1562ページー2018年  霜月

シェンロン神龍のお出ましじゃ
≪息すれば心の臓にて震えあり、木枯らしよりも寂しきその音≫石川豚木。
啄ではない豚である


豚と云えば心臓の大動脈弁膜症オペで欠かせない化学的に処理された豚の大動脈弁。
どうも左心室の出入口の僧帽弁や大動脈弁がいよいよヤバイ状況になりつつあるようなのだ。
機能劣化した仙人の心臓弁を豚の大動脈弁と入れ替えるオペをすべきか否か決断を迫られる!

5月に大動脈弁閉鎖不全症(中程度から高度)と診断され、
更に大動脈弁輪拡張症(AAE)も判明し正常値25mmから30mmの大動脈が
5月現在42.6mm、正常値を12.6mmも超えてしまった。



小倉山の夜明け

曙光がミルクに翳を
何れもオペの
対象となってから6か月経過。
診断直後から左心室が
間欠的に振動することに気づいた。

左胸のシャツポケットに
マナーモードにした携帯電話を
入れているので、最初は
携帯電話の振動と勘違いしていた。

肺で酸素を蓄えた血流は
肺静脈から左心房へと注ぎ、
左心房の収縮によって加圧され
僧房弁を経て左心室に至る。

この僧房弁がマナーモードで
≪もしもし!≫と
何度もなんども煩くコールして
仙人と話そうとするのだ。 


 僧帽弁には異常が無かったので、
おっちょこちょいの仙人は
≪煩せい奴≫とコールを無視。

 
そこに登場したのが
口煩いボン・シルバー。

いいかい、僧帽弁と大動脈弁の
位置関係を考えてごらん!
ほんの僅かだろ。
そのマナーモードの震えは、
大動脈弁からのコールだと
考えてもみなかったのか!

うむ、そうだったか!
浅はかであったと仙人。



振動の仕方がそっくりで
何度か電話を取り出したこともあったが、
やがて振動に僅かな痛みが混じり
マナーモードとは
明確に異なるようになる。

当初は1日に2,3回程度であったが
最近は十数回に増え、
昨日から右の三尖弁、肺動脈弁
辺りの痛みも加わり,
心臓全体の悲鳴の様に聞こえなくもない。

長く伸びた翳

高芝山から小倉山へ回帰


確と聴けシェンロン神龍のお告げじゃ
山荘の滝から扇山上空に駆け昇り回帰祝福を告げる

次の心エコー図、CTスキャン、血液検査、X線画像検査は12月12日で、検査結果は19日に出る。
大動脈弁閉鎖不全症や大動脈弁輪拡張症に自然治癒はあり得ない。
過度な使用、経年劣化による
弁閉鎖不全は使用する程に劣化を進め、弁輪拡張も拡張を続け血管壁を薄くし続ける。
マナーモードの振動や痛みから、大動脈弁の逆流や血管拡張による破裂の惧れが、急速に進行していることは間違いない。

検査結果は眼に見えている。
最悪の場合は≪いやー、こりゃかなり進んでますね、即オペした方が良いでしょう。
今日から入院しますか!≫となるのでは!

ふんふん、仙人がそんなもんに≪はい!≫なんぞと簡単に頷くと思ったら大間違いだぜ。



冬将軍の来る前に!


大きなストーブに足が生えて
風前の灯であることは
明確なのだから、
現役で未だ稼動しているとはいえ
この際新規購入を決意すべし!

19日に購入した
コロナFF-VG35YAは、
壁穴の位置が合わず、
カリストやイオには設置出来。
仕方なく書斎に設置し
書斎の現役ストーブをイオに設置。


な、訳ないよな!

カリストもイオも
壁際から僅か11cmしか離れていない
位置に排気口があるので、
この排気口に合う
FFストーブを探すのは極めて難しい。

やっとたどり着いた
FF-VG35YAだが購入してみたら、
背面の排気口ホースは
壁際11cmの壁穴と
反対方向にあり、
排気口ホースを壁穴にセット出来ない。

そこで壁の中央に壁穴を
開けてある書斎にセットしたのだ。
しかしその後の調べで
F-10Rと云う別売の延長給排気セット
F-10Rを使えば、
壁際11cmの穴にストーブ背面の
排気ホースを導けるのでは!
と僅かな希望が生まれる。


山荘標高750mに調整

メーカーや設置業者に
問い合わせた結果、
可能性が見えて来た。
そこで駄目元で思い切って発注。

そうなると今度は
イオの風前の灯であるストーブを
カリストに移動し、最後の
お勤めを見届けてやらねば。

となると現在カリストの壁穴前に
置いてある移動可能な
FH-VX3616BYを
別部屋に運ぶ必要あり。
そこで2階の西クローゼットに
目を付けたが、運び込むには
先ず西クローゼットを片付けてと。

で、片付ける為には
クローゼットに棚がなければと
棚造りから開始。
何だこりゃまるで≪風吹けば
桶屋が儲かる≫じゃ! 


右壁との距離11cmで設置不可

25年稼働しバトンタッチ!

