混沌仙人終焉の抄Ⅱ

2291ー2024年 師走


あれっ、12月7日銀駱駝がトナカイに変身!


ところがどうだ!
この大岩を見つけるや否や、玄関の駱駝が大岩に飛び乗り、
《ふふーん、やっと届いたか!》と大はしゃぎ。
《銀の毛皮に塗り替え真っ赤な御鼻の代わり薔薇を銜えさせ、
手綱を着けておくれ、序に長い立派な角も忘れずに!》


さて翌12月7日の朝になると大岩に乗った
銀の駱駝には真っ赤な御鼻のサンタクロースが手綱を掴み
瘤に乗って出発の準備を整えているでは!
何処へ行くんだい?

《今日は櫻の2歳になる誕生日だろうが。
あいつはな、未だ高々2歳だが、御菓子とか玩具とか
のプレゼントには大した興味は無いのさ。
それよりこの銀のトナカイに乗ってみたくて、
うずうずしているに違いないのさ。
そら、サクラ乗ってごらん!》
雨の森にドスンと墜ちてきた重くて大きな贈物!

シリコンバレーからやって来た陽介君、
広江さん、シティーテラスから御馳走を運んで来た映子さん、
目白から大忙しのスケジュールを縫って、
駆けつけてくれた冨美代さんと仙人の5人で、
エンヤコラ、えんやこらと森から山荘前庭まで運んだ大岩。

ただ重いだけのこんな贈物どうするんだろう!
一輪車ネコ車が壊れ、タイアが地面にめり込み
動かすことすら出来ない大岩。
《こんな贈物の大岩いったいどうするんだろう!》 
実は仙人も途方に暮れていたに違いありません。

 
うわーん、僕も乗せてとサクラ君、7日で2歳!



どうも俄かトナカイの角では飛べそうもないな!角を貸してやろう
山荘の紅葉は凄いぜだぜ!
真っ赤なサングラスに塗り替えられたボン・シルバー

 

《未知なる頂へ》P77鈴木隊員メモより(1979年遠征隊報告書)


空をトナカイになりたい

 先ずはシルバー駱駝にして
 さてと、この真鍮製の駱駝、
何処から連れて来たんだっけ?
とすっかり衰えた海馬の
尻尾を掴んで尻をけり上げたら、
パキスタン、ラワルピンディの
Mrs Davis Private Hotelを
忘れてしまったのか!
と怒鳴られた。

そうだった、毎夏ヒマラヤ遠征で
定宿にしていた
英国植民地時代のデイヴィス夫人
の邸宅であった。
夫人の無き後ホテルとして
営業を始めたが
当時パキスタンへの観光なんて
日本では対象外であり
英国人をチラリホラリ見かけるが
ホテルはいつもひっそり。

だがホテルの周りは骨董品屋が
軒を連ね
ガンダーラ時代の遺構から
掘り出された
タキシラの骨董品を並べていた。



連年ヒマラヤ遠征隊を組織し
パキスタンに出向き
その都度タキシラを訪れ
気に入ったガンダーラの仏像を
見つけては購入。
それらは現在山荘に鎮座ましまして
仙人と共に在る。

出土したガンダーラ仏は石造だが
骨董品屋の店先には
真鍮製のものも数多くある。
これらは出土品ではなく
6世紀以降に造られたガンダーラ仏か
擬い物なのだろう。

その中に金ぴかに耀く3頭の
親子駱駝を見つけた。
真鍮ガンダーラ仏はどれも
長い時間を過ごした証しの
黒い錆に覆われている。

金ぴか駱駝がガンダーラとは
無関係に造られた
観光客相手の土産物だと一目で解る。
しかしこいつ仙人の心を
やたらと惹き付ける。
そうかお前も
山荘住人になりたいのか!


 
それからシルバーの借りて

角をサクラ着けて出発 


山荘墳墓に展開する晩鐘の木霊する谷
12月17日(火)晴 テラスからの残照




このまま融けていく

半世紀ほど前、大きな樹の前で樹が吸い上げる音の事を教えてくれました。
それは知識として私の中に入り、面白がらせてくれたのです。そんなふうにずっと面白がらせてくれていました。

でも仙人様はその音を知識としてではなく、感じていたのだと思います。
朝6時16分に山から朝日が覗く、山荘各所に置かれている温度計で温度を感じる。どれもこれも自然と一体化する手段でした。

本気でした。山荘にくる度、これは本気なのだとわかるのです。
樹の音を森の風も、土の香りもずっと感じてご自身に取り込んで自然に融けているようでした。
このまま融けていくのだと思うのです。
このまま人なのか、風なのか、水なのか何物でもなく何もでもある何かになっていくのでしょう。

