混沌仙人終焉の抄Ⅱ

2301ー2025年 睦月

謹賀新年25 元旦は三つ峠へ初山行

無名の1002m峰に登山道を拓き仙人山と名付けて早5年目。
山荘の奥庭から山頂まで連なる森の息遣いを愉しみながら、日々のトレーニングに励み、
自らも《仙人》と名乗り80歳を迎えました。

元旦初詣は例年に倣い山で散った8隊員追悼に三つ峠山へ!

あれれっ!左手に持ってるのはペンチでは!なんで?



三つ峠山頂から山荘方面を望む

中央右が塩の山
 
   
大月を貫く中央高速
 
演習場と大月市街


左端の三つ峠山のアンテナが僅かに見えるような! 
1月7日(火) 山荘テラスからの雲海 




 山荘発08時37分→三つ峠t残口09時35分→
毛無山11時35分→三つ峠12時15分着、
発12時30分→登山口13時40分着、
発45分→山荘着14時45分

 計:6時間13分


全く雪も無し。
この時期に雪無しは
初めてなので驚き!

登り途中のベンチで
バーニーズ・マウンテン・ドッグに遇った。
「木村綾乃でーす。
覚えてないでしょうね!」


全然覚えていない。
が、よーく顔を観ると眼が
微かな記憶を呼び覚ます。
そうだ確かそんな子がいたな!
もっとよく観ると眼だけでなく
顔の輪郭も
中学生時代と変わっていないでは!

「うーん、思い出したぞ!」
その卒業生が連れてきた犬だ。
 バーニーズは2000年もの昔から
アルプスの厳しい気候の中で、
牧畜犬、護衛犬として活躍した犬。   
   



山トレーニングで通う山々が眼下に広がる 
小倉山稜線に僅かに隠れ山荘のシルエットが見えない

直線距離で三つ峠の頂から山荘まで26km、山荘からよく見えるお馴染みの鉄塔が
仙人山の北を東西に横切っている。



左:間ノ岳 右:北岳 

北岳バットレス、右端:仙丈ヶ岳
 
左:鳳凰三山 右:甲斐駒ヶ岳 

右:甲斐駒ヶ岳から左:聖岳へと連なる南アルプス連山(三つ峠山頂より2025年元旦)

左:赤石岳 中央:悪沢岳 
 
農鳥岳
 
左:農鳥岳 右:間ノ岳 



郵便屋さん御苦労さん!

2025年も宜しく!
 
瀧下のクレソンが水晶やハートのクリスタルとなって咲いた! 
 山荘のお正月を彩る氷の花が新たなる年の光を放つ

 
 


さて仕事始めじゃ!
北風の静かな午前中に
先ずは春の種蒔きに備え土作り。
風さえなければ
耕運機掛けは愉しい!

耕すごとに土の匂いが広がり
隠れていた下の土が
新たに陽を浴びて畝を作る。
里から立ち昇る煙が
耕運機の力強い排気音と
戯れて何だか
早春賦でも詠い出しそうな!

午後には北風がビュービュー。
畑より高い2階テラスの
枯露柿収穫作業では
寒風に晒されるのは明らか!
だが最早収穫期限の
40日を過ぎている。
やらねば!

 
もうすぐ春だからね!

 テラスに縛り付けてある
4か所のロープを解き、
防鳥ネットを取り外し夫々を
巻き取って格納するだけ。

まあ、30分もあれば片付くな!
といつもの如く極めて
甘い判断で書斎テラスに
出てみてビビる。

北風といっても山荘では
北風が盆地で反射し跳ね返り、
反転した風が扇山の南斜面を
駆け上り南風となって
山荘を襲うので
正確には南風なのだが。

南風といえば暖かいとなるが、
正体は北風なのでメチャ冷たい。
今朝の最低気温は
盆地でー4℃、山荘でー5.2℃、
現在の風速は5m/秒なので、
風が最低気温を運んでくると、
山荘での体感温度は
ー10、2℃となる。

 
氷も融けるかな!

