもんさ。

この、葉っぱのあたしに任せておきな。
ちょっくら脅せば仙人なんて直ぐ、おたおたしてあたしの言い成りさ。
試しに4日を5日に替えさせてみようか?
ほら、こんなメールで一発さ。
どうだ、あたしの実力を思い知ったか!」 




大きな水
が取れた

≪2≫ 亮哉(11歳)

夜はごちそうをたくさん食べて、初めてのキャンプファイヤーをして、テントでねた。
二日目、朝起きたら寒かった。枯れ枝を集めて消えてしまっていたたき火をおこしたら、Kが火の近くで温かーいと言ってた。
朝ごはん前に仙生とKと水晶山に登った。途中でぼくが指にケガをしてしまったので頂上には行けず途中で山をおりてきた。
だけど、ものすごく大きな水晶が取れたのでうれしかった。

山荘まで戻る途中、仙生がいなくなったのでKと二人で帰った。道なき道をすすんで大変な冒険だったけど楽しくて仕方なかった。
また山荘に行っていろんな冒険したいです。それと、作り途中の基地作りもしたいです。
仙生、二日間ありがとうございました。(代入力:ママ)





≪B≫ 土が踊るんだぜ!

先ずは土をよくってから  森の陶芸台

 
こんなでいかしら?  撮影:葉子


手を濡らして  撮影:葉子

お茶碗かな?  撮影:葉子

ふにゃふにゃだ!  撮影:葉子
4台の轆轤(ろくろ)が大活躍

大地を削り取った土を、水で良く練って轆轤に乗せると
大地が惑星であった事を思い出すのか
ぐるぐる回りだして、まーるで自転してるみたいで、面白いんだよ。
さて、どんな星にしてあげようかな?


亮哉上手いね!

準備完了塩見さん

瓢箪かい恵太君?



ママと泉咲(みさき)ちゃん 撮影:葉子
 
円錐出来たぞリッキー 撮影:葉子

パパどう、この形 撮影:葉子

おー良い線じゃん綾! 撮影:葉子
 
あのね、これ僕のカップ 撮影:葉子


うあー、面白い土がってるよ!

どうしたらこんな笑顔になれるんだろう?
中也ではないけれど、汚れちまった哀しみを抱えた大人には決して作ることの出来ない笑顔。
なんぞと深刻ぶった想いでカメラを向けたなら
リッキーは澄まして応えるに違いない。

「だって、土がだよ、こんな風にぐるぐる回ってさ、あっという間に
いろんな形に変わるんだよ。
土が嬉しくて、きゃっきゃと騒いでいるのが聴こえるだろう!
だから土と一緒に笑ったんだよ」




亮哉のじゃぞ!

綾のシュークリームよ
「轆轤に載せるには
先ず円錐を造るんだよ」

造れらた円錐は実に様々。
円錐には
その人の性格や想いが
否応なく現れる。
いつまで経っても捏ね続ける
亮哉の手元を観て驚き!
誰よりも緻密で精巧な
円錐が粘土板の上で
踊っているのだ。

轆轤に載せられた円錐は
芯が一発で決まり
ぶれる事無く綺麗な造型を
展開し始めた。
亮哉の指には星々の
自転の記憶が
宿っているのかも知れない。

これリッキーのうんちだ!

泉咲のカップになるかな?



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