 先日私は古墳に登った時ここは山荘と同じだと思ったのです。だから、雲に隠れた富士山の写真を送ったのですが、

誰かの墓、土の山に立ち、この下にはもうきっと何もかもが土と化した誰かが眠っているのを感じました。

山荘は仙人様の墳墓。

 

 



土と化した誰かが眠っている谷
11月11日(月)曇 テラスからの雲海



窓ガラスに激突して死んだ

山荘での食事中、鳥が窓ガラスに激突して死んだ。
ヒヨドリ?ここの景色は環境ビデオではない。現実なのだ。だから鳥も死んだ。
そんな所に自分の身を置いているヒリヒリした感覚は他に私の日常生活では体験できない。

この夏は暑かった。私は湿気のあるどんよりとした暑さにやられていた。
冷房の効いた部屋にいるはずなのに体は外の暑さを敏感に感じ、何も活動できない。
そして外へ出るとくらくらし倒れてしまう。この夏の暑さは異邦人のようなギラギラした暑さではではない。
せめてギラギラした太陽を感じられていたなら、ピストルの1発2発撃って、はい、お終い。となれたかも。
あ~、こんな考え方をするなんて、山荘のせいだ。山荘に来て高校時代に生まれていた細胞が蠢きだしたようだ。
自由になりたいという細胞が動き出したのか。



山荘は自由を渇望するの発見
12月3日(火)晴 紅葉の山荘テラス



 
さて枯露柿作り始めるか!
干し柿作りが大変!
跳ね出しも百個以上あり
 
1個100匁(375g)もある百匁柿!
450個で168.75kg

 
今年は大豊作で困惑!
干柿総数450個、多すぎて
《やるか!》と掛け声のみ
居間に広がる刻々と変容するライブ壁画!
干柿簾が初冬の風物詩を描き、東森が晩秋の別れを告げる
 
 

前庭で越冬し花開いたシクラメンとお揃い
   
5列(5×20×5列半=450個)の簾!



贅肉の隙間に隠れていた解放


朝決まった時間に起きて、決まった食事をして、決まった活動をして、散歩して、
なんて規則正しい生活なのかと思うのだが、自由を感じる。
自由を渇望する事さえ忘れてしまった私がこの規則正しい暮らしの中で自由を感じている。何だか変だ。
山荘に居る間に贅肉の隙間に隠れていた解放されたいという細胞が目覚めたのか。

そうか、違う自分がいるのか。そして山荘主さんの力を借りてちょっと自由を味わうのか。
この感覚が忘れられないのだ。
柿ゼリーのとろりとした感触はまだ私の中に残っているように癖になる感覚なのだ。



華麗なる錦秋の中空にデッキブラシで舞う仙人
枯葉がどさり落ちる前に駐車場屋根の腐った枯葉降ろし




光と真紅の媾い! 
  
風呂場窓を飾る紅葉! 
 
この真紅が風呂場に踊る!
 

美味しい無花果の影になるので
伐採せざるを得ないかな
 
今秋は黄葉より
真紅葉が美しい森!

   
   
     
夜明けの最初の光が浴室に差し込む!
これが山荘の風呂なんだって!信じられないぜ!



起床後の朝風呂は最高!
 
次にストレッチ! 
 
先ず準備運動!
 
 
3番目に腹筋103回!

 最後に浴槽内で腰上げ下げ千回




 
遂に見つけたぞ!そんな処に隠れていたのか
満月を観ていた親子3匹の兎が然と姿を消してしまった!

忽然と姿を消したDX MOXI
Bluetooth搭載のスマートフォン/携帯電話と直接無線通信が可能。
人工知能を活用した10年以上にわたる聞こえの研究から生まれた自然に近い爽やかな音質。
メムスマイクを搭載しより滑らかな聞こえの20チャンネル音声処理。DXモクシーフィット最上位器種。
両耳通信により周囲360°の空間の音声の位置や距離、音声環境を立体的に認識、
言葉の微妙な語尾までを捉える優れた指向性を搭載。


昨年の熊の引っ搔き傷だ!
 
あれっ、上に何か着いてる!
深さ10cmほどの枯葉絨毯に
右ストックを突き、
左のストックを前方に伸ばし
右脚を上げた瞬間、
枯葉の擦れるガサゴソの音に
混じって澄んだ高い音が
聴こえたような気がした。

稜線からは右下に竹森の民家が、
左下には牧丘の里が
俯瞰できるので、風に乗って
犬の鳴き声、バイクの騒音、
里の案内アナウンスが
微かに流れてくる。

しかしそれにしては高音過ぎる。
周波数の高い音は、
よほど大きくないと
長い距離には届かない。

 
  その木の麓には枯葉にくるまった少女が眠っているでは


熊の引っ搔き傷に着いていた鈴のような
白く光るネックレスが何か少女に囁いています


もしやと期待に胸を膨らませて、
右ストックの位置を確かめ
枯葉を除いてみたら、
あった!