別売の給排気筒設置


紅葉と共にやって来た最後のストーブ
冬の足音を聴きつけFFストーブが前庭を歩いてきた

ありゃ、大きな段ボールに脚が生えて歩いてきたぞ!
すっかり金色に染まった橡も紅を帯びた山法師や楓も、ワクワクドキドキしながら歩く段ボールを見詰めます。
重そうだね、何が入ってるんだろうね!
55kgもある超大きな段ボールが届いた時は吃驚したね、どうするのかと興味津々で観ていたら
仙人は作陶場に運んでもらって、組み立て書架に改造してたね。

今度は何かな?段ボールに書いてある字が見えるかい!CORONA FF-VG35YAだって
それって今年発売されたばかりの最新FFストーブかな!
てことは今まで25年間も山荘の冬と闘ってきた、あの日立のストーブはお払い箱になるってこと。
なんだか寂しいな。

でもさ、FFストーブって専門の設置業者じゃないと設置出来ないと説明書には書いてあるとか。
さてさてどうするのかね仙人は。
又きっと何度もなんども失敗してブーブー泣き言垂れながら、それでもへこたれずやるんかね!



花水木の白が紅葉
沢な時間
11月8日(木)晴


子供の頃のことです。
「赤い風船」という映画を
学校から観に行く日があり、
とても楽しみにしていたのに、
その朝目が覚めたら
高い熱が出てしまい、
登校できなくなりました。


赤の花水木に落ちる夕日


それなのに或る年、
やっぱりその日の朝から熱を出して、
私は父と留守番、おいおい泣きました。

そんな風に愉しみに
待ち焦がれていた行事に
突然参加できなくなった時の、

まるで自分だけが
置いてけぼりになったような悔しさと
哀しさとやり切れなさを、
多分子供の頃から
人より多く
経験して来たような気がします。

  

滝上の雑木も真っ赤に!

何処までも延びる蔓


小学校の通学路沿いにあった我が家、
映画鑑賞へ向かう
同級生たちがワイワイ賑やかに
通り過ぎていくのを、
こっそり布団から抜け出して

窓の隙間から眺めて
いるしかなかった
ことを想い出しました。

同じようなことが他にもありましたが、
何故か「赤い風船」という
題名だけは鮮明に覚えているのです。


親戚が吉祥寺の家に集い、
毎年子どもたちの為に
クリスマスパーティーを開いてくれました。
プレゼントの交換や美味しい料理は
勿論ですが、その時だけしか
食べられない三色アイスが登場、
バニラ、チョコ、ストロベリーの

定番ですが、
サンタクロースや雪だるま、
ツリーなどの形に作られた
そのアイスは本当に美味しくて、
子ども時代の
何よりの楽しみだったのです。


 

大きな葉の躑躅種 

紅の混じった黄葉

見事な橡の黄金

 


テラスからの紅葉観賞もいいね!

そんな時は世界に
独りぼっちで
取り残されているようでした。

高校の時にも、
ユニークな国語の教師が
とっておきの面白い話を
我がクラスにだけ

披露してくれる
ことになっていたのに、
やっぱり参加できず。
体育祭の前に喘息が出てしまい、
この時は何とか登校したけど、
応援席で見学だけ。


そういえば、青いけしの山行の
初めの頃、張り切っていたのに
喘息起こして
参加できなかったことがありました。


まるで見本帳にでも
したいくらいの抜けるような青空で、
秋でした。
あの時も何度も空を見ては
悔しいより哀しかった。


幼いころから、
あまり丈夫な体質ではなく、
小児喘息に苦しめられ、扁桃腺も
しょっちゅう腫らして
熱を出してました。

扁桃腺はアメリカに行く前に
手術して取りましたが、
でもそのせいでいったん風邪ひくと
一気に咳が
酷くなるような気がします。


圧巻の紅葉



山茶花と満天星

山行を重ね、
何より雪山を登るようになってから、
ほんとうに丈夫に
なったと自覚してます。


やっぱり山を歩き、
森の空気を
いっぱいに吸い込むことが、
身体には何よりだった
のかもしれないとおもいます。


風呂場窓の満天星

山の空気が足りないから、
また元に戻ってしまうのかななんて
淋しく思ったりするけど、
それでもやっぱり丈夫になった。

それなのに、
一番楽しみにしてる日に
熱出す癖は
直ってないのかもしれません。

秋の終わりの北アルプスや



炎のようだね!

南アルプスの山々を、
ワクワクしながら歩いた時間が
掛けがえのない宝物として
想い出すことが出きると、
何処へも行かれなくとも何故か

贅沢な時間が
過ぎていくような気がしています。

それぞれの山頂の光が、
心の中で渾然として
輝いているかのようです。


毎年愉しみな紅葉風呂

風呂窓からの楓

湯にどっぷり浸かって観!



遠い街から山荘まで飛んで来た紅い風船
(山荘西畑 2018/9/1画像)

観ているのは現実ではなく
心象に描かれた1つの想いであっただなんて、
何故直ぐに気づかなかったのか!

「紅い風船」が鮮やかにインプットされたのも、
手の届かぬ現実と乖離してしまった想いが
絡んでいるのでは!
紅い風船

想いが同じ1つに収斂されている。
現実に≪山荘の日々≫に身を置いていながら、秋の光は
現実を超えて1つの想いにあることに気づく。
その想いが生きていることを豊かにしてくれる。

前庭の橡の放つ黄金の光と
山法師や楓の紅が余りに美しくて哀しいのは、
1つの想いを込めた
心象風景をキャンバスにして描かれているからだと気づいた。


スルリ子供の手を離れ旅に出た風船
(山荘西畑 2018/9/1画像) 



Next