1561ページー2018年  霜月

ライトアップされるイオの夜明け
捨てられたハンガー再利用しLED取付

長く沈黙していたイオがLEDの淡く仄白い光の中で甦った。
硫黄の波紋を描く火口の湖に突き出した山から、噴射される藍白い巨大なイオの体液が動きを取り戻す。
怒張する柱となって数百kmの高さまで昇り詰め、直径1千kmに及ぶ華麗な笠を開きイオの大地に着床する。

片付けているクローゼットから見たこともない変な黒いハンガーが出て来た。
25cmの平板プラスチックに5つ穴が開いていて、両端に60度ほど開いた弧状環が嵌め込んである。
どうも狭いクローゼットに重ねてシャツなどを下げる機能を持っているらしいが、使いようもないので捨てた。

夜中に「もしやあのハンガー、工夫すればイオ壁画の照明に使えるのでは!」 と気づいたのだ。
愉しい試行錯誤を繰り返しているうちに、
全く予期せぬ偶然の発見をしたりして棄てた筈のハンガーが、見事照明アームに変身!
最近にない試行錯誤の成功に大喜びの仙人でした。 



ハンガー2つ組み合わせ

その先にLED取付け
一旦は塵箱に入れられた
廃棄物が
新たな存在意義を見出され、
ちょっと小洒落た
絵画照明器具になっただけで
仙人が大喜びするには、
訳があるのだ。
仙人と廃棄物が重なっている
からに違いない。


塵箱に入れられたのは
ハンガーではなくて仙人そのもの。
そいつが塵どころか
どっからどう観てもハイセンスな、
小粋な照明アームに
なってイオのドラマに参加してる
のだから仙人が、
興奮するのも無理はない。
こうして塵は脱皮して
再び生命活動に馳せ参じるのだ。

夜になると甦るイオ

アマルティアにも良いね!




俺もが欲しい!と仮面が
光と奏鳴

その時々の碧の色や
森の佇まいや
風の戦ぎが呼び寄せる
心象に合わせて
楽曲を選ぶように、
光を選べないだろうか!

阿修羅の台座に
灯を埋め込み、破壊の神シバに
光を当てたり、
イオの壁画を
ライトアップしてみたり。

そんな風にオブジェの1つ1つに
灯を仕込み、
心象に合わせて楽曲を選ぶように
光をコーディネートしてみよう。

さて身廊にアンサンブルする
楽曲と光はいずれか!
創造主の祭壇へ導く
音と光のシンフォニーは在るのか!

イオと歓喜を奏でる仮面



テラスに咲き乱れる山茶花
終活の秋

心から涙がポタポタ落ちた。
片づけると云うことが
こんなにも哀しいことだなんて
初めての経験。

買ってから未だ一度も
使ってない包装すら解いてない
羽布団カバーや枕カバーなどは
早速使ってやることにした。



滝上にひっそり咲く白山茶花

樹麗や悠樹のスキー服や
手袋、ゴーグルなんぞが
出てきた時は、
使うことも捨てることも出来ず
泣けてしまった。


鍵盤紅葉

何が哀しいのだろう。
時間のフィルターに掛けられた
あの美しい時が
決して戻らないと
改めて認識することが
哀しいのだろうか!

 

秋の芝桜開花

時々刻々この瞬間は
過去となり決して戻りはしないと
ずーっと昔から解っていたのに、
恰も時間の流れを

止めてしまったかのように
あの時のまま何も変わらず
小さなスキー服が現れただけで、
心から涙がポタポタ落ちる。


松葉菊も秋の陽に


新テラスをる11月の向日葵
11月2日(金)晴 寒みー!今朝は1.8℃だぜ!