発見不可能と諦め乍ら
もしや万が一、
見つかるかもと枯葉絨毯に
埋め尽くされた森へ
捜索隊を派遣したのだ。

捜索隊員は仙人1名、
捜索範囲は山荘から
竹森山を経て仙人山までの
広範囲で、おそらく
失った小さな熊避け鈴は
枯葉の下に埋もれて
いて見えない。

となると浜辺の砂の中から
特定の1粒の砂を
探すに近いのでは!   
 
自然に近い爽やかな音質の
DX MOXIだ!

 周囲360°の空間の音声の位置や距離、
音声環境を立体的に認識するとか


うわーい、初雪だ雪のテラスを駆け抜けるサクラ仙人
12月19日(木)雪晴 ちめたいけど気持ちいいな!  

仙人の大きな踏み跡に足を突っ込むと、芝生だからそんなに冷たくはないのさ!
裸だから寒いに決まっているって!
ほら、後の里から立ち上る煙を観てごらんよ、ほぼ真っ直ぐ登っているだろう。
そう、つまり風が吹いていないので、太陽さえ出れば山荘はとても暖かいんだよ!

だからと言って裸で雪の上を走るなんて誰の真似をしてるのかね!
そういえば冬の北アルプスでのトレーニングを終えて、槍や穂高から坂巻温泉に下山すると、
合宿の無事を悦び必ず、
露天風呂庭の雪の中に裸で大の字になって、寝転んでいた人が居たね。

雪の中、全裸で何秒間耐えられるかと、合宿メンバーと競い合ったり。
危機の連続であった槍穂の厳しい岩稜登攀や、雪崩を予感しながら緊張を強いられるラッセルの日々。
露天風呂で火照った肉体を深い新雪に放り込み、緊張の日々に別れを告げる。
生きて在ることの悦びを共にし、ナンガパバット峰からK2峰へと続くヒマラヤへの夢を語り合った露天風呂の新雪。

仙人の遺伝子かね!と嘆くのはサクラ仙人の創造者《ゆき》では!




兎と狐の足跡に混じって靴跡も!
  
まさか
アジリティー ピーク 5
ゼロ ゴアテックス 黒×青26
では!
 
うーん、ピッタリだな!

初雪を待っていた!
来たぜ冬将軍のご挨拶。
アジリティー ピーク 5 ゼロ ゴアテックス
 黒×青26を履いて小倉山へ跳び出す。

Agility Peak《機敏なる頂》とは
頂点を極めた機敏性と解したらいいのか!
山荘から林檎畑へと、
やや急な斜面を下り始めて、おや、この靴
今まで履き潰してきたどの靴とも
異なるリズムがあるなと!

そのリズムの正体を確かめるべく、
新雪、氷面の登下降を
繰り返してみるが


、リズムは爪先や踵、足首と和音を奏で、
足との一体感が素晴らしい。

靴紐の上からスパッツの如き
厚いゴアテックスが覆っているので、
雪が靴に載る事も無くラッセル出来る。

うーん、こりゃ想定外の曲者。
もしやこいつ仙人の足の一部となって、
乗っ取りを画しているのでは!

(山荘発12時53分→座禅峠14時09分→
小倉山14時25分→山荘着15時30分 
計:2時間37分


 
 
つまり足跡はメレルか!
仙人め新兵器を手に入れたな!

発売と同時に売り切れ
となったこの靴どうしたのか!
 


雪塗れのトナカイに乗って裸ん坊のサンタクロース、クリスマス前にやって来た!
12月19日(木)雪晴  頂点を極めた青26をサクラ仙人にプレゼントだ!

駱駝に長い角が生えてトナカイになったかと思えば、今度は雪塗れになって白馬のペガソスに変身し、裸ん坊を乗せているな!
口に咥えた雪を被った薔薇の花は、冬将軍からのプレゼントメッセージだな!
いったい何をプレゼントするのだろうか、雪に抜群に強いGore・Tex使用の青26だとか風の噂にあったが!
馬車別当ならぬペガソス別当のとんがり帽子が光を放っているけど、あれって若しや天空を駆け上るクラッチか!

サクラ仙人は右手をペガソスの首に回し、微笑みながら澄んだ透明な声で別当に高らかに告げ、別当のクラッチに触れる。
《さあ、2つの遺伝子時空を飛び超えて仙人の棲む、遥かなる過去へ翔べ!》