158の2ー2019年 睦月
甘味を増す枯露柿の平干 |
最後の仕上げ 吊るされて40日間、 キラキラ輝く 透明な冬の光を たらふく吸い込んだ枯露柿。 最後の仕上げは平干。 吊り下げられた 垂直の眠りから 水平の眠りに移る。 厚い果肉が横に広がり 光の届かなかった 果肉の芯にまで 光が達し更に甘さを増す。 |
里に下り 畑道を散策していると 幾つもの白菜畑を 眼にする。 凍てつきを防ぐため 新聞紙を巻いたり そのまま放置したり。 いずれも白菜は 死に体状態で、 とても食べたいとは 思わない。 が、どうだ山荘の白菜は! ー7度の寒さに 襲われながらも、 凍てついて枯れることも無く 生き生きとしてるでは! |
マイナス7℃に耐えた白菜干 |
陽だまりの中で! |
この陽だまり が堪んない! 昨年は庭の光を 全身に浴びて漬物作業に 勤しんだのだが、 今日は風が冷たいので 轆轤室に逃げ込んでの作業。 硝子越しの光が轆轤室を 温室に変え 暫く力仕事をしていると 汗をかいて来る。 堪らなくなって硝子戸を開ける。 |
陽を吸い込んだ大根 |
唐辛子、柚子、昆布をたっぷり! |
うおー、重いぜ! |
あらしお3%を揉みこんで! |
昆布だけ日高産で! |
真っ赤に熟れた鷹の爪が 西畑に迷い込んできた 赤い風船と るーじゅのアンサンブルを 奏でていたのは 初秋の扉が開いた9月1日だったね。 あれから赤い風船に敗けない 立派なルージュになって 飛切り辛くなって 今こうして白菜とのアンサンブルを 夢見ているんだね。 2週間後には 樽から出て、ちょっとお洒落な お皿に載って、 白菜や柚子や昆布と一緒に 冬のアンサンブルを 御披露するんだって! |
さあ、これで4樽じゃ! |
前庭の森に躍る刹那の光 イオの金色仏陀も初デビュー 観たいって!そりゃ無理だね。 25年も山荘で暮らしてる仙人だって、こんな森の光に出くわしたのは初めてなんだぜ! 森が突然光を放ち始めた瞬間、ウインドブレーカーのポッケに手を入れたが、カメラは無い。 急いで母屋に駆け戻りカメラを掴んで戻ってみると光は薄れ、 光の中に森が透過され、ぼやけた光景になってしまった。 これは夕陽と畑の焚火の煙と森と風の合作なんだ。 西畑の夏野菜の枯れた葉や茎を燃やした焚火の煙を、遠い盆地から吹いて来た風が山荘の前庭に運び、 森が煙を絡めとり、其処に西のゲートからの夕陽が突き刺さり、描き上げた作品さ。 煙、風、森、光のアンサンブルだね。 そうそう、忘れてはいけない、サムイ島から来て新たな山荘住人となった仏陀も加わってるね。 |
夏の収穫に感謝! |
多くの美味しい野菜を有難う! |
ゴーヤー、茗荷の枯葉が燃える |
木勧進(キッカンジョ)は 「お小屋作り」のための木を 集めることだったようですが、 現代では子供クラブを 運営するためのご祝儀を あつめることに転化しています。 「きっかんじょ」は、 夜間に行われる光による 幻想的な行事でもあります。 |
どんと焼きの準備 |
暗く寒い夜道を ろうそくをともした手作りの 灯籠をたよりに、 「きっかんじょ、きっかんじょ、 お祝い申せ」と大きな声で はやしながら、 組内の家を回り、各戸に入ると、 「家内安全無病息災大当たり」また、 その家の生業に合わせて 「家内安全農業繁盛大当たり」 あるいは「家内安全商売繁盛大当たり」 と唱和して、ご祝儀をもらいます。 |
木勧進のお小屋 |
道祖神として祀られる 猿田彦の命は 道の神、旅人の神である。 高天原から日向国の高千穂峰へ の天孫降臨の際にガイドを 勤めた猿田彦の命なら 迷える旅人の道案内も してくれるだろうとの思惑。 さて、迷える仙人は何処へ 案内されるのかね! |
猿田彦命を祀る厄除け |
イオのテラスで雪富士と乾杯! |
富士が 迫って来た! 元旦の富士と初春の乾杯! 数十枚の雪富士の画像を 元旦の山歩きで カメラに収めたのに、 ホームページにアップしたのは たったの3枚。 ≪もっと載っけてよ、 どうせこのホームページも 3月で終わってしまうんだろ! なんでもサーバーの ヤフーのジオシティーズが サービスの停止を 発表したとか≫ とせっつかれたので、 一緒に呑もうと ちょっと声掛けしたら ずんずん迫って来てこの調子。 ま、そんなら この新しいテラスで一緒に 新年会と洒落るか! そうなんだ、新たな サーバーに引っ越すには 図体が大きくなりすぎて、 この際もうアップするのは 止め様かと! 何しろ10年と2カ月の記憶が ぎっしり詰まってるんだ! |
山巓から東稜に 流れる雲と 上のテラスの背景に聳える 富士の雲を よーく見較べてごらん! 左に細く千切れて 天空に消えていく様子が 同じだろう! こんな風に時を固定し 空間だけを移動させると 過去が現在に 甦り記憶の意味が観える。 最早自由に取り出すことの 出来なくなった 膨大な記憶を抱えて 老いたインデックスとしての 脳は空間移動に 総てを託し、 記憶の海に溺死するのだ。 |
脳の投影記憶の海である雪富士が背後から仙人を呑み込む |