昨日の山荘最低気温を観たらなんと1.8℃。
今朝はもっと下がるかと夜明けに卓上の外気温計を観たら3℃、これは
外気温センサーが寝室ストーブの排気口近くの壁にあるので影響を受けているのかも。
ストーブを点けなくても寝室のPC、電灯、人間の放つ熱源が壁に伝わり、センサーにも影響した可能性あり。

最低気温が5℃以下になると紅葉が急速に深まる。
山荘も楓が紅さを増し、橡や銀杏が黄金の光を放ち始めた。
白と紅白の山茶花が花数を一気に増やし、
マイナス10℃にもなる山荘の寒さの前に、咲いてしまおうと焦っているような狂い咲き!




干柿前に過熟

これが頗る美味
山荘は墓だ!

扇山から湧き出る清水が
山荘原野を奔り、
作陶場蛇口に最初の分水をし
奥庭の滝口上に至る。
此処で更に山荘水道タンクと滝へと
導水管は分岐する。

滝口上で撒かれた仙人の骨粉は
滝と共にチベット龍の口から
奥庭に流れ落ち、
クレソンの育つ小さな疎水路を経て
蝦蟇や錦鯉の棲む池へと注ぐ。

オーバーフローした池の水は
キッチンの排水と合流し前庭に流れ、
石卓下の嘗ての水琴窟に落ちる。


水琴窟の工事をしてから
最早密やかな琴の音色は聞こえないが、
工事前には
随分愉しませてもらった。

水琴窟を出た水は中庭を縦断し、
奥庭と中庭の結節点で
葡萄畑に落下する。
葡萄畑を西から東へと駆け抜け、
林檎畑の入り口を横切り
冬の駐車場に下り滝川に至る。

つまり滝上に撒かれた仙人の骨粉は
山荘をぐるりと一巡し、
富士川、太平洋へと連なる滝川に注ぐ。
山荘全体が仙人の墓標となり、
母なる海と繋がるのだ。

莢蒾(ガマズミ)

ログに吊るした鷹爪


音と光のシンフォニーK2氷河
 吹き抜けのガラスのカンパニュラがパガニーニの『ラ・カンパネラ』を謳う!

山荘の夜明けはストレッチ、筋トレ、大地の耕作に熱い汗を流すことから始まる。
想定外の闖入者が現われ、この流れが乱されると焦る。
今朝はトイレや風呂についている3つ換気扇不調が闖入者となり、慌てふためきながら修理作業に追われる。
序だと焼けのやんぱちになって、玄関のヒマラヤ遠征で撮
った氷河大型画像の照明ライト設置を始める。

アームの角度は氷河大型画像の中央を捉え申し分ないのだが、
ライトの位置が高すぎてスイッチに手が届かず脚立を使うことにした。
まっ、日々照明を当てたり切ったりする訳ではないしこれで良いかと思っていたが、
この面倒くささが結局照明使用頻度を落とすことに気づいた。
手の届く位置までライトを下げると≪遥かなりK2氷河≫のタイトルの上にアームが重なり見苦しくなってしまう。



バルトロ氷河
ニコロ・パガニーニの
ヴァイオリン協奏曲第2番第3楽章の
ロンドとK2氷河を
光でコーディネートしてみよう。


K2(8611m)とブロードピーク(8047m)

我々の隊荷を運ぶポーター

それならいっその事
タイトルを画像の上に持ってきたら
どうだろうと位置調整したが、
そうすると今度はライトが
画像の真芯を捉えず
下半部に焦点がきてしまう。

この焦点を上部にもって来るには
アームの角度をもっと急角度に
曲げ直さねばならないが、
一度熱加工しているので
これ以上加熱すると
折れてしまう懼れあり。
何とか慎重に曲げることには成功したが、


今度は曲げ過ぎてしまい
画像の中心部より上に光の焦点が
移動してしまった。参ったな!
もう一度加熱したら
間違いなく折れてしまう。
これが最後の1本なので失敗したら
やり直しは出来ない。
暫くこのままで使用するしかない。

ライトを下げたら画像とライトの間が
大分広くなったので、上に
移動したタイトルを下に戻す。
画像、タイトル、ライトのバランスが取れ
怪我の功名で、
焦点調整の失敗の失点をカバー。


29年前の1989年が虚空に浮く

正面にK2が迫る



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