陽がさしているので部屋内は
暖房無しで20℃近く上っている。
ここからいきなり
マイナスの烈風に晒されたら
ビビるのも無理はない。

テラスに縛り付けてあるロープが
寒くて解けない。指先が動かない。
マジかよ、これじゃ
吹雪の北アルプスの猛ラッセルと
変わらんぜや!
とぼやきながらの作業。

4か所のロープを処理するのに40分、
解いたロープを中庭に落し、
互いに絡みあったロープと
防鳥ネットを解きほぐし、
廃品となった生ごみプラボックスの
蓋2枚を再利用し、
その蓋にロープを巻き付ける。

今までは段ボールに巻き取っていあたが、
1年経つと段ボールは
フニャリと折れてしまい
役に立たなくなってしまうのだ。
まーそんなこんなで、
お魂消たことに3時間もかかり、
寒くて山トレも中止。



赤い靴へー総ての葉が落ち伐採のチャンス到来!
出初式じゃぞ!
 
宙に浮く両足ー梯子の先は木登りで登攀!



絶景かな!
 
震えているくせに!
 
忘れてしまうのだ!
重くて長く運ぶのでさえ大変な2段梯子を
10m以上もの長さに伸ばし、
欅の大樹に立てかけ固定する術を
身に着けている仙人にとって
、決して大変な作業では
無かった筈なのに出来ない。

マジかよと常套句を吐きながら、
何度も何度も手を変え品を変え
2段梯子を伸ばそうと試みるが、
欅の幹や枝につっかえ、
梯子は伸びない。

1時間以上も試行錯誤を
重ねた挙句、遂に断念!
この方法では2段梯子を
伸ばすことは出来ないと、
やっと気付いたのだ。

なにしろ重くて操作できないのだ。
考えてみればこの梯子の重さ
をゼロにする方法を
取り入れない手はない。
そう、垂直に立てれば
重さはゼロになる。


雲にでも乗れそう! 

そこで2段を1段に伸ばし、
然る後にその長い梯子を
大樹に立てかければ、
上手くいくに違いない。

問題はこの重くて長い2段梯子を
立てた場合のバランスを
如何に保つかである。
僅かな風があっても
この作戦は成功しない。

ラッキーなことに連日吹いている
冬将軍の息吹が今朝は
ピタンと止んでいる。上手くいった!
ピッタリと大樹上部に
立てられた長いジュラルミン梯子が、
ニッコリ微笑んでいるように
さえ観えるから、あれ、

どうしてかなと考えてみれば、
いままで何十回と繰り返してきた
操作方法がこれであり、
すっかり忘れていただけのこと。

それを嘲笑っている
ジュラルミン梯子を観て、仙人は
梯子の心を読めず
勝手に歓んでいるだけだったのだ。

  



睦月のえる寒気に花開いた向日葵  
1月21日(火) カリストから仙人書斎へ招待された向日葵

温室にしていたカリストのストーブが遂に30年の生命を閉じた。



扇山てっぺんの宇宙人
山荘発13時02分→竹森山14時06分
→仙人山14時23分→
山荘着15時02分
計:2時間00分

砂糖を振りかけたような雪が
標高2300mから上の峰々を覆い、
昨夜の雨が木賊山、
甲武信ヶ岳、金峰山を雪で飾った。

昨夜は山荘でも
随分久しぶりにかなり強い雨が
テラスを叩き、雨音で
目が覚めたほどの大雨となった。
暖かい雨ではあったが、
富士山、南アルプス、奥秩父では
吹雪だったのだろう。



仙人山の残照 
枯葉をすべて落した森の背景に
描かれた奥秩父の山並みを
左に観ながら、ゆっくり、
ユックリ歩み1時間4分かけて
竹森山に立つ。

風の無い山荘と山荘に
続く森は暖かく、ウインドヤッケや
耳当ては
不要かなと思ったが、
念のため持参。

  稜線に出てからは
冷たい北風が吹き荒れ、
急いで耳当てをし
ヤッケのチャックを締め
冬山態勢。
 
さようなら太陽!

西日が山頂から仙人山へ
下る斜面に、仙人の影が
長く引き延ばされ
脚だけの宇宙人の如く頂に佇む。

仙人山目前でうーん、
14時22分かなと携帯の時刻を
確かめると残念!
1分遅れの14時23分であった。

先ずは北側の乾徳山に向かって
長く笛を吹き、90度東に
向きを変え滑沢山に、
更に南がわの小倉山、
西側の扇山へ笛を吹く。

次いで仙人山標識に右手を触れ、
今年もたくさん登るから
笑顔で迎えておくれ!宜しく!
と別れを告げる。